ちなみに、mensa rotundaというタイトルでスピンオフ短編集を始めました。未来予想図をちょっとだけ、という感じでお楽しみください。
大人の騎士団員が、ウィーズリー家に連絡を入れ、校内を飛び回っていたフラーを連れて来たとき、ハーマイオニーは何も言えなかった。
『アーマイオニー、容態は?』
『外傷の治療が終わったところ。じき意識を取り戻すはずよ。これ、傷に塗るお薬。30分程度で吸収されるはずだから、なるべく頻繁に塗って』
枕元の椅子をフラーに譲って、ハーマイオニーはウィーズリー家から少し離れて立つトンクスの隣に行った。
「・・・レンは、見かけた?」
「さっき、ダンブルドアの遺体を回収してたよ。マクゴナガル先生たちと。今はレンとマクゴナガル先生が2人揃わないと校長室が開かないらしい。2人が新しい合言葉を登録するまではね」
ハーマイオニーは黙って頷いた。
「感染の程度は?」
「普通の人狼であれば、ほぼ新月のこの時期に噛まれてもまず心配はないみたいなの。でも・・・相手がグレイバックだから・・・何かしらの影響は、覚悟しておいたほうが良いみたい」
トンクスは浅く息を吐いた。
『問題ないわ。わたしがついてるから』
寝たままのビルの髪を整えるように撫でながら、フラーが何度もフランス語で囁いている。
シリウスと一緒にリーマスが入って来ると、リーマスは見ていられないというように、ベッドサイドには行かず、足早にマダム・ポンフリーのもとへ向かった。
パーバティがジニーを連れてきて、ハーマイオニーに合図する。
「どうしたの?」
「寮を飛び出して、叱られて、ハッフルパフに厄介になってた下級生を連れて帰るわ。ジニーとロンは付き添うかもしれないけど、はっきりしたら知らせて。あなたも。レンは、別行動みたいだから、わたしから連絡してみる。とにかく、夕食は寮よ。そのまま点呼しておくわね」
「お願い。ウィーズリー家が揃ったら、わたしもたぶん戻ると思うわ」
「そうしてくれると助かる。マクゴナガル先生、ほら、副校長だから、手が空かないみたい。スリザリンの寮監もずらかっちゃったから新しい寮監を決めないといけなかったり? スリザリン寮に逃げ込むつもりでいた死喰い人が、中に入れなくて捕まったの。それに死喰い人に合流するつもりで出てってあなたに失神させられてた学生も、まだ中に入れないみたいよ。校内調査が済むまでは大広間に監禁」
「生徒はともかく死喰い人が中に入れないのは当たり前でしょう? 合言葉を知らない限りは」
合言葉は昔から2種類しかなかったそうよ、とパーバティが溜息をついた。「グリーングラスが言うには、マダム・トンクスがいきなり寮に入って来たんですって。それで、2人で失神中のパーキンソンを叩き起こして、無理やり合言葉を変えさせて、また失神させておいたらしいわ。だから死喰い人が、あの階段下で一斉に捕まったってわけ」
「あ・・・マダム・トンクスは、スリザリンの監督生で首席だったから、今の監督生の魔力さえ通せば、合言葉を弄ることが出来るんだわ・・・」
「そういうことだったみたい。グリーングラスが今さらになって、ゾッとして逐一報告してくれた。一番安全なつもりでいたら、一番危険だったんだからね。すごく皮肉な合言葉らしいわよ、今」
「レイブンクローは?」
「パドマが興奮してあれこれ書いてくるけど、大半がレンのお母さまのことだから、読んでない。そっちに頭が向いてるんだから、被害はなかったんでしょうよ」
その時、ウィーズリー夫妻が到着した。正面の門まで迎えに出ていたドロメダが付き添って、フレッドもジョージも一緒だ。
「マダム・ポンフリー」
