作者の手がけた最初の小説
「バカとオレと彼女たち」を見てくださったことのある方は、
少々懐かしい感じがするかもしれません。
でも、話はちゃんと変えてます。
では、どうぞ!!
「梓ちゃん・憂ちゃん・優子さん・愛子ちゃん・純ちゃんがさらわれた」
という報を聞いたオレたちは、目撃者である霧島代表と秀吉に話を聞いていた。
霧島がトイレから出たときに、出口で待ち伏せていたと思われる男が5人をさらっていったそうだ。
そのシーンをたまたま通りがかった秀吉も見ていたらしい。
「坂本~アンタに手紙よ。誰か知らない男から渡されたけど」
と、島田姫路がそう言いながら教室に入ってきた。雄二は急いでその手紙を確認する。
『大人しくしてないと5人がどうなってもしらない。召喚大会で負けろ』
「くそっ! やつら俺たちに直接攻撃が無理と見るやあいつらに手を……」
「非道だね。どうする雄二」
「せめて行き先さえ分かれば」
「ちょ、何の話よ」
「いや、なんでもない。お前ら行くぞ!」
雄二はこの話を広めたくないという意志で、教室を出るがこのままでは気になって島田たちもついてくるだろう。
「島田・姫路はこのままココにいてくれ。店を閉めるわけにもいくまい」
「後、霧島代表、Aクラスには戻らないでFクラスで待機していて、秀吉留守番頼む!」
「任せておくのじゃ。頼りにしておるからの」
「ああ。霧島も絶対に動くな」
「………私のせいで……」
「秀吉、目を離すな」
オレたちはソッコーで教室を飛び出し、廊下に出た。
「携帯で連絡とってみる?」
「いや、拘束されているとしたら、無駄にやつらを警戒させるだけだ」
「………携帯電話のGPS機能を使えば何処にいるか分かる」
「そうか。早速確認してくれ」
「………了解。まずはコッチに来い」
こういうときの康太は非常に頼りになる。康太は早速調べ始めた。
「………ココは!?」
「何だどうした?」
「………場所を見てみろ」
「ちきしょう。そこは盲点ってか。なめやがって」
康太が純ちゃんの持っている携帯のGPS機能で場所を確認したところ、校内に居ることが分かった。
「体育館だね」
「野郎……傷一つでも負わせてたら承知しねえぞ」
「………同じく」
「悪鬼羅刹とまた言われる日々も近いかもな」
「行くぞ」
体育館は何もイベントがあっておらず、灯台下暗しである。だが、やつらの失敗は携帯にはGPS機能があることを忘れている。それさえなければ、分からなかっただろうが。
「どうしたお前ら、様子が変だぞ」
と、前方から歩いてくる西村先生に気づかなかった。
「説明は後だ。せっかくだからついてきてもらおう」
「どういうことだ?」
「説明は後と言った」
雄二は西村先生にそう言うと、すたすた歩いていく。
★
「おめえらうるせえんだよ!」
「お前らには人質になってもらうんだ」
「坂本やら吉井やら七島やらが俺たちの邪魔をするからな!」
トイレから出てきたら突然、見知らぬ男達に誘拐されてしまった。わたしは一生懸命拘束を解こうとするが、全然その気配は無い。わたしたち5人は同じところに固められ、座らされている。
このままじゃ…………明日のLIVEが……助けに来てくれるよねヒロ君!?
他の4人だってみんなそう思っているよ。雄二君・明久君・竜也君・康太君………気づいてくれるよね。
まだ気づいている様子は無いよ。みんな携帯持ってるはずなのに誰の携帯も鳴らないんだもん。どこかに寄り道しているとか思われているのかな……
『『『『『死ねえええええええええええ!!!!!!!!!』』』』』
突然、わたしたちが閉じ込められている体育館に怒号と共に足音が聞こえてきた。
ヒロ君たちだ! 気づいていたんだね!!
「くっ……」
「お、お前ら人質がどうなってもいいのか!」
『『『『『その前にそんなことしたおめえらが許せねえよ!!!』』』』』
「脅しがきかない、だと?」
「やばい、攻撃に備えろ!」
「敵は悪鬼羅刹率いる5人だ注意しろ!」
「数で押せ数で!」
圧倒的に不利だよ……ヒロ君たち……この人たち強いよ。どうしてもっと助けを呼ばなかったの。
ヒロ君たちは、なぐりかかるそぶりだけ見せて、何もせず横を通り過ぎていく。攻撃と思っていた前衛陣は、守備に熱が入りすぎて真横を通り抜けるヒロ君たちに何も出来なかった。
『『『『『おおおおおおおおおおおおりゃああああああ!!!!!!』』』』』
この5人の怒号と共に、わたしたちのまわりで脅していた誘拐犯のうめき声があがった。前衛など気にせずに真っ先にこいつらを倒してくれたんだね。
「大丈夫か!」
「無事!?」
「しっかりしてね」
次々と掛けられる言葉にわたしたちが涙が……でも、敵はまだそれだけじゃ……って気づいているんだね。後ろからの攻撃にもちゃんと見切って反撃しているよ。
「ちっこんなときに電話 ー って、秀吉か!」
ヒロ君が突然携帯を取り出し、電話をとる。
「どうした!? うん、え、マジか!? 鉄人が先生率いて体育館に来てくれるのか!」
『なんだって!?』
『おい、鉄人はやばいぞ』
『ここは仕方ねえ』
『引き上げるぞ!』
全員一発ずつ打撃を食らって倒れていたところに精神的にダメージが。すぐに体育館から出て行った。
『お前らいい度胸だな。覚悟しているな!』
