緋弾のアリア〜蕾姫と水君〜   作:乃亞

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どうも乃亞です!

この間ランキング入りしてからお気に入りしてくださる方がぐぐくっと伸びてついに500人を突破しました!本当にありがとうございます!嬉しいなぁ〜

これから3月くらいまで更新が滞ることもあるかと思いますが、更新した際には「あっ、こいつまた書いてるよ〜」みたいな軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。

それではどうぞ!


第57話

「お、明智とレキじゃん。おはようさん」

「相変わらずお熱いご様子でなによりだよ」

「レキさんレキさん、部屋の中での明智くんの様子を今日こそ教えてくれると嬉しいな!」

「おう、みんなおはようさん。あと鷹根、どさくさに紛れて俺のオフのことを取材しようとすんじゃねぇ」

「おはようございます、みなさん」

 

教室に着くといつものようにクラスメイトたちが親しげに挨拶をしてくれた。鷹根、早川、安根崎の3人はそろそろ自重を覚えてほしい通信科(コネクト)の女子3人衆である。人の、しかも異性の寝相まで取材しようとするのは正直にやめてほしい。

 

あとはレキはこの2学期くらいからちょくちょく人とたわいのない話を出来るようになったようだ。強襲科生(アサルト)どもの人懐っこさに影響されたのか、はたまたレキの心境に変化があったのか。真実はレキの心にあるんじゃないかな。何はともあれ会話するようになるのは正直に言って嬉しい。入学式の頃なんかひどかったからな。

 

……うん。それはいいんだけどさ……。

 

「うーっ、寒いなこの教室。車の方があったけぇんじゃねぇの?」

 

そうなのだ、日本の11月末の教室というのは基本的に暖房やストーブなんかで教室が生ぬる〜く程よく暖かくなって休み時間に寝るにはちょうどいい環境のハズなのだ。ましてやここは武偵高。教室だろうと廊下だろうと元気に駆け回るアホ共の影響で空気がかき混ぜられ、暖かい空気と寒い空気の差がほとんど生まれなくて足が寒いなんてことにもならないある種昼寝の天国ともいえる場所であるハズなのだ。というかそうじゃなくちゃ気持ちよく昼寝ができない。

 

な・の・に〜〜!!

 

「なんでこんなにさぶいねんアホンダラっ!ほんまにいわしたろかコラッ!」

「あぁ、そういや強襲科共が暴れて発砲してたからその時に空調が逝ったっぽいぞ」

「なんやとこのアホの小林ィ!直せダァホ!」

「いやそんなの無理でしょ……」

 

……ハァ。正直に言うと寒いのは嫌いだ。確かに出身地の京都の方が東京より寒いし、中3の時に行ったヨーロッパの方が寒い時は寒い。とはいえ、寒いのは嫌いなのだ。体が冷えるとどうしても少しはパフォーマンスが落ちる。特にひどいのは水の超能力(ステルス)。操る水が冷えるのと相まって長時間継続して操っていると低体温症になりかねない。例えて言うなら、冬の寒い時期にキンキンに冷えたペットボトルの水を持ってる感覚と言えばわかるだろうか。直接触ってるわけじゃないけど冷える感じだ。

 

休み休み使う分にはまだマシだがそれでも辛いものは辛いのだ。

水やアルコールなどの液体、あとはギリギリ水蒸気とかも操れるが、その温度までは管轄外ってわけだ。思わず訛ってしまうくらいにはな?

 

相変わらず使えないアホの小林を尻目に俺はため息を吐く。そんな俺の首にぴとっ。なにやらあったかいものが触れた。というか手だろこれ。

 

「これでどうですか?零司さん」

「お、おうレキか。びっくりしたぞ全く。…でもあったけぇな」

「なんだよこいつら。末長くお幸せに爆死すればいいのに」

 

小林がなんかいってる気がするけど気にしたら負けだと思ってる。お世辞言い切れてないぞ。

 

そんな中、急にクラスほぼ全員の携帯の音が鳴り響いた。こういう時は大体事件のメールだったりする。

 

「うんにゃ、なんだよこんな時に……!!」

「これは…」

 

クラスの奴らが息を呑むのも仕方がない。携帯の緊急メールにはこう記されていた。

 

『東京都港区レインボーブリッジ付近にてカージャックが発生。車のどこかに爆弾がつけられている模様。至急強襲科及び狙撃科、車輌科(ロジ)のAランク以上の者は準備し、事件解決に着手すること』

