青春と音楽と召喚獣   作:いくや

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 すいません……
 昨日、チャリがパンクするなどしてごたごたで、執筆できませんでした。


 けいおん!!12話の内容です!
 絵とか無いから、楽器を弾いているシーンとかは書きづらいですね。

 では、どうぞ!



 


#59 夏フェス!

 

 「みんな何とか集まったみたいだな」

 駅前に集合。今日は夏フェスの日。チケットを竜也が手配してくれた。やつの旧い音楽友人からとかで、一気に毎年15枚くらい来るそうだ。

 唯先輩とアキという遅刻常習犯が間に合ったから大丈夫だった。えっと、軽音部6人のほかには、竜也・アキ・雄二・康太・秀吉・憂ちゃん・愛子ちゃん・優子さん・純ちゃんである。ちょうど15人か?

 

 「こんなに大量にいいのか?」

 「いいんだよ。毎年余らせてるんだから今年が初めてだ。全部チケットをもれなく使えるのは」

 「へ~みんなありがたくいただこう」

 竜也がちょびっとだけえらそうに見えた。

 

 「バスが来たみたいだよ!」

 唯先輩が大声を上げていう。因みに現在時刻朝日が昇り始めた6時。駅前からシャトルバスが出ているのである。

 

 「酔った……」

 バスに乗って10数分後、唯先輩の口からこんな言葉が。本当に世話のかかる……ちゃんと隣の憂ちゃんがしっかりと介抱をやっている。因みに、憂ちゃんの隣に座れなかった竜也は秀吉の隣。オレと梓ちゃんはみんなの取り計らい(というか、ただネタが欲しいだけという気もするが)で、隣同士。他はどうなんだろう。

 

 「雄二暑苦しい」

 「コッチのセリフだ」

 アキと雄二が隣であった。その横には、愛子ちゃんと優子さんが隣同士である。

 

 「結局こうなるんだね」

 「………お互い余り物だからな」

 と、ふて腐れている?(嬉しさの照れ隠し?)純ちゃんと康太であった。

 

 「この子達見てて本当に楽しいわね」

 「ヒロや梓もいい友達持ってるな」

 「それに比べてウチのクラスの男子ったら、どうしてあんなに変なやつしかいないのかしら」

 「常村君と夏川君のこと?」

 「それもあるけど、主席もよっぽどの変人だな」

 3年生3人での話である。

 

 「楽しみだね~」 

 「ちゃんと日焼け止め塗った?」

 こちらはオレと梓ちゃんの会話。

 

 「塗ったよ~大変だもん」 

 「着いてからもう一回塗ったほうがいいかもね」

 「もちろんそのつもり」

 オレがココまで言うのも、梓ちゃんは日焼け止めなど関係なくすぐに日焼けするのだ。このような夏晴れの中、2日間もいたら確実に真っ黒になるに違いない。

 

 「何を聞く?」

 「梓ちゃんが決めていいよ。オレはあんまりバンド知らないんだ」

 音楽に興味を持ち始めたのが、軽音部の演奏を聞いてからだから、まだ1年と半年も経っていない。好きなバンドってのもまだ出来ていないのだ。せいぜい歌手どまり?

 

 「そっか。というか、これはみんな別行動になるのかな?」

 「15人もまとまって行動したら大変だよ……」

 「そうだよね」

 「多分、そこらへんは澪ちゃんやりっちゃんが考えているから」

 澪ちゃんはともかく、りっちゃんは意外とちゃんとしているから安心だ。

 

 

    ★

 

 「着いた!!」

 何時間バスに揺られただろうか。半分は寝ていた気がする。高速に乗るから余りにも景色が同じすぎてつまらなくなった。

 

 「ん~!! 山は気持ちいい!」

 「お姉ちゃん元気になったみたいだね」

 唯先輩の乗り物酔いは、乗り物に乗ってる間だけに限定されるようだ。地上に降りてきたらすぐに回復!

 

 「じゃあ、まずは入場して、寝る場所の確保からだな」

 この中では、ベテランの竜也がまず仕切る。ココにはホテルも旅館も無いから、テントで寝泊りだ。そのテント設営のための場所取りから勝負は始まっているといっても過言ではないらしい。

 

 「流石に平地はもう無いか。少々の坂はどうにかしてくれ」

 と、竜也が残念そうにテント設営に取り掛かる。みんなそれを参考に竜也を手伝う。

 

 「出来た~!!」

 そして出来たテントが3つ分。15÷3で、1つあたり5人か。

 

 「先にテント割り決めとこ。どうする?」

 竜也がみんなに聞くも、誰も口を開か ー 。

 

 「はいはいはい!!」

 唯先輩が口を出す。

 

 「あずにゃんとヒロ君だけ、別のテントを使ったほうがいいと思います!」

 「さんせ~い」

 「右に同じ」

 「同意する」

 あれ? 反対意見は無いのか?

 

 「ちょ、ちょっと待とうよ。残りの2つのテントに13人も入らないでしょ」

 「そうかな? じゃあ仕方ないか~」

 どれだけ考えなしに言ってるのだ……

 

 「どうやら、案が出ないようだからわたし達が決めよう!」

 「そうだな。そのほうが公平に出来るかもしれない!」

 と、澪ちゃんとりっちゃんがテント割りを考えてくれることになった。

 

 「これでどうだ?」

 と、簡単にメモ書きした紙にはこう書いてあった。

 

 1.軽音部

 2.吉井・坂本・工藤・木下姉弟

 3.土屋・本田・鈴木・憂

 

 「異議あり」

 「どうしたヒロ? 何か文句あるのか?」

 コレで無いのかよ。逆に。 

 

 「オレは肩身が狭くないか? 女子5人にオレって」

 「何か不都合な点が?」

 会話にならねえ。微妙に背後から感じる視線はまず置いておいて、この問題を解決しよう。

 

 「何故、6・5・4の人数に?」

 「成り行き」

 答えになってねえ!! テント全て一緒の大きさなのに何故!?