モリーがビルのベッドによろめくように縋りつくと、ドロメダがリーマスと話しているマダム・ポンフリーのもとへ行った。
「マダム・菊池をホグズミードから運びます。探索でひどく衰弱していらっしゃるようですわ。ホッグズヘッドに寝かせておくわけにはいきませんから」
「ええ、連れていらっしゃい。人手は足りますか?」
「闇祓いを数人使うようですから問題ないでしょう」
「数人使うのなら担架に乗せて空輸しなさい。それが一番早いわ。オーガスタには帰れと言って」
「マダム・・・」
「医務室に不向きな人間です。帰れと」
溜息をついたドロメダは「かしこまりました」と言って医務室を後にした。
「わかってちょうだい、フラー。この子の身体は」
ハーマイオニーはギョッとしてビルのベッドを振り返った。
「やめろよ、母さん。そんな話、今するようなことじゃない」
ジョージがそう声を掛け、フレッドが腕を引くが、モリーがそれを振り払った。
「おまえたちにはわからないわ! 責任ってものがあるのよ! ね、フラー。結婚の件は、いったん白紙に。あなたのためなの」
「そーれは、わたーしとビルが決めーることでーす」
「この子にそんな余計なストレスは与えるわけにいかないの。本当に、本当に申し訳ないのだけど」
「目ーを覚まーした時に、わたーしがいないほーがいいでーすか? そーれは間違ーいでーす。目ーを覚まーしたら、イーチバーンに会いたーいからケコンしまーす。ずーと同ーじでーす」
フラーはそれ以上口を開かず、ビルの傷に軟膏を塗り始めた。
しばらく気まずい沈黙が続いた。
そんな中バタバタと医務室のドアを開けたのは、怜だった。
「失礼。キングズリー、こちらにお願い」
「了解した。マダム、動かしますよ」
トンクスがハーマイオニーの肩を引き寄せ、身体を自分に向け直させて、見せないようにした。
「・・・トンクス」
「見ないほうが良い。丸一日も経ってないのに衰弱がひどい」
「命には」
「遅効性のものもあるから・・・検査と診察が必要だよ」
シャッとカーテンが引かれて、マダム・ポンフリーが中で忙しなく動き回る気配だけが続いた。
蓮が医務室に顔を見せた時、ハーマイオニーは思わずしがみついてしまうほど強い安堵を覚えた。
あっという間にモリーとフラーの仲裁をした蓮は、2人の手を握って、力強く言った。
「ハリーとロンの言う通りです、おばさま。こんな時だからこそ、世の中にひとつふたつみっつよっつの愛が増えたほうが良い。いつつでもむっつでも。ビルの体調次第ですけれど、結婚式は必ずやるべきです。幸せなことなんですから。わたくしの両親は、おばさまの幸せに倣って結婚したそうですよ? 『モリー・ウィーズリーを目標にすれば幸せになれる』って。ビルはみんなのお兄さまです。みんな、ビルの幸せな姿を見たいはずです」
「レン・・・」
「幸せは、感染性です。ね、フラー。あなたはみんなに幸せを感染させる自信があるでしょう?」
「もーちろーん」
「うちにあるティアラをいくつか試してみて。ドレスに合わせて選べる程度の数ならあるから。ママに言えば用意してくれる」
モリーは「いいえ」とフラーに先んじて答えた。
「おばさま?」
「プルウェット家に伝わるティアラを使ってもらいたいの。わたしたちの結婚式でも使ったものよ。フラー、是非使ってちょうだい」
フラーがそっとモリーの手を両手で包んだ。
「レーン、ごめーんなさい。わたーしは、プルウェット家ーの、ティアーラがいーいでーす」
蓮は肩を竦めて「それはなにより」と微笑んで立ち上がった。
「蓮、いらっしゃい」
カーテンの向こうから怜が蓮を呼んだ。
夜遅くになって帰ってきた蓮は、ハーマイオニーとパーバティをがばっとまとめてハグして、しばらく黙っていた。
