ラブライブ!サンシャイン!!×仮面ライダードライブサーガ 仮面ライダーソニック   作:Master Tree

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人間の常識を超えた怪物・化け物というものは人間社会を脅かす存在であり、確かに恐ろしいモノである。しかしかつてある男はこう言った

『本当の悪意は人間の中にしかない』

その言葉通り 本当の怪物とはすなわち────


第二期13話 ロイミュードの悪夢は何故甦ったのか

 

 

これまでのサンシャインサーガ !

 

ルビィと理亞は互いの姉のため、曲を送るべくライブをやろうと発案。そうして奔走する彼女らを支える傍ら憐は自身の育ての親である女性明日香との一時を過ごしていた。

 

その途中ロイミュードの襲撃に2度も遭い、展望台での戦いでは004及び2体の巨大ロイミュードの前に倒れる憐。

 

もはやこれまでかと思われたその時、空から飛来する蒼き光。新たな姿『ソニック改』を得た隼斗が瞬く間にロイミュードを撃退。

 

だがその光景に何か思う所があった憐は『自身のやりたい・やるべき事』のためにAqoursを去ってしまうのであった────

 

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『…!』

 

俺に振り下ろされる、ハンマーのような左腕を潜って避け、煌風の刃をその腹に叩きつける。そこから返してもう一撃。

 

クラッシュロイミュード…以前はその頑丈さに苦戦を強いられたが、今の俺には敵ですらない。

 

「先にあっちを片付けるか…とりあえず、お前は引っ込んでろ!」

 

怯んだところを回転して蹴り飛ばす。

蹴りが当たる瞬間、風の力を加えてImpactを増した事で大きく吹っ飛んだ。

 

「…お前らも邪魔だ」

 

糸を放つ060の攻撃を避けて背後に周り、二撃からの突き刺し。その背から刃を抜いて下がり煌風を鞘へ。展開したドライバーからシグナルソニックを抜いて煌風に装填。

 

《ヒッサツ!ぁふるすろっとる!!》

 

「壱ノ芸、霧祓!」

 

加速し、間合いに入ったのと同時に抜刀。

高速の居合が060のボディを切り裂き、その鉄の体は砕け散った。

 

休む暇もなく迫り来る大蛇、巨大化した074がこちらを食らおうと接近して来る。けどな…

 

「その巨体じゃ俺は食えねえよ!」

 

《ズーット!Sonic!!》

 

ブーストイグナイターを連打し更に加速。

あえて接近して頭部の真下にもぐりこむ。当然向こうはこちらを呑み込もうと大口開けて下に向かって攻撃して来るが、それをギリギリまで惹きつけ回避、ガラ空きの顎に拳を叩き込む。

 

『ー!!』

 

衝撃で悶える074。

そのままとぐろを巻きこちらを締め上げようとして来たので跳躍、シグナルトマーレⅡを呼び寄せて煌風に装填、頭頂部に突き刺す!

 

「っらぁ!」

 

シグナルトマーレⅡの力を帯び、風の力も合わさって深々と突き刺さった箇所から発せられた電磁波が074の胴体を包み、動きを阻害する。

 

『ー!?』

 

「これで終わりだ」

 

《ヒッサツ!》

 

振り落とそうとするのでその前に飛び降り、ドライバーを展開。ブーストイグナイターを押して必殺技待機状態に。

 

「Sonic. Annihilate the enemy!」

 

《Full throttle!Sonic!!》

 

「喰らえ、久々の…ストリーム・ソニック!!」

 

074に向かって駆け出し、右足を突き出す。

青く輝くエネルギーをその身に纏って繰り出すライダーキックが鉄の大蛇を貫き砕いた。

 

「…last!」

 

ハンマーのような両腕を打ちつけ、こちらに突進して来るのは先程蹴り飛ばしたクラッシュ。

 

接近して振り下ろされる両腕を掴み、前蹴りを入れて距離を取る。そこから再接近し拳で2発最後に右でもう1発叩き込み吹っ飛ばした。

 

「…決める」

 

《ヒッサツ!Full throttle!Sonic!!》

 

ドライバーを操作し再びFull throttleを発動。

一気に加速してクラッシュの横を通り過ぎ地面を滑りながら落下した煌風を取る。

 

「隼斗流剣技肆ノ芸…」

 

そのまま切り返し、速度を維持したままクラッシュに突っ込む。振り上げた煌風の刃が加速によって生まれた風を纏い、それを思い切り振り下ろす!

