青春と音楽と召喚獣   作:いくや

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 学校でうまくやっていけるコツって何なのでしょう。

 先生や友達に嫌われたら本当におしまいだと思います……

 では、どうぞ!!




#24 衝撃!

 

 「2人とも見ちゃダメ!!」

 オレは、横の席の梓ちゃんとその前の席の憂ちゃんに向けて言い放った。

 今の状況はどうなっているかというと、先ほどCクラスから帰って来た後に、オレらは梓ちゃんと憂ちゃんと3人で話していた。近くで話すため(Aクラスは1つ1つの席が離れている)に椅子を近くに持ってきて話していた。

 しばらく話していると、1人の訪問者が。

 

  『女装した、Bクラス代表根本』

 

 であった。卑怯者と名高いヤツが女装してAクラスに乗り込んできたのであった。さっき、BクラスはFクラスに負けたと聞いたので、おそらく雄二がこれをさせているのか。何とまあ酷い格好だ。雄二は心理的・精神的にまずAクラスにダメージを与えに来たか……これを見てしまったものは女子のみならず、男子ですら吐き気を催していた。オレは一瞬見たがすぐに目(視線)を切ったために大事には至らなかった。

 

 梓ちゃんと憂ちゃんはちょうど、ドアに背を向けていたために見ないで済んでいるのだが、

 

 「何があったの?」

 「みんな悲鳴上げているけど」 

 「絶対に2人とも前のほうを向いちゃダメだよ」

 『?』

 疑問符を浮かべていたが、説明は後でするから、とにかく今は現実逃避をするのが一番いい。

 

 しばらくすると、根本は帰っていった。教室のあらゆるところから安堵の溜息がこぼれたのは言うまでもない。

 

 「一体どうしたの?」

 「ヒロ君があんなにダメっていうのは」

 「確実に2人の気分を害するものが現れたから」

 『何それ?』

 しつこく聞いてきたために、仕方なく教えることにした。

 

 「女装姿の、根本恭二」

 「うえっ……想像したら気持ち悪くなった」

 「ちょっとわたしも見なくてよかったかな」

 「でしょ。それを間近で見た人は未だに倒れているみたいだけど」

 Aクラスの廊下側の前の人とか余りの衝撃に椅子から落ちていた。

 

 「そういえば、試召戦争大活躍だったね」

 「まさか代表を討ち取るとは」

 「まあね。2人はどうだった?」 

 「ちょっと苦戦してたけど、結構楽しかったよ」

 「そうだね。召喚獣も可愛かったし」

 話題は召喚獣の話になった。

 

 「ヒロ君の召喚獣、どんな感じだったの?」

 「見てみる?」

 「出せるの?」

 「実物じゃないけどね」

 オレはPCを操作し、自分の召喚獣データを探した。自分のPCにのみ自分のデータがあるらしいから。

 

 「あった。こんな感じかな」

 『オオーかっこいい』

 「軽装備だよね」

 「点数があんまり反映されていないのかもね」

 この召喚獣の基礎データを見てみた。やはり本来の武器は「素手」だったらしい。刀はあくまでも予備だそうだ。え~っと腕輪の効果……あったあった。点数を消費し、自分の望む武器を出すことが出来る。か。

 

 「腕輪の効果、結構強そうだね」

 「何なに? へ~槍・弓・鉄砲のなかから選べると。強いじゃん」

 「どうみても戦国時代に偏った召喚獣だな……」

 「状況に応じて使い分けろだってさ」

 わざわざアドバイス書いてあるんだ。少しくらい音楽の要素やらが入ってて欲しかったんだけど……

 

 「2人の召喚獣はどんな感じなの?」

 「梓ちゃんから言いなよ」

 「憂から言えって~」

 2人で譲り合いをしていると、帰りのHRが始まり、そして終わった。

 

 梓ちゃんと共に、部活に行こうとしていると、手を押さえているアキの姿が見えた。

 

 「どうしたんだアキ?」

 「あ、ヒロ。それと中野さんも。痛っ……」

 「何だその手は?」

 「ちょっとね……」

 珍しく、アキが保健室に向かおうとしてたからオレもついていく。梓ちゃんには先に部室に行っててもらうことにした。

 

 「Cクラスに勝ったみたいだね」 

 「まあな。そっちもBクラスに勝ったみたいじゃん」

 「そうなんだけど……手が痛い」

 「一体何をやらかしたんだ」

 保健室で手当てをしてもらった後、アキは職員室に行かなければならないと言いだしたので、こちらもやっぱりついていくことにした。

 

 「ついてくるの?」

 「ダメなのか…?」

 「え、あ、まあいいけど」

 「またお前やらかしたな」

 職員室に行くのは呼び出しを食らっていたということか。

 

 「失礼します」

 「吉井、こっちだ。何だ七島もついてきたのか」

 「こいつがまた悪さをしたみたいで……申し訳ないです」

 「ヒロが謝ること無いよ」

 お前が先生に迷惑ばっかりかけてるから本当に申し訳ないんだよ……

 

