青春と音楽と召喚獣   作:いくや

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 65話目にして、総合評価、5000pt超え!
 みなさん、ご愛読ありがとうございます。

 今後ともよろしくお願いしますね♪

 少々長め。
 そして甘め。
 最後はバカテスらしく。

 では、どうぞ!



#65 王様ゲーム!

 

 「さっきから何やってるの?」

 「………今日のイベント確認」

 「あ~人が多いからね」

 「………む。コレは」

 逃すわけにはいかない、最高のイベントではないか。後で玲さんに話を通しておくとしよう。

 

 「そろそろ合流する?」

 「………もう堪能したのか?」

 「ある程度はね。人が多すぎて疲れてきた」

 「………そうか」

 もうちょっと回るのかとも思ったが、純がそれでいいと言うのなら別に回る必要性もない。というわけで、明久たちと合流することにした。

 

 「愛子ちゃん、玲さんがずっと一緒にいるからちょっと居心地悪そうだね」

 「………仕方あるまい。明久とセットなんだから」

 「かわいそうに」

 「………ん? 何で秀吉もいるのだろう」

 4人で集まっていたので、俺たちはそこに合流する。

 

 「あら、もう2人ともよろしいのですか?」

 「もう十分です」

 「………秀吉はどうして?」

 「雄二と姉上を2人にさせるためじゃ」

 「………なるほど」

 秀吉もよく考えるものだ。なかなかあの2人は2人きりにならないからな。

 

 「………玲さん、今夜のイベントの件ですが」

 「はい。どうかしましたか?」

 「………是非とも見に行きたいのですが」

 「もとよりそのつもりですよ」

 「………本当ですか」

 「それに、そのために浴衣を全員分用意したのですから」

 この人は、連れてきた女子を全員参加させる気だったのか。それならそれで美味しい。だが、さっき背中に走った妙な悪寒は一体?

 

 「へ~そんなイベントがあるんだ。楽しみだな」

 「ええ。私も楽しみです」

 あまり深くは考えないようにしよう。

 

 

    ★

 

 

 「さて、そろそろ集合時間だな」

 「あれじゃない?」

 「ホントだ。もうみんな揃っているみたいじゃん」

 「急がないと」

 その集団もオレたちの姿を捉えているらしく、慌てる要素はなかった。

 

 「全員揃いましたね」

 「うん」

 「では、いったん車に戻りましょうか」

 「どうして?」

 「今日のイベントのためです」

 イベントがあるのは間違いじゃなかったのか。何のイベントなんだろうな。

 

 「ここからならそこまで離れてませんし」

 「それもそうだね」

 若干の不安を抱えながら、玲さんの言うとおりにする。

 

 「あ、あのさ姉さん。今日のイベントと何か関係が?」

 車に戻ってきたときに明久がオレたちの疑問を代表して投げかけた。

 

 「ええ。もちろん。今日は浴衣コンテストがあるそうですから」

 「それならばみんな着ているじゃない」

 「っていうか、アタシたちの意見なく出場するのは決定なの!?」

 「ええ。みなさんかわいいですからご心配なく」

 「そういう問題じゃなくて!!」

 優子さんの言うとおりだと思う。隣で梓ちゃんも思いっきり肯定しているし。

 

 「そうですね。女の子だけを出場させるわけには行きませんものね」

 

  ……………………は?

 

 「ですから、祭りに来る前から言ってたじゃないですか。浴衣は全員分(、、、)持ってきているって」

 「ね、姉さん話が読めないんですけど」

 「アキ君はやっぱりバカですね」

 「多分、それは姉さんの方だと思う」

 「アキ君のために説明しましょう。今からここにいる全員で浴衣コンテストに出ます」

 「「「「はあっ!?」」」」

 

 何を言ってるんだこの人は!! 隣で康太が、「先ほど走った悪寒の正体はこれか…」などとつぶやいてるが。

 

 「ちょっちょっと待ってください。今日って女装コンテストじゃないでしょう」

 「大丈夫ですよ。みなさんなら」

 「何が大丈夫なのかはさっぱりだ!!」

 「ですが、女子の皆様方は案外乗り気みたいですよ」

 「「「「はあっ!? そんなわけがあ ー 」」」」

 