 

「山颪!!」

 

その一太刀は、その名の通り山から吹き下ろす風の如く。胴体を切り裂かれたクラッシュロイミュードはそのbodyを爆散させた。

 

「敵ロイミュード3体、全撃破完了…次!」

 

『いい加減にしたまえ!もう15戦以上してるだろう!ほら戻ってこい!』

 

世界に声が響いた途端、俺の視界は光に包まれて────

 

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「全戦全勝だよ…」

「進化したのはこの前体感したけど、まさかここまでとはね…」

 

気づけば俺は霧香博士のラボに戻っており、横を向くとそこには千歌と曜、それに果南姉ちゃんが立っていた。

 

「それにしたって、いくらなんでもやり過ぎだよ。こんなのゲームとほとんど変わらないじゃん…」

 

 

「っさいなぁ…というかゲームじゃ無くてれっきとした戦闘訓練だよ姉ちゃん。仮想世界とはいえ命かかってるのは現実(こっち)と変わらないんだから…」

 

「でもコンテニューできるんでしょ?」

「当たり前でしょ訓練で死んだら意味ないんだし。何を言ってんだよ…」

 

「それは当然でしょ!というかやり過ぎって事は変わらないじゃん!はい没収!」

「ああ俺のやつ!?」

「君のでも無いんだが…」

 

そう言って俺のヘッドセットは姉ちゃんに取り上げられた。なんだよまだやりたかったのに…

 

「…ねぇ隼斗、なんか焦ってない?」

 

不満を露骨に顔に出していると、姉ちゃんが俺にそう問いかけて来た。…俺、そんな分かりやすい表情してた?

 

「…なんだよ、いきなり」

 

「憐がいなくなったのはそりゃ驚いたけどさ…急にまた1人に戻って、俺がしっかりしなくちゃ、みんなを守らなくちゃ…ってなってるんでしょ?…まあその気持ちは分からないでもないけど…」

 

「…別に、特段気にしてはないよ。強くなった俺の活躍の場が増えたって事だし、全然俺1人でもno problemだよ」

 

「だったら…!」

 

「休憩して来る。3人もそろそろ練習戻れよ?俺も後で行くから、サボらないようにな〜」

 

「あ、ちょっと隼斗!まだ話は…!」

 

「…っ!?」

 

ラボを出ようとした途端、不意に強く手を引かれたことでよろけてぶつかってしまう。

 

俺とは違う滑らかで華奢な手。背中越しに伝わる柔らかさ…その感覚が最近自覚したばかりの感情とSynchroし、思わずその手を払いのけていた。

 

「あ…ご、ごめん…」

「う、ううん…別に痛くもないし…」

「そ、そう…それならいいけど……」

 

数瞬沈黙がその場を支配する。

その空気に耐えられず、俺はその場から逃げるようにラボを飛び出した。

 

「…なに、今の空気…」

「果南ちゃんが言ってた焦りとはまた違ったような…」

 

「…ふぅん…なるほど…?」

「何か分かるの、霧香先生?」

 

「ん?いやなに、何があったかは知らんが…珍しく歳相応のアイツが見られたなと思っただけさ」

 

「歳相応の…」

「隼斗くん?」

 

「とにかく!しばらくは好きにさせてやりたまえ。それに、彼が強くなればなるほど君らの身の安全もより強固なものになるんだぜ?」

 

「それはそうだけど…」

 

「先生、くれぐれも隼斗のこと見張っててよ?」

「そうだよ!隼斗くんしょっちゅう無茶するんだから…」

 

