ラブライブ!サンシャイン!!×仮面ライダードライブサーガ 仮面ライダーソニック   作:Master Tree

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ミニ解説コーナー
白銀のソニック

ディストピア戦終盤、空間切断攻撃を喰らい命の危機に陥った隼斗がオリジンメモリ『J』と融合、更には他のシグナルバイク達の力を受けて覚醒した謎の姿。

厳密にはオーバーブレイクモードらしいのだが、全身が白銀に輝き、翼や尾羽が光を帯びて変化したりとオーバーブレイクモードとはかなり違う点が多い。
オーバーブレイクモード時よりもスピードとパワーが格段に上昇しているが、あまりにも強力すぎてブレイヴやオーバーブレイクに即順応できていた隼斗ですら制御不能になっていた。

なお、発動条件などは今のところ不明。


コラボ編、いよいよラストのエピローグです。大きな戦いを終えた隼斗達、戦いを終えた今彼らは何を語るのか────


ラブダブルコラボ編 エピローグ グッバイR/明日も正義の風は吹く

これまでのサンシャインサーガ !

ディストピア・ドーパントとの死闘を繰り広げるダブルとソニック、そしてディファレント・ロイミュードとスレイヤー・エデンのバトル。それぞれの陣営は己の力やレジェンドシグナルバイク、レジェンドガイアメモリを使用して敵を追い詰める。

 

スレイヤー、エデンの方はエネルギーを反射するディファレントに苦戦を強いられるも、妹善子の励ましによって覚醒した瞬樹が発動したエデンヘブンズの力とメテオデッドヒート、そして善子の3人の心を合わせた必殺技でディファレントを撃破。

 

一方のディストピア戦は、『憂鬱世界』や新たな武装に苦戦を強いられ、更に激闘の最中ダブルを庇い隼斗が瀕死の重症を負う。だがしかしオリジンメモリジョーカーと融合更には逆境で覚醒した白銀のソニック、そしてファーストから託されたスラッシュメモリの力を使用したダブルの3人の力でついに『憂鬱』のエルバ/ディストピアを撃破したのであった────

 

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「えーそれでは!この度はえーと…エルバ?をぶっ倒して!」

「俺たちがな」

 

「内浦に平和が訪れましたって事で!『隼斗くんと憐くん、アラシくん、永斗くん、シュヴァルツくんありがとう&勝利おめでとうパーティー』を始めます!!」

 

「長いねー」

「まあいいじゃない。本当なんだし」

「そうそう!」

「エヘン。てな訳でみんな、グラスをお持ちください!」

 

「…ん?まちたまえ千歌くん、私は!?」

 

千歌の挨拶に突っ込む永斗少年、曜と梨子。そして、我らがリーダーの言葉で総勢14人がそれぞれ飲み物の入ったグラスを掲げる。

 

「みんな!今日はとことん!飲んだり食べたりして楽しもう!カンパーイ!!」

 

『カンパーイ!!!』

 

「聞けえええええ!?」

 

影の立役者(諸悪の元凶?)のツッコミをスルーしつつ、俺たちは手持ちの皿に好きな料理を取っていく。あの戦いから2日後。浦の星女学院の屋上にて俺たちは小規模ではあるが祝勝会を開いていた。曜や博士、更にはアラシなんかが手伝って沢山の料理を作って…お前料理できたんだな。

 

「まあな。普段からこの怠け者の面倒見てんだ、これぐらい朝飯前だ」

「アラシー、ハンバーガーまだー?」

「黙って待ってろクソニート!」

「本当お疲れ様だな」

 


愚痴りながらも手早く魚を捌いていくアラシ。実はアイツ昨日沼津の方に行ってたらしく、そこでなんか食ったのか食材を色々買ってきて沢山の料理を作っていた。永斗少年もゲームしながら「料理漫画の主人公か」とツッコミを入れていたものだ。

 

「はーい!ヨキソバ、もうすぐあがるよー!」

「marryのシャイ煮もよ!」

「曜のはともかくなんだあのグロテスクな料理」

「高級食材を適当にぶち込んで煮込んだらなんかすごいのができた奴だ。見た目は擁護できないが味は保証する」

「濾す前のコンソメスープみたいなもんか。ってか食ったことあんのか………」

 

まさかのリターンズとは思わなかったぞシャイ煮……ん?待てよ………アレがあるって事はまさか!!

 

「アラシ!永斗!食ってみろこれ!とてつもなく美味いぞ!!」

「クックックッ…そうでしょう?我が至高の一品、堕天使の泪……竜騎士シュヴァルツ、お口に合ったようで何よりです」

 

遅かったか…って、え?瞬樹くんなんでそれ普通に食えてんの?アレって確かクッッッッソ辛いぞ?

 

「アイツ辛い物好きなんだよ。初めて会った時なんて辛い担々麺に七味めっちゃぶち込んで食ってたし」

「マジか……」

「しかし、こんなことしてていいのか?事件は終わったんだ、さっさと帰らねえと……」

 

「それがそうもいかんのだよ、切風くん」

 

向こうからカレーの皿を持ちながら歩いてくる霧香博士。

 

「…あんた楽しそうだな。なんだその山盛りカレー」

「あ、博士いいところに。これあげる」

「やめたまえ士門くん、いらないからってその黒い物体を私のカレーに乗せるのは」

 

おいおい、白衣に飛ぶぞ…?カレー染みってかなり面倒だからな…幼い頃によく母さんに怒られたのを今でも覚えているからよく分かる。

 

「もう一度世界間ゲートを開くにはちょっとまた装置を作り直さなきゃならなくてな……設計、開発、起動実験エトセトラ…諸々細かい点を全て省いてどんなに急いでも最低3日はかかる」

 

「「3日!?」」

 

「うん。僕と霧香博士で検討した結果多分どんなに急いでもそれぐらいはかかる。だからとりあえず今はのんびりしとこうよ、せっかく大きな山場を越えたんだし」

「つってもなぁ……どうすんだよ文化祭とか。モタモタしてたら余裕で始まるぞ」

 

3日か…あと3日でコイツらともお別れなんだな。ってかそうか、あっちは文化祭準備真っ只中だったな。あぁ〜μ'sの生ライブみてぇなぁ…!