 オレたちは一様に後ろを振り返ってみると、目を輝かせている女子が。おかしい。何でだろう。

 

 (ふふふ……これはいいものが見れそうだわ。雄二が攻めとなると ー )

 (アッキーの女装姿可愛いだろうな~)

 (竜也君の女装姿似合うんじゃないかな)

 (滅多にこういう機会ないから、見てみたい気も……)

 (確実に康太は合うよね~)

 

 「お、おい……」

 「そろそろ諦めるのじゃ皆」

 「秀吉、お前までそちらの味方か!!」

 「一度くらい女装する気持ちを味わうのも悪くないぞい」

 「そうかもね…姉さんにいつもさせられるこの気持ち、みんなも道連れだ!」

 「「「俺たち何も悪いことしてないぞ!! 何の罰ゲームだ!!」」」

 

 もはや反対派は雄二と竜也とオレしかいなくなった今、断固として認めてはならない。秀吉、本当にすいません。反省します。だからといってオレたちを女装に巻き込むな! で、アキ。お前のは完全に私利私欲じゃんか。

それと康太! お前はカメラを準備して何をする気だ。自分も女装するのだぞ!?

 

 「あ、あら……雨ですか?」

 オレたちの強い願望が天に叶ったのか、天の恵みが降ってきた。

 

 「しかも結構強くなってきますよ!!」

 「まずは車に入りましょう」

 「はい」

 「コッチに来てよかったな」

 ひとまず、雨宿りをする。というかオレら3人は『ひとまず』などという気持ちは毛頭ない。さっさと雨天中止になれとしか思っていない。早く帰ろうと。

 

 「何とか雨がやんで欲しいものですね」

 「そうじゃないとみんなのいい姿が見られない」

 「………シャッターチャンスが」

 「運営部。頼むぞ」

 「マジで。即刻雨天中止の令を出すのだ」

 「何がそんなに嫌なの?」

 逆に、普通の男子高校生で女装するのが嫌じゃないヤツに何で嫌じゃないのか聞きたいものだ。

 

 「何が悲しくて女装だ」

 「罰ゲームもいいところだ」

 「そうだそうだ」

 オレらが断固として自分の意見を曲げなかったのが、よかったのか。

 

  『本日開催予定の浴衣コンテストは雨のため中止といたします ー 』

 

 「「「キタ~!!!」」」

 アナウンス最高! ここまでホッとしたこともないぞ。

 

 「残念です」

 「見たかったのにな~」

 「何故だ!?」

 「って、憂ちゃんも梓ちゃんもなの?」

 「せっかくの機会だし」

 「見てみるのも悪くないかな~なんて」

 こういう機会は人生二度と訪れなくていいと思います。

 

 「本当に残念ですが……旅館に戻りましょう」

 若干この方の感性は狂ってるなと思いながら、車に揺られ旅館についた。

 

    ★

 

 「時間が余りましたね……何をしましょう」

 「そうだな……」

 「みなさんで何か遊んでてください。私はその間にちょっとしたいことがありますので」

 「姉さん?」

 「では、ごゆっくり」

 といって、玲さんは退出なさった。オレたちは11人部屋に取り残された。

 

 「何しようか?」

 「アッキーこういうときの定番って!」

 「肝試し?」

 「違う違う。雨の日じゃ出来ないって」

 「バーベキュー?」

 「わざと言ってる?」 

 「冗談だよ。で、何をするの?」

 「王様ゲームだよ!」

 場が途端に静まりかえった。王様ゲーム……ねえ。やったことないけど結構悲惨なんでしょ。

 

 「反対の人~!! 反対の人は代替案つきで」

 ………突然言われても代替案までは思いつかないぞ。

 

 「じゃ決定!」

 愛子ちゃんの思惑通りか。まあ、悲惨なことにならないように願っておくとしよう。

 

 

    ★

 

 「王様ゲーム!!」

 「「イエーイ!!」」

 「ルールはいたって普通。分かってると思うけど、王様の命令は ー 」

 「「「絶対!!」」」

 愛子ちゃんちょっと怖いよ。何が目的なんだ?

