青春と音楽と召喚獣   作:いくや

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 オリジナルキャラ登場!


 まあ、名前も出てこないですが、今話と次話では活躍しますよ。



 では、どうぞ!!
 


#49 勉強会!

 

 「あ、ムギ先輩おはようございます」

 「ヒロ君、おはよう~」

 朝、校門前で偶然ムギ先輩に会った。出会って1年以上なるけど初めてだな。

 

 「その後、先輩達は勉強はかどってますか?」

 「バッチシ! ヒロ君や梓ちゃんのほうも大丈夫かしら?」 

 「ええ。ご心配なく。他のみなさんにオレも梓ちゃんも元気にやってますと言ってください」

 「分かったわ。じゃあまたね」

 「はい。また」

 短い会話だったが、やっぱり軽音部のメンバーと話すのはいいと思った瞬間だった。

 

 「おっはよ~ヒロ君!」

 「わっ! ビックリしたな愛子ちゃんか~」

 「そんなに驚かれたらこっちだって傷つくよ」

 「ゴメンゴメン」

 突然、背後から大声で言われるんだもん。

 

 「ねえねえ。今日から土日暇?」

 「どうしたの?」

 「ウチで勉強会するつもりなんだけど」

 「アキと2人きりじゃなかったの?」

 「ひ、ヒロ君/// ちょっと恥ずかしいからさ」

 「愛子ちゃんにもそういった感情があるってのは驚きだな」

 「む~ひどいな~ボクだって乙女だよ」

 「分かってるよ。でも、オレ誘うってことは他の数人にも声かけるんでしょ」

 「そうだよ。あのときのメンバーでいいかなって思ってるんだ」

 「Fクラスのほうはアキが声掛けてくれる様に言ってるのかな」

 「うん。そうだよ」

 「じゃ、後は純ちゃんやAクラスのメンバー?」

 「優子にはボクから言っておくから、後の人よろしく♪」

 「分かった」

 それだけ言うと、非常にテンションが上がっているのだろう。さっさと教室の方へ向かっていった。

 

   ★

 

 「大きいな……」

 「豪邸とまでは言わないけど」

 「普通の家よりかは断然大きいね」

 放課後、家に帰って準備をした後、梓ちゃんや憂ちゃん・竜也と合流して愛子ちゃんの家に向かったんだが。

 

 「ともかく、インターホン押そうよ」

 「そうだな」

 竜也が代表してインターホン押すと、自動で門が開いた。玄関にカメラか何かあってコッチの様子が見えていたに違いない。

 

 「いらっしゃい!」

 家のドアが開き、愛子ちゃんが出てくる。その後ろにはアキもいた。

 

 「あっ……純に連絡してないけどいいかな」

 「大丈夫だと思うよ。ココから家近いし」

 「そうなんだ。って何で知ってるの?」

 「帰る方向一緒だからね。たまに会うんだよ」

 なるほどね。だから大丈夫ってことか。

 

 「お~い」

 背後から大声が聞こえてきたため振り返ってみると、雄二たちが門の外に立っていた。また同じように門の扉が開き、雄二を先頭に玄関のほうへ向かってくる。

 

 「よっ」

 「おう。さっきそこら辺でみんなと遭遇した」

 「なるほど。これで全員か」

 そう。雄二の後ろには、純ちゃんと康太・秀吉・優子さんがいた。

 

 「ま、玄関で立ち話もアレだから早く中に入ってよ」

 「お邪魔しま~す」

 まだこの家には1年と住んでいないという計算か。清潔感あふれる家だな~

 

 「あらあら、こんなにたくさんいらっしゃい。愛ちゃんをよろしくねみなさん」

 「ちょ、ママ愛ちゃんはやめてよ!」

 「いいじゃないの。こんなに友達を連れてきたことはなかったんだからママ嬉しいのよ」

 「もう~いいから戻って戻って」

 穏やかなお母さんだった。愛子ちゃんはお母さん似だと言うことがすぐに分かった。

 

 「さ~早く勉強やろうやろう!」

 「どうしたのじゃ明久? 少し前とは別人じゃのう」

 「そうも言ってられない事情が出来たのはみんな知ってるでしょ」

 「出来れば、姉さんがいないときからそのやる気を出してくれていたらよかったろうに」

 「???」

 何言ってるのコイツみたいな目をされても……

 

 (アキ、最初にここに1人で来ていたみたいだが、愛子ちゃんとは何か話したか?)

 (え、ええっ!? 特にこれといった話は……)

 (愛子ちゃんの私服(部屋着)はどうだ?)

