う~ん……
ちょっと、けいおん!11話Bパートとほとんど一緒になった気が。
どうぞ!!
「何でこんなことしてるんですか……」
梓ちゃんがあきれるのも間違っていない。澪ちゃんたち3人に見つからないように、オレたち4人は探偵みたいなことしながら、後をつけ「ラ・ペディス」に入ったのだ。
あちらは普通に注文していた。あれ……?確か唯先輩お金がなかったんじゃ……。こっちも何か頼む。
「ちっ……何かいい雰囲気だなあの2人……」
りっちゃん? まさかとは思うが、そんなしょうもないことで喧嘩してるんじゃないよね?
「よし突撃!」
「えっ?」
「ちょ、りっちゃん! 待ちなよ!」
オレの制止を振り切って、りっちゃんは談笑中のあちらのグループに乗り込んだ。
「お2人さ~ん! 仲いいですね~!」
っちゃ~……最悪だ。仲悪くしに行ってるようなものじゃないか。
「り、律? 何でココに?」
「ふふ~ん。ちょっとね」
「あれりっちゃん? 1人?」
「みんなあっちにいるよ」
唯先輩達がこっちを見た。もうなるようになるしかないのか……
「いつも、うちの澪がお世話になってます」
「ちょ、律?」
「何? 何かヤなの?」
「そ、そうじゃないけど……」
「だったらいいじゃん!」
よくないよりっちゃん……確かにあの性格はいいときもあるけど、こういうときは裏目に出そうで怖い。
今日のところは何もなく終わった。
~次の日、昼休み~
「 ー でさ、アキがだな ー 」
「失礼しま~す」
「あ、お姉ちゃん」
「憂!」
ウチのクラスに唯先輩がやってきた。
「どうしたの?」
「いや~あずにゃんとヒロ君いる?」
「梓ちゃん、ヒロ君!」
「あ、唯先輩どうしたんですか?」
オレもアキたちと喋っているのを一時中断して、唯先輩の方に行った。
「あ、憂ありがとね」
「どういたしまして」
「どうしたんですか?」
「今日から昼休みも練習するんだって。りっちゃんがそう言ってた」
気合入っているな~りっちゃん。
「分かりました。すぐに行きます」
「オレもすぐに ー 」
ひとまず、アキたちに言っておかないと。
「すまん、アキ。昼休み練習が入った」
「頑張るね~」
「次の学園祭、出るからな。軽音部見に来てくれよ」
「分かった! 雄二覚えてて」
「そんくらい自分で覚えとけ」
バカな会話を聞きながら、梓ちゃんと唯先輩と共に部室へ向かった。
準備をしていると、りっちゃんが澪ちゃんを連れて来た。
「いや~今年は澪は何をしてくれるのかな~」
「練習するんだろ!」
「す~るよ~」
「だったら ー 」
りっちゃんは澪ちゃんの言葉をさえぎるように、いろいろとちょっかいを出した。りっちゃんのいいところでもあるんだけど……悪いところでもあるんだよなあ。悪い方に行かないと良いけど。
「あ、そうそうオススメのホラー映画持ってきたんだけど ー 」
嫌がらせにしか聞こえない。澪ちゃんが怖がりって知ってるのに。
「ちょ……もう練習しないなら教室に帰るぞ!」
「ふ~ん、帰れば? 悪かったよ。せっかくの和との楽しい昼食を邪魔してさ」
げっ……挑発してるんじゃないよなりっちゃん!?
「そんなこと言ってないだろ!!」
ほらキレたじゃないか……何をそんなにムキになっているのだよ。
みんなが動揺してきたじゃないか。チームワークが売りのこのバンドでどうするつもりだよ……
「な、仲良く練習しましょうにゃん」
っ!
梓ちゃん?
場を和ませるためにやってくれたのか。ありがたい……若干スベった気もするけど。
「そうだね、練習するか」
「ああ。練習しよう」
「よかった~」
全員が演奏ポジションについて、演奏を開始!