 

 「じゃあ早速……せーの」

 「「「王様だーれだ」」」

 ………オレじゃない!

 

 「え? 僕?」

 「アッキーか~!」

 アキなら特に困った命令はしないだろう。

 

 「1~10まであるんだよね」

 「そうだよ」

 「ひとまず、8番の人がジュース買ってきて」

 「へ?」

 「アッキーそれはあまりに簡単すぎる命令じゃ……」

 「早速買ってくるのじゃ」

 秀吉か。第一号の犠牲者とまでは言えない簡単な命令だった。みんながこの調子だといいんだけどな。

 

 「アッキー知らないよ~後でそんな簡単な命令じゃないのにすればよかったとか言っても」

 「愛子ちゃんはどんなのをする気!?」

 「例えば ー いや、ここでいうと面白くないな。そのときのお楽しみ♪」

 「ええっ!?」

 おそらく、座のほとんどの人が、愛子ちゃんにだけは王様になってほしくないと思ったことであろう。

 

 「明久、買ってきたぞい」

 「はやっ!」

 「部屋を出て10秒もしないところに自販機があったからのう」

 こんな感じで王様ゲームが終わるといいんだけど。

 

 「じゃ、次やろっ! せーの」

 「王様だーれだ」

 「わたしか」 

 「純ちゃんか~!!」

 意外性抜群。何を言うか分からないこの緊張感。

 

 「2番と6番はキスしちゃおっ!」

 「いいよ純ちゃん! そういう命令!」

 

 …………………………誰だ?

 

 「わ、わたし……?」

 「憂ちゃんなのっ!」

 「竜也と憂じゃな」

 「2人とも早く早く!」

 「憂ちゃん……」

 「竜也君仕方ないよ」

 この2人は思い切りがよく、すぐにキスをした。マウストゥーマウスで。すげえ。

 

 「いいよっ2人とも」

 「最高じゃん!」

 「………カメラ撮れないのが残念」

 初めに、康太のカメラ撮影は禁じていたからこれはよかった。

 

 「恥ずかしい///」

 「う、うん///」

 「じゃあ、次、行きますか!」

 「王様だーれだ」

 「わたしだ」

 憂ちゃんか。普通だったら軽めの命令になりそうなんだけど、さっきの自分の件があるからな。

 

 「じゃあ、4番と5番がハグを」

 「ほどよい命令だね!」

 刺激的でもなく、つまらなくもない。バランスのとれたものだ。

 

 「俺か……」

 「ほれ姉上。すぐに分かるんじゃぞ」

 「ゆ、優子!?」

 「し、しかたないでしょ! ひいてしまったんだから! 早く終わらせましょ雄二」

 「あ、ああ」

 その言葉どおり、2人は抱きあってすぐに終わった。ただ、1つ心残りが。

 

 「2人ともいいですな~」

 「ホントに~」 

 「「いつの間にか名前で呼び合っちゃって」

 愛子ちゃんと純ちゃんが2人を茶化す。確かにいつの間にだろう。さっきの自由行動の時間か。秀吉もよくやったものだ。

 

 「も、もう!! そんなことはいいから次やるわよ!」

 「王様だーれだ」

 「ワシじゃな」

 微妙だ。どっちに転ぶか。

 

 「簡単なのがよかろう。1番が3番で膝枕をするでどうじゃ?」

 「膝枕!?」

 「アッキーなの?」

 「え。うん」

 「よかった♪」

 アキの膝枕で愛子ちゃんが横になる。随分と幸せそうだ。

 

 「愛子~そろそろいいじゃないかしら?」

 「え、そう?」

 「せーの!」

 「王様だーれだ」

 「俺か。やっとだな」

 雄二きた。女子の前だから比較的簡単にしてくれるかも。

 

 「じゃあ、1番と10番がだな」

 雄二がためると、つばを飲み込む音がした。緊張してる。

 

 「撮影会といきますか」

 「………もちろん俺がカメラマン」

 「って、康太何番!?」

 「………1」

 「って、わたしだけが被写体なの!?」

 「いいな~純(棒読み)」

 「うらやましい~(棒読み)」

 「代われるなら代わってあげたいわ!」

 「結構。今までの恨みじゃないの?」

 「く~……恥ずかしい」

 「じゃあ、康太好きにしていいぞ」

 「………了解!!」

 えらく乗り気だ。ようやく自分の腕前を披露できることにか? 純ちゃんを撮ることにか?

