書き出してみると難しい合宿編。
脅迫されること無い今回の話で、どう話を作るか頭の悩ませどころ。
では、どうぞ!!
「あら、あなたたち何やってるのですか?」
「そういう清水さんはこんなところで何やってるの?」
オレは自分の部屋に戻っている途中に清水さんに会った。オレの後ろの4人の女子は用があるからココにいるけど、女子1人でこんなところ(男子塔)にいるのはおかしい。
「何でも女子更衣室でカメラが見つかったらしいですよ」
「カメラが!?」
誰かが盗撮するためということか?
「美春はその犯人があの豚野郎では無いのかと思って」
「豚野郎って……」
「ですが、竜也も一緒にいるから……」
そっか。バイト先が一緒というか清水さんとこの店でバイトしているから仲はいいはず。
「竜也はそんなことはしないと思っている」
「その通りです」
「ま、真相を確かめるために一緒についてくるか?」
「分かりました。疑いをかけたままではよくありませんからね」
正直、こんな清水さんの態度は意外だと思った。もうちょっと猪突猛進に部屋に突っ込んだりするのかと思っていたけど。竜也を信頼しているんだな。まあ、親父殿が店を任せるくらいだから。
「ただいま~」
と、自分の部屋(アキら複数と一緒)に戻ってきたんだが、
「オシオキが必要ですね」
「ホントの事話してください」
「………雄二、ひどい」
「どうせ、あんたたちがやったんでしょ!!」
カオスな状況が……。アキたちが女子に虐められている。一瞬思考停止したが、すぐに回復し止めに入る。何せ拷問道具まで持ってきているようなやつらだ。
「何やってるんだお前たちは!! やめろ!!」
「一体何があったって言うのよ!!」
後ろから優子さんも援けてくれる。
「邪魔しないでください!」
「オシオキが必要なんです!」
「一回黙れ!!!」
オレは久しぶりに大声を出して、やつらの行動を止める。その隙にオレの後ろにいた女子が間に入り込んで再びこんなことをしないようにする。
「オネエサマ~!」
「み、美春!? どうしてここへ?」
「そんなことはどうでもいいんです!」
「どうでもよくないわよ!」
部屋には島田もいたため、清水さんが暴走しだした。話が出来ない……
「美春、話がしたいから少し黙っててくれ」
「分かりました。竜也の言うとおりにしましょう」
「その後は自由にしてもらって構わない」
「何言ってるのよ七島!!」
「黙れ。お前らが今何をしたか問いただす」
オレは今ものすごく憤怒しているのが自分で分かる。雄二たちは女子に萎縮してすぐに逃げられる体勢をとっている。
「何って、オシオキしてただけじゃない!」
「それに何故そんなことする」
「女子更衣室からカメラが見つかったのよ」
「犯人はこいつらなんだから!」
「そんなことするわけ無いじゃん!!」
「と言ってるが?」
「そんなの嘘に決まってるじゃない」
こいつらはどんな頭してるのだ? 決め付けかよ。姫路に島田にCクラス代表小山にEクラス代表中林にetc...
「しっかりアリバイを聞いたのか」
「そんなもの聞いてないわよ! どうせこいつらが犯人なんだから」
「いい加減にしろ! そもそもお前らに裁く権利は無い!!」
「悪い子にはオシオキが ー 」
「あなたたち、大概にしておきなさい。事実を捻じ曲げて何がオシオキなの?」
優子さんのきつ~い言葉。
「大体、女子更衣室に男子が入れるようなセキュリティに先生達がするわけないね」
「ちょっとみんな行きすぎかな」
「調子に乗りすぎ」
「お姉さま愛しています」
若干1人だけ場の流れにそぐわない言葉が出てきたのは完全スルーをする。
「ということだ。お前らもバカじゃないから理解できるだろ?」
「でも ー 」
「ってか、そもそも姫路と島田はこいつらと一緒に来たんだろ。そんな暇が無いことくらい自分達が一番分かるんじゃないのか!?」
オレの言葉に沈黙を貫く2人。姫路はFクラス入っておかしくなったな。
「代表もいい加減にしておかないと」
「………雄二が」
「はいはい。行きましょう代表」
「お前らさっさと出て行け。もうこいつらと関わるな」
「何で七島君が決めるんですか!!」
オレはその問いに答えず、全員を無理やり部屋から追い出した。
答えは決まってるだろ。お前らといるとこいつらにメリットも何も無いからだ。
「清水さん、ご自由にどうぞ。ただし、女子塔の方へ」
「ありがとうございます!」
出て行った島田を追いかけ、清水さんは猛ダッシュで行った。
「サンキュー竜也。お前らが来てくれなかったらどうなるか……」
「無事で何よりだ」
ちょっとシーンとなったあと、ドアが開いて優子さんと愛子ちゃんがやってきた。
「みんなおとなしく帰ったみたいだけど……」
「あの様子じゃねえ」
こいつらが犯人だと言うことを諦めていないみたいだ。この部屋に10人は狭いが、話をする。
「アキは復活したんだな」
「あ、うん。おかげさまで」
「雄二たちが蘇生をしてくれたからな」
