サラダ・デイズ/ありふれた世界が壊れる音   作:杉浦 渓

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閑話29 ハリーの個人授業2

麻のジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩め、シャツの袖を肘まで巻き上げて、ウィリアムは灰色の粗いコンクリート造りの建物の中に入った。

 

こんなに雑な造りの建物がよく空襲から助かったものだ、と半ば感心して、こんな劣悪な孤児院ならば更地になったほうが良かったかもしれない、と半ば呆れて、孤児院長室のオフィスの扉をノックした。

 

 

 

 

 

「トム・マールヴォロ・リドル? ええ。この孤児院で生まれ育ちました。父親の母校だとかで特別奨学金制度の対象になったので、私立の寄宿学校に行きましたね。サマーホリディにだけは孤児院に戻って来ましたが、18歳になる前の新学期に学校に戻る時に送り出してからは連絡はありません」

「卒業後にも挨拶に来なかった?」

 

ウィリアムはシャツの胸ポケットから手帳を取り出した。

 

「ええ。この孤児院は、篤志家と公金の補助でカツカツの経営です。18歳の成人を迎えたら、居住する資格を失います。トムの場合、クリスマスがバースディでしたから、9月の初めに新学期のため学校に戻る朝に、話をしました。あえて話さなくても子供たちは皆知っていますがね。こう説明したんですよ。『あなたはお父様のご縁で高等教育を受けている最中に18歳を迎えるけれど、原則としてこの孤児院では18歳を境に退院してもらうことになっている。学校を卒業してから、とりあえず一旦戻って来て滞在する程度は問題ないけれど、居住という形には出来ないから、最終学年の間に先をどうするか考えておきなさい』とね」

 

妥当な説明ですね、とウィリアムは誠実そうに頷いた。

 

「そりゃ卒業式のその晩から寝泊まりする場所に困るなんて目には遭わせられません。同じ寄宿学校に行った子はトムだけでしたが、中には寄宿学校に行く子もいるんですよ。その場合、同じように説明します。卒業してから職に就くまで数日からひと月程度の寝泊まりぐらいは見てやらないと。だいたいみんなそういうシステムであることは理解していますから、問題はありません。卒業前に仕事の口を見つけて、卒業して初仕事から最初の週のお給料が出るまでは、ここにお客として滞在します。学校に行っている子たちも、帰る先として孤児院はもうカウント出来ないとわかっていますから、早くから住み込みの仕事を見つけたりして、やりくりしていくものです。ですから、7月には念のためトムの部屋に風を入れて、掃除をし、シーツを取り替えておきました。連絡がなかったからには一旦戻ってくるつもりだろうと思いましてね」

 

ウィリアムは首を傾げた。

 

「連絡があったから戻ってくる、ではなく、なかったから戻ってくる、というのは? 私も寄宿学校を卒業していますが、帰る前に連絡を入れていましたよ。何日の何時の列車で駅に着くからと」

「他の子たちはそうします。特にトムのように18歳を過ぎて卒業して帰ってくる場合には必ず。院長先生、何日が卒業式です。その翌週から仕事に就くことになっていますから、何日から何日まで泊めてください、とかね」

 

頷いて、先を促した。

 

「トムは、寄宿学校に行っている間、ただの一度もそのような形で予定をオフィスに連絡してきたことはありませんでした」

「えーと、11歳の9月から寄宿学校に入学、と。どこの何という学校でしょう?」

「それさえも言いませんでしたね」

「失礼ながら、先生方から尋ねたことは?」

「もちろんありますとも。でもあの子は、学校のことで孤児院に迷惑をかけることはあり得ない。授業料や寄宿費用は免除されている。説明する必要がない、の一点張り。12歳の夏には、さすがに少し厳しく叱りました。あなたが思っているほど物事は簡単ではない。孤児院はあなたの保護者なのだから、あなたがどこの学校に行っていて、いつからいつまでが休暇なのか、校外学習など不測の事故が起き得る行事はないか、そういうことは、実の親同様に了解していなくちゃいけない。お金のこともあります。奨学金制度の対象とひと口に言っても、奨学金制度にはピンからキリまである。返済の義務のない奨学金もあれば、卒業後に返済義務が生じるものもある。11歳や12歳の少年では目先の学費免除以上のことに思い至れというのが無理な話なのだから、あなたに不利益にならないような奨学金制度なのかどうか検討するのは孤児院の責任ですよ、とね」

「尤もな御指導かと」

「ええ、ええ。そうしたら、9月になって最初の週末でしたかね。奇妙な御仁がいらっしゃいました。えーと、確か名刺が・・・馬鹿馬鹿しいものですが、ご覧になりますか?」

「よろしければ拝見したいですね」

 

差し出された名刺を見て、ウィリアムはあんぐりと口を開けてしまった。

 

