結局、前2話の話を持ってきてしまいました。
意外な名前が。
では、どうぞ!!
「疲れた~」
「そりゃそうだよ」
「ゆっくり休みなよ」
全てが終わった後に、先ほどの10人でAクラスで休憩する。西村先生は今とっ捕まえた2人を尋問している。何を吐くのか見ものだ。
「お前ら、今日は本当にお疲れさん。助かったぞ」
「あ、西村先生。尋問終わったんですか?」
「ああ。お前らには伝えておこうと思ってな」
西村先生がわざわざAクラスにまで来て説明してくださった。
「捕まえた2人は3ーAの常村と夏川というやつらだ」
「常夏?」
「まとめるな」
「その2人の言うところによると、やはり教頭の差し金だったみたいだ」
あくどいな。竹原とか言う名前だったかな。
「証拠が無いのでどうしようか迷っているんだ」
「強行家宅捜索でしょ。何か見つかるんじゃないっすか?」
「見つからなかったときの学園長の立場を考えてみろ」
「それは難しいですね」
教頭は自分が見つかってもいいようにしっかりと逃げ道を確保しているに違いない。
「に、西村先生!」
「どうされました高橋先生」
「教頭室の窓が割られました!」
「どういうことでしょう」
「打球が偶然にも当たって、ガラスが割れたそうです」
普通耐久ガラスなのにね。悪いことはするもんじゃないな。
「これで教頭室に入り込む口実が出来たんじゃないのか?」
「坂本、いいことを言った。早速学園長に言おう」
西村先生は高橋先生を連れて、Aクラスを出て行った。
数十分くらいAクラスで休憩していたんだが、その間に教頭の陰謀によるものと分かる証拠を見つけたので、更迭することに決まったそうだ。悪は滅するものなんだな。
「明久君、大丈夫!?」
「あ、ちょっとふらっとしただけ」
「ダメだよ。今日は働きすぎたんだから休んでないと」
「で、でも」
「いいからいいから」
愛子ちゃんは拒否するアキの手を握り、Aクラスから出て行った。まあ任せておいて大丈夫だろう。多分、保健室か何かに連れて行ったのだろうから。
「俺も帰ろうかな」
「アタシもそろそろ帰るわ」
「オレも今日はバイトないが早めに帰らせてもらうわ」
雄二や優子さん・竜也も帰るそうだ。
「ワシは部活に行くぞい」
秀吉は演劇部へ。結局Aクラスに残ったのは、梓ちゃんと憂ちゃんと康太とオレ。ちょっとばかし疲れが取れないため、もう少しAクラスで休憩していたら、思わぬ客人が。
「あれ? 梓に憂、それにヒロ君と康太君じゃん」
「純!? 久しぶりだね」
「なんでココに?」
「この頃全然会う機会が無いな~と思ってさ」
確かに。先輩方が修学旅行に行ってて部室でセッションしたとき以来かな?合宿でも結局忙しすぎて一回も顔あわせること無かったしな~。
「さっき、突然西村先生がやってきて『戦死者は補習~』とか言いだして、補習室に連れられたんだけど」
「「「あっ……」
心当たりがものすごくある。暴走召喚獣のときに、純ちゃんのもまとめて倒してしまったんだった。
「実はこういった事情で」
憂ちゃんが代わりに今日あったことを話してくれた。
「そんなことがあったんだ~みんな活躍してるじゃん」
「そんなことないよ~」
純ちゃんがうらやましそうにオレたちを見ていた。
「強化合宿の時大変だったよね」
「そうそう。男子がほぼ全員で女子風呂を覗くんだもんね」
「純も、撃退するのに参加してたの?」
「まさか。面倒くさいじゃん。部屋にいたよ」
助けに行こうとまでは流石に思わないか。
「でも、ヒロ君たちも大活躍だったみたいじゃん」
「そうなんだ~」
「憂ちゃんや梓ちゃんが手伝ってくれたおかげだけどね」
お世辞などではなく、本心でそう思っている。とっても助けられた。ってか助けてもらってばっかり?
