結界は砕け三人は深山町に舞い戻る。空を覆っていた暗雲は既にないが、日は落ち夜になっていた。
「いくぞアーチャー」
「こい小僧!」
互いに心情風景をまとい剣をぶつける。その気迫に押され私は少し出遅れてしまう。同じ存在とは言えサーヴァントとマスター。力量の差は一目瞭然のはず。しかし理想の高さは違う。それだけでシロウはアーチャーと対等に戦える。
「はあっ!!」
「せいっ!!」
二人の剣技はそれこそ円卓の騎士が一人、サー・ランスロットに勝らずとも劣らず。少しでも気を緩めれば私でも討ち取られるだろう。
「援護しますシロウ!」
「頼むセイバー!」
切り替わるようにシロウと入れ替わる。それと同時にアーチャーの剣を受け止める。セイバーであるこの私でさえ押し負けそうになる。アーチャー、いやシロウはいつも追い詰められると底力を見せてくれましたね。
あの時、私が初めて召喚された夜も。
◇
「これから我が運命は貴方と共にあり、我が身は貴方の剣となります。さあマスター、指示を」
「え、ええ?」
「ちっ、まさかここでセイバーが来るとはな。正直予想外だったぜ」
あの運命の夜。私はシロウに召喚されてランサーと対峙していました。
「どうする槍の英霊。退くと言うなら見逃すが?」
「戯け。敵前逃亡なんてうちのマスターが黙っていねえからな。まあ今は小手調べだ」
ランサーが駆け出すのと同時に私は剣を振るいました。彼の姿が見えてからでは遅かった。タイミングは丁度。彼の槍と私の剣がぶつかり合う。
「おっと、見えねえ武器か。てっきり武器を持っていねえかと思ったが」
「それは違うだろうランサー。貴方のことだ、警戒ぐらいはしていたはずだ」
「それなりにはな。それで、テメェの武器はなんだ?剣か?」
「さあ、斧か槍か剣か。もしかしたら弓かも知れぬぞ?」
「ハハッ!言うじゃねえかセイバー!冗談は通じねぇ相手と思っていたが、まさかそっちからシャレを言ってくるとはな」
「私とてシャレぐらいわかる」
再び距離を取り互いに武器を構える。彼の真名ももう少しで分かる。後何か一手足りない。そう考えていた、
「うおおおっ!!」
「「!?」」
その時でした。シロウが武器を構えてランサーに挑んでいったのは。ランサーも突然の行動に反応が遅れ、直撃こそしないものの攻撃がランサーを掠めました。
「っと、やるじゃねえか坊主。まさか俺が不意打ちを食らうと、ああ?何帰ってこいだ?ああ、わーったよ!」
「逃げるのかランサー!」
「マスターが五月蝿くてな。見逃してくれるんだろ?」
ランサーはそう言うとそのまま去っていった。恐らくあのスピードは私では追いつけないだろう。
「大丈夫なのか?」
「それはこちらの台詞です!マスターが単身挑んでいくなど何を考えているのか」
「でも、女の子一人で戦わせるわけにはいかないだろ?」
「………」
開いた口が開かないとはこの事でした。そんな理由でサーヴァントを助けるマスターなど今まで見たことがなかった。これからが心配だ、と思っていました。
しかし今となっては彼がマスターで助かりました。私と共に隣で歩んでくれる。それだけでも嬉しかった。王としての時代も、それ以前も、第四次聖杯戦争も。共に歩んでくれる人はいたものの、隣で歩んでくれる人はいなかった。
◇
だから私は負けるわけにはいきません。共に歩んできた彼を守るため。そしてその理想を叶えるため。シロウが理想を実現するその日まで。
「私は負けません!アーチャー!!」
「やはりこれが本来の君の力かセイバー」
「俺もいることを忘れるなよ!」
シロウの奇襲を受けるアーチャー。反撃を許すことなくアーチャーに攻撃を加えていく。
「くっ!おのれっ!!」
それを逃れ空中に
「
「貴方が全力なら私も全力を尽くしましょう!」
「
アーチャーは弓を引き魔力を貯めていく。矢の数は9。しかしそれらは確実にこの冬木市を吹き飛ばすだけの威力を持ち合わせている。
「星の聖剣、封印解除。第一の宝具、
第一の宝具を全解放する。円卓の騎士達の技を使うこの宝具。それら全てを解放し右腕に閉じ込められた聖剣を解放する。これにより私の右腕は星の光を放つことが可能になる。
「誓約解除。聖剣抜刀、第二の宝具!」
「これで終わりだ!
