サラダ・デイズ/ありふれた世界が壊れる音   作:杉浦 渓

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第30章 名付けの魔法

何もかもが一瞬の出来事だった。

 

床に転がり落ちたマクゴナガル先生が杖を突き出して盾を展開した。

パーバティはソファから蓮の背中に飛びついて、蓮を引き倒した。

 

そして。

 

「・・・ママ」

 

アンブリッジを抱き締めて庇っているのは、蓮の母親だった。

 

盾で弾かれた死の呪文が蓮の背後の壁に穴を開けていた。スーザンはゾッとして、いまさらながら全身にびっしょりと汗をかいて震えている自分に気がついた。パーバティが蓮の視界を奪うために引き倒していなかったら、跳ね返った死の呪文は蓮を直撃していたはずだ。

 

マクゴナガル先生が大儀そうに「よっこらしょ」と立ち上がり、自分の杖を眺めて首を捻る。

 

スーザンは呆然と「どうして・・・」と呟いた。

死の呪文に反対呪文は存在しないのだから跳ね返るはずがないのに。

 

「言ったでしょう、蓮。ママはあなたに絶対にアンブリッジを殺させない」

 

気を失ったアンブリッジを床に寝かせたまま、蓮の母親は立ち上がった。

 

「ママ」

 

姫さま! とキーキー声がステレオで聞こえてきた。パーバティに後ろから羽交い締めにされた蓮に向かって、2人のハウスエルフが詰め寄っている。

 

「姫さまは悪い子です!」

「ウェンディがいつ悪い魔女になれと教えましたか!」

「悪い子! 悪い子!」

「まったくです! これではチャールズのほうがマシではありませんか!」

 

蓮の母親は蓮の前に膝をつき、娘をきつくきつく抱き締めた。

 

「ママ」

「間に合って良かった、本当に良かった。蓮。愛してるわ。ママを許せなくて構わないから、もうアンブリッジのことなんて忘れてしまって」

 

感動に水を差したくはないのですがね、とマクゴナガル先生がぶっきらぼうな口調で完璧に水を差した。「どなたか説明なさい。なぜたかが盾の呪文で死の呪文を弾くことが出来たのか」

 

スーザンはコクコクと頷いた。

 

蓮の母親が「そういえば」と、アンブリッジと自分を見比べ、何の傷もないことを確かめた。

 

蓮がハッとしたようにマクゴナガル先生と母親を見比べた。

 

「名前の魔法だ・・・ママ、ママのゴッドマザーは?!」

「ミネ・・・あ、ああ!」

 

やっとパーバティの腕が弛んで、パーバティは床に倒れた。「死んだかと思ったぁ」

 

「ママ! すぐに魔法省に行って! 神秘部だ!」

「・・・蓮?」

「そうだ、シリウスも連れて行ってよ! それから、えーと、ロンとネビルとジニーとルーナのゴッドマザーやファーザーを連れて!」

「ちょ、蓮、蓮、落ち着きなさい。誰が何をしに神秘部に行ったの?」

 

蓮は、はぁはぁと息を吹き返したばかりの人のように、肩を上下させ、ごくんと唾液を飲み込んだ。

 

「ハリーが」

「ハリーが?」

「ずっと神秘部の夢を見てた。額の傷も痛むって」

「ええ。ダンブルドアから聞いているわ。セブルスが閉心術の訓練をすることになっていたわね。それで?」

 

蓮は首を振った。

 

「訓練は中断したんだ。セブとハリーの相性が悪過ぎたから」

 

蓮の母親は「ああ」と顔をしかめた。

 

「そうなっても不思議はないわ。それでハリーは?」

「わたくしは、アルジャーノンだから詳しくは聞いてないんだ。でもハリーがどうしても神秘部に行く必要があるっていうから、みんなで行った」

「アルジャーノン? みんな?」

「まずハリー。シリウスがゴッドファーザーだ。それからハーマイオニー。ママがゴッドマザーだ。それと・・・ネビルのゴッドマザーかゴッドファーザー、ママは知ってるんだよね?」

