Fate/Arie night   作:無限の槍製

49 / 51
チーム冬木vsユステーツィア、最終決戦開始です!
そして、神様転生の設定がいきてくる?


取り戻す力

冷たい。第1感触はそれだった。記憶が曖昧だ。ジャリジャリした感触がする。状況的に俺は地面に倒れているらしい。意識がキチンと覚醒してから痛みが襲ってくる。

 

「やってくれる……」

 

「まだいけるよな、アーチャー」

 

「当然だ、と言いたいところだが。この状況を覆すには些か力不足だ」

 

立っているのは衛宮とアーチャー、そしてユステーツィアの3人だけだった。

そうだ、やっと思い出してきたぞ。

あの時、この戦いが始まった瞬間、いや戦い自体は俺たちが到着する前から始まっていたのか。上手い具合にリスタートできると思った。

 

しかし現実はリスタートなんてものじゃない。この戦いにルールなんてない。聖杯戦争にさえルールは存在するがコレはルール無用の殺し合いだ。

まず手負いの遠坂とイリヤがやられた。開始数秒の出来事だった。ユステーツィアが一瞬で遠坂とイリヤの懐に入り込み一撃。その一撃で2人は壁に叩きつけられダウンした。

 

「よもやこれで終わりとは言わぬだろう?まだ10分も経っておらんぞ?」

 

まだ10分も経過していない。これもまた事実だ。間桐と俺は多分5分ぐらいで地面に倒れた。10分も経たずに俺たちはほぼ負けている。いや状況からみて完全に負けている。

悪いけど、俺にも負けられないっていう意地があるんだよ。

 

「こんなとこで…!」

 

「ほう、1人立ったか」

 

「真琴!!」

 

「負けるか…負けるか…負けるもんか!絶対勝って帰る!」

 

ディルムッドのゲイ・ジャルグを呼び出し構える。接近戦が俺の得手だがそれはユステーツィアもそうだ。だったら一撃で仕留める遠距離狙撃しかない。

俺が何をするのか分かったのか分からずに行ったのかは分からないが、衛宮とアーチャーはユステーツィアを左右から挟み込むように走り出す。

 

「「うおおおおっ!!!」」

 

「無駄な足掻きを!」

 

2人の剣をそれぞれ受け止める。でもこれでいい。情けない話ユステーツィアの両手が塞がっている今しか奴に一撃を見舞えない。ならこのチャンスを逃す手はない!

 

「そこだあああっ!!」

 

恐らく人生で一番の豪速球、いや豪速槍か。そのせいで俺の右肩から変な音がなる。多分骨がやられたのか?だが今はその痛みはない。それだけ夢中なんだろう。

 

でもなんだ、この嫌な予感は。

 

「だから無駄な足掻きだと、言ったであろう」

 

もう少しで槍が突き刺さる。そんな時に、ユステーツィアは槍を受け止めた。手で受け止めたのだ。いやあれは手とはとても言えない。だって

 

「そんな……嘘だろ」

 

だってその手は、ユステーツィアの胸のあたりから伸びていたのだから。見た目はまさに血の手。血で手を形成しているのだ。

更に両肩からも血の手を伸ばし衛宮とアーチャーを殴り飛ばす。衛宮とアーチャーはそのまま地面に叩きつけられる。そこまではなんとなく見えたがその後は知らない。

 

「そら、返してやる」

 

そう言って槍を投げ返してくる。スピード的には遅い。躱そうと思えば躱せるる。躱せるのに……なんで体が動かないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスター!!!」

 

そんな声が聞こえた瞬間横から突き飛ばされる。今の声はアーチャーだ。向こう側から帰ってきたのか。

 

「アー……チャー……?」

 

でもそこに立っていたのはいつもの元気なアーチャーではなく、左胸に槍が突き刺さったアーチャーだった。

 

「ううっ……ああっ、くはっ!」

 

「アーチャー!!」

 

そのままアーチャーは力なく倒れた。急いで俺はアーチャーのもとに走る。意外にもアーチャーが突き飛ばす力が強くかなり飛んでしまっている。そのせいでアーチャーまでの距離がもどかしく感じる。