 

 5分くらいのミニ撮影会だったが、純ちゃんが徐々に顔を赤らめて「勘弁して!」と言うので雄二が康太を止めさせた。いいカメラマンになるぞ。

 

 「やろっか!」 

 「せーの!」

 「王様だーれだ!」

 「ボクだね! やっときたよ」

 愛子ちゃんが名乗りを上げた瞬間、全員の首筋に冷や汗が……

 

 「せっかくだし、スペシャルバージョンで」

 「ほどほどにね愛子」

 「ふふふ……1番と5番はキス!」

 

 ……………………………………?

 

 「で、1番と5番は?」

 「表情で誰か分かるんだよ2人とも」

 そんなに苦悶の表情を浮かべているのだろうかオレは。この5番を持った手が震えたりしているのだろうか。

 

 「ほ~ら梓、ヒロ君とチューだよ」

 「「ええっ!? 何でオレ(わたし)が5(1)番だって分かったの!?」」

 「息ピッタリだな……」

 「みんな表情見て分かったと思うよ。そんなことはいいから早く!」

 こいつらの目の前で恥ずかしいことしないといけないの多すぎだろ!

 

 「ほらほら~ヒロ君からするの? 梓からするの?」

 「あ、愛子ちゃんもちろん、ディープだよね」

 「それいいね! せっかくだからそうしよう!」

 「「純(ちゃん)!! 何てことを言う!!」」

 「あはは!! 息ピッタリで面白い!」

 これが愛子ちゃんがしたかった命令か……なんと刺激の強い。

 

 「ひ、ヒロ君……」

 「ごめん」

 「謝らなくても」

 いろいろとごめん。何かファーストがみんなの前とか。

 

 「早くやりなよ」

 意を決して、オレは梓ちゃんの唇の側に顔を近づけた。梓ちゃんは目をつぶって待っている。

 

 「っ! やっぱディープなんて無理!!」

 軽くキスをしただけで、顔を離してしまった。

 

 「な~に言ってるのかなヒロ君。王様の命令は絶対だぞ」

 「さっきの恨み晴らす!」

 純ちゃん。何かそれはおかしい。

 

 「っ……」

 もう観念したかのように梓ちゃんはそのままで待っていた。少しくらい抵抗していいんだよ。本当に。さっきのがファーストなんだよな~オレは。梓ちゃんは知らないけど。まあ、理屈をこねるなら、今回はセカンドだよね。ディープがファーストじゃないよね。うん。誰に弁護してるんだが……

 

 心の中で梓ちゃんに謝りつつ、唇を重ねる。何秒すればいいかってのは、愛子ちゃんの気が済むまでらしい。

 

 「2人ともよく出来ました~!!」

 今、何秒経った? 長いよね愛子ちゃん。

 

 「よかったね梓ちゃん」

 「う、憂……憂までそっちの味方?」

 「ううん。今回のが初めてだったんでしょ。ヒロ君に2回もしてもらえてよかったじゃない」

 「な、なっ! 何を///」

 めっちゃ恥ずかしい!! あ~恥ずかしくて死にそう!!

 

 「2人とも熱いな」

 「うらやましいよ」

 う~この~人の気も知らないで。オレがリベンジを誓ったときに、ノックの音が聞こえ、人が入ってきた。

 

 「みなさ~ん」

 「姉さん。どうしたの?」

 「食べ物を持ってきました」

 「「「おおっ!!」」」 

 「早速食べよう!」

 リベンジは果たせぬまま、王様ゲームは自然消滅したらしい。もう王様ゲームはこりごりだ……

 

 「いっただっきま~す」

 「ところで、姉さん、こんなのどこに?」

 「今、作ってきました」

 あれ……意識が遠のく。この感じは…………

 最後に聞こえてきたのは、アキの「しまった。姉さんの手作り料理か!」という声だった。

 

 

    ★

 

 玲さんが、食べ物を持ってきてくれたのはいいんだけど、真っ先に食べた男子はことごとく倒れていった。

 

