「イッセー、双葉、今からあなたたちには全力で戦ってもらいます」
昨日の事件のせいで寝不足な俺の頭で辛うじて聞き取れた言葉に驚く。
隣にいたイチ兄も驚いているようであんぐりと口を開けていた。
「イッセー、あなたは神器を。双葉、あなたは牙狼剣を使用なさい」
「リアス先輩!? 本気ですか!?」
「本気よ」
イチ兄はこの山に入ってから神器の使用を止められていた。
リアス先輩の目を見るが迷いがない、つまりは本気でやれってことだ。
お互いの顔を見合わせるがいまいちピンときてないって顔だ。俺たち二人の模擬戦なんてしても、てか牙狼剣をイチ兄に当てちまったらどうなるんだ。
『嬢ちゃん、本気か? 赤いのに一撃でも当たればレーティングゲームに支障が出ちまうかもしれないってのに』
「今のあなたたちの本気が見たいの……やれるわね? イッセー」
「……はいっ!」
元気よく返事したイチ兄が構える。
……マジでやんのかよ。
「双葉っ! 本気で来い!!」
「後悔すんなよ、イチ兄!」
『
音声が流れるたびにイチ兄の力が増していくのがわかる。
しかし倍加中は無防備だと俺は知っているが敢えて攻撃しなかった。
全力で戦えと言われた、ならば俺も答えないと嘘だろう。
「
体内の魔力を体全体に流す。
暖かい感触が俺の全身を包み込むと体が恐ろしいほど軽く感じる。
そのまま、ポケットにしまっていた栞を取り出し、牙狼剣を抜く。
俺の準備は終わったがイチ兄はまだ終わっていなかった。
俺はストレッチをしながら、牙狼剣を軽く振って調子を整える。
丁度十二回ほど倍加した頃に、リアス先輩の静止の声でイチ兄の強化が終わる。
お互い、拳と剣を構える。
「イチ兄、行くぞ」
「来いよ、怪我してもアーシアに治してもらえよ!」
『
「「ッ!!」」
音声と共に踏み出し、次の瞬間、何かがぶつかり合った轟音が響く。
振り下ろした牙狼剣をブーステッド・ギアで受け止めた音だ。
堅いっ!! それが俺の感想だった。神器が軽々しく壊れたらヤバイもんな。
そうしていると次はイチ兄の番だった。
ガードしている手と逆の空いた手で拳を放って来るが、俺は首を横にしてなんとか回避する。
風切り音と掠った拳の音が耳に聞こえる。
マズイな、生身で接近戦したら俺のほうが不利だ。
「くそっ!!」
「ちっ」
俺はイチ兄の胴体に蹴りを放って距離を空ける。
能力上昇している分、今のイチ兄の動きは素早い。師匠の動きを見ていなかったら、さっきの一撃で終わってた。
あと蹴った足にじんわりと痛みを感じる。
魔力で強化してなかったら多分折れてた。まるで鋼鉄を蹴ったような感触だよ、畜生。
……ブーステッド・ギアの恐ろしさを知ってたが、今はっきりと自覚した。
神や魔王を殺すってのは荒唐無稽の話じゃないらしい。倍加する元が小さくても時間をかけて倍加すれば強くなる。
力を倍加する器さえどうにか出来ればこれほど恐ろしい神器も無いだろう。時間をかければこの場にいる誰よりも強くなる可能性があるのはイチ兄なのかもしれない。
『小僧、本気を出さなきゃやられるのはこっちだぞ』
「……あぁ」
ザルバに言われた俺は剣を天に掲げ、円を作る。
『相棒!』
「ドライグ、俺は待ってもらった。なら俺も待つのが筋ってもんだぜ!!」
……ホント、イチ兄の正々堂々さは嫌いじゃない。
なら遠慮無く召喚させてもらう、だがな。
「ッ!」
剣を振り下ろし、砕け散った円から鎧が召喚されるのを見て、俺は足に力を込め踏み込んだ。
鎧を馬鹿正直に装着されるまで待つ馬鹿はいない。ある程度追尾してくれるのはザルバから聞いている。
「マジかよ!?」
驚くイチ兄だったが、俺の動きが見えていたんだろう。
言葉とは裏腹に冷静な対応で、再びブーステッド・ギアに受け止められるが、その時牙狼剣は姿を変え、俺の体には牙狼の鎧が装着されていた。
「本気、なんだなっ!」
「おぉおおおおっ!!」
ガードしているブーステッド・ギアごと切り倒す勢いで力を込める。
イチ兄は数歩だけ下がるが、しっかりと足に力を込めて受け止める。
……力では互角、いや、俺のほうが若干弱いっ!
