緋弾のアリア〜蕾姫と水君〜   作:乃亞

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どうも乃亞です!
今回からアドシアードが始まります!零司君とレキの成績やいかに…?
それではどうぞ!


第19話

射撃練習したり、なんか追い回されたり、キンジ達とくだらん世間話をしたり、追い回されたり、練習してたら人だかりができてたりしたが今日はついにアドシアード。練習してきたことを発揮する本番である。

本番なのだが…

「うわわわわ…やべぇよなんで人だかりこんなに出来てるんだよマジ助けてキーくんや」はい、つまるところめちゃくちゃ緊張してます。それも仕方ない話だと思う。普段の任務(クエスト)なんかではこんなに人に注目されて撃つなんてことはまずないんだから、慣れてないのは当然だ。こんな緊張感は中3の時にフランスで雑誌の取材受けたとき以来だ。モデルまでさせられたし、あんな恥ずかしい経験もうないと思ってたんだけどなぁ…

「誰がキーくんだ。理子はもう諦めたがお前はダメだぞ。てかレキ見てみろ、平然としてるぞ」ブスっとした顔(いつもよりも不機嫌そうだ)でレキの方を指差すキンジに従ってレキの方を見やるとそこには平然とした顔でドラグノフを肩にかけてるお姿が。すごいな、お前。

「レキさんやレキさんや、なんでそんなに平然としていられるんですかね??俺は緊張で死にそうだぞ?」こちらから近づき、レキにそう問いかける。キンジはこっちに来ず、いいタイミングで入ってきた武藤達と何やら話し込んでるな。なんの話かね?

「?…緊張というものをした事がないのでわかりません。すいません」レキさんはレキさんで緊張したことない宣言。聞く相手が悪かったかなこりゃ。

そう思ってるとレキはしばらく間を空け、少し考えた後にこう続けてきた。

「…緊張したことはありませんが、一つだけ言えることがあります。例え緊張をしたからといって、やることは変わりません。ですから私は的を射るだけです。」そう答えるとレキは口を閉ざし、珍しくこちらを見つめてきた。言葉にこそしていないが、零司さんもそれは変わらないでしょう?と問いかけているように感じられた。

……意外だな、レキにこんなことを諭されるとは。言ってることは至極まっとうなことだ。だが、それを体現できるのはほんの一部だけだろうな。だけどそれをレキは、零司さんなら出来るでしょう?そう言外に告げたのだ。俺が出来ること、それはガンシューティングで的を撃ち抜くこと。緊張しててもしてなかろうともそれは確かに変わらないな。それを普段通りに行う、それだけでいいのだ。教務科(マスターズ)の先生は優勝しろ、とまでは言っていない。ベストを尽くす、それができればいいのだ。

ならやることは定まった。あとはやるだけだ。

「…おう、ありがとうレキ。お前のおかげで普段通りの力を出せそうだ」そう告げるとレキはまたいつも通りのぼーっとした感じに戻って「いえ」と返すのであった。

 

〜〜Sideレキ〜〜

「レキさんやレキさんや、なんでそんなに平然としていられるんですかね??俺は緊張で死にそうだぞ?」近づきながらそうこちらに問いかけてきたのは明智零司さん、1年のもう1人のアドシアード代表で私の隣の席の探偵科Sランクの人だ。見るといつもでは到底見られないくらい体が震えている。

「?…緊張というものをした事がないのでわかりません。すいません」私はそう答えた。私の中にある風は、人の心を好まない。だから私は感情というものがよくわからないし、必要としていない。

ーー私は1発の銃弾。それ以上でも以下でもないのだ。

でも…同時に私はこう思う。このままではこの人はいつものような射撃ができないでしょう。それはダメだ、と。

だから私はこう付け加えた。それが零司さんのためになるかはわからないけれど、言うべき。そう思ったから。

「…緊張したことはありませんが、一つだけ言えることがあります。例え緊張をしたからといって、やることは変わりません。ですから私は的を射るだけです。」そう付け加えると零司さんの顔から焦りは少しずつなくなり体の震えも止まっているようでした。そして零司さんはいつものような人を穏やかにするような笑みを浮かべてこう言いました。

「…おう、ありがとうレキ。お前のおかげで普段通りの力を出せそうだ」

この調子でしたら不安はないでしょう。私は「いえ」と返し、再びスナイピングの時間になるのを待ち始めました。

 

…私は人のためになることをできたのでしょうか?胸にいつもはない暖かみを感じた気がしました。

 