 「どうしてDクラスとBクラスの間に隔たっている壁を壊したんだ」

 「何だと!?」

 壁を壊した? 窓を割ったとかのレベルじゃない。アキが自分で殴って壁が壊れるわけ無い。

 

 「その手はフィードバックか」

 「うん」

 やっぱりそうだ。召喚獣の力を借りて壁を壊したのか。バカなことをしたもんだ。

 

 「どうせ勝つためにはどんな手も惜しまないと思って、その手を使ったのか」

 「うん。結果的に勝ったけどね」

 今のうちから指導しておかないと、勝つためにはどんな悪い手を使っても構わないといったような人間になってしまう。

 

 「西村先生……今回ばかりはオレの手に負えませんので、先生方どうぞご指導よろしくお願いします」

 「ああ分かった。厳しく指導しておく」

 「ありがとうございます」

 「ヒロ~なんてことを言うんだよ!!」

 アキの泣きついた表情をスルーして職員室を出て行った。さて、アキのことは先生に任せるとしてオレは部活に行くかな。

 

 「遅くなりました~」

 と言いながら部室に入っていく。みんな既にティータイムの時間だった。

 

 「おうっヒロ! まずは座れ!」

 りっちゃんが大声でそう呼びかけてきた。まあいつもどおりのことだ。

 紅茶を飲みながら、先輩方に質問攻めにあう。

 

 「今日、早速試召戦争したらしいじゃんか」

 「え、ええまあ」

 「それで大活躍だったと聞いたぞ」

 「どうなんでしょうね」

 本人達はあんまり試召戦争をしたことがないため、こういった話は聞きたいらしい。

 

 「結構召喚獣の操作って難しいんですね」

 「そうだよね~ヒロ君もそう思う!?」

 「唯先輩?」

 「わたしね、扱おうとしたんだけど全然ダメで ー 」

 「そうだったわね唯ちゃん」

 多分、唯先輩ほど下手ではないですよ。だが、Fクラスの連中には負けるだろうなあ。もう経験積んでるし。どうにかして経験を積みたいものだ。

 

 「そういえば、あずにゃんとヒロ君の召喚獣はどんな感じなの?」

 「へっわたしですか?」

 「そうだよ~」

 「わたしのは……」

 梓ちゃんが返答に困っていた。何でだろう……

 

 「そんなに見てみたいなら、見せてもらおうかしら」

 「さわちゃん!?」

 「わたしだってここの教員なのよ。承認許可します」

 「おおっ。さわちゃんが珍しくいい! 2人とも召喚してくれよ」

 さわちゃん先生が突然現れて、フィールドを出した。さわちゃん先生は担当は音楽だから、出てくるフィールドは「芸術」だな。オレは絵の才能からっきしダメだから音楽の方を選択でとってるんだけど。

 

 「じゃあ、いきます。試獣召喚(サモン)!!」

 さわちゃん先生が出しているフィールドにオレの召喚獣が出てくる。

 

 『おおっ!!!』

 「素手って……」

 「おかしいよね!? 何で最初っから刀抜かないのって話でしょ!!」

 「さっきの意味こういうことだったんだ」

 梓ちゃんが納得してるけど、Aクラスってこんなちんけな装備なのかな? 別に重装備の方が良いって訳じゃないけど、武器に関してはもうちょっと良いのがあった気がする。

 

 「ヒロ君ってAクラスよね?」

 「はい。そうですけど?」

 「この装備、Eクラス並じゃん」

 「何っ!? やはりそうだったのか!!」

 召喚獣とは、その人の本質を見極めているらしいけど……オレの本質って!?

 

 「せっかくだから、召喚獣の扱いに慣れてみよう」

 「ていうか~梓も出せよ~」

 「ええっ!? わたしもですか?」

 「そうだよ、あずにゃん~」

 梓ちゃんの召喚獣、確かに気になるが……どんな感じなんだろう。梓ちゃんが召喚獣を出し渋っていたら、

 

  『山中先生、山中先生、至急職員室まで』

 

 という放送が入った。

 

 「あら、何かしら。行って来るからゴメンけどあなたたちフィールドは消すわね」

 「ええ~っ!」

 「あずにゃんのが見たかった~」

 「至急って言われたでしょ。だから取り消し!」

 フィールドは消え、召喚獣も消えてなくなる。さわちゃん先生も走って部室から消えていった。

 

 さっきからいいタイミングで梓ちゃんの召喚獣が見れてないんだよね~

 

 「み、みなさん練習しましょ!!」

 梓ちゃんが何か隠していると思いながらも、今日は練習することになった。

 

 




 読者の皆様、プリーズヘルプ!!!

 憂と梓の召喚獣、募集します。
 何か案は無いでしょうか。
 じゃんじゃん出していただけるとありがたいです。

 結構急ぎ目でよろしくお願いしますね♪

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