 

「なら、それまでは暇って事だな?」

「私と士門くん以外は、だが」

 

「いや……博士、それって俺にも手伝えるか?」

「隼斗に?……まあ所々君でも出来そうな所はありそうだが…」

「せっかくだ、サクッとゲート完成させてそしたら最後に遊ぼうぜ!あとは…どうせならAqoursのパフォーマンス見てってもらうか?この時代のスクールアイドルのパフォーマンスを生で見れる大チャンスだし」

 

「名案ですわね隼斗さん!」

「good idea!カナン、いけるわよね?」

「もちろん!もうすっかり良くなったしね!」

 

果南姉ちゃんだが、見ての通りあれから安静にしてたらもういつも通りだった。本当バケモンphysicalだな……

 

「未来から過去へ…最高の贈り物ずら!」

「で、でも!それで過去が変わったりしたら……」

「並行世界なんだし、心配ないんじゃないの?あ、でもμ'sが…スクールアイドルが存在する以上過去の私達も確かに存在するかもしれない…そうしたら…」

 

「心配すんな、そんな未来のことをベラベラ喋る気はねぇよ」

「それに、こっちのμ'sが君らの知ってるような歴史を辿るかどうかなんて分からないしね~」

「影響が出ない程度になら大丈夫なはずだ。そんな訳だ、とりあえず今日は思いっきり騒ごうぜ!!」

 

「…まあ、今日ぐらいはいいか。ところで隼斗」

「あ?」

「お前、体は大丈夫なのか?」

「そういえば。ジョーカーとはもう分離してるけど、そうなるとオーバーブレイクのバックファイアが…」

 

「あー、それか…実はな……特に何もねえ」

 

「え?」

 

そう。あれからラボに戻ってすぐ霧香博士に検査してもらったのだが、特に異常は見られなかった。負荷による体調不良もほぼゼロ。ちなみにだが、あの白銀のソニックについてまだ博士には喋っていない。

 

「なんかちっともなんだよ、全然反動がねぇんだ…」

 

「最強の力なのにまさかの反動無効化?…それちょっとチートじゃない?」

「んなもんどうでもいいだろ、無事ならそれでいいじゃねえか。死ななかったんだから得したぜラッキー、ぐらいに思っとけ」

 

「…まあ、それならいいか。そうだな!よしもっと食うぞー!曜!こっちにも焼きそばplease!」

「ヨーソロー!」

「よし、俺らも食うか!」

「だね」

 

「堕天使の泪おかわり!!」

「承知!」

 

そんなこんなで、俺らは揃って夜になるまでどんちゃん騒ぎ。宴は夜まで続いたのであった。

 

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「ふぅ…」

 

「いやぁ…これは極楽だねぇ」

「戦いで負った傷が癒えてゆく……」

「だろ?ここの温泉悪くねえだろ」

 

「ハーさん確かここ毎日入れんだよナ?いいな〜」

「けどなんで俺ら揃って一緒に温泉入ってんだよ」

 

俺らライダー組は現在in the 温泉。アラシ・永斗少年・瞬樹くんの3人は千歌の家の旅館に宿泊することになり(費用は博士のPocket moneyから)せっかくだしと揃って入っている。

 

「いいじゃねえか、裸の付き合いってやつ。こうして一緒に居られんのも残り3日だ、どうせなら最後の最後まで一緒にいてぇ」

「お前なぁ…」

 

「まあいいじゃんアラシ。今のうちに沢山喋っときなよ、友達いないアラシにとって隼斗さんは貴重な同性タメじゃん?」

「うっせえ黙ってろ。それに、手を組んだとはいえダチなんかじゃ…」

 

「え、そうなのか?」

「は?」

「俺はてっきりお前とはもうダチなのかと…」

 

「なんでだよ」

 

「お前自分で言ってたじゃねえか。『俺のダチの居場所で好き勝手やった報い、受けさせてやるよ!』って」

「お前本当どうでもいい事よく覚えてるよな」

 

そう。俺たちの出会いこそ衝突(物理)からだったけど、戦いの中で互いを知り、心を通わせ、理解しあって絆を結んだ。そう解釈してたのだが……

 

「……そうだな。確かに最初はお前が気に食わなかった、仮面ライダーが正義のヒーローだのなんだの面倒事持ち込んできやがってってな。お前の真っ直ぐな志が眩しかったんだ。くだらねえ感情からキツく当たっちまって…」

「no problem.別に気にしてねえよ」

 

「隼斗、お前言ったよな。守りたいから守る、理屈なんぞどうでもいいって。…その言葉、最後まで貫けよ」

 

「アラシ…」

「あと、果南のこと。あまり心配かけさせんなよ?家族みてえなもんなんだろ」

 

そう言うアラシの目はとても真っ直ぐだった。親父さんの話を聞いた俺にはすごく突き刺さる言葉だった。

 

「…分かってる。死ぬほど分かってる」

「死んだじゃん一回」

「シャラップ永斗少年」

 

そう、永斗少年の言葉通り俺は一回マジで死んだ判定下ってたらしい。帰った時にログを確認したらしい博士からそれはそれは怒られたのを覚えている。

 

「今度は何をしたんだお前は!!戦闘ログを見直してたらまたオーバーブレイクを使った挙句、君の生体反応が一瞬消えていたんだが!?」

「いやいや別に大したことねえって!そんな怒らなくても…」

 

「いーや良くない!それに、あの時それを見ていた果南くんがどれだけ取り乱したか!君には想像つくまい!!」

「……まあ」

 