 

おいおい…この間バイクジャックがあったのに今度はカージャックだぁ?武偵殺しとやら、そんなに武偵が憎いのか。港区ってここら辺だし。まぁいいや。サクッと行ってくるか。俺は教務科(マスターズ)に了承の旨を伝えながら隣に目をやる。

 

「レキ!」

「準備はできています。急ぎましょう」

「頼もしい限りだ。みんなはヘルプに回ったり、警視庁と通信とったりできることをしてくれ!俺とレキで打って出る!」

「任せたぞ、いちゃいちゃSランクコンビ!」

「気をつけてね!」

 

いちゃいちゃSランクコンビってなんだ、いちゃいちゃSランクコンビって。そう思いつつ俺は現在わかっているだけの戦力を把握にかかる。マサトは……ダメだな。あいつは任務でどうやら今ここにいないハズだ。同様の理由で他の学校に潜入捜査中のキンジと不知火もダメ。白雪は京都の分社に用事があって今は不在。理子あたりは……わからん。普段ゲーム以外なにしてるのか知らねえ、あいつは。一応連絡だけかけるか。あとは……武藤あたりが妥当か。あいつなら飛行機の1つや2つ飛ばせるだろう。

 

俺はA組のドアを開けながら叫んだ。

 

「武藤、メール見たな?行くぞ!」

「お、おう!何動かしゃ良いんだ?」

「ヘリを1つ頼む。パーティは俺とレキだ」

「ハイハイカップルだなこんちくしょう!飛ばせば良いんだな!」

「頼むぜ」

 

俺は武藤とレキを引き連れてヘリポート代わりの車輌科屋上を目指す。欲を言えば状況を正確に説明できる奴がいるとよかったんだが、声を掛けられる人にいなかったから仕方ない。お世辞にも饒舌とは言えないがレキに頼むか。

 

 

 

 

武藤の操縦で現場付近に近づいているとあらかじめ持ってきたインカムから通信が入った。

 

『明智零司さん、レキさん聞こえますか?』

「はいよー、くっきり聞こえるぞ」

「はい」

『こちらは通信科一年、中空知(なかそらち)美咲です。今回の強襲作戦のオペレーターを務めさせていただきます。よろしくお願いします』

「了解した。早速だが中空知、件のジャックされた車はどこだ?」

『現在、レインボーブリッジに誘導しています。被害車輌の後ろに無人のオープンカーが5台あり、自動銃座がつけられています。銃の型はUZIかと』

「オーバーキルだな、そりゃ。じゃあ任務達成条件は車のどこかにある爆弾を解除してオープンカーを沈黙させればいいんだな?」

『そうなりますね』

 

単純だがそれゆえに難しいな。爆弾をえっちらおっちら解除しようとしたらUZIから蜂の巣にされるし、逆にオープンカーの方を先にやると爆弾が爆発する可能性がある。事件発覚から20分も経っていないが車の運転手は緊張状態が続いているから精神的にいっぱいいっぱいな可能性もある。

 

ならばまず爆弾を解除してから素早くオープンカーを黙らせるべきだろうな。

おそらく犯人は爆弾がどこにあるかを悟らせないために車の外に設置しているはず。

 

「明智、レキ!見えて来たぞ!」

 

そう武藤が叫ぶので外を見ると、なるほど確かに1台の車を5台が追ってらっしゃる。

 

「おー、確かにUZIだなあれは。レキ、追われて車の外側に爆弾みたいなものくっついてないか?」

「追われている車の後ろについている白いものとかはどうでしょう?」

「どれどれ……ありゃりゃ、正解だな。あれC4っぽいなぁ。車どころか漁船程度なら吹っとばせるんじゃないか?」

「おいお前ら……視力よすぎないか?少なくとも俺にはサッパリだぞ」

「左右共に6.0です」

「こいつほどじゃないけどな。左右両方4.2だ」

「もうツッコまねぇぞ!」

 

呆れたように武藤に言われたけどお前の乗り物なら大体乗れるってのも相当だぞ?

