ラブライブ!サンシャイン!!×仮面ライダードライブサーガ 仮面ライダーソニック 作:Master Tree
心恋さんに書いて頂いた三次小説のおかげでモチベが戻ったので投稿します
この物語を読む前にとりあえずこれまでのお話(2期分だけでok)と度近亭心恋さん作の
『彼女はなぜ模造されたのか』を読んでおく事をお勧めします。
本当マジであの人すごいや…神。
これまでのサンシャインサーガ!
その1 全霊の果て〜それは報われるのか〜
地方予選を突破し、ついにラブライブ決勝へ駒を進めたAqours達。
残すところは学校存続か否かというところだったが…
あと一歩というところで、それは叶わず。
浦の星女学院は正式な統廃合が決定してしまった。
失意に暮れていたAqoursや隼斗達。
だが、Aqoursは学校の仲間たち、隼斗は霧香博士に背中を押されて再び立ち上がる。
学校の名前をラブライブの歴史に残す為、己の守るべきものを最後まで守り続ける為に
Aqoursと隼斗達仮面ライダーは再び夢に向かって飛び立つのであった。
その2 番外編(モロ本編)
彼女はなぜ模造されたのか
とある日曜日。気分転換という事で、果南と2人で出かけることになった隼斗。
沼津の街を思い思いに巡る2人だったが、そんな中でのロイミュードの襲撃。
果南の姿をコピーした027に翻弄され苦戦していたが、加えて突如として殺し屋を名乗る謎の少女 ジュリアンと融合 融合進化態であるイミテーション・ロイミュードへと進化を遂げる。
武器を複製され一時は圧倒され地に伏せられるも、果南に対する想いの強さで隼斗は再び立ち上がり、最後はブレイヴソニックの超高速の連斬で敵を撃破した。
だがジュリアンは生存、謎のローブの人物達と接触をしており…?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
キリカラボ
「これで…よしっと」
浦の星女学院の地下にある秘密のラボの主、一時霧香はこれまでのソニックの戦闘データをコンピューターで整理していた。
「この間のトレーニングも、それなりに成果はあったようだね。全く…まさかその為とはいえ昔の黒歴史を引っ張り出すことになるとはねぇ…」
『別次元の存在とその干渉について』そう書かれた論文のデータを見ながら、彼女は深い溜息を漏らした。
「だが、これも全て君に強くなってもらう為……
そう言って画面の中の少年に触れ、独り言のように霧香はつぶやいた。
「君ならなれるかな?……………隼斗」
「俺がどうかしたか?」
「っ!?」
私は驚いて声がした方をバッと振り向く。
するとそこにはいつも通り着崩したYシャツとネクタイの上に、お気に入りのフード付きジャケットを羽織った隼斗の姿があった。
「隼斗…いつからそこに?」
「『私の夢を叶える為だ』の辺りだな」
「そ、そうか…(危ない…ギリギリ聴かれてなかったようだな…)」
「それよりなんだよ、博士の夢って」
「・・・内緒だ」
「なんだよ!?教えてくれたっていいだろそれぐらい!」
「嫌だね。それよりほら!直ったぞ!」
話を無理やり終わらせ、彼にあるものを投げ渡す。
黒いタイヤのついた銃のような武器。
ゴルドドライブとの戦闘で破損、修復していたゼンリンシューターBS(ブルーソニック)だ。
「お、やっとか〜!いや煌風やブラッシャーも悪かねぇけどやっぱこういう手頃な武器は無いと困るからな」
「一応弾丸発射速度とゼンリン攻撃の威力は5.55%向上している。以前より耐久性もアップさせたからそう簡単には壊れない筈だ」
「いつもありがとな、博士」
「気にするな、私と君の仲だろう?ほら、早く行きたまえ!みんな待ってるだろう?」
「ああそうだった!そんじゃ!」
そう言うと隼斗は駆け足でラボを去っていった。
その背中を見送り、椅子に深く座り直す。
「…頑張ってくれよ、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
スクールアイドル部 部室
「わぁ〜!可愛い!」
「見て見て!こっちのも綺麗だよ!」
「純白の衣…ヨハネには似合わないわね。」
