ラブライブ!サンシャイン!!×仮面ライダードライブサーガ 仮面ライダーソニック   作:Master Tree

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コラボ編第4話!
いよいよ事件の真相へ迫ります。スレイヤーも超進化!
そしてついに、あの人の謎が明かされます。

それでは本編どうぞ!!


ラブダブルコラボ編 第4話 Tを討て/真相を求めて

前回のサンシャインサーガ !

 

隼斗と憐は、スクールアイドルの仲間の手伝いをして欲しいと言われ、2人に連れられてとある場所に。

 

なんとそこは、あの音ノ木坂学院だった!

現役のμ'sのメンバーに出会い大興奮の2人。

だがそんな時、2本目の塔が出現!永斗の方とアラシの方で別の調査をする為人員分けがされるが、文化祭準備の方もあるせいか人を裂きすぎれば作業が遅れてしまうという事態に。

 

そこで隼斗は自分が代わりに手伝いをすると言い出し憐をアラシ・希・にこ達と共に調査に向かわせ、自身は文化祭準備の作業手伝いを始める。

 

その途中、隼斗は海未から話を聞きアラシの意外な一面を知る。あの一見すると人でなしな男の裏側に隠れていたのは、自分と同じく仲間を想う気持ちであった。

 

穂乃果の家で一晩を過ごした2人は、ついに決戦の日を迎えたのであった────

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

時は遡り、隼斗達が異世界のゲートに消えた後───

 

 

「えーと確か…あれでもない…これでもない…!!」

 

ここは、浦の星女学院地下にある隼斗達仮面ライダーの秘密基地『キリカラボ』

 

そこにあるコンピューターでラボの主である一時 霧香はとある資料を漁っていた。

 

「どう先生?見つかりそう?」

 

「もう少し待ってくれ…!あった!!」

 

勢いよく弾かれたエンターキーとその言葉にAqoursのメンバー全員が画面を覗き込む。

 

「…なんですかこれ?」

 

「論文…のようですわね。しかしこれは…」

 

梨子とダイヤが首を傾げる。

 

論文のタイトルは

『別次元の存在とその干渉について』

 

 

「別次元?」

 

「異次元の存在…!すなわち魔界も存在するということ!!」

 

「善子ちゃん、今はそれどころじゃないよ…」

「ヨハネよ!!」

 

「霧香先生、これって…」

 

いつもの善子の言い方にルビィも思わず静止する。千歌の問いに霧香は椅子に深く腰掛けながら答えた。

 

「これはかつて、ある科学者が書いた論文でね。文字通り別の世界…並行世界の存在を証明し…そして、その世界へ干渉する方法などを記した論文さ。最もこの論文は既にこの世には存在しない…はずだった」

 

『はずだった?』

 

「why?なんでなの?」

 

 

「論文の著者が、研究データごとこの論文を抹消したからさ。その科学者は学界から己の存在を消し…この研究があったという事実ごと存在を消した…らしい」

 

「そんな…どうして?」

 

「悪用されるのを恐れたんだろうね。恐らくは今回のようなことが起こりうるということを危惧したんだろう」

 

「確かに…別世界の存在なんて知られたら」

「それを悪用しようとする人も現れる…良い人ばかりじゃないからね」

 

梨子と曜が口々にそう言う。

すると果南がふと思ったことを霧香に訪ねた。

 

「ところで、この研究をしてた科学者の人っていうのは…」

 

「分からないと言っただろう?存在ごと研究に関しては消しているんだ。そんなもの…」

 

すると霧香の言葉を遮るようにダイヤが挙手をし、話し始めた。

 

「いえ、分かりますわ。…ただ1人を除いて」

 

「ダイヤ、分かるの?」

 

「ええ。そもそも皆さん、おかしいとは思いませんか?

 

何故、その科学者の方が消したはずの論文が残っているのか」

 

『!?』

 

「何故敵が隼斗さん達を別世界に飛ばしたと分かったのか。何故そのデータがこの基地に存在しているのか。その答えはただ一つ…」

 

「…まさか」

 

その言葉で全員の視線が1人に向く。

 

「『別次元の存在とその干渉について』この論文を書いた研究者はあなたですわね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時霧香先生」

 

 

 

「……フッ。流石は、黒澤家の御令嬢。頭のキレることで」

 

 

笑みを溢し、ダイヤの推理を称賛する霧香。そう、かつてその研究をしていたのはここにいる一時霧香その人であったのだ。

 

 

「まさか、先生が…」

 

 

「何故消したはずの論文が残っていたのかは知らないけどね。私にとってそいつは黒歴史みたいなものさ」

 

「黒歴史?」

「うぐっ」

 

1人流れ弾を喰らった堕天使が1人いたがそれは気にせず、博士は論文を睨みながらもそう答えた。

 

「まさか、先生が今回の黒幕なんじゃ…」

「やめるずら善子ちゃん!」

「いくら先生でもそんなこと…」

 

「いくら私でもって…これまで私が散々悪いことをしてきたような言いようだな…」

 

している。

デッドヒートⅡのフルバーストシステムによる暴走、ブレイヴのオーバーブレイクによる、隼斗に莫大な負荷のかかるシステム作成。

そしてAqoursメンバーと憐は知る由もない、例の事件。前科三犯どころではない。

 

「だいぶしてると思いますけど…」

 

果南の言葉に対し、気まずくなった霧香は咳払いを一つすると、話を切り替えた。

 

「んんっ!ともかくだ!大方あの男が何処からかあれを見つけてきて、今回の件を企てたんだろう。だからこそ…私がケリをつけなくてはならない。他の誰でもない…私がな」

 

 

「霧香先生…」

 

「…先生、隼斗達を助ける方法は何か無いんですか!?」

 

「カナン…」

 

「現状こちらから助けに行くというのは不可能だ。何処の世界に行ったかも分からない以上は…いや、待てよ…あの方法なら…!」

 

「先生?」

 

すると霧香は、コンピューターを操作し通話ソフトを起動する。そこに数字やアルファベットが入り乱れた複雑なコードを入力すると『非常用特殊電波帯回線』というのを起動した。

 

「よし、使えるな…!みんな、私に1日時間を欲しい。そうすれば、なんとか向こうと連絡を取れるシステム作成を試みる」

 

「出来るんですか!?」

 

「私を誰だと思ってるんだい?一時霧香、浦の星女学院の教員にして仮面ライダーのサポーター!天才科学者を舐めるなよ!」

 

「お願いします!」

 

そうして霧香はキーボードを叩き出し、早速作業に取り掛かった。

 

 

「甘く見るなよコソ泥…天才を敵に回した事、後悔させてやるとも…!!」

 

 

 

この世界の何処かに潜んでいるであろうあの男に、確かな敵対心を燃やしながら。

 

 

 

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「arriving…っと。ここだな」

 

永斗少年の『検索』とやらを駆使し、俺達は憂鬱一派の足取り追跡を開始。アラシと憐はそれぞれ別の場所を調査中。瞬樹くんは何故か行方不明。

 

そして今俺が来ているこのゴミ処理場だが、昨日まであったはずの捨てられていた廃車やら瓦礫やらが突如として消え去ったのだという。それの聞き込みをしに来た。

 

一連の騒動の元凶が組織の元幹部『憂鬱』を名乗る男、『エルバ』だということ判明。

二つの世界を巡る決戦が始まろうとしていた。ちなみに組織の幹部というのは現状七つあるらしく、上から順に『憤怒』『色欲』『傲慢』『嫉妬』『強欲』『暴食』『怠惰』

 

いずれも7つの大罪から取られたWordだ。

これをつけたボスは神様か何かか?なんでこのワードを選んだのかが気になる所だがとりあえず今はどうでもいい。ちなみにだが怠惰は今のところ空席なんだとか。何故かは知らないけどな。っと…それはいいんだそれは。