「ぐ、ぐぬぬぬっ!!」
「なん……っつう馬鹿力だよ!」
いつの間にか押していた牙狼剣が俺の鼻先まで突き付けられている。
強化されたイチ兄がここまでやるとは思ってなかったし、もしも今プロモーションされて『戦車』だったのなら俺は完全にパワー負けしてたな。
だけど負けてられるかよ!!
「こんのぉっ!!」
「まだだっ!!」
体に流している魔力をさらに底上げして剣を押し戻す。
扱いきれない魔力が体から放出され、周囲を傷つけていくが気にしている場合じゃない! 一瞬でも気を抜けば牙狼の鎧ごとぶん殴られて俺は負ける。
それは向こうも同じ、牙狼剣の一撃を喰らえば戦闘不能になるんだ。
お互い、もはや手加減するという意識はない。
ただ目の前の敵を倒す、それだけだ。
「くぅっ!!」
「イッセー! 魔力の一撃を撃ちなさい!」
『小僧、時間がねえぞ! あと20秒だ!』
「「だらっしゃっ!!」」
どちらが合図したわけでもなく、俺たちは互いの武器を振り払ってお互いの顔に一撃を加える。
「がっ!?」
予想以上の衝撃に俺は体勢を崩しながら後方に吹き飛ぶ。
なんとか空中で受け身をとって、くるりと一回転しながら地面に降り立つ。
いってぇ……鎧をぶち抜いてダメージ入れるとか馬鹿力にも程があんだろうが。
『馬鹿っ! 前を見ろっ!』
「なっ!?」
「いっけええええええ!!」
イチ兄の手のひらに収束していた魔力が放たれた。
小さな米粒サイズの魔力弾、それが離れてから数秒も立たない内に巨岩のように大きくなり恐ろしいスピードでこちらに向かってきた!
は、反則だろ!? 倍加ってのはこんなのまで強化すんのかよ!
『あれを食らったらひとたまりもないぞ!』
「……なら、切り裂くまでだ!」
自然と体が動き、鎧装着時には手の甲に移動するザルバの口に牙狼剣を置き、まるで研ぐように剣を引いた。
そして体の強化に回していた魔力を全て剣に回す。
出来る気がした、根拠はないしこれが失敗すれば下手をすれば死ぬだろう。
だが、イチ兄の攻撃程度を切り裂けないと焼き鳥を倒すなんて夢のまた夢だろう。
『小僧、お前……』
「おおおおおおおっ!!」
両手で持った剣を振り下ろす。
感触はない、だがキィンという不思議な金属音が鳴り、飛び込んできた魔力弾が二つに裂けた。
ドッゴォオオオオオオオン!!
「!?」
『時間だ』
ザルバの声とともに鎧が俺の体から離れていく。
背後の凄まじい音は何だよ!? と俺は振り向き、目を疑った。
隣の山が消し飛んでいた。誇張でもなく言葉通りの意味でだ。
あんなものを斬ったのか俺は、てかあんなもんぶっ放したのか俺の兄は!
