いつもの世界を守るために   作:alnas

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なんだかんだで続けることができています、どうもalnasです。
アニメも二話まで放送されましたが、皆さんは各都市で好みのキャラはできましたか?
この話では、三都市の代表と、神奈川メンバーの絡みをこれから書いていけたらなって感じで進めていけたらと思います。
では、どうぞ。


三都市とチーム

 三都市の代表が揃ってすぐ、俺に向けられた不躾な言葉。

 それらと過去の光景を、姫さんと一緒に深呼吸していくごとに抑え込んでいく。

「どう? 落ち着いた?」

「……ああ。なんとかなりそうだ。悪かったな、姫さん」

「ううん。大丈夫ならいいよ。さあ、じゃあ会議を始めよっか!」

 明るく振る舞う彼女だが、内心なにを思っているのか。

 心配か、怒りか、悲しみか……近くにいるのに、読み取れることはない。

「はあ……」

「ため息をついている場合か。いいから、後ろで控えていろ」

 ほたるが厳しい口調で言う。それに抵抗するわけもなく、彼女たちの座る椅子の後方へと下がる。

「言いたいことがあるなら、会議が終わってから言ってやれ」

「――……ああ。おまえの優しさ、わかりにくいわ」

「うるさい。黙っていろ」

「はいよ」

 なんだかんだ、周りに人はいてくれる。

 こいつらは、俺が前線に立たないというのに見限らない。それどころか、更に踏み込んでくる。

 不思議だ。

「だから、神奈川から離れられなくなっていく……」

 まあ、すでにいないといけない状態になりつつはあるんだが。

「とりあえず、二人ともお疲れ様! これでまた一歩、世界が平和になったね」

 遅れてきた東京の代表に向け、姫さんが言葉をかける。

 すると、金髪の少女が応えた。

「う、うん……。あの、ひーちゃん……」

「なに?」

「うちのいっちゃんがごめんなさい」

「え? なにを?」

「えぇっ!? なにって、それはその、後ろの――」

「ああ!」

 納得し、姫さんがこちらを見る。

 その瞳には、気にしてる? という問いが浮かんでいた。

 彼女が見える位置で手を横に振ってやると、にんまりと満面の笑みを浮かべ、正面を向く。

「全然気にしてないよ!」

 元気いっぱいに返すと、金髪の少女はホッとしたように胸をなでおろした。

「ほら、許してくれたんだから、いっちゃんもちゃんと謝ってよ!」

「誰がだ。雑魚に下げる頭はない」

「もお〜! お姉ちゃん、そういうのは一番よくないと思います!」

「だからお姉ちゃんはやめろ」

 唯我独尊とでも言うべきか。東京にも問題児がいたようだ。

 なんかこう、関わりづらい奴だな。

 先ほどの発言がなかったとしても、やりづらい。でも、なんでかあいつからも苦労人の気配がなぁ……。

「そんなわけで、うちは気にしてないからさ、仲良くね、仲良く! ね!」

 こらこら、こっちを見るんじゃない。

 俺に仲良くを求めないで欲しいんですけど。

「そうだな。ヒメが言っているんだ、まさか断ったりはしないな?」

 いやー、ほたるさんがとってもいい笑顔を浮かべてらっしゃる。詰んでるなー……。

「みんな仲良く、いいんじゃないの? 手を取り合うことが必要ないとは言わないよ」

「くだらん。おまえたちと協力しなくても、俺一人がいれば十分だ」

「おまえ……あー、名前なんだっけ?」

「これだから雑魚は。人の名前はちゃんと覚えような」

 一度も聞いたことないんですけど? なんなの、好きにつけていいの? あ、違うや。聞いたことあるわこいつの名前。

「そいつは悪かったな、いっちゃんさん」

「この、貴様!」

 おいおい、人の名前はちゃんと覚えようって言ったのあなたじゃないんですかね。

「天羽。天羽自由だ。好き勝手呼ばれてるけど、せめて覚えておけ」

「ふん……朱雀壱弥だ。雑魚でも覚えられるだろう?」

 だからいっちゃんか。

 呼び方は指定されてないから変えなくてもいいんじゃないかな。

「それ、呼びにくいからもう縮めていっちゃんさんでいいんじゃないの?」

「縮めれてないだろ。数すら数えられないのか、千葉カスくん」

 せっかくおさまったのに、千種が絡む。

 仲の悪さがよくわかる光景だ。

 その後もランキングがどうだのと言い合ったりと、交わす言葉だけは無駄に多い。

「いつもこうなのか?」

「今日はより酷い。天羽を連れてきたからか?」

 ほたるさんや、そりゃあんまりだぜ。

 しかし、千種はランキングで二百七位だったのか。で、朱雀が四位ね。確かに、その辺の順位の奴が一番こだわるかもなぁ。

「なんせ、上三人が全員女子なんじゃな」

 男の立場ないわな。

 この場で上位の男など一人のみ。

 とりあえずは俺のするべきことをするか。

 厨房にあったクーラーボックスを拝借しており、中に入れてある果物をミキサーにかけていく。

「持ってきてたんだ?」

「まあな。おかわりいるか?」

「ん、よろしくー」