それより……あ、いたいた。ここの職員の人だな。

 

「excuse me?」

 

「はい?」

 

「あ、またやっちまった…失礼。実は今ちょっと調べ物をしてまして…ここにあったものが急に消えたってのは本当なんですか?」

 

「ああ、2日前くらい…だったかな?朝ここに来たらそれまで積まれていたはずのものが急に無くなっていたんだよ。監視カメラとかを確認しても何も分からなかったし…まぁ、何かが盗まれたってわけじゃ無いし、こちらとしてはゴミが無くなって助かってるしね。特に困ってないから警察にも言ってないんだ」

 

なるほど…ま、普通の人からすりゃあゴミが無くなってたら感謝しかないわな。

まあそのせいであのどデカい塔が立ってるんだが…と、遠くに見えるタワーが作った塔を見ながら思った。

 

 

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「あー!あの時のおにいさんじゃん!超ぐーぜん!昨日ぶり?」

 

「ですね。また会うことになるとは…ああそうそう…お姉さん、今ちょっと調べ物してるんすけど…こんなヤツ見た?」

 

調査の帰り道のこと。今やってるのは消えたロイミュード探しだ。聞き込みの途中、昨日調査中に出会った女子高生にまたしても会った。

 

俺が見せたのは、永斗少年が描いた106の絵…を清書した物。アラシ達から聞いた話によれば、ダブルと戦った後重加速を発動して逃げ延びたらしいが────

 

「あ、見た見た!なんか空飛んでったよ?」

 

「どっち?ってか写真とかあると嬉しいんだけど…」

 

「んーとね〜あっちだったかな?珍しかったからウチ写真撮りたかったんだけどなんか急に体が重くなってどんより〜って感じで〜」

 

「撮れなかった、と」

 

「そうそう!」

 

そうか…写真がありゃ方角とかを永斗少年が調べてくれそうだったんだが…どんよりってことはアイツこの世界で重加速使ったってことか…

 

「あっちね…」

 

とりあえず方角だけは覚えとくか。

よし、俺の担当はここまでだな…事務所に戻るか…

 

「あ、お兄さん!せっかくまた会えたんだしウチ達と遊んでかない?お兄さん結構イケメンだし、友達も気に入ると思うよ?」

 

「あぁ悪い、ちょっとこの後用事があって…それが終わってまた何処かで会えたらその時は考えとくよ。んじゃ、see you!!」

 

止めておいたバイクに乗り込むと逃げるようにその場から去った。口約束だし、どのみちもう二度と会うことはないだろう。俺はこの世界の人間じゃないのだから。

 

それに俺には姉ちゃんがいますし?そこらのJKなど今更OUT of 眼中だ。

 

 

 

 

 

で、事務所に戻ると肝心の永斗少年は………

 

 

「おいコラ!テメェいつまで寝てんだこのボケが!」

 

「うるさい…いーじゃん僕いなくても。せっかく2人増えたんだし、浮いた人数はちゃんと有効活用しないと……」

 

「手がいくらあっても足りないって分かってんだろ!おら動け!朝飯食え!」

 

 

なんかめちゃくちゃダラけてた。おいおい…昨日までのめちゃくちゃ優秀で常識人の君は何処いったのさ……

 

「今んとこ出てんのが塔三本。憂鬱の一派の足取りは全く掴めねぇ」

 

「前はあのスーザって奴が勝手してたっぽいから会えたが、あれ以降徹底した作戦を取ってるみたいだな…」

 

「確かにタワーはアホだったケドあのフーディエっていう姉さんはマジメそうだったしナ」

 

「奴らが行動を終わらす前に動くには、お前の本棚が必要なんだ。キビキビ働け永斗」

 

「へいへい…」

 

また『本棚』か…なんだそれ?見たところこの事務所を見る限りそれなりに本はあるみたいだがそれで敵のことが分かるなんてのは…

 

「前から気になってたんだけど、その本棚ってなんだ?」

 

「あー言ってなかったっけ」

「お前が説明面倒くさがるからだろ」

 

 

その後アラシから『地球の本棚』とやらについて説明した。簡単に言えば地球上の全てを閲覧できるデータベース、なんだとか。

oh my god…この少年が生きるG○○gleとは恐れ入った…

 

「つまるところ、その本棚であの時俺達の事も調べられたってことか…I'm Understand.ってかすげえな地球の本棚」

 

「でしょ?だから僕はあんまり外出しないんです。というわけで……はいこれ」

 

そう言うと永斗少年は俺達3人に集めた情報を纏めたメモ書きのようなものを手渡した。

 

俺と憐も捜査に参加した為か、効率が格段に上がって予定より早く情報は集まったらしい。一方アラシの方は、永斗少年の情報から『憂鬱』が使っていたとされる施設を発見。

憐の方も俺同様に廃工場などを調査していたが、瓦礫などが綺麗さっぱり消えていたのを確認したらしい。

 

そして永斗少年の情報によると、タワー・ドーパントは塔を作る時にその立てる場所の近くにいる必要があるらしい。後から出た2本の時もその近くに潜んでたって事か…

 

「消えた材料の量から見積もって雑に計算すると……塔3本分ってとこかな」

 

「今日の朝の1本と、さらに2本…これで合計5本か。キリがいいな」

 

「とにかく、タワーは塔を作りにまた現れる!てこたぁ塔の出る場所さえ分かりゃぶっ倒せるってことだ!」

 

「隼斗さんもアラシに劣らず脳筋だねー」

 

「追跡、撲滅!いずれもMach!それが分かったなら、さっさとアイツを見つけてぶっ潰す!そうだろ?」

 

「あとやっぱ気になるって言えバ、その憂鬱のアジト……」

 

 

憐の言葉を遮り、俺の携帯が鳴り響いた。

なんだと息をつく一同だが、ふと思った。

別世界から来た俺に一体誰が電話を掛けてくる?穂乃果さん達とは結局連絡先交換してないし…

 

不審に思いながらも俺はポケットからスマホを取り出す。

するとそこに表示されていたのは────

 

 

 

「『霧香博士』!!!?」

 

「マジ!?博士カラ!?」

 

 

「博士?」

 

「誰だそいつ?」

 

「俺達の顧問でうちの学校の教師。んでもって仮面ライダーとしての協力者の…とにかく今はそんなのどうでもいいんだ!早く出ないと……もしもし!!!?」

 

 

『ん?おい、真っ暗だぞ!しかも何も見えない…』

 

「真っ暗?」

 

ふと画面を見てみると、そこにはウェーブのかかった長髪を靡かせYシャツの上に茶色のベストを着て白衣を羽織った見慣れた顔が。

間違いなく博士だった。

ってテレビ電話かよ……すぐに耳からスマホを離しデスクの上に置いた。

 

『ああ見えた見えた!やっと繋がったか!こちらキリカラボ!2人…も無事か!?』

 

「博士!ああ、こっちは2人ともなんとか無事だ!ってかどうやってケータイ繋げたんだよ!?」

 

『フン!愚…だな隼斗!私は君たちのためにい…でいろんな発明をしてきた女だぜ?一…も有れば別の世界と回線を繋…る装置など…おい曜くん!角度が悪い!戻…てくれ!そうそうそっち方向…オッケー固定!戻ってきてくれ!』

 

多少音声がぶつ切りになるが、どうやら博士が向こうとこちらの電波を繋げる装置を作ってたらしい。本当何でもできるなこの人…

 

「誰だコイツ」

 

「こいつとか言うな!この人はなぁ…」

 

『いい質問だ目つきの悪い少年A!ならば答えよう!私の名は一時 霧香(ひととき きりか)。そこにいる天城隼斗と狩夜憐の所属するスクールアイドル部顧問にして浦の星女学院の化学担当教師!しかしてその正体は………一言で言うならばそう!天才科学者だ!!』

 