 

蓮の母親は頷いた。「知っているわ」

 

「じゃあ、その人。次にロンとジニー。これは?」

「残念ながら知らないわね。キングズリーならモリーの同級生だから、もしかしたら知っているかもしれない」

「ルーナは? ルーナ・ラブグッド、クィブラーの娘」

「ゼノはこういうときに頼りにならないのよね・・・また何かじゅげむじゅげむなんて言い出して面倒臭くなるわ。とにかく、メンバーはそれで全部? 集められる限り集めるわ。死喰い人が出てくる可能性があるのね?」

「うん、ママ。ハーマイオニーたちを助けて!」

 

任せなさい、と蓮の母親は蓮の額にキスをして、蓮によく似た好戦的な笑みを浮かべた。蓮が自分の杖をホルダーから抜いた。「これを使って」

 

「蓮・・・」

「約束は守った。許されざる呪文はインストールしてない。それに・・・わたくしにはもう必要ない」

「蓮、馬鹿なこと考えないの。ミネルヴァおばさま、この子をお願いします。ウェンディ!」

 

あっという間にハウスエルフによって姿くらましをすると、マクゴナガル先生が「まったく」と腰に手を当てて立ちはだかった。

 

「3人ともそこになおりなさい!」

 

その足元で、ウィンキーも同じポーズを取り「悪い子たち!」と喚いた。

 

 

 

 

 

ドロメダを連れて魔法省のアトリウムに姿現ししたとき、もうシリウスの傍らにはリーマスとドーラ、キングズリーが待っていた。

 

「なんか作戦があるんだろ? キングズリーがロンのゴッドファーザーだってよ」

 

わかった、と怜は頷き、エレベーターに向かって歩き出した。「敵が欲しがっているのは神秘部予言の間にあるハリーの予言ということで結論は出ていたわね? だからまずハリーとロンをひと組にするわ。シリウス・キングズリーは自分のゴッドチャイルドを守って。この2人をセットにしておけば、シリウスとキングズリーとで護りを厚く出来る。それからわたくしがハーマイオニーとルーナを守る」

「そしてわたくしは、ネビルとジニーね。嫌がられるかもしれないけれど」

「似てるのは顔だけ。ドーラとリーマスは遊撃手よ。側面から援護」

「おばちゃま、子供たちの前ではトンクスって呼んでよね」

「だったらわたくしをおばちゃま呼ばわりしないでちょうだい。だいたい今日はトンクスが2人もいて紛らわしいんだから」

 

ばたばたばたっと古いエレベーターに乗り込み、一路神秘部を目指す。

 

「オーガスタス・ルックウッド、彼は元神秘部職員よ」

 

ドロメダが言うと「だから神秘部への執着が強まったのだな」とキングズリーが言い「さらに予言の入手条件も伝わったのだろう。警備していても、アタックチームが来なくなった」と推測した。

 

「着くわよ」

 

神秘部中央の廊下を足早に進み円形の扉を開けて、怜は思わずニヤリとした。

今出てきた扉に素早く二重にフラグレートをかけ、ごうごうと音をだして回転する扉を見つめながら「幸いにしてハーマイオニーがフラグレートを覚えていてくれたようね」と呟くと、シリウスが「バツ印が探索済みとしても、手当たり次第に探していたら時間がいくらあっても足りないぞ」と不平を言い出した。

 

「シリウス。怜がそんな非効率的なこと考えるはずがないでしょう」

「そうよ。少しはレイブンクロー製の頭脳を信頼しなさい。求めるは予言、予言の間、予言の手前に時がある。まずみんなで手分けして同時に焼印のない扉を開けましょう。中に入る必要はないわ。ここから見ても『時』を感じさせる部屋があるはずよ」

「その奥にハリーがいるんだな?」

「ハリーだけじゃなく、その仲間もよ。ゴッドファーザー、マザーのみなさん、自分のゴッドチャイルドを守るついでにもうひとりを守ることを忘れないで」

 