「無茶するのは君とて同じだろう千歌くん…ほら3人とも、戻りたまえ!」

 

 

「「「は〜い」」」

 

 

 

「…行ったか。やれやれ…隼斗の無茶にも困ったもんだな…だが、これでいい。奴の肉体の自然治癒力・身体能力の強化、それに伴うオーバーブレイクモードの負荷の抑制…そして極め付けはあの反応速度…この短期間でここまでの成長速度…間違いなくアイツは進化を始めている。

 

やはり君こそ私が求めた存在…『トランセンダー』となりうる人間か…せいぜい見極めさせてもらおうじゃないか。

 

なぁ…シュウ」

 

 

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「はぁ…はぁ…っ」

 

走り続けてどれだけ経ったか、とりあえず近くの空き教室に転がり込む。その場で座り込んで休むが多少走った程度じゃ大丈夫なはずの鼓動が妙にうるさい。

 

「あの程度動揺してんじゃねえよ俺…相手は果南姉ちゃんだぞ?今更そんな意識するようなことじゃ…」

 

と呟いた瞬間、脳裏に浮かんできたのは2人で過ごしたあの1日。

 

人生で初めて、たった1人の大好きな女の子のために何処がいいかどうするか…必死にPlanを考えたあのデート。…つい昨日といっても過言ではないあの日のことがこの感情を強くする。

 

「いや…今だからこそ、か…嫌でも考えちまう。しかも当の本人には全くその気がなさそうと来た…俺も厄介な人を好きになっちまったな…」

 

まあいい。今はとりあえず他のこと考えないと…こういう時は何か別のことをして気分転換するのに限る…

 

そう思いポケットからスマホ出し、ホーム画面をスワイプする。

最近はログインばかりになっていたゲームが複数。とりあえずこの辺ので何かを…ん?

 

「なんだこれ…こんなゲーム入れてたっけ?」

 

そうして見ていると、俺が見覚えのないアプリアイコンを一つ発見した。えーとタイトルは…

 

「『ラビリンス・オブ・アニマ』…迷宮、ねぇ…タイトルから察するに謎解きか?あんま好きじゃねぇんだけど…まあ、今はこれでいいか…」

 

実際やってみると、謎解きというよりコイツはクイズゲームのようだった。

 

ステージ毎に与えられる複数のヒント、それを元にプレイヤーはその問題を解きNext stageへ進めていく、というものらしい。個人的にはアクションゲームの方が好きなんだが…やってみると存外解けるものだった。

そしてなんとか最終ステージまで辿り着いたのだが…

 

「…チッ、また違うのかよ…!」

 

ちなみにこれで5回目。

最終ステージの問題が特に難しくて全く解けやしない!しかも挑戦する度に問題が変わるから覚えたところで無駄という。

 

「あーもう飽きた!やってられるか!…いや、博士なら解けたりするかな…仮にも天才だしな…ちょっとやらせてみるか…」

 

てな訳でラボに戻ると、その博士はソファに寝そべりタブレットを手に何かをしているようだった。珍しいな、大抵パソコンでデータ処理とかやってるあの人が…

 

「なんだこのクソ問題は!この私が解けないなどあり得ないだろう!…いや、もしかしたら隼斗なら…アレで案外直感はいいしな、今のアイツなら…」

「俺がどうかしたか?」

 

「あん?……隼斗!お前いつからそこに!?」

「いや、ほんの数秒前。それより何してんだ?」

「ん?ああ、ちょっと息抜きにゲームをな…あまりゲームやらない私でもこいつならと思って…」

 

そう言って博士がタブレットの画面を見せてくる。そこに表示されていたのは『ラビリンス・オブ・アニマ』。俺がさっきまでやってたのと同じゲームだった。

 

「ラビリンス・オブ・アニマ!?」

「なんだ、君知ってたのかい?それなら話が早い。ちょっとやってみてくれんか?私でも無理だったが、君ならあるいは…」

 