「蘇生って!?」
驚く優子さんたちに説明を。すると、またかといった表情だった。
「弁当で苦しめた挙句、あんな行動に出るんだね」
「幻滅したよ」
「アキ、もうあいつらと関わるな。雄二もみんなもだ」
「う、うん。分かったよ」
このままじゃこいつらの身が持たなくなる。死ぬぞ。
「今から大事な話をする。この10人の中だけの話だ」
「そんなに重要な話?」
「といっても、オレの予想を言うつもりだ」
「予想?」
何の話かさっぱりと言った感じだが……危機感を持ってもらわないと。
「今さっきのあいつらの行動を見ても分かるが、お前らは今覗き魔扱いをされているな」
「うん……」
「この話が、2学年女子に広まったらどうなると思う?」
「まさかと思うが、人数を増やしてさっきみたいなことをするとか!?」
雄二がそう予想する。あながち間違ってはいない。
「西村先生曰く、この施設は召喚獣使えるそうだ」
「ってことは試召戦争が出来ると」
「ああ。大勢で寄ってたかってお前らに勝負を挑むだろうな。何せ負けたら西村先生の補習授業」
「そんなのおかしいじゃない」
そのおかしいって思える人が文月学園には少ないんだ。
「ってことで、女子の猛攻をかわしつつ、真犯人を見つけ出さなければお前らに未来はない」
「深刻な問題だね」
「でもそんなことまで ー 」
優子さんやら憂ちゃん、梓ちゃんと愛子ちゃんの考えは一般人の考え。ココは文月学園という特殊な学校だ。
「って訳で、オレはお前らの疑惑を晴らすべく隠密に捜査を開始するがいかがか?」
「僕たちだってもちろんするよ! ヒロにばっかり迷惑をかけてられない!」
「そうだ。元はと言えば俺らのせいなんだからよ」
「そうじゃ。ワシらに出来ることは少ないかも知れぬが」
「………情報収集は任せて欲しい」
「ヒロ、オレにも出来ることがあれば言ってくれ」
「ボクも協力する。あんな現場を見てからじゃ ー 」
「そうね。アタシも手伝うわ」
「協力すれば絶対見つかるよ」
「憂はポジティブだな~」
男子5人はおろか、女子4人とも手伝ってくれることになった。初めはこの10人からのスタート。仲間はあんまり増えないだろうが……先生達もこいつらに対して評判悪いから敵とみなしてよし。
「じゃあ、女の子はその見つかったカメラに対して調べれるところまで調べてもらえる? いつ見つかったとか、どこにあったとか、誰が見つけたとか。ブツを借りれるなら借りてきて欲しい。康太がいろいろと分かるかも知れない」
「………(コクッ)」
「任せて♪」
「連絡は携帯を使わずに直接話そう。立ち聞きされないように」
「分かったわ」
4人は部屋から出て行って捜査を開始した。頼りになるなあ。
「迷惑かけてすまない」
「僕たちのために」
「そんなネガティブな気持ちで手伝いを申し込んだわけじゃねえよ4人とも」
「?」
「オレたちも出来ることをしよう」
と言っても、この部屋から出ないほうが得策だということは言うまでもない。
「次の指示があるまで待機しておこう」
「疲れたしな。寝させてもらおう」
精神的にみんな参っているのだろう。みんな仮眠を取り始めた。オレは防衛のためにドアから一番近い場所に体を移してじっと座ってこれからの対策を練った。
★
「ただいま」
「おかえり、4人揃ってきたんだ」
4人が1時間後くらいに揃って部屋に現れた。5人はそれに気づいたのだろう。仮眠から目を覚ました。
「どうやらカメラを見つけたのは、さっきこの部屋を襲撃した中の1人の小山さんらしい」
「見つけた後に、周りに中林さんとか姫路さんとかがいて犯人はあいつらよって叫んでいたとか」
「因みに明久くんたちに犯行は不可能だった。更衣室の前には先生が常に交代で見張っているらしい」
「カメラは誰かが回収したみたいで、手に入れることは出来なかった」
と、ありがたい情報を持ってきてくれた。
「それと、Fクラスのメンバーが動き出した」
「どういうこと?」
「女子風呂を覗く! とか言いながらまとまって行っていた所をすれ違った」
「おそらく指揮官は須川だな。流石はFFF団」
ここにいないFクラス男子43人は女子風呂を覗きに初日から実行に移したらしい。
「男子vs女子と言ったところか」
「男子を味方に引き込んでおかないと、大量の女子に狙われる可能性があるな」
「オレたちも覗きに参加する ー 冗談だヒロ」
竜也がふざけたことを言い出したので視線で威圧する。
「さて、どうしようか」
「一時流れを読もう」
「それがいいかもしれないわね」
女子4人は自分の部屋に戻って、オレたちは休むことになった。今日は疲れた。寝る間際、Fクラスメンバー全員が補習となったことが知らされた。そりゃ、女子全員を相手取りゃ負けるよ。
原作犯人の清水が、いきなり意表を!
この話でも犯人なのか!?
はたまた違う人間が犯人なのか。
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