アドシアード編がひと段落して今回からは零司君達が任務を受けるようです!それではどうぞ!
アドシアードが終わって一週間、その間俺たちは珍しく平和な日々を過ごしていた。でもまぁそこは武偵業界、平和な日々ってのは長続きしない。案の定
呼ばれた時のB組連中(特に女子、男子はなぜかざまぁみろと言わんばかりの眼差しを向ける奴もいた)の可哀想な奴を見る目は忘れない。
「今度は何やらかしたかねぇ、特に記憶はないんだけど」悲しいかな、今年3度目ともなると流石に教務科の前も慣れた。特に何も思い当たる節がないので普通に入ることにした。
「失礼します。1年B組、明智零司です」
「おーぅ、明智かぁ。よく来たなぁ、こっちだ」
そう名乗るとあいも変わらず危険そーうな葉巻を咥えた綴先生がクイックイッと手を向けてきた。怖いなぁ…
綴先生に引き連れられて来たのは面談室とは名ばかりの尋問室。入ってみると探偵科担当教諭ということからか高天原先生もいた。危険度が少し下がったな。
「うん、あーっとあれだ明智。アドシアード優勝おめでとおー。」
「あ、はい。ありがとうございます」
「んでさ、話は2つあるんだよぉ。んでまず1つ聞きたいことがあるんだよねぇ。えーっとあれだよ、あれ。お前
あー…その話か。あんまり言いふらすほどのことでもないし言ってなかったんだけどな。
「はぁ、必要以上に言う必要もないかと思って言ってませんでした。というかヨーロッパの奴らが偶に言ってくる
そうなのだ。水を持ち手のように扱い、3本の小太刀を操る。そこに三頭剣の本懐はある。名前は気に入らんけどな!!
「はぁ…一応どんな系統の能力か一応調べとく義務ってのがうちらにあってなぁ?その如何によっては自由履修でSSRの受講出来るようにはなるんだよ。つーわけでゲロッてくんない?後ちょっと使ってみて」
使ってみて…か。湿度はこの間梅雨入りしたから少し高めだしまぁ使えるんだけどさ。
「わかりました。俺の超能力ってのは…っと、こんな感じに水を操る能力です。基本的には空気中の水蒸気から取ったり、雨とかからも操れます。一応何もないところからも水を創り出すことも出来ますが、前述の使い方よりは精神力を使うって所が難点でしょう。操れる範囲は純水、水溶液までは操れますが、水銀とか臭素といった水を一切含まないものは未検証です。推定Gは18〜20かと」そう言いつつ俺は空気中の水分を手の平の上にひとまとめにして武偵高のエンブレムの形にしてくるくる回す。それを見た綴先生と高天原先生は少し驚きをあらわにしているが、流石は先生。表情にほとんど出さない。
「なるほどなぁ、お前のその能力はSSR専攻にしても十分お釣りが来るものだぞぉ。一応私とゆとりでSSRの自由履修も組めるようにしとくから受けたいときは言ってくれぇ」
「はい、ありがとうございます」
とそこまで言うと今度は高天原先生がこちらに向き合った。
「それでね、2つ目のお話は、入学式の日に校長先生からもお話はあったと思うんだけど学校からの指名任務のお話です。」
「あぁ、はい。ありましたね確かに」今までなかったから忘れてたけどな。
「今回の依頼は、最近横浜近辺の中国系暴力団の華龍組っていう所が
不審な動き、つまりクスリか銃検を通していない銃の違法取り引きって所か。でもそれって…
「あの、失礼ながら質問させていただきますが、それってどちらかというとキン…遠山とか一石といった強襲系統の武偵がやるべき仕事ではないでしょうか?最近色々自由履修を取っているからとはいえ一応探偵科の俺にはいささか荷が重いかと思うのですが」
「うん、そうなんだけど遠山君は別件での依頼が入ってて招集できないんだ。一石君とレキさんはもう参加は決定してるから、明智君の探偵科としての情報収集力、調査力が欲しいって所なの」
なるほどな。高天原先生の言っていることはおそらく本心だろう。そしてその上で俺がどの位の戦力になるかといったところを見たいのだろう。
「…あの、ちなみにLDスコアはいか程で…?」
「そうね…相手の武装がはっきりしないからなんとも言えないけれど8500は下らないかな」…!武偵の任務の難しさを測る1つの基準、Level of Difficulty。通称LDスコアと呼ばれるそれは6000を上回れば立派な一流武偵が受けるくらいの難度だ。それが8500以上となると、ほんの一握りの優秀な武偵しか受けられない程の難度だ…!きっつい戦いになりそうだ…
俺の雰囲気の変化を読み取った綴先生は愉しげに笑い、高天原先生は信頼の眼差しを向けている。
「……わかりました。といっても拒否権はないんでしたね。受けます」そういうと高天原先生は安心したような声で、
「それじゃあ、よろしくね」などと言うのであったが、ただでは受けないぞ。前々から考えてた
「ですが、1つだけ条件を。放課後の20分間だけ、武偵高のプールを貸し切りにしていただけませんか?」
「…ふむ、何に使うのか知らないけどいいよぉ〜。20分でいいかぁ?」
綴先生の気だるげな声に俺は頷いた。