 (………………)

 (顔を真っ赤にして答えることも出来ないか)

 「何話してんの?」

 「い、いやいやいやいやなんでもないよ。早く勉強始めよう!」

 「?」

 ごまかした? まあ少なからずアキは愛子ちゃんを意識していると言うのは分かった。精神的に傷ついている今、愛子ちゃんのような人が側にいるだけで癒されると言うか、楽になるだろう。愛子ちゃんもアキのことをとっても好きみたいだし。

 

 (で、お前はいつものように憂ちゃんの私服にベタぼれか)

 (悪いかよ! 本当に可愛い!!)

 (その思い本人に伝えたのか?)

 (いいかヒロ、物事には順序と言うものがあってだな)

 (お前にそんなものを諭される時が来ようとは思ってなかったわ)

 (うるせえ。対するお前、梓ちゃんの私服どうなんだよ)

 (なっ!?)

 (ほら動揺した。お前も梓ちゃんを気にしているのはバレバレなんだよ)

 (こ、これはだな ー そ、そう部活の仲間として ー )

 (表面を取り繕わなくていいぞ弘志)

 (何で雄二まで入って来るんだよ、そういうお前は優子さんどうなんだよ!)

 (な、何!? 何で俺が木下姉のことを?)

 (なるほど。お前も少なからず動揺すると)

 「ほら、そこ3人。早く勉強始めようよ」

 「「「お、おう分かった!」」」 

 思春期男子の会話をした後に、勉強をすることになった。当然の流れと言うべきか、先ほどの会話をした流れ上、女子に意識が行って集中できないわけですよ。

 

 「どうしたのみんな? なんかそわそわしてるけど」

 「………不自然」

 純ちゃんと康太が突っ込みを入れてきた。

 

 「そうかな? 別にそうは思ってなかったが」

 「だよな。俺もそう思う」

 「気のせいじゃないの?」

 「気にしすぎだって」

 男子4人はすぐさま自己弁護に入る。康太があちら側につくのはちょっとおかしいと思うが。

 

 「分かったのじゃ。みな、目の前におる女子を意識しすぎて集中できないのじゃな」

 「「「「なっ!? 何を言うんだ秀吉!!」」」」

 「あまりにもシンクロしすぎて驚いたのじゃ」

 「でも、その反応は……」

 「………秀吉が言ったとおり、全員気にしているだろう」 

 何てことを言うんだこの3人は!

 

 「あ、明久君、ボクなにか変かな?」

 「いいいいい嫌全然変じゃないでございますよ!!」

 「言葉もおかしくなっているけど?」

 「気にしないで!! うん。そうして!」

 

 「坂本君、アタシがどうかした?」

 「あいつらの妄言を真に受けなくていい」

 「そうかな。アタシもちょっとおかしいかなと思っていたんだけど」

 「っ!? だ、大丈夫だ。続けよう」

 

 「竜也君、気分悪いの?」

 「全然元気元気!!」

 「そう、それならいいけど」

 「うんそうだよ」

 

 「ヒロ君、わたし見て何か変なこと考えてないよね?」

 「何の話だよ!」

 「冗談冗談。でも、いつもと何か違うかもしれないって言うのはわたしも感じてたからさ」

 「っ!! 」

 

 4人とも上手く逃げれたのかな……危なかったわ。だが、受難のときは続く。

 

 「あらあら、みなさん良い雰囲気で。邪魔しちゃ悪かったようね」

 「ママ! いらないことは言わなくていいから!!」

 「そうかしら? お茶を持ってきたから、今までどおり勉強続けてください」

 「早く出て行って!!」

 「そんなに急かさなくても出て行くわ。みなさんお幸せに」

 そういって、部屋のドアを閉めたのだが、お幸せにって!

 

 「全く……ママったら」

 ちょっと空気が変な感じになったが、勉強を再開する。

 

    ★

 

 「みんな~そろそろ夕食出来たわよ~」

 2時間くらい勉強に集中していると、ドアの外から愛子ママの声が聞こえてきた。

 

 「もうそんな時間なんだね。みんな行こう」

 「愛子ママ手作りの料理?」

 「そうだよ♪ ママとっても料理美味しいんだから」

 「楽しみ~」

 オレの軽い情報統計データを出してみよう。親が料理上手いところとかは基本、子どもって料理作れないような気がする。オレの周りの料理できるのって、基本親がいないとか自分で作らないといけないような状況に追い込まれている人だもんなあ。それ考えてみると、ウチは幸せだよ。親が毎日作ってくれるからさ。