「イートン校の化学教師、ホラス・スラグホーン、ですってよ・・・馬鹿にするにも程がありますでしょう。父親の母校に入学したと言っても、あなた、イートン校に入学するような一族が、縁続きの子息をこんな孤児院に預けますか? 仮に父親が本当にイートンの卒業生だとしても、親子関係を認めないから孤児院に放り出すんですもの、イートン校に迎え入れるだなんて、いくらなんでも人を馬鹿にしています」

「あー・・・なんというか、その。お気持ちはお察しします」

 

何を考えてるんだあの人は、とウィリアムは溜息をついた。

 

「大方、お友達のお父さまか誰かに適当なことを頼んだのでしょうが、さすがにそのままには出来ませんからね、そのスラグホーンさんに、スラグホーン教授と名乗る、セイウチのように太ってベストのボタンどころか懐中時計の鎖まで弾けそうなその『教授』に、はっきり申し上げました。たしかに恵まれた環境とは言えないが、我々は在籍している子供たちの保護者であり、法的代理人でもあります。どこの何という学校に通っているのか、授業料や寄宿費用がいくらかかっていくらを奨学金制度で賄っているのか、その奨学金制度には返済の義務があるか否か。12歳の子供がひとりで全部処理して、法的代理人に学校から一切連絡がないというのは異常な事態ですよ、とね!」

「まったくもってその通りですね」

 

嫌な汗をかきながら聞き取りは続いた。

太陽は中空から西の空にじりじりと移動する。

 

「ですが、まあ、ここだけの話・・・」

 

さんざん判断の確かさと倫理的な運営とを持ち上げ始めてから数時間、ウィリアムの育ちの良さそうな若い刑事ぶりに気を緩めたのか、孤児院長が「待ってました!」と言いたくなるような台詞を口にした。

 

「もちろんです。我々警察官には、こうした場でお聞きした内容については、事件に関わるものでない限りはすっかり忘れてしまう習性があるものですよ」

「・・・その、お気の毒なゴーント氏? その方をトムが顔色ひとつ変えずに殺す時の目つきが想像出来る気がします」

「若者は時にそういう冷酷さを垣間見せることもありますからね」

 

院長は頭を振った。

 

「そのようなものではありません。もっと根の深い、殺人者の目つきです。トムが5歳の時でしたかしら。まだわたくしが、子供たちの世話係をしていた時分でした。6歳のエイミーの悲鳴が響き渡りましてね。駆けつけてみると、エイミーのベッドの真ん中に、大きな鼠・・・失礼、それ以来、定期的な駆除をして衛生管理には気をつけていますが、前の院長の時には経費削減のために、多少ね」

「いずこも経費経費と苦労させられますね」

「ええ、そうですよ。エイミーのベッドの真ん中に、喉を掻き切られた大きな鼠の死骸が置いてありました」

「それはまた悪質な悪戯ですね」

「ええ。蛇の抜け殻だのセミだの、カエルだの、そうしたものには、子供相手の仕事をしていれば慣れるものです。根拠を法廷で述べろと言われると困りますが、大人やお友達の注意を引くために、そういったもので驚かすのは、まあ、健康的なものですよ。ですが、あの鼠の死骸は、明らかに冷たい悪意でした」

 

ウィリアムは、ひとつ咳払いをした。

 

「トムの寄宿学校は、スコットランドのグレンフィナン峡谷近くの森の中にありましてね。ある女子生徒のグループが、木に吊るされた兎の死骸を見つけたことがあります。その木のある茂みに、トムが出入りしていたという話もあるのですが、先生の、直感、直感で構いません。法廷に持ち出すようなはっきりしたものではなく、私がトム・マールヴォロ・リドルという青年を理解するための補助的な雑談に過ぎませんから御安心ください。この女子生徒たちが見つけた兎の死骸とトムの印象は、先生の中で結びつきますか?」

「トムですね」

 

本当に? ウィリアムはわざと疑うような声音を作った。「彼と同じ年頃の悪童がいくらでもいる学校林です。トムと兎の死骸の印象上の結合は、どの程度強固なものでしょうか?」

 

孤児院長は、迷いなく両手を持ち上げて、がっしりと、指と指を絡ませるようにして結び合わせた。

 

「蛇を振り回して女の子を泣かせたり、ブラウスの背中にカエルを投げ込んだり、悪童の悪戯や好奇心ならば、わたくしには3冊の本が書けるぐらいの経験があります。その兎は、無益に殺されたのでは? 勇気や野蛮さを誇示する少年の微笑ましい狩の獲物でしたか? 無益な流血、冷たい観察、人の恐怖や嫌悪を殊更に煽る気配はありませんでしたか? もし後者ならば、間違いなくトムの仕業です」

 