確認よ、と怜が言うと、最初にキングズリーが「私はまずロン、モリーの息子を守り、一緒にいるハリーを守る」と宣言した。

シリウスは「私はまずハリーを守り、一緒にいるロンを守る」と言い、怜が「わたくしはまずハーマイオニーを守り、一緒にいるルーナ、ゼノの娘を守る」と右手を挙げた。

そしてドロメダが「わたくしはネビル、アリスの息子を守り、一緒にいるジニー、モリーの娘を守る」と静かに宣言した。

 

「『時』の部屋を探して」

 

怜が言うと皆一斉にバツ印のない扉に向かった。

 

ドロメダがすぐに「ここだわ」と言う。「時計だらけよ。わかりやすいわね」

 

「オーケー。みんな、自分の扉にひとつだけフラグレートをしたらドロメダの扉に向かって。帰り道には2つのフラグレートがあるわ」

 

そう指示を出しながら、娘の杖を握ってドロメダの傍らに滑り込んだ怜をからかうようにドロメダが「レンのお願い事にママったら大張り切りね」と囁いた。怜は憮然として「当たり前だわ。わたくし、昔からあの子の『お願い』に弱いの」と応じた。

 

シリウスとキングズリーが並んで先頭となり、「時」の部屋を通り抜けて、扉に向かった。

 

「行くぞ」

 

キングズリーの低い声に全員頷いた。

 

 

 

 

 

「おばさま?!」

 

予言の棚の向こうから駆け寄ってくる大人の中にハーマイオニーは意外な人物を見つけた。

 

「良かった。無事だったな」

「誰も予言に触れてはいないな?」

 

シリウスの言葉にハーマイオニーとネビルが後ろめたそうに視線を交わし合った。

 

「おばさま、どうして」

 

ハーマイオニーとルーナの腕を引く怜にハーマイオニーが尋ねると「そういう話はあと。ハーマイオニーとルーナはわたくしから離れちゃダメよ。無事に学校に戻るまで」と言われてしまった。

 

ふと見ると、ネビルが強張った表情でブルネットの女性と向き合っている。

 

「・・・あな、いや、おまえは」

 

杖を握ったネビルの手がぶるぶる震えている。

 

「はじめまして、ミスタ・ネビル・ロングボトム。わたくしはアンドロメダ・トンクス。あなたのおばあさまのお茶友達よ」

「え? あ、そ、そういえば」

「そしてあなたのお母さま、アリスの親友。怜、シリウス、証言してくれない?」

 

ネビルがきょろきょろと見回すと、ハリーの腕をねじり上げていたシリウスが「ネビル、間違いない。私の従姉のドロメダだ。顔は狂犬ベラそっくりだが、中身は正反対だ」と断言し、またハリーに「閉心術のレッスンをサボるからこういうことになる」と脅すように言っていた。「わかった、わかったよシリウスおじさん」

 

そして怜が「ネビル、顔が顔だから不審に思うのも仕方ないけれど、安心して。ドロメダはあなたのお母さまの代わりにあなたを助けに来たのよ。あなたのゴッドマザーだから」と言うと、ネビルの顔から敵意が抜け落ちた。「ゴッドマザー? 僕の?」

 

ハーマイオニーは忙しく頭を働かせた。そして怜に「もしかして、ネビルのお母さまがレンの」と囁くと、微かに驚いたように「ハーマイオニー、どうしてそれを?」と囁き返してきた。

 

「ごめんなさい、おばさま。ネビルがレンの予言の球を触ったんです。すぐに元に戻したけど」

「触ることが出来たの・・・」

 

その時だった。

 

「おやおや、これは騎士団の皆様勢揃いだな」

 

ハーマイオニーを背中に庇い、怜が「やっぱり出たわね」と溜息をついた。「マルフォイって出なくていいところに必ず出るのよ」

 