「いやいや、善子ちゃん案外似合うかもずらよ?」
「そ、そう…?じゃなくてヨハネ!」
「カナンはこっちなんていいんじゃない?」
「わ、私!?これは…うーん…」
「うーっす遅くなっ…何してんだお前ら?」
「あ、隼斗君」
「ちょうど良かった!ハヤトはどれが良いと思う!?」
そう言って鞠莉が見せてきたのは一冊の雑誌だった。どうやらウェディング系のものの様だが…
「ドレス?」
「実はこの辺りの教会で今度ブライダル雑誌の撮影があるらしくて…モデルをやってくれないかって」
「わたくし達にその話が回ってきたんですの。この町の宣伝も兼ねてということで」
「今、その為のドレスを選んでるところなんだ」
「モデルねぇ…ふーん…」
そう言って雑誌のページをパラパラとめくっていく。
王道の白いものに、赤、青…更には黒なんてのもあった。
「色々あるんだな」
「隼斗はどんな色が良いと思う?」
「色?そうだな…メンバー全員共通か各個人かによって異なるが…水色なんてどうよ?」
「なるほど、Aqoursと同じ色ってことか」
「俺っち黒がいいと思うゼ?」
「黒か〜」
「ダーク過ぎるのもどうかと思うけどね」
「…あ、そうだ思イ出した…」
「どうしたの憐くん?」
「俺っちが街で聞いた噂なんだけど…」
ルビィに尋ねられ、憐は自身が聞いていた噂話について話し始めた。
「ここ何ヶ月か、奇妙な事件があってナ…その名も『花嫁強風喪失事件』」
『花嫁強風喪失事件???』
「アア、ここらの教会デの挙式の最中に突如として強い風が吹いたかと思いきや式の途中で新婦が消え去る…しかも、前兆無しで突然起こるから警察も動けネーって…」
「なるほど…そりゃたしかに奇妙だな」
「ロイミュード関係、かな?」
「強風と聞くと
「アイツ、というとここ最近鳴りを潜めてるという…」
「008、だろうな…」
曜とダイヤの言葉に、一体のロイミュードを思い浮かべる。
ナンバー008 トルネード。同じ風属性同士ということである種のライバルのような存在と考えている。ナンバーだけなら最強クラス、どうするかを考えないとだが…
「でも、ソイツが犯人だったとしてどうやって捕まえるの?そもそも結婚式なんて早々あちこちでやってるものじゃないだろうし…」
「そうなんだよなぁ…」
『うーん…………………』
「話は聞かせてもらった!!」
そこにやってきたのはラボの整理を終えて戻ってきた霧香博士だった。
「博士!あとちょっとうるせえ」
「霧香先生!」
「私に良い考えがある。今回のその撮影とやらを利用させてもらおうじゃないか!
ま、向こうのクライアントには悪いけどね。」
「今回の撮影を?」
「どーするの先生?」
「それはだな…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
内浦近郊某教会
「はい!OKでーす!黒澤ダイヤさんありがとうございまーす!!」
迎えた当日。
俺達+博士が見守る中、撮影のリハーサルが始まった。
「(しかし、上手く行くのか?式の
時は前日まで遡る…
沼津の練習スタジオ内
『結婚式劇場作戦!?』
驚くメンバー達の前で霧香博士はペンとホワイトボードを使って詳しい説明を始める。
「ああ、仕組みはこうだ。まず、予定通りに撮影の方を進めさせる。
続いて式の途中風景の写真を撮る時に誰か1人に新郎役、もう1人に新婦役をやってもらって本当に結婚式をやってる風に進めていく。
そうすればヤツは必ず食いついてくるはず!正に完璧な作戦だ…さすが私!天才的だ…!」
片手で顔を覆うようにして自画自賛する霧香博士。いや天才的っつーか…
「悪魔的の間違いだろ」
「ソーソー」
「悪魔的!?」
「善子ちゃんステイずら」
「つまり、みんなして囮になるって事だよね?それって不味いんじゃ…」
「その為に俺らがいるんだよ!心配すんな速攻で潰すから」
「っていうか隼斗、そのトルネードってどんなやつなの?」
「ああ、それはな…」
果南と曜に言われ、俺は知ってる限りの頭の中の情報を引き出す。
「やつのコピー元の人間はジョージ白鐘…海外で活躍してた、業界じゃ超有名なファッションデザイナーだ」