「……だが、五体満足で生きているならいいさ。私は許そう、この事は不問に処す」


「博士……!!」

 

「が、()()が許すかな?」

 

「彼女?」

 

博士が指差した方向を向くと、そこには……

 

「…………………あっ」

 

目に涙を浮かべ、ずかずかとこちらに歩いてくる姉ちゃんの姿が。

 

「あ、やっほー姉ちゃんただい…」

 

ま、を言う前に走る衝撃。あの時同様、また頬を引っ叩かれたらしい。突然の行動にアラシ達も驚いている。

 

「「「!?」」」

 

「っ……痛って!?痛ったいよ姉ちゃん!俺怪我人なんだけど!?」

 

「うるさい!!!」

「………ごめん、また…心配かけて…」

 

「本当に…本当に死んじゃったかと思ったんだから……!」

 

涙を流す果南姉ちゃん。頬の痛さ以上にかなり心が痛い&申し訳なさが湧いてきて、ちょっと背伸びしてその頭を撫でた。

 

「でも死んでないから。またちゃんと帰ってきたから……ね?」

「……バカ」

 

「…ただいま、果南姉ちゃん」

「…おかえり、隼斗!」

 

そのまま力強く抱きしめられる俺。大好きな人の温もりで、やっと戦いが終わったことを実感し

 

「はい終わり終わり! いらなかったよね果南ちゃんのくだり丸々。あーもうやめよこの話。温泉に砂糖リバースしそう」

 

「だな、これ以上惚気話なんか聞けるか」

 

何おう!?せっかくの感動エピソードだったってのに!?本当マジでアレ喰らった時過去一の死を感じたってのに!そっからの生還があったってのに!!

 

「……………」

「シュヴァルツ死んでるケド」

「ほっといて大丈夫だよ、リア充のオーラに殺されてるだけだから」

「あ、ウン」

 

「リア充って…まだ付き合ってねえんだけど」

 

「「は?」」

 

マジか、とばかりにこちらを向くダブルコンビ。あれ、言ってなかったっけ?

 

「あんだけイチャついてそりゃないでしょ。別に幸せが妬ましいとかそういうのじゃないけどさ、持ってる側がこっち側の顔してるのは流石に看過できないよ僕は」

「お前それは嘘だろあんだけイチャついといて」

 

アラシはともかく永斗少年からかつてないhateを向けられている気がする。元から色恋には無関心だと思ってたアラシはともかく、永斗少年って意外と気にするんだな……

 

「事実だ、そもそも姉ちゃんは俺を異性としては見てねえよ。それに俺も…この好きはlikeであってloveでは……」

「いやあれはラブだろ良く分かんねえけど」

「あのアラシまで言ってるのヤバいよ。100%ラブでしよなんなの隼斗さん」

 

「…………」

 


「ハーさん、悪いケド俺っちもそう思ウ。いい加減自覚したら?」

「でも………」

 

「likeだってんなら、エルバの野郎にあんな事言われたりしてキレはしねぇだろうがよ」

 

『俺は松浦果南に恋をしていたようだ』

 

「…………!」

 

脳裏に浮かぶアイツの言葉。確かにあの時、俺はこれまでで最もキレた気がする。

「な?」

「見えるよ隼斗さん、嫉妬の炎が」

 

あの時…確かに私怨以上の、他の何かが湧き上がったのをハッキリ覚えてる。やっと分かったかもしれない。多分、この気持ちは……

 

「……かもな」

「だろ?他の奴に盗られる前にさっさと告れ」

「そうそう、後々バトルになった時面倒だよ?」

 

「そうする」

 

けど…それは今じゃない。今はラブライブ決勝に向けての大事な時期だ。ここで告って姉ちゃんに余計な事は考えさせたくない。

 

「その時が来たら……伝えるさ」

 

「チキんな」

「クソビビり」

 

「うるっせーーーなぁ!!! じゃあそっちはどうなんだよ! μ'sの皆さんと随分仲良さそうだったけど!!?」

 

「いや俺らのは違ぇだろ。何言ってんだ」

「うん。ほら、流石に僕ら弁えてるし。現役アイドルだよ?」

 

「ああぁぁぁぁぁ納得いかねぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「善子の恋愛話とか知らないか? 黒騎士は善子のことどう思ってる?」

「ヨッちゃん?…いや、そんな話はねぇナ…ヨッちゃんガワはいいけど中身がナー…それに、俺には……」

 

理不尽に晒されて思わず心からの叫びが飛び出す。だが、これでやっとこの気持ちに整理が付きそうだ………

 

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「次そっちの回路を頼むよ。電位差キープが肝だから留意するように」

「げぇ、これ半導体作りからやんの。母相はこれでいいとしてもドープ何? さっき使えそうなデータあったからテキトーに改良でおk?」

 

「それなら合成条件をこうするといい。光電効果がフルで回るようになるはずだ」

「めんどい。今更何を電気代ケチってるんすか」

 

「なぁここのプログラム、こうじゃなくて繋げるのこっちじゃないか?」

「そーだね、隼斗さんナイス。それでお願い。あーあと10分、それで休憩でいい? もう無理」

 

翌日、早速博士のラボでゲート開発が始まった。博士と永斗少年がデータ管理やメインプログラムの作成、そして俺はできる範囲でそれらの作業のバックアップ。で、他のメンツは何してるかというと───

 

「フッ……この時を待っていた! 行くぞ8切り、からの起きよ革命! これより強さの定義は逆転する!」

「今こそ月の魔力が満ちる時…褒めて遣わします竜騎士シュバルツ!」

 

「ヤベーぞアラシサン! ヨっちゃんのことだから絶対手札クソザコ数字に決まってル!」

「これはまさかの善子ちゃん大富豪コースずら…!?」

「行けーっ! 決めろ善子!!」

 

「ヨハネよ! さぁ喰らいなさい堕天の一撃、4の3枚出し!」

 