 

さ、て、と。どうしようか、コレ。というか何分で片付けられるかな、これ。

 

「中空知、これ以上お相手方の増援はないか?」

『おそらくありません、少なくとも見える範囲で不審な動きをしているものはありません』

「りょーかい、ありがとさん。じゃあ作戦を説明する。俺がジャックされた車の上にここからワイヤー使って飛び乗るからレキは俺が車の上に到達する前に着いてる爆弾を狙撃で取り外して海に落としてもらう。んであと残った車は俺が処理するからそれで解決だ。さっさと終わらせるぞ」

「わかりました」

「おーい明智よ、俺はどうすればいい?」

「武藤はレキが狙撃しやすいようにヘリの姿勢を安定させてくれ」

「任された!」

「作戦開始は俺が降下準備を済ませてから30秒後。しっかりやろう」

 

簡単に説明をしたがぶっちゃけコレ、レキの狙撃技術に頼りきってるんだよな。まぁアドシアードの優勝者の俺の彼女だ。これを信頼せずに何を信頼するのか。

 

あとは車の運転手だが……あと5分。5分だけ保ってくれ。

 

 

 

「降下準備完了した。作戦開始30秒前!」

 

毎度のことながら強襲前は気が引き締まる。下手したら死ぬからな。

 

『5秒前…3.2.1...作戦開始!』

「行くぞ!」

 

そう言い俺はワイヤーを駆使しつつ降下する。一応保険代わりに超能力も発動させ万全を期す。

 

車にあと10mもなくなってから俺は叫ぶ。

 

「レキ!」

『私は光。主を支える一筋の光』

 

いつものように何事か呟いてレキが放った弾は綺麗に爆弾を掠め、爆弾は海に落ちて行く。それに俺が素早く合わせるように海水を操り、爆弾をキャッチして即座に海の中に沈める。

直後、水飛沫が上り爆弾が爆発したことを示した。ちぇっ、本当は爆発させることなく海の底に沈める予定だったのに。

直後、車の運転席の窓が開いた。無神経な動きに本当なら怒るところだが、オープンカーは並走してないので目をつぶろう。

 

「運転手ー、大丈夫ですか?明智零司、武偵でーす!」

「明智武偵、助けに来てくれてありがたい!車を停める時は合図をくれ!」

「精神が死んでなくてよかったです!そのまま窓を開けておいてください!……さぁーってと。操る海水も冷たいんだ。さっさと終わらせてもらうぞ」

 

そう言うと俺への捕捉が終わったのか一斉にUZIが俺の方を向き躊躇いなくぶっ放してきた。狙いは……頭か。よくできたAIだ。

俺は即座に水の壁を作り出し同時にかなり長めの水の腕を作り上げ、小太刀を水の腕に放り投げる。

 

「台を同じ長さにしたのがアダになったな、武偵殺しさんよ」

 

直後、水の腕がオープンカーに伸び、手に持った小太刀で銃座を破壊していく。一閃。一振りした後、すべての銃座が破壊されUZIの一斉掃射は終わりとなった。後は暴走車を止めるだけ。

 

「レキ、オープンカーに爆弾はあるか?」

『いえ、少なくとも外にはありません』

「オーケー!」

 

これに似た状況を見たことあるんだよね。こっちに迫ってくる敵を足止めする感じというか。あれの真似するのも面白そうだしやってみるか。

 

「エル○ドゥ!」

 

そう叫ぶと海から無数の鎖状の海水が飛び上がり、5台のオープンカーを縛りつけた。オープンカーはなおも動こうとするが全く前に進まない。おお、思った以上の効果だ。

とりあえずは、解決かな。

 

「運転手さん停めて大丈夫ですよ〜」

 

車は上に乗ってる俺を気遣ってかゆるゆるとスピードを緩め、そして停まった。

 

「明智武偵、助けていただき感謝する」

「こちらこそ助けられてよかった。おそらくこれから事情聴取とかあると思うんでしばらくお時間いただくことになります」

「それくらいは想定済みさ」

「ならよかったです。俺は暴走オープンカーのエンジン切ってくるんでそこで待っていただけると嬉しいです」

「あぁ。さすがに疲れたからしばらく休ませてもらうよ」

 

運転手も意外とまだ余裕あったな。というか腰のベレッタ950、俗にジエットファイアと呼ばれる銃を提げてることから武偵なんだろうな、あの人も。

 

俺は暴走オープンカーのエンジンが全て止まって再び動くようなことがない事を確認してからエ○キドゥを解いた。そして報告を心待ちにしているであろうレキや武藤、中空知たちに一息ついてからこう告げた。

 

「任務達成。お疲れ様」

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