「ルビィ見たことある!すっごい綺麗だったなぁ…あの人の服…」
「アイツの目的は『海の見える教会で首元が最高に綺麗な女性に、自身が作ったネックレスを付ける』…それを果たす事で最高に強くなる超進化ってのを目的にしてたらしい」
「超進化?」
「ロイミュードは特定の人間の感情を極める事で今以上に強くなる可能性を秘めている。それが超進化だ。
過去に超進化を遂げたのは全部で5体。
001 フリーズ。002 ハート。003 ブレン。
009 メディック。そして099 エンジェル。
ドライブ先輩達もかつてアイツと戦ったことがあるらしい。ま、どれもこれも倒されてるけどな」
「それに、そのトルネードってのはハートに匹敵するレベルの強さだって聞いてル」
「今回の作戦はそれを阻止する為でもある。
蛮野が消えた今脅威となるのはロイミュードのみ。その中でもヤツは特に厄介だからな。隼斗、憐。ここでトルネードとカタをつける。そう考えておいてくれ」
「了解。」
「ガッテン!」
「そしてAqours諸君。今回の作戦は君達の全面的な協力あって初めて成立するものだ。今回は今まで以上に少し危ないが…危険を承知で君達に協力を要請したい」
「勿論、俺達が全力で護衛に徹する」
「それでも無理そうナラ…」
「大丈夫!」
真っ先に手を挙げたのは千歌だった。
「やれるよ、私達なら!」
「千歌…」
「みんな、やろう!今まで私達は隼斗君達にたっくさん助けられた。今度は私達が隼斗君達を助ける番だよ!」
「確かに、助けられっぱなしはイヤだもんね!」
「曜サン!」
「2人だけじゃ心配だし…付き合うわよ」
「儀式にて敵を誘き寄せる…正にうってつけの舞台!」
「梨子…善子…」
「マル達に…出来ることがあるなら!」
「ルビィも!」
「マルちゃん、ルビィちゃん…」
「後輩達に任せてわたくし達は傍観、なんてのはブッブーですわね」
「一連タクショー!やりまショウ!」
「鞠莉、ダイヤさん…!」
「まあ、こんだけ言われちゃあね…ちゃんと私のこと、守ってよ?」
「果南姉ちゃん…………もちろん!!」
「よし!満場一致だな!作戦名は…名付けて『嵐を超える者達』!
一丸となってトルネードを打ち破るぞ!」
『オー!!!!!!!!!!!』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さて、そろそろか…」
「天城隼斗さん!狩夜憐さん!準備お願いします!」
「「はーい!!」」
「一時先生もこちらに」
「ああ、はい!」
さて、俺は確か神父の役だっけか。
よーっし着替えに行くか………
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ってなるはずだったんだがなぁ…
「天城隼斗さん、貴方は松浦果南を妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも。妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「・・・」
「隼斗さん?」
「いやこっちかよ!?」
俺は何故か白のYシャツに同色のネクタイ、更にブルーのベストとジャケットの…要するにタキシード姿で神父さんの前に立ってる。
「なに言ってんだ、さっき話しただろう変更になったって」
「いやいやんなの聞いてね……」
数時間前 控室にて
ドライバーを入念にチェックする隼斗。黙々と作業し集中していた。
そこへ霧香博士がドアを少し開けて覗き込み…
「隼斗〜?」
「ん」
「新郎役、憐から君に変更になったからな!」
「ん」
「あと新婦役決めジャンケンの結果果南くんになったから!じゃあよろしく!」
「ん〜………」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あの時かっ………!!しかも何ちゃっかりジャンケンで大事な役決めてんだ!」
「適当に話を聞いてた君が悪い。さぁさぁ頑張りたまえ〜!夢にまで見た舞台だぞ〜?」
「このクソ科学者め…!!」
畜生あのニヤケ顔ぶん殴りてぇ…今すぐとは言わねえけど…!