「3の3枚出し。8切り。10捨てであがり」

「あ、俺っちも6であがりダ」

「マルもあがりずら。後はシュバルツさんと善子ちゃんだけずらね」

 

「……始めようか堕天使ヨハネ、貧民の座を賭けた闇のゲームを…!」

「なんでまたこうなるのよ!!」

 

「Heyお前ら!トランプなら他所でやってくんねぇかな!?」

 

アラシと瞬樹くん以下Aqours+憐は横にあるテーブルとソファーの所で大富豪に興じていた。しかもとてつもなくレベルが低い戦いになっている…

 

「ったく…遊んでるなら手伝えっての。瞬樹くんはともかくアラシとかなら少しは……」

「何言ってんの。少しでもアラシが触ったら完成が半日は遠のくよ」

「マジ…?」

 

聞くところによると、アラシはとてつもない機械音痴らしく、調べ事のためにパソコンを使っていたら動かなくなり、叩いて直そうとしたらぶっ壊したりしたんだとか……まあそんなこんなで色々あって、ゲートがようやく完成したのである。予定より1日余裕を残しての出来上がりとなった。

 

「はああああああ疲れた……!」

「Wake up永斗少年! もうみんな待ってる!」

 

「えー…僕寝る…って言いたいけど、仕方ないね。そういう話だったし」

 

「さぁ行こうぜ最後の一日、遊ぶぞ!!」

 

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「とりあえず土産買っとかなきゃだよな、アイツらにも」

「この辺で土産ならやっぱみかんダゼ、アラシサン!」

「海鮮類も美味いぞ!まあ長持ちはしないだろうが……」

 

「アラシ! 木刀がある! 買うぞ!」

「いらん。返してこい」

 

とりあえず俺らはバイクを走らせ伊豆長岡の商店街側のエリアへ。千歌たちはかつてPV作りの際に自転車でいこうとしていたが大層苦労していたのは記憶に新しい。が、俺たちライダー組ならかなり余裕で行けるのだ。

 

「刀と言えば…あのスラッシュメモリはどうしたんだ? ファーストも…」

「戦いの後すぐ飛んでったよ。ファーストも来る時勝手に来たんだし、帰る時も勝手にやるでしょ。知らんけど」

 

ファースト…アイツも不思議なやつだったな。そりゃ、アラシ達にとっては倒すべき敵なんだろうけど…俺にはどうもアイツがただの悪人には思えなかった。果南姉ちゃんを助けてもらって、そのあと成り行きで戦うことになって…色々あったけどあの時は俺もアイツも互いに真っ向からぶつかり合った。全力で戦ったあの時の感覚は、今でもハッキリと覚えている。

 

「…また、戦いてえな」

「何してんだ隼斗!おら行くぞ!」

 

「……わかってるよ!!」

 

多分、もう会う事は無いかもしれない。だがそれでも────俺は1人の戦士としてあの強い剣士を忘れる事は無いだろう。で、土産物を見たりして…その後も俺たちは時間の許す限り色んなところをまわって行った。

 

「おお…まさかこんなすげえもん食えるなんてな……」

「隼斗さん、マジでいいのコレ…?」

「no problem!どうせ博士の金だし!」

「あの人謎に金持ちだよナ」

 

名店である丸勘で絶品海鮮丼に舌鼓。ちなみに観光にかかる費用は全部博士持ちである。自分の不始末による事件の詫びのつもりか、それともアラシたちにこの町を少しでも多く楽しんでいって欲しいという気持ち故か……

 

「霧香博士、か……」

「どうしたアラシ?」

 

「なぁ隼斗、ちょっと気になったんだが…あの博士ってどういう流れでお前らの仲間になったんだ?」

 

「あ?霧香博士なら、確かハーレー博士…ああ、お前にはあの夜話したろ?俺が助手やってたその博士の紹介で浦女に来たんだが…それより前のこととなると知らねえな」

「…そうか」

「それがどうかしたのか?」

 

「…いや、なんでもねえ。ちょっと気になっただけだ。あと美味いな、魚が良い。やっぱ魚買って帰るぞ。他のやつも色々食っとくか」

「マジで?アラシまだ食うの?」

「高えもんを金のこと気にせず食える貴重な機会なんだ、食わなきゃ損だろ?」

 

そう言ってメニューをチェックするアラシ
よーし、じゃあ俺ももう一品食うかな!そして、美味しい海鮮類を食べまくった後は…

 

「…美味いなコレ」

「だろ!?ここらのみかんは日本一だぜ!他の県にも負けちゃいねぇよ!」

「持ち帰りもできるから、その辺気にしなくていいのが最高だよナ」

 

「烈の分と、我が天使の分…ハッ!善子にも持っていってやらねば!」「オイシュヴァルツ!あんま採りすぎんなヨ!?」

 

「μ'sのみんなにもお土産として持っていかなきゃだからね。迷惑にならない程度に沢山持っていっとこうか」

「だな、甘いもんはいくらあってもいいもんだ。足りない分は別途で買えばいい」

 

「博士の金だからって遠慮なさすぎナ…」

 

みかん園でデザートタイム。新鮮なみかんを採って食べ、あとはアラシ達はお土産にもといくつか購入した後は…

 

「『がんばって』」

「『禁煙』……妙に馴染むあと張りされてんな」

「だろ?一周回って自然に見えるよな本当に」

 

「ゼェ…ゼェ…蒼騎士!黒騎士!あとどれぐらい登るんだ!?」

「ちょ…無理…マジで……死ぬ…」

 

「シュヴァルツもエイくんもバテ過ぎダロ……」

「ってか毎回練習で上り下りしてんのか?」

「いいや、最近は全くだ。終バスの時間とかの都合で沼津のスタジオに練習拠点移したからな」

 

「って事はその前は結構やってたんだな」

「鬼じゃん……Aqours鬼じゃん……」

「うちの海未とどっこいどっこいだな」

 

