青春と音楽と召喚獣   作:いくや

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 全然2話で終わりそうな気配ないです(笑)

 予想、後2話くらい?

 予定は未定!

 では、どうぞ!!




#78 下手!

 

 

 「いつだったかな……先輩達が修学旅行に行ってたときに、バッティングセンターに行った以来かな」

 「あのときのリベンジする?」

 「いや……遠慮しておくよ。わたしはヒロ君の見るだけでいいよ」

 「そう?」

 あのときは憂ちゃんのあまりの学習能力の高さに、驚愕してたんだっけ。

 

 「でも、オレも別に打たなくていいよ。梓ちゃんが打たないならさ」

 「見ているから1回打ってよ」

 「あはは………下手でも勘弁してね」

 「わたしより上手いから大丈夫!」

 野球も現役から離れて2年以上経つからな~スイングスピードとか動体視力とか完全に鈍っているよ。

 

 「じゃあ、コレで」

 120kmを選び、早速ゲージ内に入る。軽いほうのバットを選び、数回素振りをする。

 

 「やっぱり、経験者は綺麗だね」

 「そうかな?」

 比較的オレは雑で有名なスイングだったが。

 

 「よし。やるか」

 スタートボタンを押し、画面でピッチャーが投げるのにあわせて球が出てくる。

 

 

 

 

 

 

 

 「ちぇっ……ホームランでなかったか」

 「憂はすごいね」

 「何か実力以外に持ってるものがあると思う」

 「そうだと思う」

 教えてもらって一発目でホームラン……現役の人でもなかなか当たらないよ。

 

 

 

 

 

 

 

 「次何処行く?」

 「ボーリング?」 

 「分かったいこう!」

 「こう見えて、得意なんだよ」

 「そうなんだ。オレはあんまり行ったこと無いから分からないな~」

 小学生のときに行ったかな~ってくらい。腕が痛くなるからね、野球している間は絶対行かなかったんだよ。

 

 

 「わたしが先?」

 「うん。実力見せてよ」

 「しょうがないな~」

 と一投目からストライクを決める梓ちゃん。

 

 「すごい。言うだけはあるね」

 「当然だよ。次はヒロ君だよ」

 一投目は感覚をつかむために投げる。半分予想通りのGマーク。

 

 「意外に他のスポーツとかは出来なかったり?」

 ぐっ……否定できない。まあ見てなさい梓ちゃん。追い上げるよ。

 

 

 

 

 

 

 「……疲れてきた。スコアが落ちてきているな~」

 最初にストライク2連続とったあと、スペアを数回したが、その後は10本倒せないでいた。

 

 「オレはやっと慣れてきたみたいだ」

 Gは最初の一回のみで、最初の方は1ピンとか3ピンとかだったが、尻上がりに調子を上げ、今ストライクを3連続更新中。

 

 「最後か……最後くらいはストライクを!」

 残念ながらストライクでは終われず、数ピン残った。

 

 「梓ちゃんの敵はオレが取ろう」

 「もうそこまでのレベル?」

 それは分からない。だけど、コツがつかめた気がするんだ。やったばっかのやつがカーブとかかからないのは当たり前だから、スピード・パワーでど真ん中を狙う。そして、真ん中を中心に破裂させるイメージだ。

 

 「っ!! キタ……」

 投げた瞬間にストライクを確信したオレ。フォームは汚いだろうが、ボールの方は筋がいい。

 

 「す、すごい!」

 「これで終わりか」

 「ってわたし逆転されてる!?」

 「最後のストライク点数高いな」

 4連続ストライクがどれほど高くなるかは知らないが、抜いてしまった。

 

 「む~ボーリングで負けるとは思わなかった。悔しい!!」 

 「パワーで押しきっただけだよ」

 「それでも悔しいのには変わりない! 他で何かリベンジする!」

 「何かあるかな……」

 オレはパンフレットに目を落とす。梓ちゃんが勝てそうなものといったら音楽系か。

 

 

 

 

 

 

 「カラオケは?」

 梓ちゃんの得意分野を選んだつもりだったが…

 

 「か、カラオケ!? 歌はちょっと…」

 「ええ? でも音楽してるから大丈夫なんじゃないの?」

 「自信ないな…」

 「行ってみるだけ行ってみる?」

 「分かった…」

 ということで、カラオケに行った。

 

 「ヒロ君、先に歌って!」

 「分かった」

 カラオケは中学時代から結構行き慣れている。初めは野球部のやつらと行ってた時もあったが、どうにもあわない。趣味もだが、声が嫌だった。その後は結構アキと行ってたかな~そこで培った歌唱力を梓ちゃんに披露するのか。音楽についてはストイックだからな~ちょっと怖い。でも、やるしかない。

 

 「じゃあ、コレで」

 SHOOT! という曲を選曲。

 

 

 「むむ……上手い」

 「ホント!? よかった~梓ちゃんに認められて」

 「わたし歌披露できないよ……」

 「そんなこと言わずにさ」

 梓ちゃんはしぶしぶ承諾した感じだったが、曲が流れ出すと真剣な顔になって歌に備えた。

 

 

 

 

 

 

 「………………」

 結果から言おう。想像以上に下手だった。

 

 「ど、どうかな……?」

 「え、えっとその……あの……うん。梓ちゃんだった」

 「それじゃ答えになってない! 下手なら正直に言って!!」

 「すいません。下手でした」

 どうしてこうも音痴だったのか不思議でならない。小さい頃から音楽に親しんできたはずなんだけど……

 

 「歌はダメなんだよ~」

 「あ~ゴメンゴメン、こんなところ選んだオレが悪かった。もう出よう出よう」

 半泣きで上目遣い。これ、反則。覚えておこう。

 

 「ギターは自信あるんだけど、歌はどうにも……」

 「唯先輩ってすごいんだね」

 「今日改めて実感できたよ」

 ギターをこなしながら、ボーカルの仕事も全うする。天才肌とはこのことだろうか?