アラシに問われ、自信満々に答える博士。

だがアラシはまたしても胡散臭いモノを見る目をしていたのを俺は見逃さなかった。

 

『おっと滑った?そこはほら、もっとさー盛り上がってくれたまえよ〜人が自己紹介してるんだからさぁ〜』

 

「博士、それは後にしてくれ。あ、こいつらは切風アラシと士門永斗少年。こっちの世界で協力を取り付けた高校生探偵コンビで、この世界の仮面ライダー達だ!」

 

『高校生探偵だぁ?馬鹿も休み休み言いたまえよ。そんなコ○ンじゃないんだから…………ちょっと待て!仮面ライダー!?仮面ライダーって言ったか!』

 

「ああ、んでもってこの異世界迷子の預かり人だ。アンタがコイツらの保護者か?」

 

『ああ、切風少年…と言ったね。彼らが無事ということは君たちが助けてくれたんだな。まずは礼を言うよ。彼らの無事を知れただけでも、私たちはみんな安心している』

 

「博士!姉ちゃんはいるか!?一応俺は無事だって伝えて…」

 

『隼斗!隼斗いるの!?』

 

霧香博士をすごい勢いで押し退けて現れたのは、青いポニーテールを揺らした愛しき果南姉ちゃん。ってか今博士吹っ飛ばなかった?

 

「もしもし姉ちゃん?とりあえず俺無事だから…」

 

『馬鹿!また心配かけて…今度こそ隼斗が…』

 

「前にも言ったでしょ?姉ちゃんがいてくれる限り俺は不死身だって!」

 

『隼斗……』

 

ああ、画面越しでも感じるこの安心感。

生きててよかった…

 

「すいませーんイチャつくの後にしてもらっていいですかね隼斗さん?」

 

『そ、その通りだな士門少年…痛てて……思いの外強かったな…

 

吹っ飛ばされた霧香博士が画面下から戻ってきた。

…なんだ永斗少年その目は。言いたいことがあるなら言ってみろ。

 

 

「あ、ああ悪い、つい…」

 

「その人が果南さん?あ、確かに美人…それと博士?僕は士門永斗。先の他己紹介の通り探偵やってる仮面ライダーの片割れでーす」

 

『ああ、よろしくな士門くん。でだ隼斗、憐。2人がそちらの世界に飛ばされた件だが…こちらでも少し調べた結果ある事が分かった』

 

「何が分かったんだ!?」

 

『あの謎のドーパント男…私の過去の黒歴史を悪用して今回の事件を起こしやがったんだ』

 

「黒歴史?」

「ドーユーことよ博士?」

 

『Aqoursの面々には話したが…改めて君たちに話そう。そこの探偵くん達も聞いてくれたまえ』

 

「黒歴史ってのはどういうことだ。まさかお前が…」

「一応聞いとこうよアラシ、まだ敵だと決めつけるにはいくらなんでも早すぎるよ」

 

すると、霧香博士は話し始めた。

自分のかつてのことについて────

 

『私は君たちの前にこうして現れる前…とある研究をしていたんだ。それが、並行世界の存在論』

 

「並行世界の?」

 

『多次元存在干渉論…私はかつてそれを研究する1人のしがない科学者だった。だがある日研究をしてる途中で思ったんだ。私はこの研究を続けていいのか、とね』

 

「何でだよ?並行世界なんて割と浪漫のある話だと思うけど…」

 

「悪用されることを恐れたんだろ。現にお前らが今の騒ぎの渦中に巻き込まれてるじゃねえか」

「奇遇だね。僕も同じこと考えてたよ。アラシと意見が合うなんてめっずらし」

「黙ってろ。で、どうしたんだよ?」

 

『私は一度自分の研究を論文として纏めた。が…それを世に出すことなく消し去ることに決めた。世に出してしまって、もしも悪用されるぐらいなら…研究が無駄になるのはキツイものがあったけどね。それで救われるものがあるなら…そう思ってのことだった』

 

「だがその論文を誰かが見つけてしまったと…」

 

『ああ。全く誰がこんな事を…』

 

「それについてならこっちで調べがついてる。永斗少年!」

 

「はいはい…えーと霧香博士。あなた達の教え子2人をこっちの世界に飛ばしたの奴なんですけど…奴の名前はエルバ。僕らが戦ってるガイアメモリをばら撒いてる組織の元幹部で…異世界に追放されたはずの奴です」

 

『エルバ…それがアイツの名前か』

 

「はい、なんか知らないけど本来他の幹部の力で飛ばされた時点で死んでるはずなんですけどアイツ生きてたらしくて…」

 

『今回の事件を起こした、と…一体なんの為に…』

 

「正直それは今のところ不明。僕らでも調査中です」

「それで博士、もう一つ言っておく事があるんだが…」

 

『なんだい?』

 

「俺達とは別に、どうやらロイミュードも一体こっちに来てたらしい。ナンバーは106。アラシと永斗少年が一度戦ったらしいけど逃げられて…こっちに関しても今調査中だ」

 

『もう一体ロイミュードが!?そして今回の異世界へのゲート…なるほどな………』

 

「なるほどってどういう事だよ?」

 

『いいかい?今回隼斗達が飛ばされた件だが…これは私が考えていた別世界への転移を可能とする理論と似たようなものだ』

 

 

 

1人納得したような霧香に対しアラシがもったいぶるなと言わんばかりに疑問をぶつける。

博士はホワイトボードを持ってくると、ペンを用いて解説を始めた。

 

『まず初めにその指定した世界の座標を算出し…その世界にマーカー…言うなれば目印となるものを送り込む。

 

このマーカーが、今回の場合はロイミュード106だったんだろう。あとは別世界に繋げるゲートを作り出せる装置を作り、それを使って転移…といった感じだ』

 

簡易的なイラストをホワイトボードに描き込んでいき、矢印で繋ぎ合わせる。なるほど…意外と分かりやすい仕組みだな。

 

「なるほど単純。その装置となるものが、隼斗さんの言ってたデータに無いロイミュードだったってことだね。それで博士さん、こっちも色々と聞きたいことあるんだけど」

 

『何かな?』

 

「世界転移の理論を全部。どーにもエルバがこっちの世界戻るために色々やってるみたいで、その辺を推理するのに理論を知らなきゃ無理ゲーなんですよ」

 

『ふむ…この通信がいつまで持つか分からない。教えるとなるとかなりの突貫作業になるが、君のような少年に理解できるとはとても……』

 

「あ、その辺は心配なく。僕は天才なので」

 

『ほう…!そこまで言うなら見せてもらおう。付いてきたまえ士門少年!まず世界間のゲートというのは血管の弁のようになっており───』

 

 

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「───ってことだよね博士」

 

『正解だ士門少年。43点をあげよう!』

 

あ、終わったか。

俺も途中までは頑張って聞いてたんだがソニックを作った時とは次元が違うレベルの専門用語と概念に数式、理論etc...