したのだが……
「りっちゃん?」
ドラムが聞こえてこないのだ。
澪ちゃんが合図して、全員の演奏を止めた。
「律?」
「……」
「律!」
「ごめん……調子でないからまた放課後ね~」
りっちゃん、本当にあんな些細なことで悩んだりしてないだろうな。
今日の放課後はもちろん、次の日の放課後も来なかった。
「りっちゃん来ないね……」
「もしこのまま戻ってこないなら学園祭のライブどうなるんでしょう……」
「練習しよう」
「澪ちゃん……」
「でも、律先輩呼びに行かなくていいんですか?」
返答に困っていると、さわちゃん先生が言葉を放った。
「代わりのドラムを探すとかね。万一に備えて」
「りっちゃんの代わりなんていません!」
「ムギ先輩!?」
「りっちゃんが来るまで待っていようよ。きっと来るから」
今日の部活は早めに切り上げた。
~次の日~
オレはりっちゃんが学校を休んでいるとの情報を聞き、放課後すぐに、家に向かった。
だって、学校を休むということなんて無縁だと思っていたから。
りっちゃんの家に着くと、先客が居た。澪ちゃんだ。
この頃、あの2人の仲がギクシャクしてたからなあ……それでちょっと落ち込んじゃってそっから病気になってしまったのかもしれない。『病は気から』なんていうくらいだし。
「ヒロ」
「澪ちゃん、今来たの?」
「ああ。ヒロもお見舞いか」
「うん……珍しいなと思って」
お見舞いも兼ねて、どうかしてこの2人の仲を元にしたいし。
「一緒に行こう」
「うん」
澪ちゃんと階段上がる。
ドアを開ける寸前に、
『澪~』
と声が聞こえてきた。澪ちゃんは構わずドアを開けこう言い放った。
「超能力者か」
「分かるよ、澪の足音くらい。あ、ヒロも来たんだ」
幼馴染の力ってすごいなあ。
「風邪どう?」
「まだちょい熱ある」
「学園祭の前にこうなって ー 」
「いいから早く治しなよ。みんな待ってるからな」
ベッドの横に座り話す。オレはその様子をちょっと離れて見ていた。
「怒ってない?」
自覚はあったんだな……怒らせているっていう。もしくは、学園祭前に体調を崩したことに怒りをということか。
「全然」
「澪は?」
「当たり前だろ」
澪ちゃんは、言葉を続けた。
「律のドラムがないとちょっと寂しいかな。どんなに走っていたっても、わたしはパワフルな律のドラムが好きなんだよ」
いい言葉だなあ……いつの間にか喧嘩していたような雰囲気もなくなっている。こうやって今まで来れたんだな。幼馴染かあ。オレも引っ越さなかったらこの2人の仲間入りしてただろうに……
「風邪治った~へくちゅん」
「治ってないじゃん。寝ときなよ」
再びベッドに寝かされるりっちゃん。
「じゃあわたし帰るからな」
「え~寝るまで側にいてよ!」
「仕方ないな……」
いい2人だ。
りっちゃんが寝付いた頃に、唯先輩とムギ先輩と梓ちゃんが来た。
いつの間にか唯先輩がりっちゃんの側で寝ているのはどうしたことだろう。
~次の日~
「ぜんか~い!! 学園祭に向けて頑張るぞ!」
りっちゃんが元気よく部室に現れた。その後、続けて真鍋さんが現れた。
「ちょっと!! 学園祭の講堂使用届け出さなかったの!?」
『ああっ!!』
りっちゃんが休んでいたから、そのままになっていたんだった!
急いで生徒会室に行って懇願しにいったところ、何とか今日までは許してもらえることに。
「あんた! ええ人や!」
一緒になって頼んでくれた真鍋さんにりっちゃんは抱きつく。
「これからも澪をよろしく、そしてこれからはわたしの面倒も見てください!」
っ……やっぱり。
さみしかったんだなりっちゃん。澪ちゃんを真鍋さんに取られた気がして。
早速部室に帰って、凍結していたバンド名決めから話し合いが始まる。
「にぎりこぶし!」
「演歌か」
「じゃあ靴の裏のガム!」
「今日踏んだんだな」
りっちゃんのツッコミが冴え渡っているなあ。
「ムギ先輩、いいのないですか?」
「充電期間とかどう?」
「縁起悪!!」
どうして全然良いネーミングが出てこないんだ……かくいうオレも全く出てこないけど。
『お前ら寄越せ!!!!!』
さ、さわちゃん先生が突然キレて、勝手にバンド名を書き出した。
「こんなの適当に決めればいいのよ。よしっ」
『わー……勝手に決められた』
別にネーミングセンスが悪かったら変えれば良いし。
さわちゃん先生が決めたネーミング。
“放課後ティータイム”
いい感じだ!
まさにウチの軽音部って感じ。
みんなも異論はなく決まったみたいだった。
「後は学園祭に向けて練習するだけ ー 」
「ひーっくしゅん」
「ですね……? 唯先輩?」
「風邪ひいた」
前途多難だ。
いよいよ、学園祭に向けて首尾よく行きたいところなんですが……
さすがは、軽音部。
思い通りにはなりません。
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