それっぽい描写はあるけどね!
『ていうわけなんだ。これから祝勝会も兼ねてみんなで食べに行くけど、真琴はどうするんだ?』
「新都だろ?今から行ってもみんなを待たせることになるからな。お前らだけで食ってこい。あとお土産よろしく」
『ハイハイ。それじゃな』
衛宮め…レース大会するなら俺も誘えよ。ぶっちぎりの優勝だったのに。てか誰の祝勝会だよ。
「士郎君からですか?」
「新都で飯食ってくるってさ。俺たちもなんか食べようぜ」
「そうだね。もうお昼だしね。真琴ちゃんにバゼットちゃん、何が食べたい?」
「いやいいよお婆ちゃん。俺ら外で食ってくるから」
「遠慮しないの。ほらはやく言って」
「「………オムライス、あ」」
「仲良しだねぇ二人とも」
まさかバゼットさんと意見が一緒とは。嬉しいような……悲sいや嬉しいことにしておこう。何事もポジティブに考えないとな。
「まさか真琴君と意見が一緒とは思いもしませんでした。案外相性いいんですかね?」
「戦闘は相性いいかもな。他のことはよく分かんないけど」
「相性がいい方が嬉しいんですがね」
「ん?なんか言った?」
「いえいえ何も!」
それから俺たちは他愛ない談笑を続けていた。あの戦いが始まるまで。
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「んで、何があったか教えてもらおうかライダー」
港。ウミネコが鳴いているそこでランサーとライダー、アヴェンジャーは身を潜めていた。なぜこのようなことになったのか。いやなってしまったのか。
「臓硯、いやあの怪物は聖杯の欠片を使ってとんでもないバケモノを作ろうとしている」
「とんでもないバケモノだと?」
「例えるならば、『聖杯の擬人化』とでも言うべきか」
聖杯の擬人化。それはまるで聖杯が『生き物』に進化するような例えだ。
「あらゆる願いを叶える願望機。それはつまり『なんでもできる』ということだ。臓硯はそれで世界征服を目論んでいるらしい」
「うわくだらねぇ。征服王イスカンダルなら受肉を願って、それから自力で征服に乗り出すはずだぜ。まあ他人の願いにケチつける気はないが」
「くだらないなどともう既に言っているわけだが?」
「それはノーカンだアヴェンジャー」
不思議と接しやすくなったアヴェンジャー。ランサーもライダーも彼女の雰囲気が少し柔らかくなっているのが分かる。
「聖杯の欠片、そして蟲の中に保管している泥、更にサーヴァント4騎の魂。これでバケモノを呼び出せるらしい」
「んじゃ紅いアーチャーがやられてるからあと3騎か」
「いやあのアーチャー、いやフェイカーはまだ生きている」
「何?まだ生きているのか!?あの時消滅したと思っていたが」
「てかフェイカーって、エクストラクラスか!?」
「まあその話は後でいいだろう。それより願望騎の擬人化した存在が手に入るというのに何故臓硯はライダーを使ってまたサーヴァントを召喚しようとした?」
確かにそれだけあれば他には何もいらないはずだ。しかし臓硯はライダーを使って更にサーヴァントを召喚しようとした。
サーヴァントの召喚術を確立させたマキリならそのようなことは造作もないだろう。
「奴が召喚しようとしていたのは太陽神オジマンディアスだ。奴の持つ神殿が目的なのだろう。聖杯を世界征服のために使う奴だぞ?そのための神殿は必要なんだろう」
「えー……」
「すっげぇくだらねぇ理由で消されかけてたんだなお前」
「だが奴の戦闘力は計り知れないものだ。お前たちも見ただろう、あの蟲たちを。臓硯自身は弱いだろう。だが奴の蟲は侮れん」
「確かにな。でもまあ昼間には出てこれねぇみたいだしな。セイバーあたりに屋敷ごと吹き飛ばしてもらえば……ん?なんだもう夜か?」
突如として暗くなった空。それは、
「……あれは、まさか」
「おいライダー!後ろだ!」
「チッ!!」
最終決戦の序章に過ぎなかった。
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30分前