『
「そこまでよ」
神器の無機質な音声とリアス先輩の声が響く。
俺は膝をつき方で息をしながら牙狼剣をしまう。
あまりの衝撃と戦闘での疲れで心臓の音が耳にまで聞こえるくらいに大きくなっていた。
「さて、二人の戦いを見てどうだったかしら?」
リアス先輩の問いに真っ先に答えたのは師匠だった。
「驚きましたね。最初の一撃で僕は決まったと思ったんですけどイッセーくんはそれを受け止めた。双葉くんが牙狼を纏い、繰り出した一撃にも対応した」
結構凄いのか? 俺の攻撃、師匠には何も出来ずに敗北しまくってるんだがな。
「双葉も凄いです。イッセー先輩には力の使い方を教えてたんです。いつもの双葉なら悠々と吹っ飛ばせれるくらいには出来たと思ってました」
おいゴラ小猫、おめえなんつうこと教えてんだ。
ここ3日くらい集中的にイチ兄と訓練してたのはそういうことかよ。コツ掴むとスイスイやっちまうからなぁ、イチ兄って。
「ありがとう、祐斗、小猫。そういうことらしいわ、イッセー、双葉」
なんのことかわからないが、イチ兄に向けてウィンクしてるリアス先輩を見てちょっと合点がいった。
多分、自信をつけさせるためにやったんじゃないかな。実力がほぼ均衡……してると思う俺とぶつけて、全力を出させた、ってところだろう。
「イッセー、それに双葉。あなたたち二人は確かに弱いわ。けれども、ブーステッド・ギアと牙狼、この二つを使えばあなたたちは上級悪魔に匹敵する力が得られるわ」
……マジかよ。
でも、牙狼を纏わないと俺は……。
「双葉、あなたは牙狼を纏わなければ駄目だと思い込んでいるようだけどソレは違うわ。祐斗と訓練し、倍加状態のイッセーと渡り合えたあなたはもはや足手まといではないわ。立派な戦力よ」
リアス先輩……。
ちょっとぐっと来たわ、今の台詞。
「さぁ、フェニックスに思い知らせてあげましょう。リアス・グレモリーとその眷属たち、そしてその友人の力を!」
『はい!!』
全員で力強く返事をする。
勝つ、そう勝つんだ。
リアス先輩にはいつもお世話になっているし、もしも俺の考えが合っているなら全力で支えなければならない。
だって、遠くない未来もしかしたら義姉さんと呼ぶかもしれないしなとはしゃぐイチ兄を熱をこもった視線を送るリアス先輩を見て思った。
そして決戦当日となる。
****
「いよいよか」
自室で体のストレッチをしながら魔力を体全体に流す。
今は午後十時、決戦は零時ジャスト。悪魔の力が本格的に高まる時間、らしい?
着ている服はいつもの学生服だ。戦闘服かなにか配られるかと思ったんだが、リアス先輩いわく「オカルト研究部だし、ユニフォームは制服が合ってると思うわ」だそうだ。
『残念だな。魔戒騎士の正装である魔法衣があればいいんだが』
「無いもんねだってもしょうがねえだろ、ザルバ」
魔法衣なんてもんあるのな。
ザルバが言うには魔戒騎士の正装はその騎士の鎧のエンブレムが刺繍されているロングコートらしいが……うん、ぶっちゃけ俺には似合わないだろ、ロングコートってお前。
カッコいいけどさぁ、着ると目立つやん。さらに黄金騎士は白のロングコートってなおさら。
コンコン。
「ん? 誰だ?」
「双葉さん、入ってもいいですか?」
「アーシアか、今開けるよ」
俺はそう言い、部屋のドアを開けるとアーシアの格好に驚いた。
「アーシア、それは……」
「やっぱり私はこれかなって。もうロザリオも持てないですし、主の下僕でもありませんけど、この格好が一番落ち着くんです」
アーシアの格好はシスター服だった。
悪魔同士の戦いにシスター服ってのも中々勇気いるが……まぁいいか、リアス先輩なら苦笑しながらもアーシアだからと納得してくれるだろう。
「アーシアが決めたんならそれで良いと思うよ。というかアーシアはその服がよく似合ってるしな」
「ありがとうございます」
心底嬉しそうなアーシアを見るとちょっと恥ずかしいな、そんなに喜ぶこと言ったかな俺は。
「あの、双葉さん。傍に行ってもいいですか?」
そう言うアーシアの体は震えていた。