どうやら脳がまたover heatしてたらしい。

 

 

「数字が中途半端過ぎんだろ」

 

『あとの57点は無事にこっちに隼斗達が戻って来てく…たらあ…られ…ん……が…』

 

アラシが博士の言葉に思わずつっこんだ。

そう言った途端、突如画面がテレビの砂嵐のようになり、音声にもノイズがかかり始めた。

 

「博士?おい博士!」

 

『す……ん!時…切れらしい!ともかく切風くん!士門くん!2人を……頼………』

 

 

その言葉を言い切る前に、テレビ電話は砂嵐。通信は途絶えてしまった。

 

「クソ…やっぱ世界間の通信には無理があんのか…!?でも何はともあれ、姉ちゃん達が無事でよかった……」

 

とりあえず、向こうの世界は大丈夫そうだ。けど悠長にしてられねえ…なんとかしねえと…

 

「すごいね彼女。僕は天才だけど新しいこと考えるのは苦手だから、あぁいう理論は思いつかないし現代科学で世界間通信なんか作れない」

 

「俺っちから見りゃエイくんも大概だけどナ…」

 

「同じ開発職の博士って言っても、師匠とは大分違ったな」

 

「あー山神博士ね。僕会ったことないけど。

とにかくあっちの状況は分かったし、超大事な情報も入った。今の通信はかなり大きいよ」

 

開発職の博士?師匠?また気になるワードが出てきたがとりあえず後回しにするか……

 

「アラシ」

 

「分かってる。次は憂鬱の元アジトだな」

 

「随分と神妙ダナ。アジトっていってももう使われてないんダロ?そんなとこわざわざ行く必要あんのカ?」

 

「いやそれがそうでもないんだよ憐くん。あのフーディエとかいう人、ハチャメチャに忠誠心と主君愛がヤバい。主君のエルバが昔使ってた部屋なんて、絶対そのままにしてある。重要な情報も置いてあるに決まってる」

 

「なるほどな…てことは当然、余所者には入って欲しくないってことだ。そうなると相当強い見張りがいるはず…だろ永斗少年」

 

永斗少年は無言で頷くと、その見張りについてを話し始めた。

 

 

「憂鬱の戦闘員、グリウス・コベルシア。エルバの配下の中じゃ戦闘力は三本の指に入る危険な男だ。使うメモリは『スコミムス』」

 

「スコミムス?なんだそりゃ」

 

「聞いたことあるゼ、確か水場に住む恐竜!」

 

「俺も聞いたことあるかも。恐竜キ○グだったか?」

「やっぱ恐竜って少年の夢だよナ!」

 

今度恐竜系強化形態でも作ってもらうか?とか考えたけど既にドラゴン型(メテオデッドヒート)があったな…と思ったのでやめた。

 

「スコミムス・ドーパントは『ワニもどき』の名の通り、アジトの傍の湖に標的を引きずり込んで一方的な虐殺を展開する。アジトの建物はグルっと湖に囲まれてるから、正攻法では侵入不可能だね」

 

「そんなの空飛べばいいじゃねえか…ってそうだ今鳥いないんじゃん!…あっ!でも俺達の持ってるこのメテオデッドヒートなら…」

 

「当然、空の門番もいるよ。フーディエのメモリ…サテライトの自動迎撃衛星だ。飛行物体は全て衛星がシャットアウトする。もし飛んで行こうものならレーザー一斉照射で湖に叩き墜とされるね」

 

shit…制空権も取られてると来たか。

鳥がいなくてもメテオデッドヒートで飛べるが…いやワンチャンメテオの防御装甲ならレーザー程度防げる…保証はねえか相手幹部格だもんな…

 

それに相手が水中を得意とするドーパントだとこっちにまず勝ち目はねぇ。

 

今のソニックとスレイヤーには水中戦を想定した姿が無い。空中を対処できても水中に引き込まれたら詰む可能性が大いにある。

 

どうしたものかと考えあぐねているとアラシが……

 

「お前が行け、音速チビ」

 

あ、俺?ご指名とは珍しい……ああ゛!?

 

「音速チビ…俺のことか!?だからお前いい加減に……」

 

いや待て、今コイツ俺に……

ああ、そういうことかよ!ったくわかり辛え言い方しやがって!!

 

「ったく…言い方ってあるだろうよ。上等だ探偵(ディテクティブ)、お前の信頼ってやつに応えてやるよ!」

 

「おぉ、チビから音速チビ。不良探偵から探偵。お互い昇格だアツいね」

 

「両方とも素直じゃないカンジだケド」

 

「お前らと俺は塔出現地点の予想だ。余計な事言ってねぇで働け」

 

「ガッテンしょーち!!」

 

 

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「よし。今のとこ塔は3本、場所を地図に書き込むと…」

 

 

壁に貼られた地図にアラシサンが印を付けていく。ハーさんが敵の拠点の攻略に向かった後、俺っち達はあのタワーって奴ガ建ててる塔について調べを進めていタ。

 

 

「塔の場所を結ぶト…おぉっ!これは二等辺三角形ダナ!」

 

「塔で図形を描くっていう観点は合ってると思うんだけど、やっぱり3本じゃ特定まではいかないかな。4本目まで分かればいけそうなんだけど…」

 

「待てよ。そもそも塔には材料がいるんだ、そんな大量の瓦礫やらを運ぶんだから目立ちもするだろ。そこを叩けばいい話じゃねぇか」

 

「それもそーだよナ。タワーが近くにいなきゃ塔は作れないカラ、同時に塔を建てられることもナイ。4本目を見てからでも十分間に合うんじゃないカ?」

 

「まぁ、確かにそれならラクチンだけどさ…」

 

 

そうだったら塔3本分を見過ごしていることにナル。ってかそもそもどうやって材料を運んダ?エイくんの知る限りだと、憂鬱ってのは構成員は少数で戦力層はそこまで厚くない。

あれだけの質量の運搬を可能にするメモリの使い手なんていないらしい。

 

 

「…それもそうだね。今は外を調べようか」

 

 

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で、エイくんの提案で外で憂鬱の連中を探していた俺っち達。

そこに飛来したのはシュヴァルツに持たせていたアラシサン達の携帯だった。『スタッグフォン』って言うらしイ。クワガタに変形するノカ……ガラケーとはいえ悪くないデザインダナ。

 

「…瞬樹が憂鬱の奴らを見つけたらしい」

 

「スゲーなシュバルツ」

 

「世の中はマジメな奴が馬鹿を見るって決まってんだ。仕方ねぇ、急いで助けに向かうか……」

 

 

と、走り出そうとした矢先。

もはや慣れてきた轟音と共に、遠くで鉄塔が大樹の如く生えてそびえ立った。

ん?待ってアレって……

 

「「瞬樹ぃぃぃぃぃ!?」」

 

鉄塔の天辺から何処かで見たようなゲーム(黒ひげ危機一髪)のように放り出された何かは……紛れもなくあの時の竜騎士の仮面ライダー……エデンことシュヴァルツだった。

 

ナンカいい笑顔でサムズアップするシュヴァルツが見えたのは多分気のせいダ……

 

 

「大丈夫カ、シュバルツ」

 

「すまない黒騎士…危うく天界に送られるところだった…竜騎士をも裁くバベルの塔……フッ…」

 

「こういうとこ見ると確かにヨっちゃんそっくりダナ」

 

「まぁアホの尊い犠牲のおかげで4本目の塔も出た。これで次の話に進めるな」

 

 

「死んでないぞ!」

 

地図に4つ目の印を入れた。

その配置を見れば、5本目の場所は簡単ニ予測できル。

 

 

「やっぱり星形。それも一番メジャーな五芒星だね。まだ確定じゃないにせよ、ここに狙いを付けてよさそうだ」

 

「あんまり期待してねぇが瞬樹、他になんか気付いたことは?」

 

「タワーの変身者は天才だ!あの塔はとてもカッコいい!」

 

「期待しただけ無駄だった」

 

「待て待て!まだだ!まだあるぞ!えっと…そうだ、鉄の山がいきなり出て来てそれが塔になったぞ!一緒に現れた機械のドーパントは超強かった!敵のボスはエルバという名前らしい!」

 

「シュバルツ…それ分かってることばっかダゾ…」

 

アラシサンは早速自分のバイクに跨って出発の素振りを見せる。目的地は分かり切っている。

 

 

「五番目の塔の場所に行くんダナ!俺っちも行くゼ!」

 

「じゃ僕は事務所帰ってお昼寝タイムってことで…」

 

「もしかしてだけど、エイくんって結構自堕落?」

 

「結構どころか自堕落の擬人化だ。帰るならついでに瞬樹を見張ってろ。瞬樹、お前次勝手にどっか行ったら事務所のお前用七味唐辛子を全部砂糖にすっからな」

 

「悪魔ァ!?」

 