「・・・かった。あなたたちが無事で」
「レン・・・」
顔を少し離すと、蓮が珍しく、埃まみれの顔を洗うように涙を流していた。
「いや、良くないか。ごめん。まだビルのことは、安心出来ないんだったね」
「大丈夫。ウィーズリー家の長男で、デラクールの魔女を妻にするのよ。何があってもビルはやっていける。わたしはそう信じているわ」
「うん。強引にまとめてしまったけれど、医務室でそう言いたかった。パーバティも。祖母を見舞ってくれてありがとう。さっき医務室に顔を出してきたら、母がそう言っていた。医務室の付き添い組に夜食も手配してくれたんだね」
「気が利くことでわたしは有名なの」
うん、とまた感極まった蓮がぎゅうぎゅうと2人を抱きしめて、しばらく泣いた。
「レン、どうしたの? あなたがあんまりストレートな愛情表現をすると、ちょっとだけ・・・心配になってきちゃったわ」
パーバティがハーマイオニーの代弁をするかのようなことを言うと、蓮は「失礼だな」と泣き笑いの表情を浮かべて、そのまま床に腰を下ろした。
「・・・たぶんスネイプのせいだ」
「そういえば、追ったけれど逃げられたのだったわね。逃したんじゃないかという気もするけれど」
「うん。確かめたいことがあっただけだから、それを確かめて、そして逃した」
「確かめたい、こと?」
蓮は頷いた。
「パトローナスを出せ、って言ったんだ。どんなパトローナスを出すか、そもそもパトローナスを出せる人間なのか確かめたくて」
「一応、教授になれる優秀な魔法使いだから、そのぐらいは」
「うん。でも死喰い人はあまりパトローナスを使わないんだよ。トムの身近に侍ったり闇の印を刻まれたりしていると、幸福感を忘れてしまうからだと聞いたことがある。それと・・・ちょっと感覚的で、説明しにくいけれど、納得できる動物かどうか、知りたかった」
車座に床に座ってハーマイオニーは「納得できた?」と、そっと尋ねた。
「すごく・・・腑に落ちた」
「何の動物だったの」
パーバティが尋ねると、蓮は微かに顔を歪めて答えた。
「優美な、本当に美しい、牝鹿だった」
数日後、ダンブルドアの葬儀がしめやかに執り行われた。
真新しいシャツに、完璧なダブルノットのネクタイを締めた蓮が、マクゴナガル先生と2人でダンブルドアの棺をユニオンジャックで包んでいく。
フリットウィック先生が指揮棒を振ると、バグパイプの音が聞こえ始めた。
ハーマイオニーは涙を堪えて、小さな声で歌い始めた。
「スラグ・クラブの時に聞いたな。知ってるのか?」
ロンがそっと囁くのに頷いているうちに、歌声は次第に嵩を増していった。
マグル生まれや混血の学生だろう。ふと見ると、ハリーも口ずさんでいる。ジニーはその肩に頭を載せて、小さくハミングしている。
アメイジング・グレイスの流れる中を、蓮がグリフィンドールの席に戻ってきた。
大きく息を吸い、豊かな深みのあるアルトで歌い手に加わった。
「彼は私に約束された
彼の御言葉は私の望みとなり
彼は私の盾となり 私の一部となった
命の続く限り」
蓮のアルトに引っ張られるように、ソプラノ、テノール、バリトンと歌声に厚みが増していく。歌詞を知らない学生たちも、ジニーのようにハミングやコーラスで加わっていった。
「アルバス・パーシヴァル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドア、いえ・・・プロフェッサ・ダンブルドア。あなたの御言葉を借りれば『ろくでもない魔女娘ども』も、この場に雁首を揃えております」
国際魔法使い連盟議長という肩書きを持つ人の弔辞は、立場に相応しからぬ砕けた語り口から始まった。