当たり前だ、俺だって緊張で体の震えるのを抑えるのに必死なのにさ。アーシアは戦いに向いていないからなおさらだろう。
特訓でも魔力を訓練する以外は神器の回復範囲を広げることしかしてなかったしな。
もしも戦闘することになって懐に潜りこまれたら為す術がない。
「いいよ、こっちにおいで」
そう言うとアーシアは俺の腕にしがみついてくる。
頭をそっと撫でると成されるままに俺に体を預けてくるアーシアに、少しドキリとする。
妹のように思っているが、年上だし美少女なのだ。
そういう状況じゃないのはわかるが、健康な青少年としてこの状況は少々キツイ。
「……双葉さんは怖くないんですが?」
「怖いさ、でもリアス先輩のために俺は剣を取るよ」
そう言うとアーシアは寂しそうに言う。
「双葉さんは誰かのために戦いますよね……私の時も、今だって。でも双葉さんはなんでそう出来るんですか?」
「……」
なんで、と言われてもなぁ。
昔、友達に言われた気がする。引っ越してしまったけどなんかすごい雰囲気を持った奴だった。
なんでお前は人のためにやれるんだって、今のアーシアみたいに真剣に問い詰めてきたっけなぁ。
……なんで、か。
「なんとなく、じゃ駄目かな?」
「駄目です。もしかしたら死んじゃうかもしれないんですよ!?」
『シスターのお嬢ちゃん、魔戒騎士ってのはそういう奴らなんだよ』
突然、ザルバが口を開く。
『笑って暮らす奴らが一人でも多く、一日でも長く続くように、一つの命が尽きたとしても、誰かがその鎧を繋いで、また戦い続ける。こいつの
「そんな大層なもんじゃないっての、お前は過大評価し過ぎだよ。俺はさ、助けられる範囲の人を助けたいだけだよ」
世界を全て救うのは無理のは分かっている。
だけど手の届く範囲、それも身内の恩人が苦しんでいるなら俺はそれを救いたい。
それだけの力が今、俺にはあるって信じたい。
「強いですね」
「強くないよ。強かったらアーシアを――」
「違います! 双葉さんは強いんです、レイナーレ様を、堕天使を前にして立ち向かうその勇気が私には眩しいんです」
腕にしがみつくアーシアは絞りだすような声で俺に言う。
それを言ったら、悪魔を助けようとしたアーシアの勇気こそ俺には眩しいんだがな。
「私はあの時救われたんです。それは双葉さんが牙狼だったからじゃないです。なんの躊躇もなく、ただ利用されていた私を助けにくれた……あなたの勇気が私を救ってくれたんです」
「アーシア」
「……ずっと、ここにいてもいいですか? 双葉さんの隣に」
潤んだ目でこちらを見るアーシアに、俺は息を呑むが精一杯の笑顔を向けながら答える。
「当たり前だろ、アーシアはもう家族だ。ずっといていいぞ?」
「家族……今は、それでいいです」
最後の言葉の意味は分からなかったが寄り添うアーシアを撫でながら、俺は出発時刻までそのままでいた。
しかし、その直前であることを思い出し、俺たちはアーシアの部屋に行くことになる。
……そうだ、俺は人間なんだ。だからアーシアのアレも使える。
悪魔なら聖なるものが弱点のはずだ。
****
時間は少々経って十一時四十分、俺達は部室に集まっていた。
そんな中、俺とアーシアは仰向けに倒れていた。
理由は危なく遅刻しかけてダッシュで駒王学園まで走ったからだ。
「ぜーはー、ぜーはー……ま、間に合った」
「疲れましたぁ~」
「何してたの? 二人共」
肩で息をする俺とアーシアを冷ややかな目で見るリアス先輩。
いや違うんですよ、一発逆転の秘策考えてきたんです。いや、ホントギリギリすぎて出来るかどうかわからなかったけど間に合ってよかった。
「何してたんですか?」
「ちょいと秘策をな……あぁ、あと今の俺には触れないでくれよ」
こちらを訝しげに見る小猫には悪いが、今の俺に触れると試合前からダウンする可能性があるからな。
とりあえず息が整ったので部室内を見る。
師匠は手甲と脛当て、小猫もオープンフィンガーグローブをつけていた。
……俺もつけたほうが良いのかな。
『はっ、お前さんはこのままでいいだろ。むやみに防具付けなくても牙狼がある』
「でも必要だろ。てか考え読むなよ」