「デザートを残すではない男子高生!!行儀が悪いではないか愚か者!」
「行儀が悪いですよ女子高生!ほらそこにジュースが溢れてますよ!」
「客というより店員よねあの二人。それに案外仲良いわね」
「そ、そんなことないだろ遠坂!俺だってな!」
(妙に張り合ってきたわね士郎。まあそんなとこも可愛いんだけど)
祝勝会を開始してはや一時間。セイバーとギルガメッシュはいつの間にか周りの客に注意を始めている。店員より店員しているとは謎の光景だ。
まあそんな二人もすぐに落ち着いたのだが。
「んんっ、それよりですねギルガメッシュ。何故我々をレースに誘ったのですか」
「ん、そんなことか。ただのテストというものだ。これからの決戦とやらに貴様が必要だそうだからな」
「その口ぶり、まるで何者かに頼まれてテストしたようですね」
「鋭いなセイバー。そらそこに張本人がいるぞ」
セイバーが振り返るとそこには白ずくめの男がテーブル席で麻婆豆腐をヒーヒー言いながら食べていた。
「ひはひふりひゃな、しぇいはー」
「貴方は……何故ここにいるのです!ここに存在してはいけないはずだ!」
「もぐもぐ……ん?それは仕方ないだろう?文句ならあの死徒に言ってくれ。あいつがムーンセルで俺を呼び出したんだ。俺だって不本意だよ。いやー人間にあんなもの作らせるんじゃなかったな」
「お、おいセイバー。あの人だれなんだ?」
「初めましてだな衛宮士郎。俺の名は世界だ」
「世界?」
「そう世界そのもの。今お前たちが存在しているここ。ナウが俺だ」
世界はこういうが恐らくセイバーとギルガメッシュ以外は全くわかっていないだろう。
「まあ俺のことはどうでもいいだろ。伝えることを伝え、試すことを試したら俺は帰るよ。もしかしたら助っ人を寄越すかもしれないが」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!貴方はつまり世界、神だというの?」
「神様……いいや神もこの世界に存在するものだ。創造神が世界を作ったって人間は言ってるけど、どうなんだろうな?」
「あやふや!?」
「まあ出来ることはある。神様まがいのことだってできるさ。例えばアーチャーとイリヤスフィールの分離だって、ほら」
世界が指を鳴らすとイリアーチャーが分離しイリヤとアーチャーに戻る。造作もない、赤子の手を捻るより簡単だと言いたげな表情の世界。というよりフリップに書いてる。
「凄いわね貴方」
「なんならアーチャー、更に分けてやろうか?」
「マスターがいないのにそんなことできるわけないでしょ」
「そうか。まあそれよりもやることがある。さっきも言ったが俺のことはどうでもいい。作者だって面倒だと感じてるはずだ」
「作者?」
「こっちの話だ。セイバーとギルガメッシュは付いて来い。テストしてやる。最悪のバケモノを倒せるかどうかのな」
◇
世界に連れてこられたのは未遠川。セイバーとギルガメッシュは武装を展開しておりいつでも戦闘可能だ。
「寒くないのですか英雄王」
「寒い。だがこれでなくては奴に対抗できん」
「さあ準備できたな。行くぞ〜」
三人の様子を見守る士郎、凛、アサシン、イリヤ、アーチャー、ジャンヌ。彼らは不安そうに見守っていた。
「大丈夫なのかあれ?」
「分からないわ。でも奴の左手を見て。令呪がある」
「つまり奴もマスターだというのか?」
「可能性としては考えられるわ。多分アヴェンジャーぐらいのマスターなんでしょ」
(さっきの違和感はあいつのか。どうりでね。それとなんでジャンヌはこんなに不機嫌そうなのかしら)
(はあ〜帰って真琴と一緒にデザート食べたいわ)
それぞれが想いを秘めているなか、突如突風が吹いた。
それは世界がセイバーとギルガメッシュに一瞬で詰め寄ったからだ。瞬きをする暇もなく詰め寄った世界は二人に拳を振るう。
(チッ!相変わらずデタラメなスピードだ!)
(これが世界の速さだというのか!?)
