さて、宣言どおり1ヶ月飛ばしましたよ。
あっという間の冬休み。
作者には到底無縁のあの日。
では、どうぞ!!
「さて………向かうとするか」
今日は12月24日。クリスマスイブ。昨年は何したっけ……?
あ、そうそう。平沢家で軽音のメンバーで楽しんだ。今年はもちろん梓ちゃんと過ごす。先輩達が受験で追い込みの時期に不謹慎だと思い、空気を読んでいたら向こうから気遣ってくれたために、ありがたくそのお言葉に甘えているのだった。
「あれ、ヒロ、どうしたの?」
「あ、アキ!?」
もうすぐ西に陽が沈みそうな時、待ち合わせ場所に向かって歩いていっていると、偶然アキと遭遇した。
「そっか~やっぱり梓ちゃんだね」
「ぐ……お前は明日だ。クリスマス当日」
「分かってるよ。覚えていてくれたんだね」
「当たり前だ。誕生日は本当にすまなかったな」
アキの誕生日をすっかり忘れていたんだ。その埋め合わせをクリスマスにすると言っていた。イブは梓ちゃんと過ごすとして、25日をアキと過ごす。
「じゃあ、僕は愛ちゃんと待ち合わせがあるから」
「おいっ!」
いろいろと突っ込みたかったが、あいつは既に消えた後だった。
「げっ!!」
オレは少し遠い場所に見える光景を見て愕然とした。
『土屋も裏切った~!!』
『異端者は処刑~!!』
『捕まえろ~』
FFF団絶賛活動中。道行く人を攻撃するなよ。康太ドンマイ。純ちゃん連れて逃げている。あの様子だと、もう付き合っているな。まあ、前々からそんな様子だったが。
『あ、七島も居るぞ!!』
『落ち着け、あいつは今1人だ!』
『こちらの味方に違いない』
勝手に仲間に入れないでいただきたい。
とはいっても、むやみに攻撃されるのは嫌だ。
『って、何処行った!?』
クリスマスイブという人ごみの多さを利用して人に紛れる。こうでもしないと、ずっと監視されっぱなしだ。
「ヒロ君~」
「あ、梓ちゃん。待たせちゃったね」
「さっき来たところだし。でも、どうしたの?」
「ん~危ない気配を感じていた」
気配どころか、実物を見たんだがな。余計な心配を掛けるのはやめておこう。
「じゃあ行こうか」
「うん。……でも何処に?」
「まあついて来て」
オレは人通りが多い道を外れ、近くの公園にやってきた。
「公園?」
「違う違う。今からコレで移動するの」
「自転車?」
オレは前もって置いていた自転車の鍵を開けながら、梓ちゃんに告げる。
「持ってきてないよ」
「二人乗りで行こう」
「…いけないこと………だけど……うん。分かった」
真面目だな~二人乗りとかしているやつ山ほどいるよ。それに、自転車2台で併走するのとはまた違ったものがあるじゃないか。
「行こう」
それならば最初からオレが自転車に乗って梓ちゃんの家まで向かえばいいとも思うが、何せFFF団だ。住所を把握している可能性も否定できない。だからわざと人通りが多い方で待ち合わせしたのだ。そこから自転車で逃げればやつらも追ってこれまい。
「初めてかな」
「うん。そだね」
「って、そうやって乗るの?」
と言いながらも内心、喜んでいるオレ。二人乗りの乗り方で男が前で女子が後ろのときは、後ろからぎゅっと手を回して乗るのが王道だろう。ってオレやっぱり頭がおかしくなってる気がする。
「結構遠い場所に行くみたいだね」
「ん~どうだろう。人が多くないといいんだけど」
「???」
「お楽しみだよ」
オレは徐々にきつくなっている坂をギア利用して登っていく。
「もうそろそろかな」
「? 市街地から離れた場所だね」
山だからね。目的地までもう少し。
「ここに止めて行こう」
オレは駐輪場とやらがなかったために、階段の近くに置いて階段を登っていく。
「ここは駐車場も無いから、結構人が少ないんだ」
「人が少ないこんな場所で何を!?」
え、ええっと何を考えているかはわからないけど、絶対そういうのじゃないから。
「でも、話し声が聞こえるね」
「うん。まあ多少は居たところで変わりはしないよ」
オレたちは階段を上りきると、少し広めの場所に着いた。
★
「大変だねムッツリーニ」
「ホントだよ。ボクたちもバレないようにしないとね」
「あ、あれは竜也と憂ちゃん」
