文化発表会終わりました。
それと同時に、部活動引退です。
もう終わりか……ちょっと涙出ましたね。
軽音部の最後の演奏の時には。
あのホールに立ちたかったな~
でも、期末テストも近づいてきているので、更新が毎日出来ないかもです。
するときはするけど……
よろしくお願いします。
海話。
では、どうぞ!!
「ね、姉さん。これ運転できるの?」
「免許を取っていますからね。大丈夫ですよ」
オレたち10数名は海に行くために、アキの家の前に来ていた。
そこで見かけたのは、マイクロバスである。どうやら、アキの姉の玲さんが運転手らしい。
「ちょっと姉さんの運転というのが怖いけど」
「ペーパーではありませんよ」
(そういう意味で言ってるわけではないんだけどね)
なるほど。少々運転が荒いということか。そこは覚悟しておこう。
「しかし、アキ君がいつもお世話になっています」
「「「「こちらこそ……」」」」
丁寧にお辞儀をされた。一緒に海に行く人がココまで多いとは思わなかったんだろう。
オレ・梓ちゃん・雄二・優子さん・秀吉・愛子ちゃん・竜也・憂ちゃん・康太・純ちゃん……多いな。
「でもヒロ~どうして先輩方呼ばなかったの? 面識ないわけじゃないんだからさ」
「ん? メールしたけど、夏期講習で来れないだとさ」
「それは残念」
「誘ってくれてありがとうとは言っていたぞ」
「そう?」
とっても行きたがっていた。しかし、高校3年生。夏期講習のほうが大事なのである。
「アキ君、みんなお揃いですか?」
「うん。ばっちり。用意もバッチリみたいだよ!」
オレたちの荷物を見てから言うアキ。確かに楽しみにしていたのは間違いない。
「では、行きましょうか。みなさん乗ってください」
「「「「お願いしま~す」」」」
1泊2日の海への旅行。出発!
★
「なあ明久、お前今から行く海に行ったことあるんだろ?」
雄二が15秒メシを食べ(飲み?)ながら言う。
「そうだな~あれは何処だっけ……?」
「覚えてないのか?」
「覚えてるんだけど。いつだっけ……?」
「それも覚えてないのか?」
「え~っと……」
「結局、何一つ覚えてないんだな」
「まあ、そのほうが僕も楽しみだね」
最初からそう言えよ。
「ん? 姉さん、この荷物の多さは何?」
「アッキー、女性はたくさん荷物があるものだよ」
「? そうなの?」
「うん」
それには賛同するが、この玲さんの荷物の量といったらどういうことだろう。
「アキ君は女の子にアッキーと呼ばれてるんですか?」
「……………………………………………………………………………………………え?」
「何でもありません」
(姉さん未だに不純異性交遊について何とか言うのか……どうにかしてヒロ)
(どうにもなるか。なるようになるさ)
(そんな~)
いざというときは助けるが、それまでは自力で切り抜けろよ。
「何か明久君のお姉さんってちょっと変わってるよね」
隣に座っている梓ちゃんが小声で話しかけてきた。
「ま、まあ確かに……アキはよく耐えていると思う」
オレだったら無理だ。
「去年は海って言ったら、ムギ先輩の別荘で合宿だったね」
「そうだね。あの時はまだみんなに楽器を練習しているって言ってなかったっけ」
「そうそう。びっくりしたよ楽器を密かに練習していたって聞いたときは」
「いいサプライズだったでしょ」
「ドッキリかと思った」
足手まといにならないレベルまで到達したときに言い出したんだよね。
「もうあれから1年も経つのか~」
「早いね。梓ちゃんは真っ黒になってびっくりした」
「む~どうして日焼け止め塗っているのに真っ黒になるんだろ」
「オレに聞かれても……何とも言えないじゃないか」
夏の暑い日差しのもとではすぐに真っ黒になるんだよね。日頃が結構白い方だからなおさら。
「憂~どうにかして~」
「へっ? わたし? 何が?」
「日焼けしない方法だよ~」
後ろに座っている憂ちゃんに対処法を求めるも、
「わたしだって教えて欲しいくらいだよ」
「憂のは日焼けって言わないじゃない!」
「そうでもないよ~あ、でも梓ちゃんには負けるね」
いい返答はなかった。
「そういえば憂、唯先輩大丈夫だったの?」
横にいた純ちゃんが、憂ちゃんに話しかける。確かにそれは思う。憂ちゃん離れが出来てないからな~というか、憂ちゃんも構いすぎて唯先輩離れ出来ていない?