「悪いな、俺もさっきやってみたらけど無理だった。Final Stageだけがどうも突破できん」

「…そうか。先に言うが私でも無理だったぞ。君のことだ、私を頼って来たんだろうが…」

 

「マジか…博士でも無理となると俺が無理なのも当たり前か。しっかし、なんだこのゲーム?というか、そもそも俺こんなのインストールした覚え無いんだが」

 

「そんな不審なアプリを不用意に開くな愚か者め…今はそういう軽はずみな行動からセキュリティ云々がだな…ま、いざとなればなんとかできなくも無いが」

「え?やれんの?」

 

「前に使ったアルスシステムあるだろう?アレを用いて使用者をネットワークにダイブさせて、その電脳世界内部で物理的にその危険なものをデリートする…あ、そうだ!」

「なんだよ…おっと!」

 

博士が投げ渡してきたのは俺が使っていたヘッドセット。そして、タブレットをパソコンに繋げると何やら操作し始めた。

 

「隼斗、そいつを使ってちょっと調査行ってきてみてくれないか?」

「はぁ!?なんで俺が…というか、あんなことがあった手前、また何かあったら…今回はもうゲートも使えないんだろ?」

 

「心配するな。今回はガチガチにセキュリティ強化してるし、非常時システムも構築済みだ。それに…このゲーム、何かある」

 

「何かって…」

「隼斗、君ニュースは見たか?」

「ニュースぅ?」

「見てみろ」

 

投げ渡されたタブレットに表示されるNews記事。そこに写っていたのは、とあるスタジアムの崩落事件の記事だった。この日は確か、俺は姉ちゃんと…気づかなかった。こんな事が起きていたとはな…

 

「スタジアム?ここがどうかしたのか?」

 

「国際スポーツスタジアム…現在はオリオン総合スタジアムと改名されているが、そこはかつて泊進ノ介君…仮面ライダードライブがロイミュード033…スクーパーロイミュードと戦った場所だよ」

 

「…かつての事件の跡地」

「おうとも、だがそれだけじゃ無い。こっちは…」

 

「囚人の脱獄!?しかもこれって…」

 

多賀、坂木、根岸…確か全員ロイミュード絡みの犯罪者どもだ。それに…

 

「それにほら、その動画」

 

こっちは…なんだ?銃を突きつけられた女の人が怯えた様子で何かを読み上げている。

 

『マザーグース、口笛、スクープ、落ち損ねたロンドン橋。それ、ど〜こだ?タイムリミットは、1時間』

 

「スタジアム崩落事件の前にネットにアップされていた動画。まぁ、所謂犯行予告ってとこだな。その動画をあげた主は、コピーキャット・ミスターXと名乗っていたそうだ」

 

「ミスターX?…確か、剛先輩が泊先輩達に情報提供してたって時の偽名…だっけか」

「同時に、蛮野が彼らを誘き出し超進化態のエネルギーを集める儀式の場で始末しようと試みた時の名前」

 

「これになんの関係が?」

 

「隼斗、さっき犯行予告を見て何か気づかなかったか?このヒントの出し方…」

 

ヒントの出し方?

複数のヒント、クイズ…そこから答えを導き出す…まさか!

 

「このゲーム、ロイミュードがらみだってことか?」

「ああ。それに、犯人はおおよそ目星が付いている。犯罪者の手口を模倣する、ロイミュードに関わり深い人間…そして君があの仮想世界で戦ったロイミュード005…」

 

「────西堀、光也」

 

元は犯罪心理学者だったらしいが、犯罪者の心理に触れていくうちに自分が犯罪者になっていたという…ミイラ取りがミイラになるってのはこの事だな。

 

それにこの手口も、今は壊滅したというネオシェードって組織が身代金要求の為に使っていたやり方らしい。俺はハーレー博士の研究所でデータベースを拝見しただけだからよく知らんが。

 

「もしかすると我々は、知らずして本筋に片足を突っ込んだのかも知れん。そして恐らく、いや確実に彼らも…この事件に関わっている。なんなら犯人にも我々より早く辿り着いてるかもしれんぞ?」