「ご弔問の皆さまには不思議に思われるかもしれませんが、わたくしはホグワーツ校レイブンクロー寮の卒業生でございますので、わたくしにとって、ダンブルドア校長は『変身術のダンブルドア先生』なのです。7年間の通算で何百点の減点をされたことか。ミスタ・グレゴールの畑でドラゴン堆肥を鋤き込む作業が先生のお気に入りの罰則で、今でも毎年ハロウィンのジャック・オー・ランタンを見ると、鼻先にドラゴン堆肥の香りさえ錯覚する始末です。その生前より偉大さは世界に響いておりましたが、身近な『先生』を失った今になって、わたくしの全身がその偉大さを痛感している次第です。なにしろ、数百点減点とドラゴン堆肥の恨みがございましたので、素直に尊敬の念を口にするのは憚られるものでした。『馬鹿者』だの『ろくでもない魔女娘どもめ』だの、先生もまだお若かった時分のことですから、それはそれは激しく悪態を吐き合う、気の置けない師弟関係でもございました。これから先には、もう二度と先生からそう呼ばれることがない。愛を込めて厳しい叱責をくださる方を失った重荷は、言葉では語り尽くせないものです。人は齢を重ねるごとに先達を失っていきます。自分と厳しい世界との間に立ちはだかってくださる大きな背中を、ひとつずつ失っていく経験は積んでまいりましたが、ダンブルドア先生はその中でもひときわ大きな背中でした。わたくしたちは若者にそのような背中を見せているのかと自問し、到底先生には及ばないことに打ちのめされもいたします。様々な研究論文、立法した法、国際的なご活躍。偉大さを語る切り口は枚挙に暇がございません。ですが、あえてわたくしは申し上げます。どのような功績よりも、ダンブルドア先生の偉大さは、その背中にこそある。教え子に見せたその大きな背中にこそ、先生の偉大さを感じるのです」
外来席から、大人たちの啜り泣きが聴こえてくる。
「イギリスには、先生の背中を見て育った魔法使いや魔女がいる。この混迷の時に偉大なる校長を失った若者たちに、わたくしたちはダンブルドア先生に学んだ背中を今こそ見せねばなりません。英知と勇気、寛容、そして狡猾を超える狡猾。およそホグワーツで学び得る全ての美徳を背負った先生の背中には及ばないまでも、あらゆる者が手を携えて若者を守るならば、先生ひとり分の背中にはなるでしょう」
天文塔の上で、ハリーは「誕生日を過ぎたら、出発するよ」と言った。
ハーマイオニーが「それはダメよ」と、お下がりにしては真新しい箒の柄にワックスをかけて却下する。「結婚式が終わってからよ」
ハリーがぽかんとした顔で「あ、ああ・・・忘れてた」と頭を掻いた。
「忘れるな。今回はついにわたくしも隠れ穴に泊まることが出来るんだぞ。庭小人掃除とかしてみたい」
「いくらでもやってくれ。なんなら焼き払ってもいいぜ」
背中かあ、とハリーが呟く。「ばあばはああ言ってくれたけど・・・僕は」
蓮は脚を伸ばして「大人であれ誰であれ、犠牲はもう要らないって思うんだろう」と補った。
「うん・・・」
「それでいいんじゃないか? 大人は大人で責任を背負う。わたくしたちはわたくしたちで、やるべきことをやる。それは当たり前のことだ」
「そうね。ハリー、わたしたちはわたしたちで全力を尽くす、シンプルに考えましょう。だいいち・・・あなたがいくら嫌だと言ったって・・・あのおばあさま方が奮起するのを止めることは出来ないのよ?」
「ああ。止められるもんなら、ネビルとレンがもう止めてるさ」
ロンの言葉にハリーはプッと吹き出した。
「・・・笑わすなよ。あ、ハーマイオニー、荷物の中にこれを入れておいてくれないか?」
ハリーが手に持っていた「上級魔法薬」の教科書を差し出した。
「ハリー」
「ん? なんだい、レン?」