「そういやアラシ、ダイヤさんが言ってたんだが……この特訓メニュー、マジでやったのか?」

「あ?…………お前なんでこれ知ってんだ」

「ゲェッ………」

 

アラシに見せたのは、夏にやった(やってない)ダイヤさんが極秘ルートで手に入れたというμ'sの練習メニュー表、それが映っているスマホの画面だ。

 

「ダイヤさんが裏ルートで手に入れたって。μ'sが夏合宿でやった(とされてる)super特訓メニュー表」

「……アイツ、こっちの世界でも変わらねえのか」

「え、really………?」

「負の遺産すぎる……」

 

練習で何度も長い石段を駆け上がって降りた淡島神社に行ってみたり……

 

「しかし、初めて来たなこんなとこ……」

「それは僕もだよ、知識としては勿論知ってたけどやっぱり実際に来ないと楽しさってのは分からないもんだね」

 

「アラシ!永斗!巨大な牙を持った魔獣がいるぞ!!」

「シュヴァルツそれうちっちー!マスコットだゼ!?」

 

「そろそろだな……アラシ、永斗少年、大丈夫か?」

「問題ねぇ」

「モチ。瞬樹、本当にいいの?」

「たかが水飛沫程度、この俺には効かん!さぁどんとこい!!」

『ー!』

 

トレーナーさんの合図で飛び上がるイルカ。着水した途端、とてつもない水飛沫が俺たちを襲った。まあ俺らはレインコート着てたから問題ないが、案の定瞬樹くんがずぶ濡れに。

 

「だから言ったのに……」

「シュヴァルツ…警告を無視したカラ…」

「フッ…水も滴る偉大な竜騎士……ブェクショイ!!!」

 

三津シーで色んな魚や動物、イルカショーを見たり。時間の許す限り、俺たちは普通の高校生としてほんの一瞬だけ戦いを忘れて思い切り遊びまくった。

 

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やがて日は暮れて、もうすぐ夜になるかというところで時間がやってきた。最後に残されたのは、アラシ達に送るAqoursのミニライブだ。

 

「…にしても、わざわざそこまでしてくれなくても良かったんだぞ。この短期間でライブだなんて無茶だろ」

「それ僕らが言う? まぁちょい見せくらいのテンションでしょ。そんな大変じゃないんじゃない」

 

「いや、なんかμ’sに伝わるかもって事で気合入ったらしくてな」

「特にダイヤサンがナ」

「3曲やるらしいぜ。しかも一つは新曲だとよ」

「マジかよ」

 

指定された場所へ向かうと、そこにはきっちりと簡易ステージが用意されていた。よくこの1日で作り上げられたな…どう考えてもAqoursの全員+霧香博士を加えても…あ、お前か憐。遊んでる途中ちょいちょい抜け出してたけどまさかそういうことか?

 

「お待たせ! 私たちは…浦の星女学院のスクールアイドル、Aqoursです!」

 

ステージの照明が閃光し、華やかな衣装をまとったAqoursの9人が登場した。マイクを握って声を張る千歌。

 

「まず最初に……私たちの世界を守ってくれて、ありがとう!!」

 

マイク越しに真っ直ぐな感謝をぶつける千歌、他の8人もきっと気持ちは同じはずだ。すると永斗少年が俺達にサイリウムを手渡す。どっから出した?…まあいいか。

 

「私は…μ'sが憧れでした! μ'sがいたからAqoursがいる! そんなμ'sを守ってくれてありがとう!!この感謝をこめて、未来から過去に! これが私たち…Aqoursの輝き! 聞いてください───『MIRAI TICKET』!」

 

一回目のラブライブ地区大会で披露した曲、MIRAI TICKET。あの時は惜しくも敗退してしまったけど、『未来』からの贈り物だってなら、この曲を外せないよな。

 

「いい曲だね。なんていうか、彼女たちが歩んできた道が見えるみたいだ」

「そのための曲だからな。あの時もとにかくみんな必死だったんだ、学校を守ろうって」

「μ'sとはまた違ぇな…」

 

「善子ー!! 善子すごいぞ!! 善子ー!!」

 

一曲目が終わり暗転。次の曲が始まり、9人が新しいフォーメーションに。

「おっ…この曲やるのカ!」

「なんだ憐?」

「まあ見てなってお前ら。凄いもん見れっから! 『MIRACLE WAVE』だ!」

 

打って変わってギターの激しいメロディが駆ける2曲目『MIRACLE WAVE』。

 

ラブライブ地区大会で披露した曲で、あの猛特訓の日々は昨日のことのように覚えている。Aqoursはこの曲で地区大会突破を果たしたのだ。

 

曲がサビ前に差し掛かり、千歌以外の8人が作り出したドルフィンウェーブ。そこを渡る千歌と、そこから訪れる静寂の時。そして、披露されたのは千歌のバク転!これにはアラシ達も目を見開き、かなり驚かされているようだ。

 

「…すっご。何今の、難易度鬼じゃん」

「アイツあんなに運動神経良さそうには見えなかったけどな…凛ならともかく」

「そりゃもー大変だったゼ。な、ハーさん」

「だな。でも…千歌なら絶対やれるって信じてた」

 

「泣いてたくせに」

 

うるせぇ。と、気づけば曲は終わっており…別の曲が流れ出すが…あれ?こんな曲あったっけ?

 

「これが最後の曲…世界と世界、私たちの知らない戦い。知らなかった仮面ライダー。この掛け替えのない出会いを……全力で歌います!

