「迎えに来たぞ桜」
「ありがとうライダー」
もう時刻は午後五時を過ぎている。最近直ったキッチンでまた料理を作らなくてはいけない。兄さんもお爺様も待っているから。
「それにしても大変だな。学校はなくとも部活動は続けるとは」
「でも場所が遠いからライダーに送り迎えしてもらうしかないんだけどね」
今現在ここは冬木の総合体育館。新都にあるからそれなりに家から遠い。仕方なくライダーに頼むしかない。
「あ、ライダー。夕飯の材料買うから」
「いつものところでいいのか?」
「うん。それと先輩の家にも行くから」
先輩の家に昨日の夜伺ったら、あまり元気がなかった。それどころかどこか辛そうで悲しそうで。
「先輩、どうしたら元気になるんだろ」
「しばらく間を開けることだ。そうすればすぐに戻ってくる」
「でも話ぐらいは聞いてあげたほうが」
「その結果、辛い出来事を思い出させる形になるぞ?」
確かにライダーの言う通りだ。でも私に何も出来ないとなると・・・・
◇
「あら桜じゃない。どうしたの?」
「えっと、コレ」
「ああ、夕飯の。ありがとね。衛宮君すっかり落ち込んでるから」
「何か理由が?」
「うん、まあね・・・また時が来たら話すわ。今日はありがとね」
ーーーーー
「なんて言われた、って話聞いてるのライダー!?」
「ああ、キチンと聞いている。ようは門前払いされたのだろう?」
「うう、事実だけど・・・・」
家に帰ってライダーに報告する。ライダーは何か武器を作っている。最近ずっと何か作ってるけど。
「ところでライダー。何作ってるの?」
「これか?お前専用の戦闘礼装だ。あの
確かにそうだけど。あれは兄さんが通販で買ったものだし、わざわざプレゼントしてくれたものだし、使わないのは勿体ないし、私も気に入ってるし。
「ってライダー?それの材料ってどこから?」
「少し前にエインズワースという家族の娘を助けたことがあってな。そこから縁があって、いろいろと融通がきくんだ」
「つまりそのお家族に買ってもらってるってこと?」
「そういうことだな」
「・・・・!このおバカ!!」
グーでライダーの頭を殴る。ライダーは痛がる様子もなく、むしろ私の手が痛い。
「たとえ人様を助けたからって、そこに漬け込んで色々と買ってもらうのは許しません!今すぐお金を返してきなさい!」
「待て桜。俺には金がない」
「だったらバイトでもしてお金を貯めなさい!先輩だって、たまにランサーのサーヴァントもバイトしてたよ?最近は見ないけど」
アーネンエルベでバイトしてたのに。少し前から見なくなった。
「それにこれは向こうから『貰ってくれ』と言われて俺が貰ったものだ。どうも曰く付きらしくてな」
「え?そんなもの私の武器にしようとしたの?」
「心配するな。徐霊はしてある」
「そういう問題じゃないでしょ!」
「とにかく、もうこれは俺と桜の物だ。それにこいつで最後だ・・・・ほら、完成したぞ」
渡されたのは銀色の槍。なんか誰かの足に付いてそうな、そんな感じの槍。
「パラディオン。アテナの槍らしいが俺も詳しいことは知らん」
「なんでよく分からないのに作ったの!?」
「説明書通りに作るのが人間のルールではないのか?」
そう言って説明書を渡してくる。うわ全部外国語だ。英語?イタリア語?イギリス語?
「とりあえず、それをもって明日アインツベルンの城に攻めこむ。準備しておけ」
「ええ!?急すぎるよライダー!明日は普通に部活が」
「ふむ、ならば明後日だ。明後日は予定をいれるな。いいな?」
鬼気迫るライダーの表情の前では、うんと言わざるをえない。いきなり過ぎるよライダー。
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「・・・・・・・・マジで?」
「マジよマスター。セイバーが脱落したわ」
朝起きていきなりセイバーが脱落したと、アーチャーは情報を掴むのがはやいねぇ。しかしセイバーが最初に落ちるとは。
「最初はアサシンぐらいかと」
「確かに、技量とか含めたらきっとアサシンが最初に脱落したでしょうね。でもねマスターが強いの。マスターが優秀ならどんな雑魚サーヴァントでも最強になれるのよ」
「俺は優秀?」
「・・・・・・・・下の中ね」
「泣きそう」
となると衛宮はもう聖杯戦争には参加しないのか?いや衛宮にはサーヴァントと張り合う程の力はないし、それに参加する理由がない。どちらかというと俺と願いはほぼ同じなんだから参加する理由は、
「いや、衛宮はきっと諦めない。ルールなしの喧嘩なら負けなしだしな。どうせ一人でも参加してくるぞ」
「でもちょっと覗いてきたけど、そうとうやられてるわね。精神が」
「つまり?」
「暫くは参加できないわね。それに参加してもアレじゃあっという間に潰される。精神の問題じゃなくて、力の問題で」
確かに。衛宮には俺みたいに英雄の力を借りるなんてことは出来ない。むしろ俺がおかしいんだ。こんなの普通じゃない。
「まあ今後のことはバゼットと話すことね」
「まあそうだな。先に行っててくれ」
アーチャーを先に部屋から出しジャンヌたちに話しかける。
(さてこれからどうするかね)
《どうするもなにも、あんたはやるしかないのよ》
《そうですね。我々は力を貸すことぐらいしかできませんし。ジャンヌ殿のように憑依現界も出来ませんし》
(え?出来ないの?)