 

 「うう~……ギターのゲームはないの?」

 「太鼓ならあるんだけどね」

 目の前に太鼓の仙人があったからそれを指差して答える。

 

 「歌よりはマシかもしれないけど……」

 「オレは全然自信ないよ。あんまりやったことないから」

 「やってみる?」

 「わかった」

 バチ ー いやスティック ー 太鼓の場合はバチでいいか。ドラムはスティックって言わないとダメ。

 

 

 

 

 

 

 

 「やっとヒロ君に勝った!」

 1ゲーム遊んでみたんだが、ボロ負け。リズム感はまだまだのようです。流石に演奏をずっとしていると身につくだろうが、その経験地では梓ちゃんには叶わない。

 

 「満足満足」

 「あはは……」

 表では愛想笑いをしているが、正直とても悔しいのは本人には告げない。

 その後、ダーツをするもお互い下手で勝負つかず。

 ビリヤードは梓ちゃんの勝ちで、卓球はオレの勝ち。

 勝負をしているつもりは無いが、2敗しているのは悔しい限りである。

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃあ、そろそろお昼ごはんにしようか」

 「確かにそんな時間だね」

 ココにやってきたのは11時。もう2時間以上遊んでいるから、とっくに昼になっている。

 

 「休憩スペースは……」

 「あ、ちょっと待って」

 「どうしたの?」

 「何か気になるコーナーが」

 オレは、そこの看板に妙に気になって立ち止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

     ★

 

 「連中も来ているみたいだが気にせず行こう」

 「そうね。せっかく人が少ない如月ランド。存分に楽しまないと」

 「ちょっと意外だな」

 俺は、優子を誘っておいてなんだが、こういうのはあまり興味ないと思っていた。

 

 「そうかしら。アタシだってたまには遊びたいときや気分転換をしたい時くらいあるわよ」

 「前から優子は優等生って感じで、ずっと勉強ってイメージだったからな」

 「そうだったの。アタシだって雄二がこんな人だとは思わなかったわ」

 「イメージどおりのやつじゃなかったか」

 「ええ。全然違う。悪鬼羅刹だなんて着飾っているだけで全く本性は違ったわ」

 優子の話をしているつもりだったが、いつの間にか俺の話になっていた。

 

 「本性? そんなもの小学生時代に神童と呼ばれてた時から無いんじゃないか?」

 「どうかしらね。少なくとも、今の雄二は学校とかで見る雄二じゃなくて素の雄二だと思うんだけど」

 分からん。優子の言うことは。俺はいつも俺だろ。

 

 「アタシには分かるわ。学校では素顔を隠しているというのがね」

 「というと、優子の本性はまた全然違うのか?」

 「えっ!?」

 「まあ、そんなことはどうでもいい。話もいいが、さっさと遊び倒そうぜ」

 「そうね……」

 俺はパンフレットに一度目を通し、あらかたのものを端からつぶそうと決意した。

 

 「あ、雄二!」

 進もうとしたときに、優子に背後から呼び止められた。

 

 「何だ?」

 振り返ると、いつもとはちょっと違う優子の仕草が見えた。何か……可愛い。

 

 「どうして、今回アタシを誘ってくれたの? 別にアタシじゃなくてもよかったわけじゃない。流石に代表は無理かもしれないけど、あなたならもっと他にペアはいたんじゃないのかしら?」

 「このチケット知らなかったか? カップル限定だ」

 「かかかカップル!?」

 「ああ。要するに男女でしか使えねえってことだ」

 「そ、そうなの」

 「俺が今一番気兼ねなく一緒に居ることが出来る女子は優子だったからだ」

 俺がそう言うと、優子は顔を赤くしていた。ふむ。言葉の選びを間違えたかな。カップルって……だが、チケットにそう書いてあるから仕方ねえよな。

 

 「って訳だ。行こうぜ」

 「まま待ってよ!」

 勉強だけが出来るという意味の優等生ではない優子。運動も抜群に出来るため、今日は非常に楽しめる。バッティングセンターとかは俺の方に分があるが、他のものだったら、五分五分だった。

 

 

 

 






 ヒロと梓は言うまでも無いですね。
 梓が音痴なのは意外でしたか?
 これは、公式設定ですよ。
 Highschoolの方で……意外な事実として発覚しています。
 
 バチとスティックのくだり……
 本気で軽音部のドラマーに怒られましたから、みなさん注意ですよ!

 雄二と優子は……
 書きがいがあります。
 その分一番難しいですが。
 そろそろ建前だけの付き合いから脱出しつつあるかな?


 そうそう、ヒロが歌った曲、
 「SHOOT!」は、八木沼悟志さんが作った曲です。
 知ってますよね? 八木沼悟志さん!

 誰……? と思われる方。
 レールガンシリーズのOPを作った人です。
 「only my railgun」「Level5-judgelight-」「future gather」「way to answer」「sister's noise」

 お分かりになられましたかね。
 因みに、作者はレールガンシリーズは一切見てません(笑)
 fripSide ー というより、八木沼悟志さんの曲が好きなので。

 是非とも「SHOOT!」聞いてみてください。
 fripSideじゃないですが。
 何かと宣伝長くなりました。

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