「隼斗?ほら続けないと…」
「え?…あ…」
声のした方を振り向くと…そこにはいつもと違って髪を下ろし、鮮やかなブルーのドレスに身を包み更にはプロの人のメイクによって数十倍は美しさを増した果南姉ちゃんの姿があった。
その姿に、俺は確実に心を奪われていた。
「…隼斗?」
「あーはい!分かってる!分かってるよ!?誓う!誓います!」
「テンパってんナ…」
「そりゃあ果南ちゃん相手ならこうなるでしょ…」
「状況が状況とはいえ、もう少ししっかりして欲しいですわね…」
「very beautiful!最高じゃない!!」
「鞠〜莉〜!!」
「あの、続けても?」
「あ、すいません。どうぞ」
「松浦果南さん。
貴方は天城隼斗を夫とし 健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも。
夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「…はい、誓います!」
動揺する俺に比べて、姉ちゃんはハッキリとそう答えた。
流石というかなんというか…ぶれねえな…
「では、指輪の交換を…」
「あ、やるんすね…」
この神父役の人確か今回の撮影の現場責任者の人だっけ?結構ノリノリか?
とりあえず以前貰っていた指輪を代用品として指輪交換は済ませた。
「最後にもう一度問います。隼斗さん、果南さん。お二人は変わらず、これからの人生を共に支え合い、助け合っていくことを誓いますか?」
神父さんの問い。
誓うかって?Stupid.演技だろうが本当だろうが、俺の答えは変わらない。
守り続けると、約束したから。
これが演技だと分かっていても、本当じゃないとしても、私はもちろんこう言う。
大切な幼馴染。私を守ってくれる弟分。
けど隼斗はすっごく危なっかしいから、私が側にいてあげないと。
だから
「「誓います」」
ピッタリ揃った肯定の言葉。
お互いに目が合って、思わず笑みが溢れた。
よし、これで一先ず全部終わり…
「では、誓いの口づけを」
「「やんの!!!?」」
思わず2人揃って大声が出てしまう。
いやいやいや演技とはいえそこまでやるか!?
「いやいやいや!私聞いてないよ!?」
「いやいや俺もだって!はか…先生!どういうことだ!?」
「いやいやこういうのは最後までやらないと〜。それに、君も果南くん相手なら本望だろう?」
「え?まぁ…」
「隼斗?」
「じゃなくて!!現役スクールアイドルとマネージャーで幼馴染とはいえ俺って!ちょっと色々不味いんじゃ…」
「なーにこれが雑誌の撮影ってのはちゃーんと説明されるんだしいいだろ!さーさーいったれいったれ〜!!」
「先生も悪ノリしないでください!!」
「そそそそうだぜ!いくら撮影の為とはいえ…姉ちゃんだって嫌だろうし…」
「え?別に嫌ってわけじゃないよ?」
「ほら!姉ちゃんもそう言って………は?」
「いやだから、いいよって」
「…は?」
いや待って?思考が追いつかん。
え?撮影なのに?誓いのキスしろって?
しかも姉ちゃん普通にやろうとしてるし。
え?いいの?ファーストよ?
「隼斗〜。まさか忘れたの?隼斗がすっっごく幼い頃。一緒におままごとした時、隼斗と私で夫婦役やってて……」
え?そんなことあった?えーと昔…昔…
あー…
「あー……待って。ぼんやり…すごくぼんやりとだけど…あー……思い出してきた」
「でしょ?だから今更だってば」
「いやいやそれとこれとは話が別だってば!あれから何年経ってると思ってんの!?」
「隼斗ノリノリだったじゃん」
「アレは昔の話だろ!?今俺17!姉ちゃん18!今と昔とじゃ意味が違うよ!!」
「もー!隼斗くん!そんなうだうだ言わないの!男の子でしょー!!」
「そーだそーだ!らしくないぞ隼斗!」
「これも大事なお仕事でしょ?隼斗君!」
「先輩!がんばルビィ!!」
「例えこれは偽りでも…その想いに嘘偽りは無いのであろう!?」
「気合入れるずらー!」
「ホレホレ!キース!キース!」
「お前らなぁ…!」
「ハヤト〜!思いっきり!カナンへのありったけのLOVEを込めて!!」
「これもわたくし達の為ですのよ?…まあ、少し賛成できないところはありますが…」
「〜っ!!あーもう分かった!分かったよ!!すりゃいいんだろすりゃあ!!」
こうなりゃ最後までやり切るのみだ!!