 

「俺らは基本的にあの人達とは関わらずに行くんじゃ…」

「こうなった以上、そうも言ってられないって事さ。そろそろスピンオフではなく、我々も役者として舞台に上がろうじゃ無いか。が、まずは下調べからだ」

 

「アルスシステムでこのアプリ内部に入って調査するってことか」

「イグザクトリー。話が早くて助かるよ、全く。何かしらの痕跡がコイツには残ってるはずだ。それを探し出す」

「got it.ならとりあえずやってみるか。博士、頼む」

 

「おう。アルスシステム、実証開始!」

 

ヘッドセットをつけ、俺は電脳世界へ。

待ってろ005、あの時は仕留め損ねたが、その尻尾掴んでやるよ!

 

 

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「…博士」

「言うな隼斗。まあ、だろうなとは思っていたけどさ…」

 

結論から言うと、空振りだった。

そりゃそうだ。それでさっさと解決したら苦労はしない。

 

間を縫って2日間ほど調査したが、あまり進展らしい進展は無かった。それどころか状況は悪化しており、人質に主犯格のメンバー達…脱走した囚人の何人かが死んだ。全部アイツが…

 

「しかもコイツ…」

 

SNSを見れば『重加速』だの『ロイミュード』だの、不安を煽るような投稿が増えている。

そして極め付けはこの書き込み。

 

『悪夢の記憶は甦り、再び恐怖は広がった。全て計画通りだ。聖なる儀式はもうじき完成する』

 

「ふざけやがって…!」

 

ぶっ飛ばすのは簡単だが、その肝心の相手が見つからない。その状況に俺も博士もやきもきしてきた。

 

「どうしたものか…ん、隼斗!」

「んだよ?」

「新しい動画だ!」

 

博士が手元のスマホを見せてくる。

そして、同じように予告文が読み上げられた。

 

『目撃者の少女、四度目の恐怖、隠された聖なる炎、狙われてるのはだ〜れだ?予定時間は…30分後』

 

銃声と共に画面がブラックアウト。そこで動画は終了した。

 

「目撃者…の少女?」

「…隼斗、それはきっとあの子じゃないかい?」

「あの子?」

 

「ほら、泊進ノ介君のお父上。001の関係者である…」

「ああ、いたいた。それがどうかしたか?」

「多分狙われてるのはその子だ。そしておそらく彼らもそれに気づいている」

 

「で、どうしろって?」

 

「決まってるだろ?ネットワーク上で捕まえられないのなら────現実でとっ捕まえる!」

 

「はぁ!?ちょっと待て、今から向かうにしても場所は?それに俺が直接向かっても時間が…」

 

「ブレイヴなら数分で行ける。場所もこれまでの事件からおおよそ目星が付いている!それを追えばいける筈だ!」

 

「東京まで飛べってか…でもまあそうだな!面倒な推理だのなんだの俺には向かねえ!悪党はぶっ飛ばして撃滅あるのみだ!!」

 

そうしてラボを飛び出す俺と博士。

地上に上がると、ブレイヴソニックに変身して東の方へと進路を向けた。

 

 

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人目を避けて着陸し、変身を解除。

博士の情報を元に、ファルコンを用いて周辺を調査した結果、俺が辿り着いたのはとある高校。ここにその少女…唐沢ゆかりさんがいるらしい。

 

「ここか…っ、アレは…!」

 

俺の目線の先には、憧れの人の1人。

泊進ノ介先輩だ。隣にいるのは…

 

『早瀬刑事だな。泊君のかつてのバディ』

「そうか、あの人が…っと!」

 

スマホで陰から2人を撮っていると、俺の横を複数の車両がすごい勢いで通り過ぎていく。

それらは校舎の出入り口を塞ぐように止まると、中から武装した警官が次々と降りてきた。

 

「はぁ!?…おいおい警察内部にも敵居たのかよ…冗談じゃねえって…」

 

しかもよく見たらサブマシンガンとかロケランまで持ってやがる…サブガンはともかくロケランとかどっから持ってきてんだよアホか!