 

 「うわ~すご~い」

 「本当だ!!」

 広いリビングに、テーブルをいくつか持ってきてあって、そこにたくさんの料理があった。

 

 「愛子の友達かね。よく来てくれた」

 「お父さんですか。いつも愛子ちゃんにはお世話になっています」

 「いや~こちらこそいつも愛子が楽しく学校に行ってるみたいで本当に良かった」

 「愛子ちゃんといるといつも楽しいですよ」

 「あ、明久君///」

 間接的に告白まで行かないようにしてくれよ。

 

 「さあさあ、召し上がってくれたまえ」

 「いただきま~す」

 いや~美味しい。この頃、美味しい料理を食べてばっかりだ。最後にまずい料理を食べたのが思い出せ ー あのことは忘れよう。うん。おいしい!!

 

   ★

 

 「お風呂入ろっか……でも流石にこの人数じゃ一緒に入れないから」

 「男女で分けようよ」

 「お前少しは頭使え。分けても一緒には入れそうにないから言ってるんじゃないか」

 「そういう意味だったのか!」

 お前は混浴をしたかったのか?

 

 「別に、明久君が最初に言った意味で言ったつもりなんだけど」

 「愛子~」

 「ゴメンゴメン冗談だって。優子怖いよ」

 「ホント面白くない冗談言うからさ」

 割と愛子ちゃん真面目モードだったよね今。今の短いやり取りで愛子ちゃんの後ろにいた梓ちゃんやら憂ちゃんや純ちゃんがあたふたしているのがまた何ともいえなかった。

 

 「じゃあ、女子から入らせていただきますね~」

 「どうぞ~それまでちょっとくつろいでおくよ」

 「分かった~」

 女子が風呂に入った後に部屋に戻ろうとしたら、愛子ちゃんの父親に呼び止められた。

 

 「ちょっといいかね」 

 「何でしょう?」

 リビングに入っていったために、オレらもそれについていくことになる。

 

 「愛子はいじめられておらんかね?」

 「いじめ?」

 「そんなものはないですよ! 昔の学校じゃないから大丈夫です!!」

 「「は?」」

 「ほう君は愛子から既に事情を聞いているみたいだな」

 オレたちはアキの言葉の意味が分からなかったが、父親の言ったことで理解できた。

 

 「ええ。本人に聞きました。前の学校でいじめられてそれが嫌で転校してきたって」

 「そうだったんだ!」

 アキ以外のオレたちは相当ビックリしていた。だって、あの愛子ちゃんがでしょう。考えられない。

 

 「愛子は大人しめな子だった」

 「全然想像できない」

 「転校したときに、またいじめられるのだけはよそうと、イメチェンをしたのだよ。髪も長かったのをバッサリ切って染めて、性格も明るく元気にするように自分で考えてしたんだ」

 その話を聞いて、オレたちは何も言葉を発せなかった。全然気づかなかった。愛子ちゃんにも心に影を背負っている部分があったんだ。

 

 「愛子ちゃんはもう大丈夫ですよ。僕たちがいるから」

 「そうかね」

 「ええ。工藤愛子は僕たちが守りますから」

 「頼もしいじゃないか」

 父親はえらく上機嫌になって、オレンジジュースを飲み干したってオレンジジュース!? 意外と可愛い飲み物だ。普通に酒飲んでいるイメージなんだけど。

 

 「君たちのことをもっとよく知りたい。というわけで」

 父親はとあるところから物を運び出してきた。

 

 「一局打たないかね」

 取り出したのは、麻雀であった。この父親、未成年にそんなものすすめて大丈夫なのかね。

 

 「今時の高校生は麻雀は知らないかね」 

 「僕は全くしたことないですね」

 「ワシも無いのじゃ」

 (………PCの脱衣麻雀だけ)

 康太の方から何か言葉が聞こえてきたのだが、はっきりとは聞き取れなかった。オレの本能が是非ともスルーすべきだというから、それに従おう。

 

 「俺は少しは」

 「ヒロやろうぜ」

 「ああ。久しぶりだな」

 実を言うと、小さい頃から麻雀を打っていたりする。竜也と遊ぶときに、今は懐かしきドンジャラをやっていたんだが、その後麻雀を一時していたんだ。

 

 「お前ら経験者かよ」

 「結構前だがな」

 「よし、やろうじゃないか」

 何故か、麻雀を打つ流れになったので、女子が風呂から上がってくるまでやることにする。アキ・康太・秀吉は初心者なのでオレたちの後ろで観察だ。

 