「行きますよシロウ!!」
「ああ、行くぞセイバー!!」
私が右手を、シロウが左手をかざす。その方向には最後の一撃を放とうとするアーチャー。これで決着がつく。立っているのはどちらか片方のみ。
「「
黒く染まった絶技と星の光が激突する。私たちが負ければこの冬木市が消滅する。だが私たちが勝てば!
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海浜公園に差し掛かった瞬間、深山町でビームとビームが激突した。
「うおっ!?なんだありゃ!」
「この魔力の質量、宝具ね」
「これほどの魔力を持ったサーヴァントとなると」
「もしかしてセイバー!?」
「流石と言うべきか。あれほどの星の光、奴の聖剣でなければ解放できまい」
「セイバー………アーサー・ペンドラゴンね」
「ほう、分かるか弓兵。だが
「めんどくさいなそれ」
「ならばセイバーの宝具も自ずと分かろう。星の聖剣。この世で最も有名とされる聖剣エクスカリバー。それの威力は絶大だ。前回の聖杯戦争で海魔を打ち払った一撃だ。悪しき者ならよりその力は増大するだろう」
「ていうかセイバーは誰と戦ってるのよ?アーチャーは目がいいんだから見えるんじゃないの?」
「やれやれ注文の多い小娘だ。どれ………ハハハハハッ。これは愉快だな!!」
「?な、なに笑ってるのよ!教えてくれてもいいじゃない!」
「これは貴様自身の目で見よ。その方が色々と文句が言えよう」
「ってかあれヤバくないか?だんだん光が強くなって」
「む、不味いな。おい全員伏せろ」
しかし英雄王、言うのが遅かったな。光はそのまま爆発し深山町を飲み込んだ。
ように思えた。
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宝具同士の激突で空中で爆発がおきる。しかしその爆発の瞬間に宝具『
本来アヴァロンは使用者を妖精郷に隔離してあらゆる攻撃、能力を遮断する。これはいわばそれの応用。爆発を妖精郷に隔離することでこちらの被害をゼロにしたのだ。
まあ向こうは大変だと思うが。
しかしこれでも決着がつかないとは。いまだアーチャーは健在。私とシロウも辛うじて立っている。しかし私もシロウも魔力がほとんどない。それはアーチャーも同じだろうが。
「案外しぶといな衛宮士郎」
「それはお互い様だろアーチャー」
二人の間にさっきまでの緊張感はない。一安心ですか。
「アーーーーーチャーーーーー!!!!!」
「うおわあああああああっ!!!!」
「「「!!??」」」
そんな時に聞こえる聞き覚えのある声。それは空から聞こえた。
「セイバー!空からいろいろ降ってきた!?」
「人はいつから空を飛べるようになったのでしょうか」
よく見ると空に金色の光が点々と………なるほど、彼も丸くなりましたね。
「騒ぐな阿呆ども!!」
アーチャー、アサシン、ギルガメッシュは華麗に着地。リン、マコトはギルガメッシュの宝物に助けられながら着地した。
「こらアーチャー!!あんたまだ現界してたら連絡ぐらいしなさいよ!!どんだけ心配したと思ってんのよ!」
「いやこれには深いわけが、イタタタタタ!!同じところを何度も蹴るんじゃない!」
「あわゆくばセイバーと、契約しようと思ったんだからね!!」
「だからすまなかったと……凛伏せろ!」
リンとアーチャーの微笑ましい光景を壊す1発の銃声。
「な、なにやってるの!!」
この状況でそんなことをするとは到底思えなかった。彼はそういう人間ではないのだから。
「聞いてるのアサシン!!」
「………」
「なんとか言いなさ「近づくなイリヤ!!」
マコトがイリヤスフィールの手をひく。アサシンがイリヤスフィールめがけてナイフを振るったからだ。
「………フフフフフフ、ハハハハハッ!!愉快だな貴様らは」
「!?まさか……テメェ生きていやがったのか」
「我が簡単に消えるはずがなかろう?」
アサシン?がフードと包帯を退ける。彼の素顔を知る者からしたらそれは驚愕だった。
「ユスティーツァ。暗殺者の体を乗っ取ったか」
「運良く我の近くにいたからな。こやつの魔術回路に入り込んでジワジワと乗っ取ってやったわ」
アサシンの顔は別人の女の顔になっていた。
アサシン、体乗っ取られました。つまりユスティーアサシンがラスボスです。ユスティーさんがアサエミの格好をしているイメージで。
次回は最終決戦の最終決戦の休憩です。