 千種妹から空のコップを受け取り、中身を注いでいく。

 横に新しいコップを二つ並べ、それらにも同様に。

「ほい、千種妹」

「それ、お兄のおまけみたいに聞こえるから、明日葉でいい」

「はいはい。だってよお兄さんや」

「この場で言えば、おまけは俺の方なんだけどね。妹のおかげでここにいるようなものだし?」

 むしろいたくないって雰囲気醸し出すなよ……。

「ハッ、理解できてるじゃないか。あとは人権の違――冷たっ!」

「ほれ、外は暑かったろ? ジュースだ。置いとくから飲んどけよ。飲まないと無駄になるからな」

 朱雀の前にコップを置き、彼の文句は聞き流す。

 後ろに座る少女にも渡すと、こちらからは礼を言われた。

「なるほど、都市の好感度ってのは二人でバランスを取るものなのか」

 ひとまず、俺の役目は終わりだな。

 残る時間を大人しく神奈川の代表の後ろで過ごしますか。

「フハハハハッ、揃ってるなおまえら。お、神奈川の問題児ってのが来てるじゃないか!」

 なんて思ったのも束の間。

 大柄な男性と、柔和な雰囲気の女性が入室してくる。

「問題児だなんて言うものじゃないわよ」

「いいんだよ。男は多少問題があった方が好かれやすいんだぞ?」

 いい加減そうな人だな。

 年だけとった子供のような、そんな感じの人だ。

 いや、そんなことはどうでもいい。まさか、まだ人が増えるとは……。

「さすがに、会議まで学生だけでやるわけがないよな」

 都市の運営ならまだしも、今後の在り方に関わる三都市の会議まで大人が出ないわけないか。

 で、やっぱり俺は問題児扱いなのね。世間は厳しい。

「よお、神奈川から出ない天羽自由。初めましてになるな。朝凪求得だ。一応、南関東湾岸防衛機構の管理官だ。今後はよく会うことになると思うが、頼むぞ」

「どうも。この先も神奈川から出てくることは滅多にないと思いますが、よろしく頼みます」

「あら、そうとは限らないでしょ? 同じく、管理官の夕浪愛離よ。よろしくね、自由」

「はい。でも、出てこれないときだってありますから」

 主にチームメイトのせいで。

 そう、心の中だけで付け足す。

「よし、あいさつもそこそこに、とりあえず会議を始めるか」

「そうね。じゃあ、まずは今期のランキングについてから――」

 

 

 

 疲れた……。

 三都市の共同任務をするかと思えば東京側は拒否するし、俺はいちいち話に参加させられるし。

 その度に誰かしらが反応して話が長引くとか、これもう俺は話さない方がよかったんじゃないの?

「意味わからん、あいつら」

 それに、結局謎の気配もわからずじまいだ。

 クソッタレめ。

 面倒事に絡むのは俺のやり方じゃないが、あの気配、どうにも気になって頭から離れねえ。

 いまは会議も終え、神奈川に帰ってきたところだが、今日は疲れ切ってるな。

 とりあえずは、明日以降から頑張ろう。

 嵐の前のなんとやらじゃないことを願って。

「じゃあ、お疲れさま」

 姫さんが労いの言葉をかけてくれるが、俺としてはここからが勝負だ。

「お疲れさん。さって――逃げるか」

 車両が駅で止まり、ドアが開く。それがスタートの合図だ。

「はろお〜自由ちゃん見つけた〜大遅刻だよ〜」

 開いた直後、まん丸い目が俺を見つめていた。

 待て、早い。早過ぎる。

「え〜と、月夜ちゃんは帰っちゃったけど、明日また付き合ってくれればいいって〜」

 なん、だと……? つまり明日殺すということだな、わかった。

「ちなみに〜さとりは今日がいいな〜」

「これからか? それで済むなら是非とも頼みたいね」

「うん〜じゃあ自由ちゃんの部屋にいこうか〜」

 腰まで届く緑の髪を翻し、さっさと行ってしまう眼目。

 どうやら今回のことは特に怒ってないらしい。助かったが、いったいなぜ……。

「あいつもだいぶ人の話に耳を傾けるようになったな」

「はい?」

 ほたるの謎の発言に首を傾げるが、彼女はひとつ頷き、端末の画面を見せてくれた。

 そこには、俺が三都市の会議に出席する旨と、謝罪の文。

「会議が始まる前に眼目に送っておいた。同様に、因幡にも同じものが届いているはずだ」

「流石すぎるわ。サンキュ」

「気にしなくていい。貴様にも予定があったのだからな。それを曲げさせてまで連行したのは私たちだ」

「そうかい。でも、助かったよ」

 昔の――出会ったばかりの眼目なら、絶対に納得しなかっただろうがな。

「たまちゃんもいい子になったよね。うちで問題行動をする子はみゆちんの影響を受けてるけど、それはなにも、悪影響ばかりじゃないよ。ね、ほたるちゃん」

「……そうだな」

 二人して言ってくれる。

「自由ちゃん〜、はやくいこう〜」

「こどもかあいつは。悪い、呼ばれてるから行くわ!」

「うん、今日はありがとね!」

 姫さんの声を背中で聞き、駅を出て行く緑色の少女を追った。

 この日最大の面倒事が起きたのは、これから三十分後のことだった――。 

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