あ、なんか事務所に置いてあったアレってそういうことだったのナ…どうやらシュヴァルツ、かなりの頻度で事務所に厄介になってるらしいゼ?なんでも鬼畜な同居人がいるとかなんとか……

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

バイクを走らせ、たどり着いた場所。

そこにいたのは────

 

「ここが第五の塔、出現予測地点だ。待ち伏せでもするつもりだったが…」

 

「あぁ、どーやらアタリみたいダナ」

 

 

地面にうつ伏せで寝っ転がった上半身裸の男だった。ツッコミどころ満載の風貌はさておき、おそらくアイツが見張り。それがいるという事はここが出現地点だって言ってるようなモンだろ。

 

 

「なぁ、何してんダ?アンタ」

 

「シッ!静かにしてくれるか、おれは今…大地の声を聴いているんだ」

 

「また変な奴が出やがった……おい裸族、テメェの気色悪い趣味に付き合ってる暇はねぇんだ。関係ねぇならどっか行け。もしテメェが憂鬱の一味なら……」

 

《swamp!》

 

その警告が締められる前に、ゆらりと立ち上がった男は腹部にメモリを突き刺した。紫色のドーパントメモリ。刻まれた文字は沼と引きずり込まれる人間で描かれたS。

 

 

 

スワンプ(泥沼の記憶)のメモリ。

植物の根で辛うじて形を保った泥人形のような姿が、地面に溶けていくように消えると、

スワンプはアラシサンの傍に浮上する。

 

アラシサンが攻撃を回避しようとするガ、足元がぬかるんだようになっていることに気付いた。付近を泥沼に変化させる力を持っているらしい。

 

 

「おれの邪魔をした罰だ。土の中で反省するんだな」

 

「クソ、避けられねぇ…!?」

 

 

足元を固定されたせいで吹っ飛んで衝撃を逃がせない、受け身も取れない。こんな状態でドーパントの攻撃を喰らえば間違いなく全身が砕ける。

 

「行け!シグナルスレイヤー!」

 

シグナルスレイヤーを飛ばし、なんとかアラシさんへの攻撃を逸らし、俺っちも沈みゆくバイクを足場にして足元の自由を死守し、スワンプに蹴りを叩き込んだ。

 

 

「危ないトコだったな、アラシサン!」

 

「…あぁ、悪い。助かった」

 

「ココは俺っちに任せてよ。ハーさんにばっかカッコつけさせるわけにはいかねーからナ!」

 

俺っちはマッハドライバーMk-IIを取り出しテ腰に装着。シグナルスレイヤーを呼び戻シ、それを展開したドライバーにセット!

 

《SignalBike!Rider!》

 

「変身ッ!!」

 

《Rider!Slayer!!》

 

ガイド音声と共ニ、オオカミをモチーフにシタ黒い装甲ガ俺っちに装着されていく。鋭イ複眼に漆黒のボディー。そして自慢ノ両腕の3本爪『スレイクロー』が展開して俺っちを仮面ライダーとしての姿に変身させル!!

 

 

「おまえ、何者だ?」

 

 

「聞きたキャその耳カッポじり、その目を開いてよーく聞ケ!!」

 

腰を低くし、クローを構えたケモノの様ナ体勢になる。

 

「この世の悪党!魑魅魍魎!全テを狩り尽くす漆黒の戦士!仮面ライダースレイヤー!!」

 

そして右手のクローでその敵…『スワンプ・ドーパント』を指し、俺っちはハーさんリスペクトのいつもの口上ヲ高らかに言い放ツ。

 

「仮面ライダーだと…!?黒一色は聞いてないぞフーディエ…!」

 

「アンタが何考えてんだかはわかんねーケド…こっちもこっちで訳ありナンダ。邪魔をすんなら……ぶっ倒ス!!」

 

足場にしていたライドスレイヤーを蹴ってスワンプに向かって飛びかかル。

そして自慢の爪を振りかざすも、スワンプは溶けたように急にその場から消えた。

地面を転がり、なんとか体勢を立て直ス。

 

「消えた…!?何処ニ…」

 

「さっきのを忘れたのか!下から来るぞ!」

 

アラシサンに言われて地面を見ると、まるで水に物が落ちタ時にできる波紋のように地面が模様を描いてイテ、そこから泥人形の姿のスワンプが飛び出し俺っちに一撃。だがアラシサンの注意のおかげでクローでガードできた。

バックステップで距離を取り構え直す。

 

「今のを防いだ…だと」

 

「ワリ、助かった!」

 

「これで貸し借り無しだ。アイツは地面に潜って攻撃してくる、足元に気をつけて戦え!」

 

その言葉通り、スワンプは地面に潜っては現レ、潜っては現レの繰り返しで攻撃してクル。これじゃあマトモに攻撃もできネェ…!

 

 

「気をつけて戦えっつーケドさ!アラシサンもなんとかしてくれヨ!」

 

「無理に決まってんだろ!この状態じゃまともに動けねえしドライバーも出せねえよ!」

 

 

アラシサンの方ニ視線を向けるト、腰まで体が埋まっていた。確かにマトモに身動きが取れなくなってるラシイ。

 

 

「シャーねぇ!俺っちだけでなんとかするしかねーカァ!!」

 

《ズーット!Slayer!!》

 

ドライバー上部の『ブーストイグナイター』を連打しシフトアップ。

全身にエネルギーをチャージし、地面に手をついて狼のような格好デ構える。

 

「行っくゼェェェッ!!」

 

獲物を追いかけるオオカミの様に、泥沼と化した道を一気に走り抜けル。

地面がじっとしてたら沈んでいく泥沼だってんナラ、足ガ沈む前に駆け抜ける!あの忍者ガ水面を走る理論と同じ様ニ!!

 

「なにっ!?」

 

思わヌ力押しにスワンプもどうやら驚いているラシイ。咄嗟に地面に潜りまた姿を消してしまっタ。

 

「また消えやがった…気をつけろ!」

 

「わーってるヨ!ここハ……」

 

マスクの下で目を瞑り、耳と鼻ニ意識を集中。何処から来るかを勘デ探り当てル。

 

「………」

 

背後。ポコっと何かが泡立つような音が聞こえた!即座に振り返ると、そこにはスワンプガ。

 

「みっけた!」

 

 

「っ!しまっ…」

 

俺っちに気づかれると再び潜って逃げようとするスワンプ。

だがその隙を見逃す俺っちじゃあナイ!

 

「微塵切りダゼ!」

 

思い切り右手のクローを振り下ろし、スワンプの身体を引き裂いた。

 

「なっ……!」

 

その一撃でスワンプの身体ハ引き裂かれ、ドチャっという鈍い音と共に地面に落ちタ。

厄介ナ能力の割に意外にあっけなく倒しちまったカラ少し拍子抜けダナ……

 

「アレ?微塵切りどころか輪切りレベルで倒しちっタ…まーいいヤこれでジ・エンド…」

 

だが次の瞬間。

ぶった切ったハズのスワンプの体が巻き戻しのようにくっついていく。

そして数秒後には元通りになってしまっタ。

 

「まじかヨ!?」

 

「こいつ再生能力まで持ってんのか!」

 

「当然だ。今のおれはこの大地と一体化しているも同然!簡単に倒せると思うな!」

 

まるで泥団子のような弾を次々と連射しながらそう叫ぶスワンプ。

泥団子自体はそこまで強固では無く、容易くクローで切り崩せる。だガ……

 

「ッ!コイツ……!?」

 

ふと両手を見ると、付着した泥が硬質化してまるで土…いや、もはや岩のように固まっていタ。クローを封じられては俺っちは対処が難しくなる。

 

「腕ガ!?」

 

「どうだ。たかが泥と侮るな!土は遥か昔から人類が様々なものを造り出す為に使われてきた、正に大地の恵みそのもの!おまえ如きがおれを倒せると思うな!」

 

クローが封じられタのを良いことに接近し、殴り、蹴りの連続攻撃。辛うじて腕が上がるのでガードはできているが、このままじゃどーしようもネェ。

 

「流石に不味いナ……!」

 

「クッソ!変身さえできりゃあんなヤツ…!」

 

アラシサンもそろそろ限界ダ。

マジで早くケリをつけないト……

 

ん?変身………そーダ!!