 

―『KU-RU-KU-RU Cruller!』―

 

「いつの間に作ったんだか…amazingだな。本当、皆には驚かされてばっかりだ」

「気持ち分かるぞ。スクールアイドルってのはどいつも予想を超えて、驚かせることしかしねぇんだよ」

 

──空はつながってるよ──海もつながってるよ──いつだって いつだって 心のなかで会えるから

 

憐の情報によると、コイツは千歌と梨子が作ったまま形にはならず、埃を被っていたものの一つ。…そういや前に千歌のノートを見た時こんな歌詞があったような…アレだったのか!確かに今回の事件での世界を超えた出会い、送別ライブと来て、偶然にもこの曲の歌詞と状況がBest matchしたのだ。未発表で既存の曲がベストという奇跡。しかもこの短時間で新たなパフォーマンスを創り出し、アラシ達に送るライブを最高のものへと昇華させた。この奇跡はきっと必然で、意味のあるものだ。

 

──飛びこんだ世界で 夢よまわれ…まわれ!

 

『ギャアアア!?half&half monster!?』

『なんだと!?』

 

出会いは最低で最悪だった。いがみ合って、ぶつかり合って。その先で見えたモノが確かにあった。

 

『───決めろ、隼斗!』

『……あぁ、任せろアラシ!』

 

だが、そんな億分の一レベルの奇跡が憂鬱の高い壁をぶっ壊した。1人でも、2人でも越えられなかった高い壁。俺たち5人が揃っていたからこそ、この戦いは乗り越えられた。

 

──楽しいなら大丈夫さ──新しいやり方で Make you happy!

 

2つの世界で命を懸けて戦った。出会って少しの知らない奴らに命を預けた。そうやって勝ち取ったこれ以上無いMiracle。

 

──おなじキモチだって 分かっちゃう いつも分かっちゃう──君の想いが分かっちゃうんだ

 

戦いの先で手に入った友情と、異なる世界、異なるやり方で守るべきもののために戦う者がいると知った。そしてこの戦いの全てが、俺を新たなStageへと導いてくれた。

 

「……すげぇな。μ'sが憧れ…か。えらいもんに憧れられたな、アイツらも」

「何言ってんだアラシ。超えてくぜ、Aqoursはμ'sを!」

 

確かにμ'sは凄い。A-RISEと共にスクールアイドル時代の礎を築いた偉大な人たちだ。けど、だからって他の全てのスクールアイドルがあの人たちより格下とは今は全然思えない。

今の俺なら分かる。アイツらはきっと───

 

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「回路接続、起動シークエンス開始。次元座標設定WL-02、接続レベル146。目標設定…日本 東京…秋葉原周辺と…」

 

「博士、まだかかりそうか?」

「急かすな隼斗。テスト不可の1発勝負なんだ、ちゃんと帰せなくてみすみす切風くん達を死なせる訳にはいかないんだよ!」

「あ、そうか…了解」

 

「まあそう言わないでよ隼斗さん、仕方ないし。博士には随分無理頼んでるんだからこれぐらいはね」

「ああ、時間云々もほぼ気にしなくていいってなら別に急ぎはしねぇよ」

 

「善子ォォォ!俺が帰っても息災でいるんだぞぉぉ!!」

「あとこの竜騎士どうにかしてくれ」

「ゴメン、それは無理カナ」

 

日が昇り、別れの時がやってきた。今は博士がゲートの設定中で、俺たちは待ちの時間となっている。

 

「いや、そうだ!俺は残るぞアラシ!永斗!我が妹を残して帰る訳には…」

「向こうにいる本来の妹はどうすんだ瞬樹くん」

「そうだぞ、シュヴァルツ」

 

「ハッ!そうだった…グッ…仕方ないか…」

「なくねぇだろ何言ってんだ」

 

瞬樹くんの頭にチョップを入れながらツッコむアラシ。と、ゲート方向から大きな音がしたかと思えば……

 

「待たせたな3人とも!ゲート…開通だ!」

 

博士がキーボードを勢いよく叩くと、円形のゲートの中に緑色の光が現れる。あれが向こうの世界に繋がるゲートか。

 

「…お別れだな」

「ああ。…世話になったな、色々と」

「面倒くさかったけどね…世界が違ってもμ'sが、スクールアイドルが与える影響って凄いんだね。ちょっと安心したよ」

 

「そうだな…面倒だったし疲れたし…でも、楽しかった。それが全然気にならなくなるくらい、この数日は楽しかった!」

「ダナ!俺っちも久しぶりに楽しかったゼ」

 

「楽しかった…かもな。全部が全部とは言わねえが」

「だね」

「異世界での新たなる盟友…この出会い、俺は決して忘れないぞ!」

 

アラシは俺と、憐は瞬樹くんと。永斗少年は俺と憐2人同時に手を差し出し握手を交わす。で、俺はアラシの手をグイッと引っ張ると他の面子も引き寄せ思い切り抱きしめた。

 

「ちょ、いきなり何すんだお前…!」

「…俺は忘れない。お前らのこと、μ'sの皆さんのこと…この戦いの全てを、絶対忘れねえから…!」

「…ハーさん?」

 

目に浮かぶソレをしれっとアラシの肩で拭い肩を押して離れた。そして最高の笑顔で、心からの言葉で感謝を込めて叫んだ。

 

「Let's meet again!Our best companion!」

 

「…なんて?」

「またな…だってさ」

「…ああ、その時が来ればいいな」

「ダナ。…あ、アラシサン達これ!」

 

憐が駆け寄り、アラシ達に一つのビニール袋を渡す。その中身は……プリン?