〜〜Side零司〜〜

レキの意外な一言で不安や緊張がなくなった俺はそろそろ始まるガンシューティング、その予選会場に足を運んでいた。

ガンシューティングのルールは簡単だ。一定時間の間に空を飛んだり地面を徘徊している的を射撃して得点を競う。それだけだ。

タイムアップ、もしくは全ての的が撃ち落とされた時点で終了で、的に当たった箇所で得点を計算し競う。

使用できる弾は通常弾のみ。ほとんどいないとは思うが武偵弾(DAL)は使用禁止で使用した場合即刻失格、また全ての的が撃ち落とされるまえに射撃位置から出るのも失格である。

「いつも通り、ね」全く、レキは平気な顔してとんでもねえこと言ってくれる。やれるだけやってやるけどな。そして青いベレッタPx4ストーム、.44オートマグを確認。

そして前日渡されたゼッケンを付け、運営本部で銃と顔の確認(変装の可能性があるため顔をつねられる、痛い)を受け、選手控え室に入ると…2().()3()()()()()()、ガチな雰囲気が。

俺に割り当てられた場所に座ってキンジからもらったポカリを飲んでると、何人かこちらをちら、ちらと見ているな。イヤだな〜、こういう雰囲気。

そんな祈りが通じたのか、10分後にすぐ予選の俺の組になったようで名前を呼ばれた。

んじゃ、頑張りますかね!

 

〜〜Sideキンジ〜〜

今俺と不知火は明智が出る、ガンシューティングの予選会場の観客席に来ていた。武藤は残念ながら雑用と『()()()()()()()()』今はいない。

「いやぁ、それにしても朝の明智君は珍しく緊張してたね。大丈夫かな?」そうイケメン顔を困ったようにしつつ、不知火はこちらに尋ねてきた。

「正直、心配だった」そう含みのある言い方で俺は返すと不知火はそこに食いつき、「だった?今は?」と聞き返してくる。

「心配だったんだけどさ、何言われたか知らねぇけどレキと二言、三言話したらいい感じに緊張も解けてリラックスしてる感じがしたからな。予選ならあいつは簡単に通ると思う」ポカリを渡した時はもういつもの調子に戻ってたしな。

「へぇ、じゃあ金メダルも夢じゃないかもね」そう不知火は安心したように答える。

明智の銃の腕は中学の時から有名だった。兄さんに『あいつの銃の腕はおそらく俺よりも上だ』と言わしめるほどに。

兄さんが自分より年下の奴にそういった評価をすることが珍しかったから俺もよく覚えている。

中3の時にあいつはヨーロッパで目覚ましい活躍をしていて、帰ってきた時には更に銃の技術は上がっていた。おそらく今のあいつに勝てるやつは同年代にはそうそういないだろう、と思う。

などと少し懐かしい記憶を辿っていると明智が予選会場に現れた。あいつの番か。

通信科(コネクト)の生徒が出場選手の名前を読み上げている。

『番号34番、明智 零司。東京武偵高1年』そう読み上げられると会場はドッ、と湧いた。ホームグラウンドだから期待が半分、明智のことを知らない奴は1年が出るということに色めきたっていてそれが半分、といったところか。

『始めッ!!』号砲と共に始まった。明智はPx4と改造オートマグの2挺拳銃で次々と的の中央を撃ち抜いていく。…?なぜか分からないが他のやつの得点が伸び悩んでいるように見える。相手もアドシアード代表だ、ミスショットなんてそこまで期待できないだろうが、どういうことだ?

そう思っているとバシュッ!最後の的を明智の.44AMP弾が貫き得点計算が行われている。

隣の不知火を見ると他の人の得点の伸び悩みの原因がわかったのか、唖然とした表情をしている。

「なぁ、不知火。なんで明智以外の奴の得点が伸び悩んだんだ?」そう聞くと不知火は信じられない、といった調子でこう告げた。

「明智君、他の選手の撃った弾を弾いてあらぬ方向に飛ばしてたね。それで自分の弾は相手の弾を弾いた後、的の中央に当たってた。本当に同じ1年なのかな?」

……ありえんだろ。どんなことを練習したらそんなことが出来るんだよ。

そう思っていると得点結果が出たようでアナウンスがこう告げた。

『本戦進出は34番 明智 零司選手!!』

ドォッ!と湧いた会場に手を振る明智の姿がそこにはあった。

あいつ、やっぱりすげーんだな。俺はそう思い、会場に来れないから結果を教えてくれと頼まれた理子や武藤達に結果を連絡するのであった。

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