 

 

「来イ!メテオデッドヒート!!」

 

俺っちの呼びかけに答え、空から小型のドラゴンとスポーツカーが一体化した様な真紅のシフトカーが飛んでくる。

ヘッドライト部分から勢いよく赤い炎を吐き出し、スワンプをノックバックさせタ。

 

「なに…?」

 

「なんだ、アレもあのバイクと同じやつか?」

 

 

そのシフトカー『シフトデッドヒートver.メテオカスタム』略してデッドヒートメテオを手に取り、ドライバーからシグナルスレイヤーを抜き取る。

 

「ぶっつけ本番だケド…やるしかねぇ!!」

 

リアウイング部分を押し、ドラゴンの咆哮と共にヘッドライトが点灯。上部の翼部分を折り畳み、変身シークエンスを起動スル。

 

《Burst!Overd Power!!》

 

そしテ、そのまま勢いよくドライバーに叩き込んだ!!

 

《SignalBike/Shift Car!》

 

《Rider!Dead Heat!Meteor!!》

 

 

「オオオオオッ!!」

 

すると、スレイヤーの周りに同じサイズの赤いドラゴンの装甲が現れ分解。それらが一つになっていく。

 

赤くゴツゴツとした装甲に、スレイヤー自慢の3本爪。黒かったソレの先端には赤い炎の様なものが追加されており、頭部の複眼は黄色く輝き、3本の角が追加されている。

背中のタイヤは2つの小型のモノになり、ハーさん同様にドラゴンの翼が生えている。

 

 

「なに……!?」

 

「進化……したのか…!?」

 

 

 

「悪鬼羅刹ヲ焼き尽くシ地獄をも焦がす龍の炎!全ての悪よ 俺っちの前に恐れ平伏セ!!仮面ライダースレイヤー

メテオデッドヒートフォーム!!」

 

 

赤黒く燃え上がる姿、正に煉獄のドラゴンの如ク。俺っちは遂にメテオデッドヒートフォームへと進化ヲ遂げた!!

 

「幾ら姿が変わった所で!」

 

スワンプが再び地面に潜ル。

また地面を泳いで接近してくる気ダロう。

ケド……!!

 

背中に力を込めると、背にあるドラゴンの翼型の飛行用装備『ドラゴフレアウイング』に炎を纏わせる。その直後、スワンプが目の前に現れ、その拳を振りかざしてくる。だが…

 

 

「喰らえ!!」

 

 

その瞬間、()()()()()()()()()()

 

 

「何っ!?」

 

「アイツ飛べんのかよ!」

 

「っハハー!空飛べんのはハーさんの専売特許じゃねぇんダゼ!!」

 

そして、そのまま空から急接近。

右のクローに炎を纏わセル。

 

「喰らエッ!!」

 

そして、さっきと同じようにスワンプの体をぶった切った。

 

「忘れたのか。幾ら切られようとおれの体は……」

 

「それはどうカナ?」

 

「なに…?」

 

自分の体を見るスワンプ。

見ると切った箇所が泥ではなくよりサラサラとした土になっていた。デッドヒートメテオの炎によって熱が加えられたことで、これで泥のようにくっついて元通り、という芸当はできナイ。

 

 

「馬鹿な!再生できないだと!?」

 

 

「アンタ、焼き物って知ってるカ?ホラ、お皿とか…壺トカ。アレも元をたどりゃタダの泥ダ。けど色々手を加えて熱を入れりゃたちまち硬くナル。んでもって割れモノ故に壊れやすい。その理論を使ったダケさ!!」

 

そのまま急接近。

左右のクローで切り付け、さらに右足で蹴り飛ばす。それらの攻撃全てに炎が加えられたことにより、泥はただの土塊と化す。

そうしてしまえば、泥を固めて再生の能力は使用不可能。

 

「なるほどな、アイツ中々考えは良いじゃねえか…あの音速チビの仲間なだけはあるか」

 

 

 

「くっ…馬鹿な!このおれがこんな奴に…!!」

 

スワンプが再び地面に潜ろうとするが、それだけではない。その泥状の腕を伸ばしスレイヤーの足を掴んでキタ。

 

 

「ヤッベ」

 

「底なしの地面に沈めてくれる!」

 

「エェッ!?おいおいおいちょっとマテマテマテ!!

 

 

 

 

 

 

 

…………………なんてナ」

 

息を吸うのと同時にスレイヤーメテオデッドヒートの口部装甲が展開。燃えるような赤いエネルギーが溜まっていく。

 

「なっ……!」

 

「まさかアレは…!」

 

そして、それをスワンプに向け一気に放射!

 

「ブレス・オブ・バーン!!!」

 

それは正に、ドラゴンのファイアブレス。

捕らえたのが仇となり、至近距離で放たれた凄まじい威力の火炎放射がたちまちスワンプの体を焼き上げ土へと変えていく。

 

「ぐおおおおおおおっ!!!?」

 

やがてスワンプは綺麗に焼き上げられ、焼き物の人形の出来上がり。ただの土と化した腕から簡単に抜け出し、再び上空へ。

 

 

「ウーン……土偶とか埴輪の方ガまだマシなデザインしてんナ…俺っち正直趣味じゃネェや。つー訳デ……」

 

 

《ヒッサツ!Volca Full throttle!Dead Heat!!》

 

《Meteor!!》

 

 

「これで最後ダ!」

 

ドライバーを展開。イグナイターを押してパネルを戻し、フルスロットルを発動。

 

右腕のクローが変形し、ガントレットのような形状へ変形したあとそれが展開。右腕に炎が集まっていく。

 

 

「くっ……!まだだ…おれは……!」

 

スワンプもなんとか動こうとするも、その身は既に焼き物。完全に硬質化してしまった体ではマトモに動くこともできない。

 

「ヨッちゃんじゃねーケド言わせてもらうゼ……

 

 

地獄の炎に焼かれて散りナ!!」

 

空に掲げた拳には赤黒く燃えたぎる炎が。

それを構えて、スワンプに向かって思い切り突き出ス。これが、俺っちの新必殺技!

 

 

「ヴォルカニック・ヘル・バースト!!!」

 

 

拳から撃ち出された炎はやがて竜の頭の様な形となり、スワンプを飲み込んだ。

いくら火に焼かれて完成する焼き物があるとはいえども、過剰に熱を加えればひび割れ、砕け散る。隕石の大気圏突入時の表面温度に匹敵する数千度もの炎がスワンプを焼き尽くし、爆散。

 

 

炎の中から先程の男が焦げた状態で出てきて倒れ、持っていたメモリも砕けた。

 

「よーし…いっちょアガリ!」

 

「まだアガリじゃねぇ!こっちを助けろ!」

 

「『助けてください』ダロ?ヤレヤレ……」

 

地面も元に戻っていたが、アラシサンは半身が埋まってた状態でドーパントを倒したせいか、地面に腰から下が埋まっていた。

 

「そら……ヨっと!!」

 

ガントレット状態の右腕で地面をぶん殴ってヒビを入れ、引っ張り出して救出した。

 

「で、コイツどーすんの?」

 

「あ?…とりあえずメモリは砕いたし、放置でいいだろ」

 

「ラジャー♪」

 

戦闘終了。

敵の無力化を完了した俺っちはドライバーからシフトデッドヒートメテオを抜き取り、パネルを下げて変身を解除シタ。ドラゴンの鎧がパージされ、纏っていたスーツが消える。

 