うーん、とウィリアムは快活に困った笑みを浮かべた。

 

「弱ったなあ。いや、実はこの兎の事件、トムが寄宿学校の1年の時の事件なんです。兎を発見した女子生徒のうち、2人はそれはもうレディには珍しいぐらい勇敢で頭も切れる。その女子生徒たちは、学校で事件が起きるたびにトムの名前を挙げるんですよ。いえ、言った通りのタマなので、怯えて混乱しているわけではない。ロンドンのような都会育ちではありません。ひとりは小さな村の牧師の娘だ。葬儀のたびに御遺体がひとつ屋根の下にあることが当たり前だし、村人たちが牧師さんに狩の獲物をお裾分けするのは珍しいことではない。そういう日常の営みの中で、死んだ兎や狐なら見慣れている。もうひとりは貴族の令嬢。こちらもまあとんだお転婆なお嬢さんでね。馬に跨って野山を駆け回り、兎や狐を狩ることが嗜みだと胸を張って言うし、雷鳥や雉を撃つのも得意ときた。この似ているような対照的なような、そんな2人が声を揃えてトムの仕業だと、ある先生に食ってかかるのです」

「トムの仕業だと噂を流すのではなく?」

「違いますねえ。他の生徒たちには決して漏らさない。しかし、先生にだけは、早くいい加減にトムをどうにかしないといつか人が死ぬ、と訴え続けた。先生は、この女子生徒たちのことをどう思いますか?」

 

孤児院長は「全く同感です。学校で人が死ぬことがなくて幸いでした」と平然と言った。

 

実は死んだのですよ、と教えるのは無益な残虐趣味のような気がして、ウィリアムは手帳を閉じた。

 

「刑事さん」

「はい?」

「教育者として失格なのは承知の上で申し上げます。この世には、人を恐怖に陥れ、操り、尊厳を失わせるためだけに人を殺すことを何とも思わない人間がいます。わたくしは、トムをここで育ててきた中で、自分の過失や責任について思い煩うことは、とうにやめました。わたくしが何かをしたから、あるいは何かを与え損なったから、トムがおかしくなったのではありません。トムにはもともと持っているべき何かが欠けていました」

 

 

 

 

 

#####

 

コツ、コツ、とゆっくりした靴音を立てて、マクゴナガル先生がペンシーヴに近づいてきた。

 

「長年教鞭を執ってきた人間として、最後の言い草には反論したい点がないわけではありません」

 

杖先で白い靄状の記憶の糸を掬い上げて、ガラス瓶に詰めた。

 

「ですが、トム・マールヴォロ・リドルに教育者として相対した人々の顔を思い浮かべると、ダンブルドアをはじめとする彼らの中に、このような本音が隠されていたとしても、責めることは出来ないように思います」

「・・・はい」

「ポッター、あなたはあの孤児院長をどう思いましたか?」

 

ハリーはしばらく考え、言葉を選んだ。

 

「孤児院という場所を、僕は知りません。母親としては冷たい。でも、大勢の子供たちを平等に面倒見なければならない立場として見れば、リドルに彼女なりに注意を向けていたと、思います。少なくとも、僕の伯父さん伯母さんよりも真面目に保護者の義務を果たす努力はしてました。ダーズリー家から、学校に対してホリディのスケジュールを知らせろなんて言ってきたことはないでしょう?」

 

マクゴナガル先生は小さく唇を上げた。

 

「リドルのことを好きになれないでいる、その気持ちは伝わってきました。でも義務を放り出してはいない。スラグホーン先生のあの名刺さえなければ、もう少し真面目にリドルの学校生活を尋ねたり、したんじゃないかな。あの名刺で機嫌を悪くしてしまって、まともな先生を相手にする態度じゃなくなった、というニュアンスの話だった」

「あれはとんでもなく愚かな名刺でした・・・ポッター、あなたはイートン校とはどういう学校か知っていますか?」

「え? あー、確か、ハッフルパフのジャスティンが行くはずだった学校?」

「と言っても、あなたにはフィンチ=フレッチリーの家庭環境は想像出来ないでしょうね・・・レン・ウィンストンが男児として生まれていたら、間違いなくマグルの学生証はイートン校のものを手配することになったでしょう。実際に、ウィンストンの祖父も父親も、マグル社会においてはイートン校の卒業生となっています」

 

ハリーはギュッと目をつぶって右手を挙げた。「よくわかりました。あんな孤児院に子供を放り出して、学校だけはイートンに行かせるなんてあり得ない」

 

「その通りです。リドルはスラグホーン先生に相談したのでしょう。孤児院の先生が、学校の名前も様子もわからないのは困ると言い出した。でも魔法界のことを説明するわけにはいかないので、どうしたらいいでしょうか、とね」