《そうなんだよ大将!折角ベアー号にリアルで乗れると思ったのによ!》
《私も探したい本があったのに。探しにもいけないわ》
《バラバラにできないね》
《・・・・・・・》
(皆やりたいことあるんだな・・・・あれ?沖田さんは?)
《・・・・それ、聞いちゃう?》
あれ?もしかして地雷踏んじゃった?なんか不味いのか?
《消えたわ。菊一文字を残してね》
(・・・・・・・・は?)
《言っておくわ。私たちはね、サーヴァントが脱落する度に・・・・消えていくのよ》
(・・・・・・・・は?)
《つまりセイバーが脱落したので沖田殿が消えました》
(・・・・・・・・は?)
《つまり、ランサーはディルムッド、ライダーは金太郎、アサシンはジャック、アヴェンジャーは私。それぞれ脱落する度に消えていくわ。エレナとフランは知らないけど》
(そんな・・・・じゃあどうすんだよ!これからの聖杯戦争!)
《それは貴方が考えなさい。どのみち貴方が戦わなくても他の奴が消えれば私たちも消える。最終的には遅かれ早かれ消えるのよ私達。問題は、あんたが戦うか戦わないかよ》
(・・・・・・・・そんなの、戦うさ。それは分かってる。でもさ、こうやってお前たちと話してるのが当たり前になってさ、なんか・・・・変な感じだよな)
《・・・・そうよ、変よ貴方。少し前まで私たちはいなかった。聖杯戦争が終わればその生活に戻るだけ》
(・・・・そうだよな。どのみち消えるなら、派手にやって消えていく方が、お前たち的にはいいよな)
《わかってんじゃん大将!》
(覚悟は決まった。俺でいいなら、これからも力を貸してくれ)
《お任せあれ!》
《よくってよ!》
《ウ・・・・ン!》
《うん、わかった!》
《OK大将!》
《そうと決まれば、早速やるわよ真琴》
(ああ、沖田さんも一緒にな)
机の上に置かれた菊一文字と新撰組の羽織り。文字は違うが俺の名前つきだ。さーて、まずは目の前の障害、クリーザをどうにかしないとな。
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「どうだ桜」
「嫌、却下します」
「どうしてだ?」
「そんなの!・・・・は、破廉恥すぎるよ」
次の日、部活が終わって家に帰った時、ライダーにいきなり見せられた物。それは魔術礼装、なのだが・・・・
「だいたいなんでボディコンなの!?」
「昔流行ったらしいじゃないか。それにお前に親近感がある」
「私の前世はボディコン世代!?」
紫のボディコン。それは明らかに丈が足りていない。パンツが見えるレベルだ。そんなの絶対着ない。それを着て『サクライダー』なんて絶対しない。
「なら明日もこれで行くのか?」
「気は進まないけどね。BBちゃんでしか対応できないし」
「そうか・・・・パラディオンは?」
「ちょっと触ってみたけど、なんとかなりそう」
「そうか、それはよかった」
「・・・・ねえライダー?どうしてそこまで親身になってくれるの?」
少し前から疑問に思っていた。どうしてライダーはここまで優しくしてくれるのだろうか。本当なら兄さんに任せようと思ったのに。ライダーは私の方がいいだなんて言って。
「俺を呼んだのはお前だ。お前は求めた。俺のような存在を。そして俺も答えた。俺の願いを叶えるために」
「ライダーの願い?」
「言わずとも叶う夢、いや義務だ」
それだけ言うと紫のボディコンをハンガーに吊るしてタンスにしまう。多分着ないと思うけど。
「明日は早めに出る。何せ山道だからな。それなりに覚悟はしておけ」
「そんなこといったら余計に寝れないよ」
「ふっ、冗談だ。桜は俺が守る。それが俺の使命だ」
ライダーの使命。ライダーの真名と関係あるのかな?どんな触媒を使ったかいまだにわからないし。お爺様は役にたたないし。兄さんは無視するし。
「ああ、心配だなぁ」
私の心配をよそに、着々と戦いの時間が迫っていった。
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「攻めこむ?アヴェンジャーのアジトに?」
「ええ。昨日ランサーが発見しまして。ここからそう遠くないので、今のうちに仕留めておくのがいいかと」
「確かに悪くないわね。でも仕留められなかったらこっちが狙われるわよ?」
「その為の保険もかけています。心配はいりません」
「本当かぁ?お前の『心配ない』は『心配しておけ』って聞こえるからなぁ」
「「わかる!!」」
「分からないでください!とにかく、明日行きますからね!」
桜(本人)と桜(セイバーの沖田さんがいなくなったよ!?どういうこと!?)な話。
真琴はサーヴァントが脱落する度に弱体化していく。なので奥義を学ぶ必要がある。まあ縮地はたまたまですが。
次回は桜ライダーVSイリヤアサシン!互いの正義がぶつかり合う!