Futures Warfear   作:松の部屋

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Briefing

2020年10月24日

アメリカ アラスカ州

1530時

天候 霧

 

 ウォールクロフトはソープが入隊してから行った貨物船突入の時の部下だ。今ではSASの小隊を率いる隊長となっていて、頼もしくなっている。

 あんなクソったれな所から俺を助けだすという事は、また何かあったんだろう。面倒だが、必要とされている以上、やるしかない。

 

    ――――――――――――――――

 

 霧の深いアラスカのとある施設に連れて来られたプライスはウォールクロフトの案内である部屋に入る。

 

「久しいなジョン。」

 

「マック…!」

 

 かつての上司であったマクミランがプライスを出迎える。

 

「お前のようなしぶとい部下が生き残るとは、世の中も皮肉なもんだ。」

 

「マックこそ、もしかして俺に用があるってのはマックなのか?」

 

 ウォールクロフトが頷く。

 

「ジョン、残念な話だがニコライが死んだ。事故だ。」

 

「そうか……」

 

 ニコライはかつての戦いでの戦友であり、武器弾薬などの提供や、時には自らも戦いに参加したロシア人だ。

 プライスにとっては大切な人物である。

 

「それで、何があったんだ?」

 

「これを見てくれ」

 

 マクミランが書類を渡す。

 

「そいつはMI6がリークした新たなテロ組織による行動予定だ。大まかな戦力と勢力範囲が書いてある。」

 

 書類を見ながらプライスは唸った。

 

 2年前。ロシアで新たなテロ組織が活発な行動を繰り広げ、現在その影響は中東にまで及んでいた。このままでは石油関連に打撃が走り、中東戦争の引き金にねりかねない。

 しかも最悪な事にテロ組織は核兵器を手に入れ、より一層その勢力を増している。

 

「マカロフの残党か……」

 

「俺達もそう思った。だが違った。アメリカ海兵隊のフォースリーコンが敵の本拠地を偵察した際にボスの顔を撮影することに成功したんだ。」

 

 マクミランはそう言って写真を渡す。そこには驚くべき人物が写っていた。

 

「マック! こいつはどういう事だ!!」

 

「だから俺達も困惑しているんだ。そこで俺達はお前を呼び戻した。こいつが真実かどうか確かめてもらう為に。」

 

 プライスは写真を投げ置く。

 

「どこにいる。」

 

「最新の情報だと今はシエラレオネにいるようだ。そこの巨大勢力と手を組むために現地入りしている。」

「そいつの私兵が凡そ200人位いるが、下手にかかるとやばい。141から何人か連れて行け。」

 

 141とはアメリカとロシアが戦争をする前にシェパードがマカロフを捕らえるために編成した国際特殊部隊タスクフォース141の事だ。

 3年前は権限剥奪されていたが、その権限は戻され現役復帰している。プライスはまだ存続している事に驚いた。

 

「まだ残っていたのか……」

 

「なんだ、何か思い入れでもあるのか?」

 

「戦争は今度こそ終わったと思ったんだがな……」

 

 プライスはそう皮肉を言って椅子に座った。

 

 

 

 数年ぶりにイギリスの土を踏んだプライスはマクミランの案内で141の基地に入った。

 

 数人がトランプや雑談等で休憩しているが、殆どが外で訓練に励んでいる。現在141はかつての戦いで参加した義勇兵も含めて300人規模の部隊となっている。

 その中心となっているのはやはり義勇兵で、160人を占める。その中にはやはりプライスを知っている物もいた。

 

「プライス大尉!! お久し振りです!」

 

「あぁ。まだ生きていたか。」

 

「勿論です!」

 

 プライスに気付いた隊員が話しかけてくる。彼らは屈強な戦士として今も戦い続けているのだ。

 

「マクミラン元帥。準備が整いました。」

 

 隊員が報告する。

 

「マック。元帥になったのか。」

 

「まあな。あの後色々あってだ。」

 

「俺とは偉い違いだな。」

 

 鼻で笑いながらマクミランの昇級を祝う。狭い一室に到着した二人を出迎えたのは3人の兵士だった。

 

「紹介しよう。左からマーカス・デイビッド。前はお前と同じSASにいた。真ん中がクリスティー・トーマス、SEALsだ。そして右が……」

 

 マクミランが紹介を止める。すると、指された若い兵士が前に出て握手を求めてきた。

 

「デレク・ウェストブルックです。以前はデルタフォースに、隊長はサンドマン曹長でした。」

 

 プライスは驚く。かつての戦友の部下が生き残っている事に。

 

「そうか、お前が……サンドマンから何と呼ばれていた?」

 

「フロストです。」

 

「ではよろしくな、フロスト。」

 

 プライスとフロスト。彼らの出会いがこの世界を変えていくとは誰も今はわからない。

 

    ――――――――――――――――

 

 マクミランが状況を説明する。

 

「以前話したと思うが、今回の作戦にあたるメンバーが揃ったという事でもう一度説明する。」

 

「2年前にロシアで新たな超国家主義者によるテロ組織が誕生した。勢力はおよそ6万人。その殆どがマカロフの残党だ。こいつらは今も勢力を拡大している。」

「こいつらの厄介な所は、反欧米意識の強い中東のテロ組織と手を組んで石油関連施設を選挙しようとしている事だ。中東の3つの組織と手を組んでいるから、非常に厄介だ。」

 

 説明を続ける。

 

「ロシアのテロ組織のボスがシエラレオネにいる事がフォースリーコンによって判明した。今回の任務は偵察だ。出来る限りの情報を持って来い。」

 

「あぁそれと、シエラレオネで何かしらの取引が行われているらしい。3年前と同じパターンで嫌な予感がするが、それを突き止めてくれ。」

 

 マクミランが下がる。

 

「よりによってシエラレオネか……思い出巡りでもしろってのか?」

 

 プライスが愚痴をこぼしながら立ち上がる。

 

「ここからは分隊を率いる俺から続ける。デイビッドは狙撃を、トーマスはLMGを持って支援しろ。フロストと俺は敵の基地に潜入して偵察活動を行う。」

「俺は3年前全く同じ様な偵察を行った。ルートは俺が知っているから俺についてこい。何か質問は?」

 

 誰も何も言わなかった。プライスは説明を終え、準備するように支持を出した。

 

 自分の荷物の所に戻り準備をする。愛用していた帽子はマクミランが持っていてくれたようで、プライスは帽子をかぶる。

 馴染んだ形に頭を包まれ、後頭部のハゲを気にしなくて良さそうだと安堵のため息をついた。

 

 戦闘服に着替え、持って行く装備に手を伸ばした。今回持って行くのはM4カスタム。ホロサイトにブースター、フォアグリップにサイレンサーを装着した。

 隠密行動が要求される為、ギリースーツを着て行こうかと思ったが、そこまで隠密行動を要求される任務ではない為着て行くのはやめた。

 

 予備マガジンは6本。全て30発入りだ。

 

 サブウェポンとしてUSP.45のサイレンサー付きを装備。予備マガジンは4本だ。

 デザートイーグルを持って行こうかと思ったが、今回はやめた。

 

 出発は30分後。新たな戦いを出迎えるヘリに乗る為、プライスは外に出た。

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