「はい、それは想像出来ます」

「そこでホラス・スラグホーン先生は、調子良く、安請け合いしたのですよ。聖28一族の出でマグル社会のことはまったく知りもしないというのに。リドルと年齢の近い学生の中でマグル社会の学歴や身分証を必要としたのはウィリアム・ウィンストンだけでした・・・」

「・・・よりによって」

 

不幸な偶然ではあります、とマクゴナガル先生はまた別のガラス瓶を棚から探しながら呟くように言う。「しかし、不幸な偶然というものは、不注意と不注意の織り成すキルトの模様として必然的に織り成されるものなのです」

 

難しい言い回しに、ハリーは顔をしかめて首を傾げた。

 

「あのイートン校の名刺。スラグホーン先生は悪人ではありません。とんでもなく愚かな不注意をしでかすことはありますが、悪質な性格ではないのです」

「あー、それはまあ、なんとなく」

「あなたがたが近頃、突然に魔法薬学の天才児たちの座に躍り出したカラクリに、わたくしと、おそらくスネイプ先生は気づいています。ウィンストンが曽祖父の著書を持ち出して来たのではありませんか?」

 

ハリーは、んぐ、と変な声を出しそうになった。

 

「なにを今更驚くことがありますか。ウィンストンの曽祖父とは、菊池柊子の父親のことですよ。魔法薬学の天才児たちの座は、あなたがたの専売特許ではありません」

「あ・・・そっか」

「あなたがたで3回目の天才児集団の誕生を、疑わず喜ぶ気の良い老人です」

「先生たちの世代、レンのママたちの世代、そして、僕たち?」

 

いくらなんでも僕だって怪しいと気づく、とハリーはうなだれた。

 

「スリザリンの寮監だったスラグホーン先生に、リドルは上手く取り入りました。あの通り、深い考えをしない陽気な気性の教師ですから、あの愚かしい名刺のように、不幸な生い立ちの才能ある生徒から頼み事をされれば、すぐに応じるのです」

 

特別複雑な形をした、小さなガラス瓶から、絹糸のように、記憶の糸が流れ落ちた。

 

 

 

 

 

#####

 

「どうだね、アメリカのジャズという音楽だ。駐米大魔法使いのエドワード・キプリングが送ってくれたものだが、いかにも心浮き立つ華やかな音楽ではないか」

 

ミネルヴァの隣に座ったウィリアムが「今頃コーンウォールの屋敷の僕の蓄音機でこんなレコードががなり立ててると思うと腹が立つ」と微笑を絶やさず呟いた。

 

「いやだ、そういえば、コーンウォールの海岸にUボートの奇襲があったのって、あなたの家に近いの?」

「腹が立つほど近い。ノルマンディーと地形が似ているとかで、米軍が上陸演習をしているど真ん中にUボートのお出ましさ。米軍兵に大量の死傷者が出て、うちの屋敷が即刻接収されるぐらいにな」

 

ねえウィリアム、とミネルヴァの隣からポピーが顔を出した。「あなたがたのような貴族のお屋敷があちこちで病院にされてるって本当?」

 

「そうだよ。それが何だい?」

「来年はわたしたちも卒業でしょう? ロンドンの疎開が進んでるから、聖マンゴの新規採用も無さそうなの。ナースとして潜り込むお屋敷を紹介していただけないかと思って」

「君、ご両親がロンドンだろ? 一緒に疎開して時期を待ったらどうなんだ? 戦傷の治療だなんて、兎の肉で卒倒するレディ向きの仕事じゃないぞ」

「父の診療所に帰って手伝いなんかしてたら、先が読めちゃうじゃないの。これでも愛国心はあるのよ。軍病院に志願して、医療畑からは離れなかった、っていう経歴を持って聖マンゴの採用を待つわ」

「・・・陸海空、どれがいい?」

「スピットファイア乗りの看護だと、すごくヤル気が出る気がする」

 

ミネルヴァが呆れてポピーの額を叩いた。

 

「あなたの要求のいったいどこに愛国心があるのよ?」

「おい、ロングボトムがおかしいぞ?」

「・・・蜂蜜酒の飲み過ぎよ」

 

柊子を捕まえて振り回しながら踊り狂っている。迷惑顔の柊子が助けを求めてこちらを見るが、ミネルヴァは素早く視線を逸らした。

 

「行ってウィンストン」

 

しょうがないなあ、とウィリアムが立ち上がり、オーガスタの手を柊子から受け取った。

 

「グリフィンドールの騎士道精神には泥酔した親友の救助は含まれないの?」

「慈悲深いハッフルパフのハンサムを送り込んだわ」

 

柊子がミネルヴァの耳に「リドルがスラッギーにパイナップルを贈ったそうよ」と囁く。

 

「あらこんな御時世に。今度は取り巻きのどちらさまに調達させたのかしら」

「マルフォイ」

「あのマルフォイ? 下級生の取り巻きになってるの?」

 