 

「おい!何やってんだよお前!!」

 

「よかった……マスターが…無事で」

 

「何が無事だ!俺が無事でもお前が」

 

「そうだね……もう、限界…かな。ねえ、マスター」

 

「……なんだ」

 

アーチャーの姿が徐々に消えていく。アーチャーの表情にはいつもの元気さがなく、瞳にも光が宿っていない。よく見るとアーチャーはもとからボロボロだった。そこに槍の追い討ち。こんなことって……

 

「………手を……握ってほしいな」

 

そっとアーチャーの手を握る。

 

「あったかい………きっと、ありすにも、この手が必要だ……った」

 

光が霧散する。これでアーチャーはこの聖杯戦争から退場してしまった。

 

「こんなことって……あんまりじゃねえか」

 

「なんだ?我が悪いというのか?貴様が躱しておればこのようなことにはならなかった筈だぞ?」

 

「………そうだな。これは俺の責任、俺の罪だ。だから俺は」

 

きっと今まで以上に歯を食いしばり、拳に力を込めて、ユステーツィアを睨みつける。

 

「俺は、俺のケジメをつける!!」

 

ユステーツィア目掛けて駆け出す。周りでなんか言ってるが気にしてられない。ただ目の前の女を倒す。今はそのことで頭がいっぱいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いくら人間が足掻いても、我には勝てぬ」

 

 

 

 

 

結論から言うと……俺は負けた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◇

 

!?ここは……どこだ?

 

『ようやく目覚めたかい?』

 

誰だお前。

 

『世界、と言っておくよ。君は初めてだったね狩野真琴くん』

 

そうだな

 

『さて、単刀直入に言おう。君には奴に勝てる力を持っている』

 

奴に、ユステーツィアに勝てる力を?

 

『まだその力を解放していない、いや出来ていないからこうなったんだ。本当はこうしてアドバイスするなんてよくないんだけど、事情が事情だ。上も許してくれるだろう』

 

勿体ぶらずに言ってくれ。

 

『そうだね。じゃあ思い出すんだ。君の前世、君の生きた世界、君の端末、君の世界を救う戦い、その戦いで共に戦った君の仲間を』

 

俺の前世……俺の生きた世界……俺の端末?

 

《うわー、アリス可愛いーーーー!!!!俺ロリコンになりそう》

《いやお前、ほぼロリコンじゃん。アーチャーに恵まれないロリコンじゃん》

《うるせえ。これからギルガメ召喚すんだよ》

《当たらなかったら?》

《リセマラだろ。あ、でもアリスは消したくないからこのデータは取っとくか》

 

ひきつぎこーど………引き継ぎ…コード?

 

『ほぼ、ログイン勢だった君が本気を出した数少ない場面だね』

 

そうだ……ぐだぐだ本能寺から初めて、そこで沖田さん当てて、それからほとんどログインだけで、イベントもろくに回らずにストーリーもロンドンに到着したぐらいだった。

その中で俺が本気を出したのはジャンヌ・オルタとアリスを当てた時だけだった。

 

『さあ、これで君の戦う手段は分かっただろう?』

 

は?いやだからって分かるわけないだろ!

 

『ふむ、ならば最後にダメ押し。アリスの対己・対界宝具は?』

 

え、それって………

 

◇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うっ、がはっ」

 

急な腹痛で強制的に目がさめる。目の前にはユステーツィア。多分後ろにはみんながいる。

 

「!?……相変わらずしぶとい人間だな狩野真琴」

 

「それが俺の取り柄、いや俺の家系の取り柄だ」

 

「どういう意味だ」

 

「やっと分かった。なんでお婆ちゃんとか両親が何度も何度も旅に出れるのか。そらこんなのバレたら闇の組織から狙われそうだぜ」

 

俺は右手を突き出す。やることは1つだ。

 

「令呪全部のせで命じる。戻ってこい……俺のアーチャー!!」

 

右手の令呪が全て消える。確かな手応え。そして穴が開く。その中から出てきたのは無数の矢。そしていつも聞いているあの声。

 