 

「ああ!それ私の残してたやつ!?」

「まだ持ってたのかよ!?…まあいいや、ほらアラシ!約束の物だ」

 

「馬鹿律儀だな、流石正義のヒーロー様」

「まあな、ヒーローたる者約束は守んなきゃな。コイツで依頼達成って事で」

 

「……そういう事か。ならいいだろう!切風くん、士門くん!そしてシュヴァルツ!そろそろ時間だ、行きたまえ!」

 

霧香博士に言われ、3人はそれぞれのバイクの元へ向かう。すると、それを見ていたAqoursの面々の中から1人が飛び出してきて……

 

「竜騎士シュヴァルツ!」

 

「……善子?」

 

「竜騎士シュヴァルツ…いや、『兄上』…と呼んでもいいのかしら」

 

『兄上』そう呼んだ善子の言葉に瞬樹くんは一瞬迷ったような顔になると、彼女に背を向けて答えた。

 

「…俺は、お前の本当の兄じゃない。この世界のお前は一人っ子、俺は存在しないのだろう?なら俺とお前は運命が巡り合わせただけの関係、家族や兄妹では…」

「それでも、あなたは私を守ってくれた。心を通わせ、あの巨悪を共に打ち砕いた!ならば何をそんな事!世界が違えど同じ血が流れているのなら、心に宿す誇りが似通っているのなら!……私達は兄妹、そうでしょう?」

 

善子はポケットからある物を取り出した。黒い羽根…いつもアイツが持ち歩いている自身のトレードマークだ。

 

「これは…」

「貴方にこれを授けましょう。これは私との絆の証…そして誓いの証。今ここで永遠の別れとなろうとも、これからも互いに己の道を突き進む。貴方は…それを約束できる?」

 

一瞬躊躇ったような素振りを見せたが、瞬樹くんはそれを力強く掴み取り、槍と共に掲げてみせた。

 

「我は誓おう!異なる世界の妹よ!天界堕天条約に基づき、命尽きる時までこの誓約を破らぬ事を!」

「ええ!我らの魂は永久不変!共に互いの明日に祝福を!」

 

善子…堕天使ヨハネも片目を隠すようないつものポーズをとる。例え世界が違っても、兄妹の絆は変わらない。その通りだ。

 

「そして…いつでもいい。向こうの私に会えたら、それを渡して。そして伝えてほしいの。『貴女は貴女の道を行きなさい、ありのままの貴女を受け入れてくれる仲間に、いつか必ず巡り合える。信念を曲げずに生きなさい』とね」

「ああ、約束しよう」

 

互いの手を取り、包み込むような握手。この出会いもまた奇跡の一つだ。

 

「…さぁ、行くぞ!」

 

アラシと永斗少年はハードボイルダーに。瞬樹くんはライバーンに乗り込みエンジンを始動させた。

 

「アラシくん!永斗くん!瞬樹くん!ありがとー!!!!」

『ありがとう!!!!』

 

「ああ!またなお前ら!超えて見せろよ、μ'sを!」

「またね〜!」

「さらば異世界の盟友達よ!いずれ運命が、再び我らを導くまで!」

 

2台のバイクが光の中へ消えていく。それと同時に、ゲートから火花やスパークが散り、光のゲートが閉じた。

 

「…行っちまったな」

「ああ。…さて、隼斗」

「なんだよ?」

 

「ゲート、ぶっ壊してくれ」

 

「ああ。………………………なんて?」

「ゲート、ぶっ壊せ」

 

『なんで!!!?』

 

博士から突然言われた『ぶっ壊宣言』。え、せっかく新しく作ったのに壊すのかよ!?

 

「チョ、いいのかヨ博士!?」

「そうだよ!あんなに3人で苦労して作ったのに…」

「そうですわよ!何も破壊する事は無いのでは!?」

 

「また今回のような悪用のされ方をしたらたまったもんじゃない。だったらここで跡形もなくぶっ壊してしまった方がいい」

「そんな…」

「だから隼斗、やってくれ」

 

「…了解」

 

ゼンリンシューターを取り出し、ゲートに狙いを定める。そのままトリガーに手をかけ、ゲートを破壊……しようとしたけど。

 

 

「………いや、壊さない」

 

 

「え?」

 

「いやもったいねえし。それに、悪用されたらーなんて言うけどよ…()()()()()()()()()んだろ?」

「…隼斗」

 

「確かにあんたの技術のせいで今回大事件に巻き込まれたけど…それと同時に今回の一件は俺にとって貴重な経験だったしな」

「確かニ。他の世界の仮面ライダー、それにμ'sとの出会い…悪いことばかりじゃなかったしナ」

 

「だから博士、あんたにはこれからも研究を続けてほしい。並行世界のこと、こういうゲートのこと。あんたのことは俺が…俺たちが守る。だからさ、いいだろ?」

 

それに、俺にはまた会いたい人が何人もいる。そのチャンスをみすみす自分の手でぶっ壊したくはなかったのだ。

 

「……………全く、君は本当に………」

「博士?」

 

「そこまで言われちゃあ仕方がない!先生として生徒の希望を叶えてやるのもまた一興だ、天才科学者一時霧香の名にかけて並行世界研究再開してやろうじゃないか!!」

 

白衣の裾を翻し、コンピューターを操作する博士。そして、どこからか取ってきた幌布をゲートに被せた。とりあえず封印って事か…

 

「ま、でもコイツは当分使えないな。今のでエネルギーをだいぶ消費したし、急場凌ぎで無理やり動かしたから回路がショートしてしまった…ちゃーんと直すにはそれなりに時間がかかるぞ……?」

「でもでも!それなら直せばまたアラシくんたちに会えるってことだよね!?」

 

「確かに。でも直ったとしてもルビィたちがそう簡単に別の世界に行けるかなぁ?」

「そうだよ。並行世界とはいえ一応こっちとあっちじゃ過去と未来なんだし…どっちかが軽率に向こうにいったりして歴史に影響が出たら…」

 

「ルビィくんや果南くんの疑問は最もだ。まずルビィくんの疑問だが、行くこと自体は可能だ。帰ってくるには向こうに空いたゲートから戻ればいいだけだしな」

「そうなんですか?それなら……」

 

「だが、問題なのは果南くんの疑問だ。隼斗たちから聞いた話だと向こうの世界はμ's、A-RISEが現役…彼女らは今のスクールアイドル戦国時代を築き上げた正に原点にして頂点。そこで何があってみろ、向こうの君たちやこちらの世界にもなんらかの影響が出かねない。だからコイツを使うには慎重にならなきゃだな」

「そっか…」

 