とりあえず…深呼吸して心を落ち着ける。
「姉ちゃん……」
「隼斗…?」
顔の前にかかっていたベールを取り、後ろに退かす。そして、そっと両手で彼女の頬に手を触れた。
「…いくよ?」
「…ん」
ふっと微笑むと、こちらに委ねるかのように姉ちゃんはゆっくりと目を閉じた。
あああああああ…本当クッッッッソ美人。
こういう場じゃなかったら即座にキスしてるレベルには本当美人。もうマジ世界一。これだけで日頃のストレス即座に消滅する。
今ならどんな敵が来ても瞬殺できる自信しかない。ロイミュードでも鬼でも悪魔でも究極の闇でもバッチこい。
本っっ当に今この場に撮影兼作戦でいる事が悔やまれる。
恨むぞ神様…いるかどうか分かんねえけど。あと姉ちゃん、ごめんなこんな時に。
でも………
いつの日かちゃんとした形でまたしたいから
今日は今日、いつかはいつかって割り切って今はするよ。
俺も目を閉じ、そのまま顔を近づけていく。
少しずつ…少しずつ…2人の唇が近づいていく。
そして………………………
風が吹いた。
立っていても吹き飛ばされそうなほどの強い風が。
「っ!来たか!」
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ !?』
「飛ばされちゃう〜!」
「ミンナ!こっちへ!ハーさん!」
「分かってる!姉ちゃん!」
「っ!うんっ!」
左手で即座に果南姉ちゃんを抱き寄せ、隠し持っていたゼンリンシューターを取り出す。
そして狙いを定め…
「そこだっ!」
一点に向かって銃弾を放った。
扉の方に向かっていったその弾は、1人の男の腕に弾き飛ばされた。
「ほう、やるじゃねえか。あの時から少しは成長したらしいな。」
「やっぱりお前だったんだな!ロイミュード008!」
扉の所にいたのは、バックパッカーのような服装の帽子を被った伊達男。
トルネードの人間体だ。
「お前…風の坊主か。少しはマシな男の顔になったな」
「お褒めに預かり光栄だな。今まで何してやがった!」
「別にどうってことはねえさ。今となっちゃ目的もないも無い。気の向くままに、世界をさすらっていた。俺はトルネード…世界を駆ける…」
「情熱の風、だろ?」
「そういうことだ」
「攫った人達を何処へやった!」
「フン…俺が素直に答えると思うか?」
「だったら力づくだ!博士!」
「ああ!皆さん!すまないけど外へ!」
「え?だ、だが…」
「ああそうだ。ここは関係者以外出入りはやめな。じゃねえと…」
そういうと奴は自身の肉体を歪ませると本来の姿であるトルネード・ロイミュードの姿へと変化した。
「怪物だぁぁぁぁ!!!?」
それを見た途端、一斉に式場内にいた人達が一目散に逃げていき、俺達だけが残った。
「うーし、これで心置きなく暴れられるな。」
マッハドライバーMk-IIを装着。
憐も同じようにドライバーを装着すると俺の隣に並び立つ。
「勝負だトルネード!ここでお前とケリを着ける!」
「やれるものなら…やってみろ!」
そういうとトルネードは小型の竜巻をこちらに放ってくる。
『ー!』
だが、それはステンドグラスを割って舞い降りてきたブレイヴファルコンによってそれは切り裂かれ霧散。
そして、体から射出されたシグナルブレイヴが俺の手元に納まる。
「行くぞ!」
《Evolution!》
《SignalBike!》
「Are You Ready?」
「OK!」
「超……」
「「Hensin(変身)!!」」
《Brave!TAKE OFF‼︎》
《Rider!Slayer!!》
素体となるブレイヴスタンバイフェイズに分解、変化したブレイヴファルコンが装甲となって合体。
憐も鎧をその身に纏いそれぞれブレイヴソニックとスレイヤーに変身した。
「勇気と奇跡がもたらす翼!望む未来を掴むため、俺の正義を貫き通す!仮面ライダー…ブレイヴソニック!!」
「この世の悪党、魑魅魍魎!全てを狩り尽くす漆黒の戦士!仮面ライダースレイヤー!!」
俺は煌風とゼンリンシューター、憐は両手のスレイクローを構えて向かっていく。
「こい」
「行くぜ!」
「ッシャア!!」
駆け出すスレイヤーを置き去りジェット機を凌駕する速度で接近。