「防げよ二人とも」
世界の拳はギルガメッシュが展開した防御壁に阻まれる。しかし防御壁は粉々に砕け散ってしまった。
「またしても我の宝物を砕くか!」
「ギルガメッシュ!一旦距離をとりましょう!」
「戯け!それでも一瞬で間合いを詰められて終わりだ。だがまあそれしかないか」
世界の踵落としをバク転でかわすセイバーとギルガメッシュ。世界の踵落としは河川敷を破壊し川の幅を大きくしてしまう。
「くっ!プリドゥエン!!」
「世界最古のサーフボードをなめるなよ!」
セイバーとギルガメッシュはそれぞれサーフボードに乗り世界を撹乱する。
更にセイバーは『
しかしそんな二人の猛反撃を物ともせず世界は二人に迫る。
「さっきよりは遅くなっている。やはり効果的か」
「慢心するなよセイバー。まだ距離があるうちに仕留めるのだ!」
すかさずギルガメッシュは乖離剣、セイバーは白銀の剣を二本構える。未だに世界と二人の間に距離がある。魔力を充填し解き放つには充分だった。
「
「
紅い暴風と赤と青の斬撃が世界に迫る。これに対して世界は、
「
宝具で対抗した。そしてその時、この世界が止まった。
◇
「ここまでとは。無念です」
「いやー俺に宝具を使わせるとは。流石だセイバー、ギルガメッシュ。お前たちなら任せられる」
「あんな時止めが出来るなら世界一人でいいんじゃないかしら」
「それはいけない。世界が直接手を下すのはこの世のルール違反だ。俺に出来るのは助っ人を寄越すのと……っと時間切れだ」
「?どういう意味ですか」
「アヴェンジャーがやられた。ライダーもな。ランサーも瀕死か。それと奴が来る」
瞬間空が暗くなる。海の方から空が暗くなったのだ。まるで海から何かが迫って来るように。
「いいか。世界の運命は決まっている。お前たちは必ず勝つ。だが挑まなければ負けるぞ。あと助っ人はどんなのがいい?オススメは沖田そ」
「消えた!」
全てを言い終える前に世界は消えた。ここにいる全ての人間に不安と疑問を残して。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ちょっとトイレ」
「トイレットペーパーないから足しといてね」
「ウイ、分かった」
オムライスを堪能したあと真琴君はトイレに行きました。今なら聞けることも聞けるかもしれない。
「あの、すみません」
「話ならお茶を飲みならね」
「あ、はい」
差し出されたお茶。心を落ち着かせるには充分だった。
「聖杯の泥のことでしょ?」
「ええ」
「どうして泥について知りたいんだい?」
「………簡単な話、私は聖杯の泥に汚染されているからです」
「……それなら、貴女は反転してるんじゃないのかい?」
「ええ恐らく。ですが私にはその兆候がないのです。体の調子も前よりいいです。サーヴァントを拳で倒せるようになりましたから」
そう、寧ろ良すぎるぐらいに
「そうだねぇ。呪いはいつから?」
「10年前、冬木に観光で来ていた時です。その日は丁度第四次聖杯戦争が終結した日です。つまり」
「大災害の日だね」
「はい。大災害の時私は死にかけました。ですがその時誰かに助けてもらったんです。顔は覚えていませんが男性だったのは覚えています」
「………ただ言えることがある」
「なんでしょうか」
「間違いなく死ぬ。恐らくあと3日ぐらいで」
自然と絶望はしなかった。恐らく自分の死期ぐらい分かっていたのだろう。でなければここまで落ち着いていなかった。
「あの時生き残った切ちゃんも何年かした後に死んだんだよ。多分士郎ちゃんも短命かもね。かくゆう私もだけど」
「対処法は……ありませんよね」
「それこそ聖杯だけかもね」
「そうですね。ありがとうございます。今日はここでお暇します」
「真琴ちゃんには言ったのかい?」
「いえ、真琴君には話しません」
話さないんじゃない。話したくないんだ。彼は優しい。だからこんなことでも悩んでしまうかもしれない。彼にそんな余計な負担を与えたくない。
真琴君のことが好きだから。
◇
「!!空が暗くなって…ランサー!どうしたんですか!」
「ヘマ踏んじまった。アヴェンジャーとライダーがやられちまった。俺もヤバイかもな」
「そんな!?しっかりしてくださいランサー!」
「いいか、お前は聖杯を勝ち取れ。そして……長生きし…ろ」
ランサーはそのまま霊体化して消えた。まだ現界していることに安心しながらも内心焦っていた。
恐らくこれが最後の戦いだ。
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「呪いって……マジかよ」
「マスター!」
「アーチャー!お前元に戻ったのか」
「ええ。いや今はそんなことより外が大変なの」
「外?そういやなんか暗いな」
「いいから早く来て!大変なんだから!多分最後の戦いになるわよ」
色々駆け足で駆け抜けました。無茶苦茶になってきたぜ!
これにて今年最後のArie nightは終わりです。来年はいつ更新かな?もうすぐ最終回ですが頑張ります。
では良いお年を!