「え~っとね……律さんや澪さんやムギさんが泊まりに来てくれるらしいから、憂は海で楽しんで来てって言われちゃった」
「ちょっと寂しい顔しない」
「もうお姉ちゃんも……」
何を言いたいかは察しはつくが……
「ワシはみなから置いてけぼりにされているような気がするんじゃが……」
「どうしたの秀吉?」
「何でもないのじゃ」
「そう?」
(付き合っているのはヒロと梓じゃろ。明久と工藤や竜也と平沢はもう周知の事実。ムッツリーニと鈴木も時間の問題じゃろう。雄二と姉上は分からぬが…お似合いと思うんじゃが。そう思うと、ワシは1人となるの。友達として楽しいのじゃが、そうなってくると1人ぼっちということになるの…………ワシも誰か探した方がよいのかの~告白してくるのが未だに男しかいないというのは腑に落ちぬが……)
秀吉は1人で悩んでいるらしいが、大丈夫なのだろうか。海で気分を晴らして欲しいものだ。
「秀吉、さっきからぶつぶついってうるさいわよ」
「何でもないのじゃ姉上」
「隣でうるさいから言ってるんじゃない」
「すまぬ。というか何故ワシの隣に座っておるのじゃ?」
「それってどういう意味かしら?」
「何故雄二の横に座らぬのか聞いておるのじゃ」
「っ…何で坂本君?」
「姉上は本当に……」
「何か言った?」
「何も言っておらぬ」
「い~や何か隠している。人に言えないこと?」
「ワシはいいが、姉上が言い辛いであろう」
「?意味が分からないけど、そこまで言うのならちょっとみんなから離れましょう」
「…………分かったのじゃ」
車が信号で止まると、マイクロバスの前の方に固まって座っていたのだが、大事な話があるとかで、優子さんと秀吉が最後尾に座った。何を話すんだろ……家であんまり話しないのかな。
★
「で、話ってなによ」
「姉上がこちらに連れてきたんじゃろ」
「さっき口ごもったでしょうが。包み隠さず喋りなさいよ」
「姉上が答えにくい質問じゃ。それでもいいのかの?」
「何よ。さっさといいなさいよ!」
ワシは仕方なく、姉上に言われるがまま思うとおりに言った。
「建前なぞいらぬ。ワシと姉上しか聞いておらぬ」
「だから早く言いなさい」
「姉上は実際のところ雄二をどう思っているのじゃ」
「っ!? 坂本君?」
「ほう。姉上が少しなりともワシの前で動揺を見せるとはのう」
「何をえらそうに!」
アイアンクローをされているのじゃが、怒っているというよりは照れ隠しでムキになっている感じじゃな。
「あやつ……雄二は。強いぞい。喧嘩という意味ではなくの」
「分かってるわよ。あそこまで精神的に傷つけられているのに立ち直っているもの」
「心の中では立ち直っていないのかも知れぬが、明久同様みんなにその面を見せてはおらぬな」
「暴走召喚獣のときや合宿のとき。坂本君の精神はボロボロだったでしょう」
「じゃが、期末テストの折、姉上は何をしたのじゃ」
「何って勉強を教えたでしょ」
「そうじゃな。雄二は前に進んでいる。姉上はその心のゆとりではないのかの?」
「はぁ? そんなたいそうなこと……」
「そう思うかの? 雄二は確実に姉上が側にいることで変わったと思うぞい」
ワシは昨年から一緒のクラスじゃから良く分かる。姉上は思案顔になり、再び言葉を発した。
「代表に傷つけられた精神をアタシが少しなりとも和らげようとしたのは事実だけど」
「けどじゃないじゃろう。十分に効果が出ているではないか」
「アタシが側にいることで?」
「うむ。明久と工藤を見るのじゃ。お互い心に影を持ちながらも何一つ周りに見せようとはしておらぬ」
「あの2人も強い。2人はお互いに心に抱えている影を光に変えてくれる存在なのね」
「その通りじゃ。姉上の心に抱えている影を雄二が光に変えてくれるかは分からぬが……」
確実に姉上は雄二の心の影を光に変えているのじゃ。なくてはならない存在となっておる。じゃが、雄二自身それを自覚しておらぬかも知れぬ。今はの。
「それに、姉上、雄二のことまんざらでもないじゃろう」
「なっ!?」
「ワシは他の誰よりも姉上のことを見ておるぞい。そのくらい分かるに決まっておろう」
そっぽを向いた姉上。照れているときの行動じゃな。
「未だに苗字同士でしか会話しておらぬ。この海できっかけをつかむがよい」
「うるさいわね! どうして秀吉はそこまで肩入れしているわけ!」
「お互いに幸せになって欲しいからじゃ」
「~っ!? 秀吉の口からそんな言葉が」
「悪いかの。雄二にも話をするつもりじゃ」
「えっ!?」
いい加減、お互い素直になるのじゃ。ワシがせぬとダメみたいじゃからのう。
「話はしまいじゃ。みなのもとへ戻るぞい」
「………………」
「お~い姉上~」
「……はっ! 分かった。元の席に戻るのね」
ふむ。心ここにあらずじゃったな。楽しむために誘ってもらった海じゃが、利用させてもらうぞい。2人のために。ワシはその後じゃ。
★
「あ、戻ってきた~秀吉!」
「ちょいと長話になってしもうたの」
「どんな話していたの?」
「姉弟話じゃ」
「かわいそうに秀吉。心中お察しいたします」
「何を考えておるかは知らぬが、思っていることと違うからの! 普通に姉上と話しをしただけじゃ」
「こぶしを使って?」
「お主はどういった環境なのじゃ……」
横で聞いていたが、結構バカらしい会話だった。
「どれだけ明久君、お姉ちゃんからすごい扱い受けているんだろう」
「これはすごいな。力関係がすぐに分かる」
それはそれでいいんだが、わざわざこんなときに話す姉弟の話って何やってたんだろう……
「そろそろ着きますよ~」
「おっ! 海が見える!!」
「綺麗~!!」
「人多いね~」
バスに揺られること数時間。ようやく海に着いたらしかった。さあ楽しむぞ~(夏嫌いだけど)
秀吉が暗躍します。
未だにカップリング未定。
その間は全力で他の方々のサポートに入ってもらいますよ。
一番ネックなこの2人を秀吉はどうするのだろうか!
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