 「ひ、秀吉……」

 「何じゃ明久」

 「ね、姉さんを部屋から出して」

 「分かったのじゃ」 

 明久君はそれっきり畳に突っ伏した。ヒロ君や坂本君、竜也君や土屋君も同様に。

 

 「あ、玲さん」

 「どうしました?」

 「少々、台所を拝見したいのですが」

 「構いませんよ。こちらです」

 明久君の遺言どおり、秀吉君が姉さんを外に出した。

 

 「みなのもの。頼んだ。これはおそらく、あの姫路のときと同じじゃ」

 去り際に秀吉君がこう残して出て行った。あの弁当のときと一緒か……経験者は見ただけで分かるんだね。偶然秀吉君だけまだ食べてなかったんだ。こうしてる場合じゃない。助けないと。

 

 「ど、どうしよう!」

 「緑茶を飲ませよう! それしか思いつかない!」

 「ど、どうやって!?」

 「ううっ! 今度は王様ゲームとかじゃなくて、実際に口移しでお茶をあげないとやばいかも!!」

 「「「ええっ!!!」」」

 愛子ちゃん本当に?

 

 「早くしないと!!」

 「う、うん。分かった」

 決断したときの憂の速さはうらやましい。憂もこれが初めてだろうに。純も嫌々ながらすぐにしていた。わたしも急いでしないと。まさか初めての日に1日3回もキスをするなんて思ってもなかったな。

 

 「あ、アタシが雄二とき、キス!?」

 「いいから優子! 早くしないと大変なことに!」

 「わ、分かってるわよ!! これは仕方なくするんだからね」

 優子ちゃんも決心して、口移しを始めた。

 

   ★

 

 「ん?」

 「「「「「あ、助かったみたいだ!!」」」」」

 オレたちはどうやら寝ていたというよりは、意識を失っていたようだ。ああ、玲さんの持ってきた食べ物を食べてからだな。同時に5人目を覚ましたらしく、周りを見てもそんな感じの顔をしていた。

 すぐに、女子のみんながオレたちから目をそらし背中を向いた。愛子ちゃんだけがそのままでこういった。

 

 「みんな感謝しないとダメだよ。助けるために口移しで緑茶をあげたんだからね」

 『『『『なっ!?///』』』』

 「ふふふ~」

 

 「あ、梓ちゃん///」

 「た、助かってよかったよ本当に」  

 「ありがとう。洒落にならなかったよ……」

 

 「ゆ、優子?」

 「助けてあげたんだから、か感謝くらいしなさい!」

 「お、おう……ありがとな。でも、口移しって悪かったな」

 「そそそそれはいいの!! まずは命が助かるのが先!」

 「優子初めてだもんね~」

 「余計な事言わなくていいの愛子!!」

 「そ、そうか……すまなかったな俺なんかで。俺も初めてだったが」

 「っ! も、もうそれはいいから!!」

 

 「………ありがとう」

 「恥ずかしかったんだからね!」

 「………ああ。俺意識がなかったから逆に良かったかも」

 「まあ助かってよかったわ」

 

 「憂ちゃんありがとう」

 「よかったよ本当に~突然倒れるんだもん」

 「あの食べ物は本当に……」

 「みんな倒れたからね」

 

 「愛子ちゃんありがと……でも口移し!?」

 「ね、姉さんがいなかったから出来たんだけどね」

 「そりゃもちろんだよ。あ、みんな姉さんが迷惑掛けてごめんね」

 みんな、ちょっと口ごもる。本当に迷惑がかかったからだ。

 

 「姉さん、料理のセンスが全くないんだ……姫路さん並み」

 「それはひどい」

 何かと思い出に残る、海だった。

 梓ちゃんの唇やわ ー ああっ!! 何でもない何でもない。

 





 みなさん、心配だった「女装コンテスト」
 あったけど、雨天中止。ラッキーでしたか?

 王様ゲームに関しては、女装コンテストが早く終わりすぎたため急遽付け加えました。
 そしたら、結構長くなりました(苦笑)

 玲さんといったら、姫路並みの殺人料理ですからね。
 今後、どういった影響を与えるのでしょう。

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