 

そして、最後に車両から降りてきた警察官の制服に身を包んだいけすかないメガネヅラ。泊先輩のお父さん…英介警部補を殺した真犯人。

仁良光秀。それにあいつは…根岸だっけか。オープン・ロイミュードの。

 

仁良は2人と何かを話すと、校舎の方へと向かっていく。先輩達も追いかけようとするが、武装集団に阻まれ先へ進めずにいた。

 

「…行くか」

『隼斗、出発前に渡したアレ、変身したら使えよ?』

 

「分かってる!さてやるか…いや」

 

ドライバーを装着、シグナルソニックを装填する。

 

「いざ参る。…なんてな!」

 

ソニック改へ変身し、博士から渡されたあるものを被り、側面から学校敷地内へと飛び込んだ。

 

 

他の生徒や教員なんかは避難したらしく、校舎内は監視役の刑事数名とあとは武装した下手人が何人か。なんとか見つからずに後をつけていくと、辿り着いたのは音楽室。仁良はドアに銃弾を浴びせて破壊すると中へと侵入。

 

「っし、今なら…!」

『分かってると思うが、極力殺すなよ隼斗。あの警官は恐らく黒幕に操られてる。彼らもまた被害者さ』

 

博士の調べによると、ラビリンス・オブ・アニマ、アレをクリアした人間は意外にもそこそこいたらしく、その数は108。ロイミュードと同じってのは狙ったんだろうな…クリア者は画面から発せられる音や光で洗脳され、傀儡として体良く使われていた…というのが推測らしい。

 

「分かってる。それに…みすみす人殺しにはなりたくねえから…な!」

 

抜刀した煌風にシグナルトマーレⅡをセット。刀を返し峰を構える。

 

「不意打ち御免…!」

 

一気に踏み込み武装警官達を一蹴。

倒れた音に気がついたのか、仁良がこちらを振り向いた。

 

「なんだぁ?……は?おい、お前らなんで倒れ…」

 

その瞬間、一気に飛び出す。

俺の姿を見た仁良は、ギョッとしたように目を見開きこちらを視認した。

 

「なっ!?テメェ、なにも…」

 

言葉が続く前に踏み込んだ左足とは逆の右足を上げ、そのまま仁良の腹に飛び膝蹴りを叩き込んだ。そのまま体を捻り、教室の後方黒板の方へと蹴り飛ばし奴を叩きつけた。

 

「っ!コイツ…」

 

全身を強く打ち、仁良は気を失いズルズルと床に沈む。残った根岸にも喉元に煌風の切先を突きつけ動きを封じた。

 

「ぐっ…」

 

「妙な真似はするな。お…それがしの剣の錆になりたく無ければ。…武器を捨てろ」

 

その言葉を聞くと、根岸は持っていた自動小銃を足元に落としたので、それを蹴って遠くに飛ばした。

 

「お前…何者だ…?仮面ライダーはいない筈じゃ…」

 

「生憎こちらは別口にて。知らぬ存ぜぬは当然でござるよ」

 

「どうした!?何があっ…根岸!それに…お前は…!?」

「っ、泊!それよりもあの子を!」

 

遅れてやってきた泊先輩と早瀬刑事。俺と根岸を一瞥すると、先輩は真っ先にゆかりさんの方へ駆け寄った。これでとりあえず安心かな。

 

「大丈夫か?怪我は?」

「だ、大丈夫です…ありがとう刑事さん。あの人が助けてくれたんです。刑事さんの仲間、なんですよね?」

「仲間…?いや、アイツは…」

 

泊先輩は俺の姿をまじまじと見つめる。

今の俺はソニック改に変身しているが、違う点が一つ。その頭部には、編笠を模した追加パーツを被っており、まるで股旅姿を彷彿とさせる姿をしているのだから。

 

「マッハドライバー!?…お前、何処でそれを…」

 