《オツカーレ!》

 

 

「後はここで待ち伏せシテ、残りの敵を待てばいいんダロ?楽勝じゃネ?」

 

「……いや、気になる。順調すぎるんだよ。確かに見張りは決して雑魚じゃなかったし、お前らがいなけりゃもっと手間取ってた。それにしても……だ」

 

そう言うとアラシサンはあのクワガタケータイ…『スタッグフォン』を取り出シ電話をかけタ。

 

『もしもし?どしたの、そっち着いた?見張りいた?』

 

「見張りはもう片付いた。それより検索だ!奴らは必ずまだ何かを温存してやがる。今ここで憂鬱の策を一切合切洗い出す!」

 

『検索って言ったって…めぼしい新情報はそこまで無いし……』

 

エイくんも何やら『検索』とヤラを渋っているみたいだった。すると、今度は俺っちのスマホが鳴る。ハーさんからだ……

 

 

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時はおよそ数時間前に遡る────

 

Meanwhile at that time.(一方その頃)

 

 

「やれやれここか…思いの外遠かったな」

 

途中立ち寄ったGo-HANYA (花陽さんイチ推しの店)のおにぎりを齧りながら目の前に広がる風景を見てふと呟く。

 

永斗少年に言われてやってきたのは、なんと栃木県のとある湖。まさか別世界で別の県に行くことになるとは思わなかった…。

 

都内からバイクでも2時間ちょいはかかったぞ?普通に行ったらどれだけ時間とガソリン代とかが掛かる事か……コアドライビアって本当便利。半永久機関みたいなもんだしな。

こんな素晴らしいものを開発してくれて本当にありがとうございます、クリム博士。

 

 

「さて、いっぺん情報を整理してみるか…」

 

永斗少年から貰っていたメモをジャケットから取り出して見る。

 

1. アジト跡地には『憂鬱』の戦闘員

グリウス・コベルシアがいる。

使用メモリは スコミムス。恐竜の一種で湖に標的を引きずり込んで倒しにくるらしい。

正攻法での侵入はまず不可能。

 

2.空からも無理ゲー。

サテライト・ドーパントとやらの自動迎撃衛星があり飛行物体は全て衛星がshut out.

敵が得意な水場での戦いを強いられることになる。

 

「ったく…ならせめて攻略法ぐらい書いといてくれよ永斗少年……けどま、なんとかするのがこの俺だし?さっさとその部下とやらをブチのめしてあのクソ探偵にbubble吹かせてやるぜ!」

 

食った後の包み紙を握りつぶして放り投げ、ライドソニックに跨る。

アクセルを蒸し、湖に向かった。

 

道路を走り近づいていくにつれ、やや人が増えてきている。確かここらは確か有名な観光地だった気がする。なのにこんな所にアジトなんてあったんだな…

 

「っし…行くぜ!!」

 

やや離れた森の中でバイクを停めルビィお手製の肩掛け袋から天下零剣 煌風を取り出し、ドライバーを装着。

ベルトの左側に煌風をセッティングし、戦闘準備を整えると湖に向かって歩きだす。が、ここで少し違和感を覚えた。

 

 

ふと目を向けると、森の木々に妙な傷がついていたのを見つけた。その大きさや形から、野生動物によってつけられた傷では無いことは確かだった。どちらかと言うとまるで刃物で人為的につけられた傷のような……

 

 

「しかもこの切り口……」

 

 

触ってみた感じかなり新しい…割と最近っぽいな…まさかとは思うがこっちの狙いが既にバレてた…?いやいやそんな事は…だとしたらとっくにこっちを襲撃してきてもおかしくはない…だったらこの傷はなんだ……?

 

何かが変だ、そう思った俺は歩く速度を上げ湖に向かって走った。

 

近づくにつれ増えていく傷。更には木の枝や幹が切られているものもあり、足元には枝や太い木が転がっていてまるで何者かによって荒らされているようだった。

 

そして、着いた時に見えた光景は────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

What does it mean…?(どういうことだ)

 

 

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場所は戻って秋葉原の憐・アラシサイド。

 

 

 

『もしもし、憐か?』

 

 

「ハーさん!そっちはどうナノ?まぁ連絡してきたってことハ…勝ったんだナ!さっすがハーさん!よっ!最強ヒーロー!!」

 

 

『だったら良かったんだがな……予想外の事態が起きた。永斗少年に伝えてほしい』

 

 

「………エイくんに?予想外?どうしたんだよハーさん?」

 

 

『よく聞け、どうやら────』

 

 

 

森を抜けた先に見えたもの。

俺が目にしたのは、遠目に見える目的地であるアジト跡地らしき場所と────

 

戦うはずだった、スコミムス・ドーパントの変身者と思わしき銀髪の外国人っぽい男。

それが何故か湖に浮かんでいるのだ。周りを見渡してみると、あたり一面には通ってきた道の木々にあったのと同じ…いやそれよりもハッキリと、大きく刻まれている傷。

間違いなく、誰かが戦ったと思われる痕跡が残っていた。

 

だがこれで確信が持てた。

まさかとは思ったが、どうやら────

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「マジ?うん…うん…あのーアラシサン?」

 

「んだよ?アイツに何かあったか?」

 

「なんかハーさん曰く、奴らを追う第三者?がいるらしいケド…あと今からアジト入るっテ」

 

『なんか電話越しにすごく面倒くさそうな事が聞こえた』

 

「第三者も気になるが…今は丁度いい。その電話ちょっと俺と代われ」

 

電話越しに声が聞こえた。

どうやらアラシもそこにいるらしい。

 

『なんだよ探偵。言われた通り来てやったぞ。ま、見張りに関しちゃ誰かに倒されてたが…』

 

「それはまた後から聞いてやる。今の急ぎは憂鬱の情報だ。何か一つ…どデカい見落としがある気がする。その正体がそこにあるはずなんだ」

 

『なんだよそれ…根拠は?』

『どうせ勘だから聞くだけ無駄だよ』

 

「うるせぇ勘だよ悪いかさっさとしろ」

 

永斗少年もいるのか。いや、音からして電話か…アイツどんな風に今通話してんだ?

 

疑問に思いつつも歩を進めて行く。

アジトの内部は人気が無く、『憂鬱』が少数というのは事実なようだ。

さってと…目ぼしい情報はなんかねぇかなぁ…

 

あ、この部屋ってまさか……

 

『永斗少年、エルバは研究者だったのか?』

 

『憂鬱は基本エルバが好きな事やってそれに部下がついて行く感じだったから、何やってたかは部外者には分からないんだ。でも…エルバなら出来ただろうね、常軌を逸した研究くらいは』

 

bingo.色々並んだ小難しそうな機材。

それに隅っこに積まれた山のような資料…間違いないらしい。

 

『確かに霧香博士の研究を利用したくらいだもんな。それなら間違いねえ、俺は今エルバが使ってた研究室にいる』

 

「よし、そのまま捜索を続けろ。その間にこっちも真実に近づきに行ってやる」

 

 

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戦いこそしなかったものの、謎の第三者の件もあると考えた俺は一応ドライバーと煌風を腰に備えたまま室内の探索を始めた。

 

紙のファイルに纏められた研究データが多数あったため、それらを順に漁って行く。

生物学、心理学etc...なんかの普通の研究から今の科学技術じゃ到底不可能な研究まで様々あった。

 

そして、その部屋にあったコンピューターを弄って観ていると(パスコードなんかがあったが霧香博士直伝ハッキング術でなんとかした)

そこには今の俺の常識を覆すようなデータがあったのだ。

 

「んなのアリかよ……?」

 

 

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「考えろ…!絶対に何か見落としてる。未知の中の不自然が、これまでの何処かに…!」

 

『…おい!おい!聞いてるか探偵!?見つけたぞ!エルバの研究に一つ、俺でも分かるとんでもないヤツがあった!』

 

「おぉっ!さすがハーさん!」

 

「でかした音速チビ!そいつは一体───」

 

『その前に一つ質問だ探偵!ドーパントはガイアメモリを人間が体に挿すことで変身する。そうだろ!?』

 

「あ?当たり前だろうが。お前散々戦ってきただろ何言ってんだ」

 

『idiot!俺だってそう思ってたよ!さっきの資料を見つけるまではな!!いいかよく聞け!アイツの研究ってのは────』

 

それを聞いたアラシがすぐさま永斗少年に今伝えた情報を元に指示を出した。

 

「永斗!項目変更、『メモリ』だ!キーワードは…『瞬間移動』!