 「さて、親は私からやらせてもらう」

 父親はサイを握ると表情がいっぺん勝負師の顔になった。

 

 「5か。もう一度私だ」

 次、3の目を出し、牌を取り出していく。テンポよく進む局だ。

 

 「ポン」

 「チー……チー……チー」

 「お前、チーチーうるせえな」

 「ロン。700点」

 「何!? 鳴きイッツーのみだと!?」

 「ほう。なかなかやるみたいだ。私の親を安い上がりで流すとは」

 竜也、地味にむかつく。鳴き虫だ。

 

 「次は俺か。7だ」

 東風戦南家親。

 

 「リーチ」

 「早いですね」

 父親、4巡目でリーチという早い展開に。

 

 「ポン」

 「リーチ」

 「ポン……ポン」

 「今度は、トイトイか竜也」

 「さあな」

 「よっしゃ、来た! リーチ!」

 「ロン。白のみ1000点」

 「くぅ~むかつく!! 鳴いたやつ全て関係ねえのかよ!!」

 「甘いねヒロは」

 「なかなかこの子は強いな」

 次はオレが親だ。竜也を上がらせないようにしたいんだが……

 

 「リーチ」

 先ほどと同じく、父親は早い展開に。

 

 「カン……リーチ」

 雄二は、意外と慎重路線。あまり鳴かない。誰かさんとは大違いだ。

 

 「ポン……ポン………カン………カン………チー………」

 いい加減に鳴きすぎにもほどがある。

 

 「カン」

 「ロン」

 「ええっ!?」

 「リーチ・ピンフ・チャンカン・ドラ6。倍満だよ」

 「何だって!?」

 調子に乗りすぎるからだ。バカめ。

 

 「お~いあがったよ~お風呂入っていいよ~」

 そういいながら、愛子ちゃんたちはリビングに入ってきた。

 

 「って、麻雀……」

 「出来るんだね」

 「親父くさい」 

 放っといて欲しい。趣味は多彩な方が、老化防止にはいいらしい。

 

 「もうパパ……麻雀のメンツをそこまでして集めなくても」

 「いや、この子達なかなかの腕だったぞ」

 「全く……いくらボクたちが出来ないからって」

 愛子ちゃんは若干あきれていた。後ろにいる女子のみなさまがたもあまり麻雀には詳しいほうじゃないらしく、首をかしげていた。

 

 「じゃあ、お言葉に甘えましてお風呂に入っていいかな」

 「どうぞどうぞ!」

 「って、秀吉も一緒に入るの!?」

 「ワシも男じゃからな」

 「いいいいやそれはちょっとやめたほうがいいんじゃないかな」

 「どうしてじゃ!」

 康太が危ないんだな。アキがまだ秀吉を女としてみているのかと思った。

 

 「むう。仕方あるまい」

 「助かるよ」

 男子の風呂は短い。さっさと上がってきた。そして秀吉に風呂を譲る。

 

 「あがった~」

 「早いね男子は」

 「そりゃあもちろん」

 数十分後に、秀吉も上がってきて全員揃い部屋へと戻る。

 

 「さて、ちょっと提案があります!」

 「どうしたの?」

 「明日、夕方にテストしてみない?」

 「「「テスト?」」」

 まあ、明日も泊まるんだからそれはいいとして、テスト?

 

 「どこまで今出来るかという到達確認テストみたいな。5教科を全部したいんだけど」

 「流石にそれはきついわよね」

 「だから、全部問題量を半分くらいにする」

 「アタシは全然いいわよ」

 Aクラスの面々に異論は無いんだが、Fクラスの皆さん方は顔をしかめていた。

 

 「じゃあさ、点数高い人からご褒美ってどうかな?」

 「純……のりのりだね」

 「それいい考えかも!」

 「ご褒美の内容は?」

 「秘密が面白いんじゃない?(もう決めてたりするけどね)」

 「じゃあ、頑張ろう!」

 結局、Fクラスの面々も純ちゃんに乗せられた感じで勉強を始める。

 

 





 愛子両親が登場です。
 書きやすい性格にしました。
 麻雀の件は……完全に自分の趣味です(笑)
 この頃してないなあ。中学時代あんなにしてたのに!
 あれ、おかしいですかね。

 お勉強会(お泊り会)ならではの独特な雰囲気。
 書くのは難しいです。
 
 愛子のちょっと暗めの過去が暴かれましたね。
 実は隠し設定として、愛子も聖クロニカ学園から転校してきた設定で(笑)
 
 さてさて、純が考えているご褒美の内容とは一体!?

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