「ザルバの言う通りだよ。君は手甲や防具を付けずに訓練してきた。確かに防具を付ければ防御に使えたりもするけど、とっさの時に防具による多少のズレが命取りになるかもしれない」
師匠にそうたしなめられる。
うーん、この戦いが終わったらリアス先輩に頼んで師匠みたいな手甲とかあと魔戒騎士の魔法衣ってのも手に入れられるかどうか確認してもらおう。
ふとリアス先輩と朱乃先輩を見るが、試合前というのに優雅にティータイムと洒落こんでいた。
落ち着いてる、いやティーカップが微妙に震えてるからリラックスするために飲んでいるんだな。
あと、やけにイチ兄が黙ってるのが気になるな。
「イチ兄、大丈夫か?」
「……あっ、双葉か、大丈夫だよ。それよりもドライグ、もしものときは『アレ』頼んだぞ」
『相棒、本当にいいんだな?』
なんかドライグと話し込んでるみたいだがなんだろうか、『アレ』って。
嫌な予感がしてイチ兄に話しかけようとした時、魔法陣が輝きグレイフィアさんが姿を現す。
「開始十分前です。皆様、準備はお済みになりましたか?」
いよいよか。
俺は師匠から予め渡されている魔剣を握りしめる。
使用者の魔力を食らって切れ味を上げる『
俺の馬鹿げた魔力なら勝手に切れ味が上がっていくはずと言われたが、使うのは今日が初めてだ。
「開始時間になりましたらこちらの魔法陣から戦闘用に作られた異空間に転移していただき、そこで戦闘をしてください。かなり強固に作っておりますが使い捨ての空間、お好きに戦ってください」
戦闘用の異空間か。
牙狼剣のこともあるが悪魔は異空間関連の技術力が高いんだろうか? まぁ、そんなことは今はいいか。
「今回のレーティングゲームは両家の皆様も他の場所から中継で戦闘をご覧になられます」
なるほどね、勝てるわけがないと踏んでるわけだ。
負ければその場で婚姻を推し進めようって魂胆が見える見える。
いいじゃねえか、こっちは死ぬ気で特訓したんだ。付け焼き刃でもやれるところ見せてやるよ。
「それと魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見されておられます。それをお忘れなきように」
「お兄さまも見ているというわけね」
……えっ、ちょっと待って? お兄さま? 誰が? 魔王が?
「え、ええええええええええええ」
イチ兄が驚きの声を上げるが、俺とアーシアもぽかんとする。
魔王の妹って……あぁ、そりゃライザーもご執心なさるわけで、ただの上級悪魔同士の婚姻にしちゃしつこいと思ったが魔王の妹ならそりゃ是非が何でも結婚したいわけだ。
うまく行けば魔王とのパイプも出来て超ハッピーってわけだ。あの焼き鳥にますます負けるわけにはいかなくなったな。
……てかなんでルシファーなんだ? リアス先輩のお兄さんなのに。
「あぁ、そういえば双葉くんは勉強してなかったからわからないだろうけど先の大戦で先代の魔王様たちが亡くなってしまったんだ。だから名前だけでもと強力な悪魔たちにその名前を継がせたんだ」
師匠がフォローしてくれるが正直フーンとしか思えない。
魔王と会うことなんて金輪際無いだろうしな。
「では開始時間となりましたので皆様魔法陣へお進みください」
グレイフィアさんに誘導され、俺達は魔法陣の上に乗る。
「これより魔法陣での転移は不可能になりますので心してください」
つまりは勝敗が出るまでは出れないってわけだ。
魔法陣の輝きが強まっていく。いよいよだ……リアス先輩をかけた戦いの。
「黄金騎士様、あなたには魔王を含めご覧になっている方々が期待を寄せています。無様な戦いをなさならぬようくれぐれもお気をつけて」
「……精一杯やりますよ、俺に出来るのはそのくらいだ」
グレイフィアの目は冷たいが、無理も無いのかなと思う。
昔、牙狼は悪魔も斬っていたというし友人か誰かを先代あたりが斬ってた可能性がある。
全く、いらぬ恨みをかってるようだが言ったとおり、精一杯やるしかない。
そしている内に、俺達を光が包み込み、転移を始めた。
早くライザー戦闘書きたい。