そして……『()()()()()()()()()()』だ!!」

 

『はぁっ!?非生物って…そりゃ猫や鳥類のドーパント化には成功してたらしいけど、物をドーパントになんて……!』

 

マジか、猫とか鳥でもできんのかよガイアメモリ。って事は(アイツ)も…?って今はそれどころじゃねえか!

 

曰く、憐とアイツらが初めて会った時に戦ったタワー・ドーパント。その時に別の女幹部フーディエが謎の本を持っていたらしい。

 

本がドーパントってそんなん分かるか!

 

「次に『本』…いや待て本はいい。

確かにドーパント態の見た目は本だった。でも人が変身したら二本の手足になるように、物の場合も変身物の元の形状に引っ張られるとしたら…あのページの無い本は本というよりも……ノートパソコン!『コンピューター』だ!

 

クソ…!他に何か…瓦礫運びだけにんな大層なもん使うとは思えねぇ。恐らく世界転移にもコイツが何か関係して……」

 

「本って、アレがドーパントだったのカ…いやー、でも瞬間移動したり世界の扉を作ったりって、まるで魔法みたいダナ」

 

電話越しに聞こえた憐のその言葉。

どうやらアラシは何やら閃いたらしく、それだと言わんばかりに永斗少年に言った。

 

「それだ!キーワードは『魔法』!」

 

 

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永斗少年の検索でそれの正体が判明。

謎の本の正体は、『グリモア・ドーパント』

パソコンが変身したものらしい。

 

 

『グリモアは魔法を作って使えるようになるメモリ。でもメモリを使ってもその魔法理論っていう概念を知れるだけで、それを理解&構築は簡単じゃない。普通の人なら必死に頑張っても火の玉出すくらいの魔法が関の山。そんなので世界を繋ぐなんて大魔法を作るなんて、ローマ字覚えたてがシェイクスピアレベルの戯曲を作るのと大差無いよ』

 

「そいつをコンピューターに使うとどうなる?」

 

『そこが肝だね。コンピューターの記憶力と演算能力で魔法理解+構築を劇的に簡易化。しかもそれによってプログラム構築の要領で外部から魔法構築ができるようになってる。それでも十分難しいけど、無理じゃない』

 

「そうなりゃ奴らが一気に塔を作れない理由も分かってくるな。多分だが電力と情報処理の問題だ。あれだけの量の瓦礫を移動させるには、それなりの充電時間が必要ってこった。だそうだ、話は聞いてたか?」

 

『あぁ、俺もすぐそっちに戻る。やっと決戦の時…だろ?』

 

「話が早くて結構だ。これまでの塔出現の間隔を考えると、奴らが動くのは早くても……今夜。それまでに俺たち探偵が奴らの策を探り尽くす」

 

「そこで俺っちとハーさんが加わって一気にぶっ叩ク!待ってロ憂鬱野郎!」

 

『できる限りすっ飛ばしてく!憐、それにお前らも入念に準備しとけよ!!』

 

「分かってる!」

 

「待ってるゼ!ハーさん!!」

 

 

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すっ飛ばすとは言ったがスピード違反とかで別世界で捕まって面倒起こしたくなかったので安全運転で戻ってきた。

 

陽は沈み、辺りはすっかり夜に。

第一の塔の近くまで戻ってきた。

 

「思いの外かかっちまったな…クソが…なんでこんな時に渋滞に巻き込まれんだ俺は…!」

 

スピードを上げ、急いで合流しようとしたその時だった。棚からぼた餅、瓢箪から駒とは誰が言ったか。

 

正面を見ると、そこにはさっきの塔の男スーザに、アラシと見たことのない女が1人。

恐らくアレがフーディエってヤツか。となるとあの手に持ってるのが……!

 

「thank you 幸運の女神!運命の追い風は俺に吹いた!!」

 

バイクからソニック第二の武器である大型武装、リジェネレイトブラッシャーを取り出しブラスターガンモードに。

 

「いっけえええっ!!」

 

トリガーを引き、強力な光弾が発射される。ただでさえゼンリンシューターより反動が強かったのに変身もせずに撃ったせいでバイクから落ちかけたがギリギリセーフ。

 

その弾は一直線にフーディエが持っていたグリモアへと飛んでいき、被弾。それを破壊してみせた!

 

「っしゃあ見たか!hit!!」

 

「相変わらず遅ぇな。どこがソニックだ」

 

「分かってねぇなぁ…見計らってたんだよ。最高にカッコいいタイミング…ってヤツをな!どうせ放っておいても上手くやんだろDetective(ディテクティブ)!」

 

「貴様…あちらの世界の…!どこまで邪魔をすれば気が済むのだ!」

 

フーディエはレディーススーツを着て、見た感じはアジア系の顔つき。俺たちと大差ない感じ恐らくは中国辺りの人間か…

あれが憂鬱のもう1人の幹部か。

どこまでだって?

 

「Stupid!『どこまでも』だ!俺たちの世界を守るため、お前もお前のご主人様もぶっ飛ばす!」

 

「許されざる愚行…!エルバ様の帰還を妨げたその大罪!命を以て償え虫けら共がッ!!」

 

《satellite!》

 

グリモアを破壊され、怒り狂ったフーディエはメモリを鎖骨部分に挿し『サテライト・ドーパント』へ変身。

やる気か!上等!!

 

運転中は外していたマッハドライバーMk-IIを再び装着。天下零剣 煌風を再びベルトの左腰部分にセットしスタンバイ。

アラシも赤いバックルのダブルドライバーを装着。それぞれガイアメモリとシグナルバイクをその手に握った。

 

「最初っから飛ばすぜ、付いて来いよ!」

 

「そっちこそ、ちょこまか動いて足引っ張んじゃねぇぞ!」

 

 

《Joker!》

《SignalBike!》

 

それぞれの変身アイテムをドライバーにセット。変身の構えを取る。

 

そして、世界が違えども同じその身を戦士としての姿に変える言葉を言い放つ!

 

「Ready!」

「「変身!!」」

 

 

《Cyclone/Joker!!》

《Rider!Sonic!!》

 

風が吹き荒れる。それは2つの世界を蝕まんとする悪を吹き飛ばす大嵐。

 

風が止みそこに立つのは2人…否、『3人』の仮面ライダー達。

 

「さーって!昨日は決め損ねたからな!思い切り行くぜ!!」

 

そして、忘れちゃいけないいつもの儀式。

先代仮面ライダーにして、俺の憧れの存在である先輩をオマージュした、あの決め台詞を。ダブルは敵に懺悔の時間を告げるように、高らかに叫ぶ。

 

「悪は撃滅!正義は不滅!この世の全てをトップスピードでぶっちぎる!仮面ライダー………ソニック!!」

 

「『さぁ、お前の罪を数えろ!』」

 

 

残る憂鬱幹部はあと僅か。

今、決戦の幕は切って落とされた────

 

 

次回に続く!

 




第4話はここまで!
次回、いよいよ決戦開始です!

そして今回146さんサイドでは、プロローグから行方知れずのアイツが……?↓向こう側もお願いします!!
https://syosetu.org/novel/96993/67.html

それでは次回もお楽しみに!
感想・評価等お待ちしてます!!
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