 

 

 

 

パーティをお開きにして、ハウスエルフを呼び、片付けを命じると、スラグホーンは蓄音機の針を上げた。

 

「食いつきが今ひとつだった。やっぱりアメリカの音楽には深みが」

 

独り言を言い、ふと気配を感じて振り向くと、5年の監督生トム・マールヴォロ・リドルが立っていた。

 

「やあ! トム! どうしたね、もうパーティはお開きだよ」

「ええ、用が済めばすぐに帰ります。先生に質問がありまして」

 

ならん! とスラグホーンは怒鳴った。「何時だと思っているのかね、トム! 監督生の君がそんなことでは!」

 

 

 

 

 

#####

 

ブツ、と音楽の最中に蓄音機の針を上げたような音と共にハリーは顔を上げた。

 

「え? あれ?」

 

パーティがお開きになり、とマクゴナガル先生が杖先で記憶の糸を掬った。「わたくしは泥酔したオーガスタを連れてグリフィンドール塔へ、柊子とポピーはレイブンクローへ。ウィリアムは、この時、スラグホーン先生の部屋の前の廊下で、ミランダ・パーキンという女子生徒と長いキスを楽しんでいました」

 

「は?」

「オーガスタと一緒に蜂蜜酒を飲み過ぎていたミランダの酔いが感染るほど長く」

 

ハリーは違和感を感じて首を捻った。

 

「どうしました?」

「え、いや、その・・・その場面をリドルが見た? スラグホーン先生に見られて叱られた?」

 

マクゴナガル先生はニヤっと笑って首を振った。

 

「でもそんなはず。すぐに追い出されて」

「誰も、出ては来なかったのです、ポッター」

 

不思議に思いませんか? マクゴナガル先生はガラスの小瓶を浮遊させて棚に戻した。「あのパーティ爺さんが。パーティの直後に、お気に入りの、そう、週末にわざわざロンドンに出向いて、帰省先の孤児院に下手な演技を見せて、環境を繕ってやろうとするほどお気に入りの生徒が、わずか数分にも満たない時間、部屋に残っていただけであの怒鳴り声とは」

 

「あ、確かに。そうです。変だった。パイナップルをくれた生徒だ。ひと言かふた言ぐらい、お礼を言うのが当たり前だ」

「そうですね。もちろんもらってすぐにお礼の言葉は言ったでしょうが、パーティの最中にちょっとひと言で済ませるだけでなく、パーティがお開きになった後に2人だけで顔を合わせたら、普通は、さらに何かしら個人的な感情を少々滲ませて礼を言って、部屋から送り出すのが、一般的な流れでしょう。ですが、誰も出て来なかったのです。リドルはスラッギーじいさんに、あの時何かを求めていました」

「質問がある、質問があって残ってただけだから、それが済めばすぐに寮に帰る、って」

 

マクゴナガル先生は棚のガラス扉を人差し指の節で、コツンと叩いた。

 

「この記憶は改竄された記憶です。ミランダ・パーキンの酔いがウィリアムに感染るほど長い時間、誰も出て来なかった。それが確認可能な事実です」

 

さすがにその時間のウィリアムの記憶を見せるほど物好きではありませんが、とマクゴナガル先生が肩を竦めた。

 

「先生たちは、見たんですか?」

「そうですね。あなたに提供する教材を選んで、整えるために、年寄りたちが若い日々の恥を晒し合っています」

 

約10分、とマクゴナガル先生は言った。「ウィリアムが人に見せるわけにはいかない長いキスを始め、記憶の中の映像が泥酔者らしく歪み始めるまでの時間は約10分です。つまり、真実は10分もしくはそれ以上長い時間を、リドルとスラグホーン先生は『質問』について話し合っていたことになります」

 

「何についての質問だったんですか?」

「少しは自分の頭を使いなさい、ポッター。改竄者つまりスラグホーン先生は、その質問が口に出される前の時点で改竄しています」

「つまり、質問の内容自体を知られたくない?」

「そうなりますね。ということは、ポッター、スラグホーン先生は、その質問に答えたか、そうしなかったか、どちらだと思いますか?」

「答えた・・・答えるべきでない質問に答えてしまったから、最初から耳を貸そうとしなかったように記憶を改竄した」

 

よろしい、とマクゴナガル先生は頷いた。

 

「この時リドルが質問した内容については、わたくしたちも見当はついています」

 

マクゴナガル先生が杖を振って、見覚えのあるものを、円卓の上に載せた。

 

「・・・リドルの日記帳」

「これには、ちょうどあの年頃のリドルが封じられていました。覚えていますね?」

 

ハリーは唾液を呑んで、こくこくと頷いた。

 