「梓たちが元気そうでよかった。また暇が会ったらこっちに遊び来る。じゃ部活行くね」
「バイバ~イ」
「………俺もそろそろ帰る」
「おっ。じゃあな」
純ちゃんと康太は共にAクラスを出て行った。
「さて、オレたちも部活に行かないとね」
「そうだね」
「ヒロ君もう大丈夫なの?」
「大分戻ってきたよ」
「そういえば、今日お姉ちゃん達インターンシップのはずだけど」
インターンシップって職場体験のことか。そうか今日校舎内に3年生がいないのはそういった訳か。だから学園長も3年生の腕輪保持者(いるかしらないけど)じゃなくて、オレたちを選抜したのか。
「でも、そろそろ帰って来ているんじゃない? もう5:30だし」
「そうだね。じゃ、無理しないようにね~」
「ありがと~」
オレらは部室へと向かった。
「遅かったな」
部室に着くと、既に先輩方は全員いた。インターンシップから帰って来ていたみたいだ。
「すいません……いろいろありまして」
「みたいだな。2人の顔をみても分かる。相当疲れているぞ」
「そうですか? そうかもしれませんね」
「何があったんだ?」
疲れているオレをかばってか、梓ちゃんが事の顛末を全て話してくれた。
「そんなことが!」
「とてつもない大役だったな」
「疲れたでしょ~」
「わたしたちの学校を守ってくれてありがとう!!」
唯先輩の何気ない一言でも、今日は本当に嬉しい。やりきった感に満ち溢れている。
「あっ! すいません」
オレはコップを倒してしまい、お茶をこぼしてしまった。
「ヒロ君、今日は帰ったほうがいいんじゃないの? 自分でも分からないくらいの疲労がたまってるんじゃ」
「いや、いいよ ー あ、すいませんムギ先輩。ありがとうございます」
すぐにテーブル拭きを持ってきてくれて拭いてくれた。おかしいな。自分の体が自分じゃないみたいだ。フィードバックによる疲れと精神的な疲れは両方とも目には見えないから恐ろしいな。
「しかし、教頭先生がそんな人とはな」
「ああいう人間に限って表では偽善者ぶっているってことよ」
「そうなってくると、どの先生を信じていいか分からなくなりますね~」
「そうだよ。どうすれば……」
今思い出したんだが、そういえばこの話他言無用じゃなかったっけ。やばいな。急いで口封じをしておかないとね。
「あら、みんな来てたのね」
「さわちゃん先生!」
「ヒロ君・梓ちゃんお疲れ様」
「「???」」
「召喚獣の件よ」
「「あ~ありがとうございます」」
緊急職員会議で今日のことが話されたらしい。名前まで挙げられるとはちょっと照れるな。
「よくぞこの学園を守ってくれたわ」
「そんな……いいですって」
「その分、結構ダメージも大きかったですけどね」
「そうみたいね。疲れ切っている顔してるわ」
そんなに分かりやすいのだろうか。
「そういえば、あなたたちはインターンシップから帰って来たのね」
「はいっ!」
「別に学校に帰って来なくても現地解散でよかったんだけどね」
「部活に来たんですよ」
「冗談よ」
さわちゃん先生は当然のようにムギ先輩を遣ってお茶を淹れさせる。
「どんな雰囲気だったかしら?」
「というか、それよりみなさん何処に行ったんですか?」
高校の職場体験ってどんなところに行くんだろう。
「わたしと唯は保育園だったな」
「うんっ!」
「わたしと澪ちゃんが、ハンバーガー店だったの」
「そう」
へえ。ちょっと想像してみよう。
………
唯先輩は果たしてちゃんと世話できたのだろうか。逆に世話されてないよね!?
りっちゃんははっちゃけ過ぎてないか心配だ。
ムギ先輩が庶民のお店に。似合わないなあ。
澪ちゃんは人見知りだけど接客できたのかね。
「みんなのその表情を見てみると散々だったようね」
「楽しめましたよ。ねえ澪ちゃん」
「えっ!? あ、ま、まあ……そう……かな?」
「わたしたちはどうだろうな唯?」
「どうなんだろうね~」
「よかったんじゃねえのか?」
「どうかな~」
「さっきから曖昧な返事ばっかりだな!」
「そうかな~」
ナチュラルボケ。来年の参考にさせてもらおう。職場体験は結構辛いみたいだ。中学時代と違って、高校生はちゃんと大人に見られるから厳しいとか。それもそうか。もうすぐ社会に飛び立つんだから。
「あなたたち、今日は練習せずに早く帰ってゆっくりしなさい。みんな顔に出てるわよ。そんなんで練習したって何も残りはしないわ」
さわちゃん先生が珍しく先生らしいことを言ったので、先生を立ててみんなその通りにした。
常夏名前だけの登場ですが……
この話でも悪役に徹してもらいましょう(笑)
次話こそは、長編に入りたいです。
準レギュラークラスの人もじゃんじゃん使っていきたいです。
ex.)純・和・美春・FFF団など。
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