「焼印のおかげで時間を節約できた。礼を言おう」

「どういたしまして。ところであなたは何をしに?」

「複数形で呼んでいただきたい。ジャグソン、ベラトリクス、ロドルファス、クラッブ、ラバスタン、ドロホフ、マクネア、エイブリー、ルックウッド、マルシベール」

 

きゃははははは、と甲高い笑い声をあげながら、髪を振り乱した女性がルシウス・マルフォイの前にしゃしゃり出てきた。

 

ベラトリクス・レストレンジだ、とハーマイオニーにはすぐにわかった。アンドロメダ・トンクスとよく似た顔立ちをしている。アンドロメダ・トンクスが精神的に壊れたらこうなるというモデルのようだ。

 

「ちいちゃな赤ん坊が怖いよーっておっきして、夢が本当だって思いまちた」

 

この挑発にハリーが呻き、シリウスがそれを制した。

 

「親愛なる従姉殿、こうして無事に子供たちと合流出来た。道を空けて欲しいのだが」

 

シリウスの言葉はベラトリクスの耳に入っていなかった。ひとりをじっと見つめている。滴るような憎悪を剥き出しにして。

 

「おまえ、おまえは!」

「ごきげんよう、ベラ。なるべくならその顔で出歩かないでちょうだい、恥ずかしいから」

「ブラック家の恥さらし!」

 

サッとドロメダが杖を構えた。

 

「客観的にはブラック家にもはや名誉はないわ。アズカバン脱獄を2人も出して。先祖が聞いたらどれほど嘆くことかしら」

「悪かったな、ドロメダ。マルフォイ! 残念ながら予言はないぞ! 賢明な子供たちは予言に触れずに帰ることにしたようだ」

 

何だと! と喚き散らしたのは、やはりベラトリクスだった。

 

「ルシウス! どういうことだ?! 予言、予言がなければ我が君は! 出しゃばりポッターは必ず自分の予言を握って帰ると言ったのに!」

 

ギリ、と歯ぎしりして、ルシウス・マルフォイが「なんとしてでも予言を取らせる!」と死喰い人たちに指示を出し始めた。

 

怜が溜息をつき「ドロメダ」と声をかけた。

 

「予言を取りに行くの?」

 

阿吽の呼吸で答えが返ってきて、怜は頷いた。

 

「あれだけの数だもの、突破するには餌が必要だわ。ネビル、ひと働きしてちょうだい」

 

怜が予言の間の奥に向かって駆け出した。ハーマイオニー、ルーナ。そしてドロメダ、ネビル、ジニーと続く。

 

「ぼ、僕が何をするの?」

 

追え! と背後からルシウス・マルフォイの声が聞こえてきた。

 

「ハーマイオニー、場所はわかるかしら」

「96の棚です」

「96・・・成人の年ね」

「はい。わたしもそう思いました」

 

先頭を怜が走り、真ん中にドロメダ、最後尾にトンクスがいる。

棚の向こうを走る誰かがいる。

 

96の棚に来た。

 

「ネビル、蓮の球を取って」

 

怜が囁くと、ネビルはゴクリと喉を鳴らした。

 

 

 

 

 

「よ、予言はここにあるぞ!」

 

促されるままにネビルが大声で宣言した。

 

「騙されるな! 予言に無関係な者は触れることが出来ない!」

「あら、マルフォイ、ご存知ないのね。ハリーの予言はネビルの予言でもあるのよ!」

 

怜が声を張り上げ、ドロメダが静かに言った。

 

「闇の帝王に三度抗った両親のもとに、7月の末に生まれた男の子。リリーとジェームズとハリーだけじゃないわ。アリスとフランクとネビルも同じよ」

 

ハーマイオニーは口から心臓が飛び出しかねない気分で「おばさま」と囁いた。「この予言があちらに渡ったらレンが」

 

「大丈夫。大した予言じゃないわ」

 

囁き返してにこりと微笑む。泣きたい気分になる。どうしてこの母と娘はこんなに似ているのだろう。ちっとも自分を大切にしない。

 