「グレンジャーやウィンストンは知っているのではありませんか?」

「トムくんのバックアップ、トムくんのカケラ」

「そういう表現をしているのですね。正確には、ホークラックス、と言います。殺人を冒すという非常に極端な行為の瞬間、人間の魂は分断されます。真っ二つではないでしょうが、本体とカケラに分かれます。魂は人を殺害すれば傷を負うのです。そのカケラに、然るべき処置を施すことによって無機物に定着させる。その無機物のことをホークラックスと呼びます。死が避けられないほどの傷を受けたとしても、バックアップがあれば、魂を含む生命は復元可能なのです」

 

ハリーは黙って頷いた。

 

「復元を早めたり、復元に足りないものを補うために賢者の石を求めたり、ホムンクルスを作ったりしたんですね?」

「その通り。さて、わたくしたちが知らなければならない重大なことを、スラグホーン先生は知っていると思われます」

「ホークラックスより重大なこと?」

「1年生で賢者の石、2年生でこの日記帳を破壊。3年生では、ピーター・ペティグリューが逃亡してリドルと合流しています。4年生でホムンクルスを使って復活した。ホークラックスは、いいですか、ポッター、複数に及ぶことは確実なのです」

「・・・何人殺したかを正確に知る?」

 

マクゴナガル先生は首を振った。

 

「ホークラックスを作る目的以外の殺人も冒していますから、それは正確ではありません。確実なものは、ホークラックスの数なのです。その数を正確に知る必要があります。そして、わたくしたちは、この時、このパーティの後で、ホークラックスとその数について話し合われたと推測しています。なぜなら・・・この3日後に、レイブンクローのマートル・エリザベス・ウォレンが殺されたから」

「・・・マートルは、実験台にされた?」

「非常に無念なことですが、その可能性が高いでしょう」

 

マクゴナガル先生は眼鏡を外して、ハリーから視線を逸らした。

 

「マートルは、こうした華やかなパーティに招かれるような生徒ではありませんでした。オックスフォードの教授の娘で、さっきも話に出たイートン校、そのイートン校卒業生の妻がたいてい卒業しているヒースフィールド校への進学が期待されていましたが、魔女でした」

「ヒース・・・レンが学生証を持ってる」

「そうです。イートンと釣り合いの取れる女子校ですよ。娘が魔女であることを否定出来ない事実をいくつか経験した両親は、マートルを虐待しました。裏庭で庭木や洗車に使う水をかけ、悪魔を追い出すためと洗車用ブラシで擦り・・・ホグワーツは、彼女と両親を引き離すために、スクイブの女性を雇って後見人として入学させましたが、その時にはすでにマートルは、激しい吃音の症状を見せていました。そのマートルは、さらにホグワーツでも悪意に晒されることになります。マグル生まれということでね。マートルがウィンストンに執着しているのは知っているでしょう?」

 

ハリーは慌てて頷いた。

 

「50年探し続けた理想の人だって」

「そう。マートルは、自分の救済であった菊池柊子を待ち続けたのですよ。柊子はヒースフィールド的な生徒でした。聡明で快活、立ち居振る舞いは貴族的に洗練されていた。実際に当時の日本の貴族でもあった。レイブンクローの監督生だった柊子は、自分の寮にいる、印象の暗い、吃音のマートルにも隔たりなく話しかけ、マートルが両親から受けた虐待で自分を責める必要はないと、辛抱強く強張った心をほぐす努力を重ねました」

「・・・レンみたいだ」

「そういう部分は確かによく似ています。声高な正義感ではないのですよ。さらりと通りすがりに」

「そう、そうなんです。ちょっとひと言ふた言だけなのに、レンがちゃんとそこにいてちゃんと見てる信じてるって思わせてくれる。ネビルも言ってた」

「柊子の努力をよそに・・・リドルの悪意がマートルを標的として発見しました。殺しても影響のない、ただの穢れた血。当時もあのトイレはあまり使われていませんでした。伝説があったからです。『バジリスクの出入り口』という伝説がね。マートルにそんな伝説を教える友人はいませんから、マートルはイジメに耐えきれなくなると、誰も人の来ないあの女子トイレで、必死の形相で手を洗い続ける習慣がありました。井戸水をかぶって洗車用ブラシで擦れば悪魔を身体から追い出せる。本気でそう信じていた節があります。柊子やわたくしに、ミス・キクチやミス・マクゴナガルなら、井戸水で身体を洗えばヒースフィールドに行ける、と訴えたこともある。ですから、穢れた血と嘲りを受けると、その心の傷に意識は回帰します。穢れている、悪魔がいる、穢れを落とす、悪魔を追い出す・・・そのように意識が一色に染まるのです」

 

そんな、とハリーは眼鏡を外してごしごしと腕で目を擦った。

 