 しかもそうだったら、オレはただでさえ狭いテントの中で、女子5人と共に寝るのかよ!!

 

 「なあ先輩、他のメンバーの割り振りはどうやって?」

 雄二がりっちゃんに話しかける。もうオレの問題は終わったと言わんばかりだな。

 

 「わたしらなりに仲がよさそうな組み合わせにしたけど」

 正直、他のメンバーの決め方に関しては度肝を抜かれましたよ。よく見ていらっしゃる。オレも軽音部以外の9人を振り分けろって言われたらコレにしてるもん。

 

 「何で素直に男女で分けなかったんですか?」

 優子さんの声だ。正論を言うので、いろいろと会話が成り立ちやすい。

 

 「だって、せっかくの機会だからね。学校の行事ごとじゃ絶対男女バラバラでしょ」

 「律がコレばっかり言うからな……」

 澪ちゃんなら結構猛反対しそうな内容なのに、自分にはあんまり関係ないということか。オレは別にどうだっていいということなのか!?

 

 「ということで、異論はないね!?」

 「オレのはスルー!?」

 「だって、一緒に寝泊りしたことあるのにそんなに嫌がらなくても」

 「ま、待て!! それはそれで危ない発言だ!!」

 言わんこっちゃない。アキや康太などがものすごいオーラを出してるじゃないか。これにFFF団とかいてみろ。即座に異端審問会にかけられ、即刻私刑が言い渡されるところじゃないか。

 

 「何だ? それなら梓と2人きりがよかったか?」

 「そ、そういうわけじゃ ー 」

 「すまないな~そういった心遣いが出来なくて、悪ぃ。わたしたち4人は端で固まって寝るからそれで勘弁」

 そういうことを言ってるわけじゃない……

 

 「別にいいじゃんヒロ君。女子がいるからって何もしないでしょ」

 「それはそうかもしれないけどね。一応、念のためって言うのがあるでしょ」

 「大丈夫。それはないと信じているから」

 それはきついお言葉で。野性の心に火がつかないように理性をしっかりと保っておかなければな。

 

 「じゃ、決まったようだし、早速見に行こう!!」

 「わたしこのバンド聞きたかったんだ!!」

 「え~わたしはこっちだよ」

 「そうなるだろうから、各自別行動をとろう。数人のグループ作って」

 竜也えらいぞ。それがいい。音楽の趣味も人によって合う合わないがあるからな。

 

 

    ★

 

 「……………………梓ちゃん」

 「…………うん……」

 「結局、こうなっちゃったか」

 「…………うん……何で毎回こうなっちゃうんだろ~」

 オレに泣きながら聞かれても。梓ちゃんは見覚えのある日焼け姿になっていた。最初この姿を見たときは結構驚いたものだ。誰?って感じになるから。

 

 「お~梓、やっぱり今回もこんがり焼けたな~」

 「………はい……日焼け止め意味無かったです」 

 相当塗ってたはずなのにね。多分、肌がちょっと弱いんじゃないかな。

 

 「みんな疲れているようだな。これからが本番だというのに」

 そりゃ疲れるわ。朝から夜までずっと立ちっぱなしで、走り回って音楽聞いてたからな。

 

 「夜中だろうと夏フェスは1日中あってるからな」

 確かに、夜も7時を回っているというのに、あらゆるところから曲が聞こえてくる。

 近所迷惑じゃないのか。そっか。そのために人里離れた山奥でやってるのか。

 その後、各自で夜ご飯を食べることになった。

 

    ★

 

 「楽しかったね~」

 「ヒロ君」

 梓ちゃんが1人で丘の上から夜空を眺めていたため、話しかけることにした。

 

 「バンドってすごいね。何か言葉では上手く表現できないけど」

 「でしょ。人を惹きつける魅力って言うか」

 「そうそう」

 オレたちがこうやって話していると、

 

 「その点に関してはわたしたちも負けてないと思うよ!」 

 唯先輩の声が聞こえてきたために後ろを振り向くと、軽音部が勢ぞろいしていた。

 

 「唯のこの自信はどこから来るのかは知らないけど……まあそうだな」 

 「技術はともかくとして、音楽で人を楽しませるという点は負けてないと思う!」

 「今度はわたしたちが夏フェスに出る番だな!」

 「おおっ!」

 先輩方のこのやる気にオレたちも乗せられ、

 

 「そうですね!頑張りましょう!」

 「オレも負けてられない!」

 いっそう、軽音部の仲が深まった瞬間であった。

 

 「じゃ、2人はまだココでお話していなさい」

 「わたしたちはもうテントの中にいるから」

 と言って帰っていった。結局オレたちは2人残された形となったんだが、特に……ねえ。

 テントに戻ろうとしたら、

 

 「もう終わり? まだ見たかったのになあ」

 「話ないなら作れよ!」

 野次馬共が観察をしていたらしかった。しつこいな……いつか覚えていろよ。

 

 「まあまだ初心者だしね~」

 「仕方ないか~」

 うぜえ。何処から目線なんだお前たちは。人のこと気にせず、お前たちもそれぞれの仲を深めろよ。

 こうして、夜は更けていく……

 

 





 さわちゃん先生には今回学校待機という特別任務についてもらうことに(笑)
 この人数に入れたら、カオスになるからですね。

 ほんのりと、微妙に甘い話とやらを続けていきたいですね。

 もちろん、他のカップリングも成立させながら。
 
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