『『『『鉄人!?』』』』
『『『『ぎゃあああああああ!!!!!』』』』
出口のほうから、悲鳴が聞こえてきた。
「これでよし……」
「それよりみんなを助けないと」
「おう、そうだな」
「もう大丈夫だよ」
と、1人1人拘束を解いてくれる。
★
「もう大丈夫だからね」
たかだか2発でやつらを追い払った後、梓ちゃんたちの拘束具を解く。
「ふえぇん……遅いよヒロ君!!」
「ゴメンゴメン。もう大丈夫だからね」
梓ちゃんがこんなに泣くのも見たことが無い。誘拐だもんなあ。
「アッキー! よかった来てくれて~来てくれるって信じていたよ!」
「う、うん。無事でなによりだよ」
愛子ちゃんは涙を押し殺して明るく振舞い、
「遅かったじゃない」
「ああすまない。だがこれで精一杯だ」
「よく助けに来てくれたわね」
優子さんは涙どころか、嬉しさすら押し殺していた。強いなあ……
「康太がここの場所見つけたんでしょ」
「………お前の携帯のGPSでな」
「そうしてくれるって思ってたよ」
純ちゃんは全面的に康太のことを信用していた。
「怖かった~」
「もう大丈夫だよ憂ちゃん」
「ありがと竜也君」
竜也は、泣きそうな憂ちゃんを抱きしめていた。
「あんな嘘よく信じたな」
「鉄人様様だな」
「やつらもまさか出たところに鉄人が待っているとは思わないだろうからな」
西村先生には体育館の外で待ってもらい、逃げてくる男共を捕まえてくれるように頼んでおいた。ちゃんと、突入する前にあらかた伝えておいたので、後でやつらはこっぴどく鉄人にやられるだろう。
「みんなもう大丈夫?」
「歩ける?」
「大丈夫よ。そんなにヤワじゃないわ」
「そうだよ♪ どうなるかと思ったけど、必ず助けは来るって思ってたからね」
と言う割に、涙を流していたのは気のせいだっただろうか。
「教室戻る前に、ババアの元へ行くぞ」
「そうだね。一言伝えておかないと気がすまない」
どうしてババアの元なのかはさっぱりだが、雄二たちが行くんだ。オレたちも全員行くさ。
★
「なんだい、そんなぞろぞろ連れてきて」
学園長室に入るなり、中からこんな声が聞こえてきた。
「一言言いたい」
「その人数必要なのかい?」
「当たり前です。彼女らは被害者ですよ」
「被害者?」
「誘拐未遂 ー いや、誘拐されてたんだ。たった今助け出してきた」
「そんなことまでやってきたかい……そりゃあすまなかったね」
ババアが謝るのは何故だ? 治安の悪さか?
「お前らには話してなかったな。今回、バックでいろいろと動いていたんだ」
「というと、あの営業妨害もその一種?」
「そういうこと」
「アタシから説明するさね」
学園の長としての責任があるのか、語りだした。要約すると、
・今回の召喚戦争での優勝商品のオリジナル腕輪に欠陥が見つかった。
・それを回収するために雄二とアキのペアに優勝してもらうように頼んだ。
・どうやらそれを阻止=不祥事を公にして、学園の評判を下げるようにした黒幕が居た。
「だから、召喚戦争で負けろとか言ってたわけか」
「それにしてもひどいことする」
「学園長の座を狙っている内部の人間だな」
「実行犯は3年生みたいだったけど」
そう、オレらは上靴の色で学年が違う。さっきの誘拐犯は青だったから一個上だ。
「おそらく、大学にコネを使って入れてやるから協力しろと頼んだとふんでるさね」
「ったく……どうにかしてくれよな」
「ますます、あんたらには召喚戦争で勝ってもらわないといけないさね」
「決勝の相手は常夏か」
「確実に負けられないね」
どうやら負けたらこの学園長はおしまいらしい。自分の進路のためにこいつらは犯罪を犯すんだからな。おそろしいマナーの悪さだ。
「本当にあんたらには怖い思いをさせたね。でも、このジャリ共が守ってくれるさね。坂本・吉井、明日は頼んだよ」
感謝しているのかしていないのかわからないな。
「まさか裏でそんな大きなことが動いているとわね……」
「このことを教えてくれなかったのはちょっと残念だな」
「すまないな。ババアに誰にも話すなと念を押されてたもんでな。どこで相手に漏れるか分からないから」
「そうだけどね……」
「まあ、まずはFクラスに来い。竜也、ゴマ団子作ってくれるな」
「もちろんだ」
「御代はいらねえ。ゆっくり休んでいくがいい」
「意外と優しいのね」
「1人分だけだからな。おかわりは自費だ」
あ、照れ隠しした雄二。優子さんに相変わらず本心伝えれて無いんだな~
「おかえりなのじゃ。無事みたいじゃな」
「………よかった~本当に良かった。雄二ありがと」
「お、え、あ、おう………」
「………あ、ごめんね雄二。すぐに離れるから」
霧島はうん。よくやってるよ。それを見習って欲しいものだ、姫路と島田。
「ここでゆっくりしていけ」
雄二はそれだけ言うと、Fクラスの連中連れて仕事に戻っていった。オレらはその後、ゴマ団子をおいしくいただき、各クラスに戻っていった。
書いてて自分でも懐かしく感じました。
体育館で誘拐犯と格闘だなんて。
確か、あれは主人公がぶちのめすのに疲れ果てて気絶するんだったような……
今回はそれとかぶらないようにするのが難しかったです。
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