飛行能力を使って少しだけ床から浮く事で、リニアモーターカーのように地面との摩擦を無くし超高速での戦闘を可能とするブレイヴの十八番である。
「あ、ミンナ!外にヒナン!!」
「オッケーだ!みんな!こっちへ!」
憐がそう言うと博士に連れられAqoursの面々は教会の外へと走って出て行った。
「憐!お前はみんなを頼む!コイツは俺が!」
「わかっタ!」
それを聞いた憐もみんなを追って外に出た。
それを確認すると翼に力を入れて一気に突っ込む。
「先手必勝!!」
そのまま煌風を振り下ろすも、それはトルネードの渦を巻く腕に防がれる。
だが、それを予期していたかのように左手のゼンリンシューターから弾丸を連射。
右腕を振り下ろしてくるも、それを紙一重で右に避けてもう一度銃撃。
そして煌風で一閃。
「ぬぅ…」
至近距離から撃たれたトルネードは火花を散らしながら後ずさる。
「まだまだ!」
即座に空中を蹴って加速。ブレイヴソニックの特徴は攻撃力+スピードにスペックガン振りの速攻。
この姿の時は相手に休む暇すら与えない。
《ゼンリン!》
煌風の刃をゼンリンシューターに当てそのまま回転。
光を纏ったゼンリンと刃を連続で叩きつける。
「チッ…!」
2つの武器の攻撃を喰らうと 自身の高速移動能力でトルネードはその場から距離を取り、竜巻による攻撃を放ってくる。
「ウイング・ザ・アブゾーブ!」
だが、ブレイヴソニックの能力でその竜巻を霧散させ無効化。
一度地面に足を下ろすと、すかさず煌風を鞘に収め直す。そのまま居合のように構えると、側面にあるスロットにシグナルソニックをセットする。
《必殺!ぁふるすろっとる!!》
「急に和風だな…まぁいいや!特訓の成果、見せてやるぜ!いくぜ新技!
我流剣技一刀流…」
足に力を込め、そのまま高速で接近。
そして…
「
一気に間合いに入り、抜刀術の要領での鋭い斬撃を繰り出す。それは、さながら濃霧すら討ち払う程の一振り。その一撃はトルネードを大きくふっ飛ばした。
「wow…確実にあの時よりも強くなっている…何があった?」
「強くなってるのはそっちだけじゃねぇって事だ。お前がいない間、俺だってそれなりに修羅場潜って来てんだよ」
クルクルと煌風とゼンリンシューターを同時に回しながら思い返す。
つい最近にも謎の殺し屋女とやり合ったり、ゴルドドライブぶちのめしたりと意外と上級クラスの敵とやり合っている。
戦闘のレベルは着実に上がってきていると、自分でも思う。
「いいぜ…その強さ…傷つき、傷つき…そして磨かれてカッコよくなる…それでこそ倒し甲斐があるってもんだ。」
「奇遇だな。俺も同感だ…ロイミュードと戦ってて、こんなに手応えを感じるのは珍しいからな!こんな事本当は言いたかねぇが…楽しい、って感じる」
「ハートがあの人間に肩入れしていたのも頷ける。…お前、名前は?」
「…天城隼斗。仮面ライダーソニック」
「天城隼斗…お前とここで決着を着けるのは惜しい、今は目的の方を優先させてもらうとするぜ」
「目的だと?蛮野もいないのに何を今更!」
「あんなダサい奴はどうでもいい。超進化し、俺は更に強くなる!お前との決着はその時にお預けだ」
そう言うとトルネードはその場で高速回転、竜巻そのものとなる。
「っ!待てッ!?」
ブレイヴの影響で突風によるダメージは無いに等しいが、激突による衝撃は発生する為多少のノックバックが発生。
怯んだ隙にトルネードは席や壁を壊しながら外へと逃げていった。
「逃げた…?ッ!姉ちゃん達!!」
嫌な予感がする。刀を鞘に収めるとすぐさま外へと駆け出した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
一方、憐達は教会から離れた場所まで逃げてきていた。
ドレスで走った為か皆疲れており、立ち止まって休憩していた。
「ふぃ…ミンナいる!?」
「千歌いまーす!」
「ヨーソロー!」
「いるけど…」
「まるはここずら!」
「ルビィも!」
「堕天使ヨハネ、此処に」
「marryイマース!」
「わたくしもいますわよ。」
「いるけど…」
「ついでに私もだ。」
「ハーさん大丈夫カナ…」
「仲間の心配か?悠長なことだな。」
「ッ!」
そこへ竜巻となったトルネードが降りて来る。
「008…!」
憐はすぐさま全員を庇うように立ち塞がり、クローを構えた。