「女子生徒の誰かから聞いたのか、あるいはバジリスク相手に自分のパーセルタングを使おうとしてトイレに入り込んだのか、どちらが先かわかりませんが、リドルはそのようなマートルの存在に気付きました。マートルを殺すためにすべきことはひとつだけ。あの女子トイレに逃げ込ませるだけで良かった。マートルと同じ時間に占い学を学んでいたのは、レイブンクローとスリザリン。スリザリンのマーガレット・パーキンソンが、占い学の授業で予言をします。『穢れた血がひとり死ぬ』スリザリンやレイブンクローの少女たちがマートルを見てくすくす笑う。陰湿な視線に耐えかねたマートルは占い学の教室を飛び出し・・・あの女子トイレに来たのです」

「そこに隠れてて、マートルが夢中で手を洗い始めたら、あの出入り口を開ければ良かったんだ・・・『開け』って」

「おそらくそうでしょう。証拠はありませんでした。それどころか、ルビウス・ハグリッドが校内で拘束されました」

「それ、それ知ってる! レンが言ったんだ。マッチポンプ野郎のリドルは、先にハグリッドに、えーと、可愛いちっちゃなペットをあげて飼育させてたって。ハグリッドのペットがマートルを殺したって通報した!」

 

その通り、とマクゴナガル先生は頷いた。「ところが、リドルはひとつ計算違いをしていました。ホグワーツにはスリザリンの末裔である自分しかパーセルマウスはいないと根拠もなく信じていましたが、もうひとりいたのです」

 

「レンのばあばだ・・・」

「そう。菊池柊子です。柊子はマートルに気を配りながらも、もうひとつの気配に反応していました。その数日、壁を睨んでいることが多くありましてね。壁の中を殺意を持った蛇がうろうろしている、と。やっぱりあの女子トイレに出入り口がありそうだ、とね。そこで、マートルにそれとなく、あのトイレを使うのはやめようと注意していました。ですが・・・柊子に励まされ見守られ、前向きになりかけた矢先の、圧倒的なまでの陰湿な悪意。占い学の悪意が、マートルをパニックに陥れた。柊子の注意は、怯えさせないようやんわりとしたものでしたから、パニックに陥ったマートルを救うことが出来なかったのです」

「でも、それはばあばのせいじゃない」

「そうですね。あなたならどうです? パーセルタングで危険を察知していた。自分は監督生。自分の寮の、イジメに怯えた少女ひとりを、バジリスクのトイレから遠ざけてしまうのに間に合わなかったとしたら。僕のせいじゃないと言えますか? あるいはウィンストンならどうでしょう。ジニー・ウィーズリーが日記帳の悪意に囚われた時、ウィンストンはどう行動しましたか?」

 

ハリーは黙って、黒い日記帳を睨んだ。

 

「レンはジニーが重荷を背負わないように、どんな生き物かもはっきりしてなかったけど秘密の部屋に入った。ジニーにリドルが取り憑いたとわかると、そのまま服従の呪文にかかったフリをして秘密の部屋に入って行った」

「同じことですよ・・・マートルの命には間に合わなかったけれど、柊子はあの蛇を殺さないわけにはいきませんでした。そしてわたくしも」

「え? 先生にどんな責任が」

「厄介な生き物を拾ってはベッドの下で飼育したり、森の奥でトロールと相撲を取って泥だらけで帰ってくる、そういうグリフィンドール生に、謂れのない殺人の嫌疑がかけられているのに、パーセルマウスによって真相が判明したのに、何もしないわけにいきますか?」

「あ・・・」

「そうしてわたくしたちは、バジリスクを殺しました。牙の毒、巨大さを示すための鱗などの証拠品を毟り取って帰還し、ダンブルドアにこっぴどく叱られ、畑にドラゴン糞の堆肥を入れて耕す罰則を受けましたが、後悔はしていません。マートルには間に合わなかったけれど、ルビウスには間に合った。それがこの救いのない冒険の唯一の救いでした。ですが・・・マートルのことは、柊子の傷になっています。この件に関して記憶の糸を提供することを柊子は拒否しました。柊子の視点からしか見えないものが多いので、それ以外の人の記憶ではホラー映画にしかなりません。柊子の傷の深さを、わたくしは共有しています。柊子のひとり娘の名を預かっていますからね」

「レンのママ?」

「そう。ウィンストンは母親のミドルネームを引き継ぎました」

「レンのママは、じゃあ、レディ・レイ・エリザベス」

「マートルのミドルネームです」

 

あ、とハリーは声を上げた。

 

「校長先生が言ってた。最初の犠牲者の名に始まり、最後はその名で事件が解決した、って」

「そういうことになります。いささか感傷的ではありますが。さて、このバジリスクを片付けたあと、柊子はわたくしに言いました。『もっと犠牲者が出たはず』それを今回は挫くことが出来た、と」