「ハリーたちに合流しましょう。たぶん囲まれるから、ドロメダ、ネビルを連れて先に行って。ハーマイオニーとルーナはジニーについて行きなさい。わたくしはドーラ・・・じゃない、トンクスと最後尾につくわ」

 

 

 

 

 

「この部屋の惨状について説明なさい」

 

仁王立ちのマクゴナガル先生に、蓮が「アンブリッジがね」と話し出した。

 

マクゴナガル先生が眉を上げ、パチル、と呼ぶ。パーバティは「アンブリッジ・ストレスにより、また幼児退行しているようです」と答えた。

 

「そんなのどうでもいいじゃん。あのね、アンブリッジがハーマイオニーたちを捕まえてたんだ」

「何のために?」

「それはアンブリッジに聞いて」

「聞けないからあなたに聞いているのです!」

 

杖を指示棒代わりにして、暖炉の水溜りに気絶して倒れているアンブリッジを指した。

 

「むう」

「続きを」

「だからあ! わたくしがアンブリッジを捕まえて、ハーマイオニーたちは魔法省に行った。たぶん神秘部。それで、この部屋でアンブリッジを見張ってお留守番だから、お掃除をしたりした」

「お掃除?」

 

胡散臭げにマクゴナガル先生は部屋を見回した。どう見ても掃除どころか、悪ふざけをして水溜りを作ったとしか思えない。

スーザンがおずおずと「きょ、教育令の第22号以降を全て、原本から廃棄しました」と答えた。

 

「すっごいんだ、ルーン。ルーン文字は原始的な魔法の発動サインだろ? 授業で習ったんだ。だから試しにダエグを描いて魔法力を込めたらね、教育令の紙が暖炉からびゅーんって! スーザンが要らない紙でなら遊んでいいって言ったから紙飛行機にした」

「・・・紙飛行機は、最後には全部暖炉で燃えました」

 

マクゴナガル先生が初めて動揺を見せた。

 

「教育令を」

「うん」

「大臣がサインした原本を」

「ばっちり」

「要らない紙扱い、ですか」

「要らない紙」

 

得意げに蓮は頷き、マクゴナガル先生はこめかみを揉んだ。「真実薬の後遺症・・・それで押し通すか、アンブリッジの仕業を隠蔽してやるのと引き換えにするか・・・」

 

パーバティはやっと息をついた。どうやらマクゴナガル先生は蓮を法的に保護してくれるらしい。

 

「でね、要らない紙のお掃除が終わったから、パーバティにお願いしてハリーのファイアボルトを救出したんだ。だよね、パーバティ」

「うん。はい。レンから鍵束を預かって、アンジェリーナと一緒に地下牢に箒を取りに行きました」

「ハリーたちの終身クィディッチ禁止令も燃やしたから、来学年はまたハリーがシーカーだよ!」

 

ウィンストン! とマクゴナガル先生が怒鳴った。「自分のしたことがわかっているのですか?!」

 

「わかってる」

 

蓮ははっきりと頷いた。

 

「許されざる呪文を使った。アンブリッジは死ななかったけど、わたくしは動物もどきの犯罪者だ。ディメンターのキスを受け入れるよ」

「レン!」

 

スーザンが蓮の肩を揺すった。

 

「ウィンストン」

「悪いことしたんだから、罰は受ける。でも後悔はしてない。ミネルヴァ、アンブリッジは死んでないけど、アンブリッジをやっつけるだけの情報がある。この情報を買ってよ」

 

蓮はマクゴナガル先生をじっと見つめた。

 

「この情報を国連とスコットランドに売るから、イングランドをもうしばらく見守って欲しい」

「ウィンストン」

「ハーマイオニーがいるよ。パパとママのゴッドチャイルドだ。ウィンストンの血は途切れるけど、使えなくなるのはウィンストンの剣だけ。わたくしに代わって、イングランドのウィンストン家とスコットランドのロス家の魔法的権限の相続人は、ハーマイオニーになる」


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