「ただいまマスター!!!サーヴァント、アーチャー!令呪全角でサーヴァントを復活させるとは考えたわね。やっぱ令呪の命令にはサカラエナイワー!!」

 

「おかえり、俺のアーチャー。早速だけどやってもらうことがある」

 

「なにかしら?出来ることなら手伝うわ」

 

「俺の時間を巻き戻す」

 

「………は?」

 

「いやだから俺の時間を巻き戻すんだって」

 

「あーー出来ないことも………ないか!」

 

「よし、やるぞ!!」

 

俺は左手を、アーチャーは右手を突き出す。なんかこんな感じの必殺技見たことあるぞ?まあそんなことはいいか。

 

「越えて越えて虹色草原、白黒マス目の王様ゲーム。 走って走って鏡の迷宮、みじめなウサギはサヨナラね♪」

 

アーチャーの唱える詠唱は『永久機関・少女帝国(クイーンズ・グラスゲーム)』とある少女の"物語を終わらせたくない"という願望の具現化。

 

「飛んで飛んで空色草原、爆走・激走のアクションゲーム。辿って巡って魔王の迷宮、しつこいゾンビはサヨナラだ!!」

 

俺の唱える詠唱は………はっきり言って適当だ。俺にとって詠唱は魔術を確実に発動させるための保険だ。熟練された魔術師なら詠唱なんて必要ないだろ?だろ?だろ?

 

「これで真琴の時間が戻るはず!」

 

「時間を戻すだと?そのようなことが貴様のような弱小魔術師が出来るはずがないだろう!!」

 

ユステーツィアが鬼の形相でこっちに迫ってくる。でもタイミングが遅かったな。

 

俺の中の英雄達が叫ぶ。

 

《沖田さん大復活!!ええ、バリバリ動きますよ〜!》

《さあ、リベンジと参りましょう!》

《フルスロットルで行くぜぇ!!》

《まったく、みんな真琴が好きなのね。私もだけど》

《あれはバラバラ。真琴は守る!》

《もう、負けない!》

 

《ほら、向こうはやる気よ?ならこっちも》

 

「全力でやらないとな!!!」

 

何日かぶりの超マハトマ人ゴールデン。いや今は超マハトマ人ゴールデン超マハトマ人。この面倒さが俺の力だ。俺たちの力だ。

 

贋作使いのマスターと聖剣使いサーヴァントが

 

「シロウ!大丈夫ですか?」

「ああ、俺たちも真琴に遅れを取るわけにはいかないな!」

「はい。さあ行きましょうシロウ!」

 

『あかいあくま』と正義の味方が

 

「ほら大丈夫なのアーチャー」

「君の方こそ無事なのか?」

「最初にダウンしたからこそ、そのぶん休憩できてるから。さあ休憩終わり!本番行くわよ!」

 

世界最古の英雄王、冬の城の少女、仮面を身につけた少女が

 

「無様にやられているな雑種ども」

「ふん、今のは油断したのよ!もう負けないわ。ねえ桜!」

「はい!もう一回です!」

「ふん、頼るつもりはないが、期待している」

 

そして魔法に片足突っ込んだ俺と大切な俺の戦友と

 

「何回めのリスタートかわからないが……もう一回付き合えよ」

「どこまでもついて行くわ。たとえ地獄の果てでもね!」

 

最後の敵に立ち向かう。立ちはだかるは暗殺者の肉体を使いし過去の産物。

 

「どいつもこいつも!!今すぐ殺してくれる!!」

 

ユステーツィアとの戦いもこいつで最後にしてやる。そんでもってこの聖杯戦争も終わらせる!

こいつが最後の戦いだ!




狩野家の魔術。それは自分の時間を巻き戻す。もろ封印指定です。闇の組織に狙われます。時間の巻き戻しとはいえ、数日で元に戻ります。今回は真琴がまだ未熟なのでアーチャーと一緒に巻き戻しをおこなってます。

そして次回、遂に聖杯戦争終結!残すところあと2話!さあハッピーエンドになるか、それともバッドエンドか!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。