ダンボール戦機 ~オタクロスの(訳ありな)孫~ 作:サラシナ ガイ
このSSを開いてくださった方へ、初めまして。
サラシナ ガイと申します。元々TSFを取り上げた小説を書いてました。
最近ダン戦が配信されて熱が再燃しまして執筆しました。
拙作ですがお読みいただけると幸いです。
私の一日は早い。
というのも、私は前世がアレなものでこの世界で初めて外に出るときは大変でした。ええ。
当時
「いってきまーす」
「カ、カリンちゃん!?髪がすごいことになってるデヨ!こっちくるデヨ!」
所謂寝癖だ。うむ。あれは厄介だ。水で濡らしても直らない事がある。だからほっとけば直る、という考えで行ったのだが・・・。
「・・よし、よし!これでいい感じデヨ!いってくるデヨ!カリンちゃん!」
「いってきます。おじいちゃん」
外出だけでもこれなんだからまあ学校でも苦労するわけで
「森近カリンです。よろしく」
とシンプルな自己紹介になってしまう。いやいくらなんでもこの時は小学生だもの変なことは言えないでしょう?何度おじいちゃんに助けを求めたか。まぁこの姿勢を貫くと当然気味悪がられたり、先生にはちやほやされる
「(いやいやそうじゃないそうじゃない。どう接すればいいかわからないから無言キャラでいるのになんでそうなるかなぁ)はぁ・・・・」
「も、森近が呼吸した・・・!?」
なんでやねん。誰だってするでしょそんなもん。外面では敬語キャラだけど身内ではそんな堅苦しいものではないと思う。まぁ小学生時代はそんなもん。
なんやかんやで中学生になった。趣味?当然LBXだよ。アレやばいね。楽しすぎる。おじいちゃんに手伝ってもらいながらハンドメイドLBXなんて。つーかLBXがめっちゃ流行ってるみたいでなんとか話しについていけそう。
「ねーカリンってLBXとかやってるの?」
「勿論。楽しいですよね」
「え」
「え」
「え、意外なんだけど」
「どこがですか」
「噂じゃずっと勉強してるがり勉って・・・」
「えぇ・・・そんなのがセですよ。私だって遊びますもん」
「噂は信じるものじゃないねー」
「全くですよ」
やっぱ趣味の話してると楽しいものですね。時間を忘れますもん。あ、近くに北島模型店があるらしいから放課後にでもいってみよう。
久々にあそこまではしゃいでしまった。北島模型店、結構いいとこだった。店長もいい人だし奥さんもいい人だった。早くアキバに戻ってカスタマイズだ。
すれ違いでクラスで見たことあるような人がいたけどきっと気のせいだね。うん。きっと。
「ただいま」
「カリンちゃ~ん!おかえりデヨ~!」
「お、おじいちゃん・・・しつこい」
「う・・・すまんデヨ~」
幼い頃からおじいちゃんに可愛がってもらってる。というか育ての親でもあるというか。
「ところでおじいちゃん、例のブツは?」
「カリンちゃん?・・・・ふむ。我が孫よ、ついてくるがよい」
「こ、これが私の・・・」
「そう、お主のLBXの試作品ともいえるさくら☆初号機じゃ」
「これは・・・おじいちゃんが最初に作ったLBX?」
「それは零号機じゃ。これは零号機をベースにお主の設計したパープルメイドのアーマーフレームの試作品を装着したものじゃ。試作品なもんでアーマーは全部灰色デヨ。・・・多分この方がカリンちゃん好きデヨ?」
「おじいちゃんいつの間におr・・・私の好みを・・・」
「そんなの数年も見てればバレバレデヨ。それと、せめてこの場でだけは素を出してほしいデヨ。そう、バトルしてる時のように」
「え、私ってどんな感じなの?」
「まるで少年みたいな口調ではしゃぎっぱなしデヨ」
「え」
「無自覚デヨ~?」
「もしかしてオタレンジャーとかヤマネコたちが・・・・・・オレを男みたいに扱うのってそのせいなんだ」
「もったいない・・・実に・・・あんなに可愛いのに男みたいな性格。いや、いきなり変わったのは三歳の時だったからもしかして・・・いや、ありえるのか?ボソボソ」
「おじいちゃん?どうしたの。やっぱ変かな、オレ。もしアレなら色々気を付けるけど・・・」
「いや!断じて。断じてそれはならん!おまいのような俺っ娘も需要あるデヨォ!!」
「ぁ・・・あぁ、そうか」
いや割とマジでいい爺ちゃんだわ。変態爺なのはアレだけど。そろそろこいつのテストもしたいな。
「おじいちゃん、そろそろこの子でバトルしたいな」
「そうデヨ?んじゃ、手加減なしでいくデヨ!」
「さくら☆初号機!」
「パーフェクトZX3!」
いやいや合体後かよ。こちとら試運転的な奴なんだけどなぁ。やるしかないか。
「うおおおおおおお!いっけぇ!」
「・・・カリンちゃん、そういうところデヨ」
「でかいなぁ・・・距離をとったら死ぬ。近接戦だ」
「ほう?近接戦と・・・ふむ」
「いきなりぶっこみ行くぜェ!必殺ファンクション!」
(アタックファンクション カゲヌイ)
「げ、必殺ファンクション使えた・・・・のか」
「おじいちゃん、語尾抜けてる」
「こ、こんなにいいLBXだったなんて・・・」
「戦闘データは・・・こんなもんか。おじいちゃん、ありがとう。またまた課題点が見つかったみたい」
「え、これにどこの問題があったデヨ?」
「機体全体のバランス、アクセサリー、武器の編成に違和感を感じたんだよね」
「・・・パープルメイド、完成を願うデヨ」
「初号機、ありがとう。おじいちゃん!」
「・・・うっ。眩しいデヨ・・・。中学生なのに無邪気な笑みは心臓に悪いデヨ」
「・・・変なの」
まぁ、こんな日常かな。学校終わって、模型店行って、おじいちゃんとLBXの調整と修練。初号機はアーマーフレームの一部しか作ってないから、いつかはおじいちゃんみたいにフルスクラッチで作る・・・というのが当分の目標かな。
続く
割とTS要素は薄めているんですよね。なにしろ転生なんで。
あくまで根っこは前世(男)のままってだけで割と振る舞いは女子っぽいというか。
親しい人には根っこがバレバレってやつですね。
やっぱ小説書くの面白いですわ。
気が向いたらまた続きを書きますね。
では、また。