東方擦違(すれちがい)伝~double reincarnation~   作:太郎風情

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第十一話 巫女就任式

━━2日後━━

 

~side シンメトリーア~

 

まあこの一週間ほぼ寝ずだったからゆっくりとしていた。

その間、藍は頑張ってくれた。え、紫?いや全然頑張ってなかったよ。

それ見て私が「紫が藍の式になれば?」と言ったら紫は黙りこくってしまった。果たして自覚はあるのか。大佐、とても気になるであります。

 

藍はこの二日間で、まあ人里に行って準備してくれてた。私たちはただスキマから覗くだけ。なんてぐーたら生活だと思う。お前もだなんて言われるわけがない。うん、ない。

人里では里長やら守護者やらと話し合いをし、そして今日が就任式をする日だ。まあほとんどは私の挨拶になるらしい。ていうか、それ以外ない。就任式というか顔合わせだ。

そんな感じで今、とりあえず里長や守護者に挨拶に行っている。

 

「こんにちは」

 

「おお、お主が今回の巫女さんか。背が低くてかわいいのお」

 

背が低いのは一種のコンプレックスなんです。街を襲うときなんか街の人に笑われてばかり。もちろんのこと、そいつらは皆殺しだ。あの時は暴れていたな~と思う。

 

「まあ藍さんがいうことだ。里長、多分この子も実力ありなんだろう」

 

「よろしくお願いします」

 

「「こちらこそ」」

 

「そんで、どこでその式典とやらをするんですか?」

 

「あそこだよ」

 

そうやって指さされたのは、まあ小さい円形劇場だ。この人里、結構人口が多いのだが、人間は全員入るのだろうか。

 

「おお、結構人が集まってますね」

 

「今は学び舎も昼休憩だからね、子供もいっぱいいるんだよ」

 

「へえ~」

 

「まあ、そこらへんでゆっくりしていきなさい」

 

「ありがとうございます」

 

まあ、その後はゆっくりしていった。

 

 

━━30分後━━

 

~side シンメトリーア~

 

「皆さん、お集まりいただいてありがとうございます。今日司会をする慧音です。早速長老より挨拶があります。聞いてください。」

 

そこから、長い長い長老の話が始まった。なんか二、三人くらい卒倒していたのはきのせいだろうか。

 

「長老、お話ありがとうございます」

 

「次に、今代の巫女の登場です。皆さん温かい拍手を」

 

パチパチパチ、と拍手が始まった。それほどに一大イベントなのだろうか。

なかには、「今回の巫女さんもきれいかな」とかまあそんな話し声も聞こえてきた。

慧音さんから合図があったので、登場した。

 

 

━すると、拍手が鳴りやんだ。途端に笑い声が生じた━

 

 

「ぷ、こんな小さいのが巫女、考えられないぜ」

「なんか弱そう」

「おいおいついに賢者も頭イっちまったか?」

 

こんな心もとない罵声を浴び続ける。

まあ、50年もこんなことは言われているので、三姉妹全員が耐性を身に着けていた。

ちょっとイラッとはくるが。

 

「すまない。私の教え子がこんなことを...」

 

慧音さんは深々と頭を下げてきた。律儀な人だなあ。

 

「ゴ、ゴホン、まあこのように身なりは小さいが、立派な巫女さんだ。」

 

ほんとか?、なんて言われていたが、そいつにはさすがにしつこいと思って、雷を一発お見舞いしてやった。

 

「......まあ、今みたいな感じだ、実力は」

 

「へえ、案外強いんだ」

「これなら十分だね」

「このくらい巫女ならできるんじゃないのか?」

 

まあまだ少数しつこいやつらがいたのだが、無視しておいた。

 

そこから、私の自己紹介だ。

 

「こんにちは」

 

こんにちは、と帰ってくる。元気な子供の声だ。

 

「私の名前は博麗霊芽といいます」

 

なぜこんな名前かというと、

シンメトリーア→シンメ→新芽→霊芽みたいな。

どうやら巫女は代々『霊』から始まる名前にしているのだとか。違う名前でもこのように改名するらしい。

 

「どうぞよろしくお願いします」

 

おねがいします、といった子供の声とか、大人勢の拍手とかが起こった。

この喝采が終わったころに、慧音先生が退治の依頼方法とかを説明して解散となった。

なんか人里には数か所ポストみたいなのが設置されていて、そこに退治依頼を書いた紙を入れてもらうのだそうだ。もちろんつなげておいた。

 

これは後日聞いた話だが、依頼は一週間に一、二個くるそうだ。

これから忙しくなるなあ~

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