「もう1人の仮面ライダーか……む?」
それを見てトルネードも構えるが、ある1人にその視線は向けられていた。
青い髪と同色のドレス…
「…?」
「見つけた…!新しい運命の相手だ!」
そう、果南である。
「…え、私!?」
「オマエ!まさかとは思うが…!」
「そこのブルーヘアのレディ、一緒に来てもらうぞ。」
「んな事…俺っちがさせっかヨ!!」
スレイヤーが両手のクローを構え駆け出した。
「フンッ!」
だが、トルネードは右腕から竜巻を起こすとそれをスレイヤーにむけて放った。
「ッ!やべ!」
腕を交差させ即座にガードの体勢を取るが、トルネードの強力な突風に耐えきれず吹き飛ばされてしまった。
「うわぁぁぁぁ!?」
「憐くん!」
「ッ!コンチクショウ!」
なんとか着地するも、トルネードは立て続けに竜巻攻撃を放って来る。
「その手はもう喰らうか!」
だが憐はこれを地面にクローを突き刺す事で自らを固定。
竜巻による吹き飛ばし攻撃を凌いだ。
「っへへ…!」
「ほう…それなりに頭は回るらしいな。
だが…!」
トルネードが自身の体を捻って高速回転。
巨大な竜巻となる。
そしてスレイヤーに向かって突撃した。
「ザケンナ!ここで果南サン持ってかれたらハーさんに顔向けできネェ!!」
《ヒッサツ!Full throttle!Slayer!!》
「ハンティング・エンド!!」
「甘い」
フルスロットルを発動し飛び上がる。
爪による必殺斬撃、ハンティングエンドを繰り出すも、それはトルネードの纏う竜巻に巻き込まれてしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!?」
『憐(くん)(さん)!!』
そして、トルネードはそのままAqoursの面々の方へと向かっていくと全員を竜巻で巻き上げてしまった。
『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?』
「ぐるぐるする〜!?」
「ずら〜!?」
そして、気づいた時にはトルネードはその中から果南のみを抜き出し捕らえており、スレイヤーとAqoursメンバー達は地面に叩きつけられてしまった。
「このっ!離して!!」
「心配すんな、命までは取らねえ。だが少し俺に付き合ってもらうぞ。
黒い仮面ライダー、天城隼斗に伝えろ。
この女は預かる。
返して欲しければ、5日以内にセント・ミッシェルまで来るがいいとな」
そういうとトルネードは果南を連れ風と共にその場から消えてしまった。
「ッ!果南サン!!」
「カナン!?」
「果南姉ちゃぁぁぁぁぁん!!!」
そこへブレイヴソニックが高速で飛んできた。だが…
「っ!憐!トルネードは!?」
「…スマネェハーさん…やられた。」
「やられたって…おい、そういや姉ちゃんは?」
「…果南くんなら、008に攫われてしまった。」
「嘘だろ!?」
「ゴメン、隼斗君…。」
「姉ちゃん………果南姉ちゃん!!!!」
Aqours結婚式劇場作戦は失敗に終わってしまった。しかも果南姉ちゃんがまたしても敵の手に落ちるという最悪の展開も含めて。
けど、まだ終わりじゃねえ…終わってたまるか!
待ってろ果南姉ちゃん!俺が絶対に救い出してやるから!!
次回(後編)に続く。
次回 サンシャインサーガ!!
「ついにここまで来た…!!最高にカッコイイぜ、俺…!!」
トルネード、超進化!?
「ブレイヴの新たなる力!?」
「特訓ずら!!」
そして隼斗は……え、こんな時に修行!?
「超進化態に対抗するには…これしか無いのか…!?」
「多少のリスクは…覚悟の上だ!!」
「やめろ隼斗!!!!」
果南を救う為に……
「Clear mind!限界をブチ破り、速さのその先へ!」
ソニック、超絶進化!!
《O V E R - B R E A K!!》
第2期10話 速さの先にあるものは何か
久しぶりに小説書くのが楽しいって思いました。
特に結婚式(仮)シーンは作者的にお気に入りポイント高いです。
いつか真の式を挙げさせてあげたいものです。
というか憐をあまり活躍させてあげられないのが悩みどころ…
トルネード編はもうちょっとだけ続きます。
そして次回は、果南への愛が試される…?
それでは次回もお楽しみに!!