「ばあばは、ホークラックスのことを知ってたんですか?」

「違います。レイブンクロー製の頭脳は、そういう時でも醒めた冷静さを保ちます。柊子の考えはこうです・・・リドルとマートルの間には、殺意を招くほどの強い感情は存在していない。ではなぜリドルは、スリザリン生を使役してマートルを選んで殺害したか。マートルが穢れた血であり、裕福な生活を送る両親から捨てられた、マグルの中にも居場所がない人物だったからだと。マートルが死んでも誰も本心から悼み、真相を突き止める危険は冒さないからだ。なぜそのような存在を選び出してまで殺害に及んだか。殺害の凶器の特殊性。バジリスクを使役するにはパーセルマウスであることが大前提です。スリザリンの末裔であることを誇示するには、バジリスクを使って殺人が出来る人間だと示すことが一番有効だからだ。その対象がなぜマートルのような取るに足りない存在なのか。マグル贔屓の教師や、血を裏切る優秀な生徒、もっと印象的な犠牲者はいくらでもいる。こうしたことを総合的に勘案すると、こうなります。『一連の殺人の前の実験に過ぎなかった。この後に、本来の目的である一連の殺人が始まる。その凶器として、バジリスクが最もリドルの虚栄心を満足させるものだったかもしれないが、その凶器を失った。しばらくはおとなしくしていることだろう。しかしまたいつか必ず一連の殺人が始まる』」

 

マクゴナガル先生は杖を振って、黒く焼け焦げた金属の輪を呼び寄せた。

 

「その柊子の考えは、柊子が日本への帰国を控え、闇祓いの職務をマッド・アイに引き継ぎ始めた頃に、他ならぬ柊子自身に殺意が向けられたことで証明されました」

 

レイブンクローの監督生、首席、英国史上初の女性の闇祓い、日本魔法大臣の娘、日本が国際魔法社会から取り残されないための命綱、指折り数えて、マクゴナガル先生は最後に「自分より巧妙にバジリスクを操った許し難いパーセルマウス」と結んだ。「情報屋を装って柊子をロンドンの孤児院近くに呼び出したリドルの腕にはこれがかけられていたそうです。なんだと思いますか?」

 

ハリーは首を傾げた。腕輪にしては大きい。すっぽ抜ける。

 

「髪飾り? ティアラみたいな」

「正解です。誰のものだと思いますか?」

「・・・しばらく待ってください。聞いたことがある。聞いたことがあるんです。嘘みたいな話だけど、僕はそれだけはなんとなく本当のことのような気がした。そうだ、ルーナ! レイブンクローのルーナ・ラブグッドが言ったんだ。ラックスパートだかしわしわ角スノーカックだか、途方もない話のついでみたいに。ウィンストンはアンブリッジの味方にならない。ホグワーツ全員がアンブリッジの味方になってもウィンストンは最後まで味方にならない。ウィンストンのママは・・・わかった! 思い出した。レンのママが、ヴォルデモートのカケラを燃やしたせいで・・・ロウェナ・レイブンクローのダイアデムは永遠に失われた・・・ロウェナ・レイブンクローの髪飾りだ! そうですよね?!」

「正解です、ポッター。ミス・ラブグッドの途方もない話の中に真実が宿ることもあります。ロウェナ・レイブンクローのダイアデム、レイブンクロー史上唯一の無敗のシーカー、レイブンクロー史上最も権力の座に近づくだろう女性。その菊池柊子殺害の記念品として、ロウェナ・レイブンクローのダイアデムは相応しいと思いませんか?」

 

ゾッとする。ゾッとする発想だが、妙にストンと腑に落ちる。

 

「・・・僕個人は相応しいとは思いません。でも、あいつはそういう発想をする奴なんですね?」

「その通りです。そしてこの話を、柊子は娘にして聞かせます。日本魔法界の女王でありながら、英国魔法界の国王との結婚を選んだ法律家である娘に。彼女たちの結婚は、前回のリドルの全盛期のことでしたから。 充分な注意と自覚を持ち英国で暮らすように。そして」

 

マクゴナガル先生は、しばらく額を押さえ、言葉を選んだ。

 

「柊子譲りの頭脳と、シメオン・ディミトロフ譲りの無駄に有り余る行動力のあるレイは、いとも簡単にこれを見つけ出しました」

「ど、どうやって?」

「必要の部屋でアクシオを唱えて」

 

ハリーはあんぐりと口を開けた。

 

「まったく、母娘孫娘と三代揃って、油断すると何をしでかすやらわかったものではないのですよ、あの一族は・・・その話はまたの機会にしましょう。次回までに、課題を出しておきます。仲間たちと話し合っても構いませんから、あといくつのホークラックスがあるか、検討しておきなさい」

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