「あ、生憎おれ…あ、いやそれがしに答える事はできぬ故…まあ良いではござらんか。こうしてこの子を救ったのだ。少なくとも敵ではござらん。信じていただきたい」

 

「なんだそのヘンテコな口調は…でもまあ、助けてくれたのは礼を言うよ。ありがとな」

 

「────っ!!」

 

マスクで見えてなくてよかった。今の俺の顔凄いことになってるから。まさか泊先輩から直接お礼を言われるなんて…

 

「ま、まあ礼には及びません…およばぬ!仮面ライダーならば当然のことにて…」

 

「泊、知り合いか?」

「いや、初対面だ。…マッハに似てるけど…なんか色々違えな。お侍さん、あんた名前は?」

 

「…この男にも言ったが、名を名乗る事はできぬ故…ん、そうさな…ミスター・ブシドーとでも」

 

「ミスター・ブシドー…」

「侍だから武士道って…安直過ぎないか?」

 

俺が付けたんじゃ無いんだよ!

博士がこう名乗れって言うから…!口調も変えろって!あとこの編笠だけじゃなく声もなんかボイチェンで無駄にイケてる感じになってるし…!

 

「ともかく、泊先ぱ…泊殿、まずはヤツを。また何かされては困る故」

「アイツ…?っ、仁良!」

 

泊先輩は後方で気絶していた仁良を見つけると、駆けつけてその手首に手錠をかけた。根岸の方も早瀬刑事によって手錠がかけられ、駆けつけた捜査官によって2人は連行されていった。

 

「一件落着…か」

 

「ありがとうな、ブシドーさん」

「とんでもない。こちらも1人では限界があった」

 

「ただ、君本当に何者だ?泊は知らないんだよな?彼のこと」

「ああ。ドライバーなんかは全部ベルトさんと一緒に地下深くだし、新しいのが作られてるなんて話も…」

 

「…それは」

 

「それに関しても聞かないとな。ブシドーさん、悪いが署までご同行…」

 

助かった。

それを遮るように鳴り響く着信音。

 

「すまん、電話だ…課長?はい泊!…なんだって!?はい…はい、わかりました!」

 

電話が切れると何やら大慌てで外に出る泊先輩。俺もそれの後を追って行く。

 

「泊殿!何が…」

「まだ終わってなかったんだ!大量の爆発物を積んだトラックが猛スピードでこっちに向かってる!なんとかしないと…」

「なんだと!?」

 

外へ出て周囲を警戒していたファルコンから送られてきた映像を確認する。明らかに法定速度を超えて走行しているトラックがこちらに向かってきていた。

 

しかも映像を確認すると運転席はなんと無人。自動運転のようだ…

 

「あんなの普通の人間に止められるもんじゃない…俺がやるしか!」

「ブシドー!」

 

泊先輩の静止も聞かずに咄嗟に飛び出し、トラックの方に走って向かう。一台のバイクが並走しており、なんとその運転手はトラックのドアを開けて運転席に飛び移った!

 

「なんつー無謀な…!なら俺は!」

 

取り出したゼンリンシューターを連射し、タイヤを撃つ。パンクさせて止めようと試みるが、火花を散らすだけであまり効いてない。

 

「だろうな…!ええい、まだるっこしい!」

 

《Signal koukan!超・トマーレ!》

 

トマーレⅡにシグナル交換。

ゼンリンシューターBSを撃ち、ブーストイグナイターを連打した。

 

「止まりやがれ暴走トラック!!」

 

《今スグ!超・トマーレ!!》

 

黄色く光る網状の光がトラックを包み、トラックを急速にSpeed downさせていく。が、まだ止まらない。後方を見ると泊先輩も拳銃でタイヤを撃ち止めようとしている。

 

「っ!止まれって…いってんだろうが!!!」

 

ブーストイグナイターをさらに猛連打。

 

《今スグ!超・トマーレ!!》

 

網が更に何重にも重ねられていき、トラックはその動きを無理矢理停止させられた。

 

「…止まった」

 

「間に合ったか…」

 