なら、多分もう会うのは難しいだろうな…少し残念だが。ドライバー一式と鳥を呼び出し博士のデスクの上に置いて俺はラボを出る扉の方へ向かう。

 

「……とりあえずもう終わったし…博士、後の事は任せる」

「ん?おい、何処に…」

 

「屋上。少し感傷に浸らせてくれ、偶には1人に……あ、姉ちゃん来る?」

「1人になりたいんじゃなかったの?」

「姉ちゃんなら2人でもいいの。ほら、来るんなら来て」

 

「…じゃあ、お言葉に甘えて?」

 

果南姉ちゃんの手を引き、俺は2人で屋上へと登っていった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「んんんっ……!疲れたぁ…………」

「お疲れ様。隼斗」

 

大の字に寝っ転がって青空を見上げる。雲一つ無い、透き通るような快晴。大きな事件が片付いたって感じだ。

 

「それにしても、まさか別の世界とはねぇ…」

「俺だって驚いたよ、別の世界にも仮面ライダーって、しかも現役μ'sがいたって!」

「μ'sかぁ…私も会いたかったなぁ…」

 

「いつか会いに行こうよ!ゲートが安全に使えるようになって、戦いが終わって…そしたらさ」



「それじゃ、その時は護衛よろしく!」

「頼まれるまでもないよ。果南姉ちゃんは俺の………俺、の………」

 

ふとよぎるヤツ(エルバ)の言葉、アラシと永斗少年に言われた事。この胸の中で燻ってる果南姉ちゃんへの『好き』の感情。紛れもない Loveの感情。気づけば俺は体を起こし隣に座っていた姉ちゃんに寄りかかり、強く抱きしめていた。

 

「わっ…!……隼斗?」

「……誰にも渡さない」

「えっ……?」

 

「姉ちゃんは……俺のものだ」

 

「はや…と……?」

 

その綺麗な紫色の眼を見つめながらハッキリと口にした。言いたいことを言ったことで緊張が解けたのか、体から力が抜けて……

「うわ危な……!…隼斗?隼斗!」

「……………」

 

「寝てる……?…そっか、ここまでほとんど休みなしだったもんね。…お疲れ様」

 

意識が落ちる直前、後頭部に何か柔らかい感じがした。目の前に姉ちゃんがいるってことはこれ膝枕かぁ…しかも頭撫でてくれてる…これ以上無いgorgeousな寝床だ……もう会うことは無いかもしれないけど…楽しかったぜ、永斗少年、瞬樹くん。

そして────アラシ、俺の最高のダチへ。いつか絶対、また会おうな。

 

力を合わせた守った青空。世界レベルで離れていても、俺たちの心は繋がっている。その手に残ったレジェンドダブルを握りしめながら、俺は深い眠りに落ちていくのであった────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…行っちゃった」

 

「ま、久しぶりなんだ。2人きりにさせてやりたまえ。ほら、私もドライバーのメンテとかがあるんだ!君たちはさっさと帰った帰った!」

 

「はーい!さようなら霧香先生!」

 

「また明日ずら!」

「今回の記録、きちんと残しておくように。遠い異世界の兄…とても心に残る存在であった」

 

「センセイ!楽しみにしてるわよ、異世界のGATE!」

「お仕事も結構ですが、今回かなり無茶をしたのです。きちんと休むのも仕事のうちですわよ?」

 

「んじゃメンテよろしくナ博士!」

 

各々がラボを出ていき、私1人が取り残される。Aqoursの面子の気配が消えたのを確認し私は1人ラボの床に寝っ転がった。

 

「ああああああ!あっぶなかったぁ…いやぁ隼斗なら多分壊さないだろうと踏んでちょっと言ってみたけど、スリルあったなぁ……」

 

正直言うと、私も「このゲートは破壊しない」って言おうとしてたが、そうなると今度は私が悪用するんじゃないかって疑われかねなかったしなぁ…ワンクッション置いてみたのと、隼斗のお陰で事なきを得たよ。あぁ〜よかったぁ……

 

「だが、終わりよければなんとやらが私のモットーだ。今はこれで、よしとしよう…」

 

床から跳ね起きてコンピューターに向かう。

アクシデントから起こったとはいえ、今回の一件でかなり有効なデータが取れた。異世界の仮面ライダーダブルとエデン…憐が真っ先にエルバの能力を打ち破れた理由、そして隼斗が使用したオーバーブレイクモードのデータ…それらを含む大量の戦闘データの数々と、こちらの世界にあったエルバのアジトからぶんどってきた研究データ。

 

そして、隼斗の生命反応が戻ってきた瞬間にあった謎の反応……オーバーブレイクに近いが何かが違った。

 

しかも隼斗にかかっている副作用らしき反応は見られないというのだから驚きだ。原因は分からないが、隼斗は更に強くなっている。それなら私としては特に問題は無い。

 

「面白くなってきたじゃないか。そのままどんどん成長を続けたまえ。………私の英雄」

 

 

理想への道は至って順調、僅かな揺らぎの一つも見えない。手元に安置された『黒いドライブドライバー』を撫でながら、誰もいないラボで1人笑い声を上げていた。

 

 

ラブダブル!~女神と運命のガイアメモリ〜コラボ編 完

 




長きに渡る146さんとのコラボ編、これにてようやく完結です!
およそ1年に渡ってお送りしてきたこの大長編、最後まで読んでいただきありがとうございました!
146さんサイドも合わせて最後まで両方見ていってください!

そしてここでお知らせです。
遅くはなりましたが、『彼女は何故模造されたのか』を作ってくださった度近亭心恋さんからまた誕プレ三次創作をいただきました!

本編前日談となる、憐が主役のスピンオフ作品!下のリンクからぜひこちらも見に行ってみてください!
*なお、話の内容的に年齢制限がついてしまったので18歳未満の人は閲覧をご遠慮ください。

https://syosetu.org/novel/239403/
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