「本当に仲良しだよね。いい加減付き合えば良いのに」
「う~ん……そうだよね」
でも憂ちゃんには最優先順位の唯先輩がいるからね。なかなか前には進めない。だけど竜也もクリスマスに2人で誘っている時点である程度凄いと思うんだけどね。十分付き合っていると思うよ。
「じゃあ、僕たちもいこうよ」
「そうだね♪」
「でもFFF団が迫ってくるっていうのは怖いな」
「大丈夫。アッキーがボクを連れて逃げて行ってくれるんでしょ♪」
確かにそうだけど。2人の時間がね。せっかくイルミネーションを楽しみたいのに。
★
「どう梓ちゃん、市街地じゃ見れない綺麗な星空だよ」
「わ~綺麗~!! よくこんな場所知ってたね!」
「まあね。昔から自転車でいろいろ回るのが好きだったから」
「すご~い。案外近場だけど、ライトが全然無いから星が綺麗」
「それに、空気も澄んでいるからいいでしょ」
こういう場所知っててよかったと初めて思った。中学時代のオレ、よく自転車でさまざまな場所を駆け回ったな。
「都会のイルミネーションもいいけど、こういう星空もいいね」
「喜んでもらえて何よりだよ」
オレらは近くにあったベンチに腰掛け、星空を見ながら話をしていた。
『さあついたぞ』
『わ~綺麗ね』
『だろ? 穴場なんだぜ』
『よく知ってたわね。案外ロマンチスト?』
次に来たカップルらしき人の声に聞き覚えがあったが、顔を確認できるほどの明るさではない。
『っ……まあいいじゃねえか』
『ふふっ…本当は代表に見せたかったんでしょ』
『……………言うな。もうそのことは』
『誘ってくれて嬉しいわよ。こんな景色あまり見られるものじゃないし』
『なあ優子』
『どうしたの突然改まって』
『今の俺の気持ちを言いたい』
『??』
『ずっと……ずっと俺の側にいてくれねえか?』
『えっ!?』
『今の俺があるのは優子のおかげなんだ。6月のあの頃からずっと俺を支えてくれた』
『雄二……』
『俺がお前にしてやれることは無いかも知れんが…優子。俺は ー 』
『分かったわ。いえ。アタシからもお願いするわ。ずっと一緒にいましょう。』
『優子っ………!!』
『代表には申し訳ないけど……アタシとしても望んだ結果ね』
『望んだ? 前から俺のことを……?』
『ば、バカじゃないの!! もういいでしょ!!』
『ははっ……ありがとな』
これはオレたちは聞いてよかったのだろうか。録音したいくらいムードがよかったんだけどなあ。いいね雄二。ロマンチスト。オレなんか……あ、思い出すだけでも涙が。
ごめんね雄二。今までありがとう。優子なら………2人ともお幸せに。
こんな呟きが聞こえてきた。声の主・内容的に霧島代表だろう。ついてきたのか、予測してたのかは分からないけどここに来たんだな。うん……泣ける。
ようやく……ようやくじゃな。2人とも。寂しくもあるが姉上も雄二もこれがもっともよい結果じゃろう。
また違う方からも呟きが。今度は完全に秀吉だと分かった。ずっと陰で支えてくれたんだな。うん、いろんな意味でありがとう。
「何か立ち聞きしたみたいな感じだね」
「うん。星空とあわせてロマンチックだった」
「わたし達のときは何か場の空気でみたいな感じだったけどね」
あ~そうだよね。何か梓ちゃんに申し訳ない。
「梓ちゃん」
「どうしたの突然」
「改めて言う。梓ちゃんのことが好きだ。今後ともずっと一緒に居よう」
「ふぇ……うん。ありがとヒロ君」
あの時は無理やりみたいな感じだったけど、今回ちゃんと言えてよかった。
★
『 ー 捕まえろ~!!』
「結局見つかるのかよ!!」
「あはは。逃げよう!」
ほかのみんなは無事なのだろうか……
このタイミングでの雄二の告白は当初から決めていました。
何か、一つ一つ重ねていくことで、この作品も終わりに近づいていってる気が。
後は竜也憂だけでしょ。
もう実質的には付き合っていますよね。明久の言うとおりに。
もう先輩が卒業して、軽音部どうなっちゃうの!?
って方に入っていかないと。
いい終わりかただったはずなのに…
最後にオチをつけないとね。
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