 

泊先輩は最後までトラックをなんとかしようとしていたのか、ギリギリの所にいた。全く無茶な人だ…いや、それでこそか。

 

「ありがとう、助かった」

「当然っすよ」

 

「そっか。…口調、崩れてるぞ」

「あっ…」

 

緊張が解けたのかフッと笑みをこぼす泊先輩に俺も思わず笑ってしまった。だが、直後に先輩のスマホから聴こえた音声に、俺の意識はすぐ切り替えられる事になる。

 

『まだ爆弾の起爆装置は解除されてない!離れて!!』

 

女の声だったがなんか聞き覚えが…っ!それよりも!

 

俺は運転席に飛び込むと、そこにいた男を抱えて即座に脱出。マントで包み衝撃を殺そうと試みる。その直後に炎と衝撃、そして黒煙が巻き上がり俺たちを吹っ飛ばした。

 

「狩野!ブシドー!!」

 

辺りを包む黒煙で何も見えないが、泊先輩の声が聞こえた方に飛び出す。泊先輩も、俺の抱えてる人も、もちろん俺も。3人ともなんとか無事だった。

 

「ふぃ…safe safeっと…」

 

「大丈夫か!?」

 

「ええ、なんとか…」

「狩野、平気か?」

 

「ああ。…これが仮面ライダーか。助けてくれたこと、感謝する」

 

俺が抱えていた男がヘルメットを取る。その中から現れたのは…

 

「えっ!?」

 

「…なんだ」

 

「…うそだ…貴方は、死んだはず…どうして…チェイス先輩!?」

 

初代仮面ライダー、プロトドライブにして仮面ライダーチェイサーであった男、チェイス先輩の顔だった。だが、この人は蛮野との戦いで死んだって…

 

「死んだ?…またこのパターンか」

「また?何を…」

 

「なんだ、お前その辺は知らないんだな。コイツは狩野洸一。俺と同じ警察官だ」

「狩野洸一…さん」

 

泊先輩がそう言うと警察手帳を見せる狩野さん。察するに、この人がチェイス先輩のコピー元か。なるほど、警察官をコピーしたならアーカイブで見た生真面目さも頷ける。

 

「そっか。…そうか」

 

「…?ブシドー?」

 

「それよりも、コイツ遠隔操作されてたんすよね?発信源は…」

 

「ああ。今俺の仲間が探してる。究ちゃん…」

 

『やってるやってる。えーと…八王子市ってとこまでは特定できたんだけど範囲が広過ぎて…これじゃ西堀光也に逃げられる。なんとかしないと…』

 

西城究さんか。あの人でも特定に時間がかかるとは…アイツめ、どこまで…

 

『ハヤ…ブシドー』

 

そこにファルコンが俺の前に降りてきた。あ、そっちもRole playしてくれるのか。

 

「なんだファルコン」

『そこまで絞れればあとはなんとかする。そちらに向かうぞ!』

 

「了解!すみません泊先輩、狩野さん、俺はここで」

 

「ブシドー?ここでって…」

 

《Evolution!》

 

ブレイヴ・ファルコンから射出されたシグナルブレイヴを使い、ブレイヴソニックへ変身。空へと舞い上がる。

 

「おい!どこに行く気だ!」

 

「あとはこちらで引き受けます、この場は頼みますよ!!」

「あ、おい!!」

 

そうして進路を西側へ。

待ってろ西堀、俺が絶対とっ捕まえてやる!

 

 

次回へ続く。





もはやハーメルンを開かなくなる日がザラにあるレベルにまでモチベーションが…けどなんとしても完結はさせたいので続けます、最後まで!

ある意味もう一つの原作?要素のマッハサーガ編。いよいよ隼斗は先輩である彼らと接触。ちなみに正体隠してる時の隼斗/ソニックのイメージcv.は中村悠一さんです。(分かる人には分かるネタ)

本当は一話で終わらせたかったけど、長くなってもアレなのでもう1話続きます!

それでは次回もお楽しみに!
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