「半純血のプリンスの正体は、わかったのか?」
「いや、全然。レンのひいじいの本を参考書にしてた学生ってことで解決したじゃないか」
ハーマイオニーがハリーに新聞記事の写しを差し出した。
「スネイプは、半純血。純血の母親の旧姓は、プリンスだったわ」
「ママを通じて、アレクサンドル・アンドリアーノフの名前や調合技術の特性は知っていた。だから、参考書として選ぶならひいじいの本だったんだろう。それでも、持って行くのか? 今やハーマイオニーの教科書にもこのぐらいの書き込みはある」
ハリーは受け取った新聞記事の写しにゆっくり目を通して「そうか」と呟くと、紙を細かく千切って風に飛ばした。「教科書は持って行くよ。僕の手に馴染んでるし、教科書には罪はない」
それにさ、とハリーは苦笑した。「ダンブルドアを殺したことは事実だ。でも、事実の裏には意外な真実があるかもしれないってこと、いくら僕でもそろそろ考えるようになったんだ。少しは成長を認めてくれないか?」
空港でシドニー行きの飛行機を見送った後、蓮が運転するジャガーでウィンブルドンの自宅に戻った。
「記憶まで消さなくても」
そのほうがいいの、と言いながらジャガーのトランクに荷物を詰め込み、空き家になった自宅に幾重にも保護呪文をかけた。
「ちゃんと護衛対象に入れてるんだってば」
「わたしがつらいのよ。両親がわたしのことを心配しているかもしれないって、考えたくないの」
溜息をついた蓮が、助手席のドアを開けてくれた。
「はいはい。さあ乗って。デヴォン州まで長距離ドライブだ」
ハーマイオニーは小さく笑った。
「なんだよ?」
「初めて会ったときも車のドアを開けてくれたわね?」
「『ねえ、レンはどう思う?』『ヴォードゥモールってどんな人?』『ねえ、レンはどのハウスに入るつもりなの?』・・・イギリスの女の子ウルサイって思った」
甲高い声でハーマイオニーの早口を真似して、蓮が車を出した。
「失礼ね。レンが無口過ぎたのよ」
「喋るとイートンアクセントにしろとかなんとかウルサイからだよ」
「まあでも、あの時の子が新型ジャガーの助手席に乗せてドライブに連れて行ってくれると思うと感無量よ」
「そう改めて言われると、人生の先行きがまた不安になった」
「は?」
蓮は余裕ありげに片手でハンドルを操作しながら、聞き捨てならないことを言った。
「初めてのパーティのパートナーがマートル。初めてのドライブの相手がハーマイオニー。今度ホグワーツに帰ったら、また階段から落とされるかもしれない」
「・・・昨夜、すごく気軽に『車出すから気にするな』って聞いたからお願いしたのデスガ?」
「昨日免許証貰えたから、どこか行きたかったんだ」
A30に入るためにウィンカーを出して、世にも恐ろしいことを言う。
「・・・下ろして」
「ふははははは! エクセターまで黙って乗ってろ。エクセターからは地図を見ながらナビってもらうよ。そのための助手席なんだから」
「あなた、わたしを殺す気?!」
「大丈夫だ。セオリーテストもドライビングテストも1発合格だった」
「昨日の朝は免許を持っていなかったくせに何なのその自信は?! 1発合格って経験不足だわ! この状況そのものが空飛ぶジャガーより危険よ!」
「日本より簡単でいい。申請書出すだけで仮免貰えるし。教習所の必修時間なんて関係ないんだね、イギリス。休暇に入って家に仮免届いていたからインストラクターを呼んだんだ。3回目でドライビングテストを受けていいってゴーサイン貰えた」
「よ、4回目なの?! そんなにわたしを殺したいの?!」
下ろしてー! というハーマイオニーの絶叫を乗せて、ジャガーはA30号線をひたすら西へと走った。