青春と音楽と召喚獣   作:いくや

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 はい、ロンドン。
 めっちゃまとめました。
 だから、1話に。
 でも、いつもよりも長めです。

 詳しくは、けいおんの映画を見てくださいな(笑)

 唯ら3年側じゃなく、2年の立場から見るロンドンです。
 
 あ、英語に注意を。
 読めない人はスルーしても何の問題もありません。

 では、どうぞ!!




#89 ロンドン!

 

 「忘れ物は無いな!」

 ロンドンに行く当日。みんなで集合して空港に向かうんだが……澪ちゃんさっきからそれ何回言っているかな。心配になるのも分かるけどさ。みんなが大丈夫って言っているんだからさ。

 

 

 電車での移動中も空港に着いてからもずっとはしゃいでいる4人の先輩。最初っからそんなに飛ばしていたらロンドン着いたとき、もたなくなると言いたいが、楽しみを止めるというのも無粋だ。

 厳しい出国審査を経て、飛行機に乗る。澪ちゃんとりっちゃんとムギ先輩が横1列で座り、その後ろにオレ・梓ちゃん・唯先輩が座る。オレは決心した。この5人が何もトラブルに巻き込まれないようにしないと。

 

 

 

 いよいよ出発のとき。唯先輩は相変わらずだったが、確かに初めての離陸を経験するっていい感じだ。オレは通路側にいるためあまり見えないが、あんなに大きいと感じていた空港が小さくなっていく様子もすごい。あっという間に雲の上を通り過ぎていった。

 

 飛行機が安定した頃に、シートベルトを外していいサインがでた。早速唯先輩は外して梓ちゃんに抱きついていた。はしゃぎすぎだっつーの。そのタイミングで、機内食も出される。普通に日本人がCAで運んできたために、とある1人の表情は暗くなった。どうやら、英語で聞かれることを想定してシュミレーションしてたらしい。

 

 オレは機内食を食べ終わる頃に、寝ることにした。9時間の時差で12時間くらいのフライト。大体、出発時刻より3時間で着くということか。寝ておかないとつらいことに。着いてもまだ昼だからな。

 

 

 

 

 

      ★

 

 「ここがロンドンか!!」

 「寒っ!!」

 これまた厳しい入国審査を受け、荷物を受け取り飛行場の外に出る。ちょっとの間梓ちゃんが気落ちしていたのは、入国審査の時に聞かれた質問だろうか。よく聞いてはいなかったが、「I am seventeen.」と答えていたところを見ると、実年齢をごまかしているように見えたのだろう。

 

 「そんなに子どもっぽく見えるかな……」

 とは本人の言葉だ。日本人は幼く見えるらしいからな~基準が分からないけど。

 

 

 

 

 「あ、タクシーだ!」

 早速、移動するために6人でタクシーに乗り込む。

 

 「Where are you going?」

 何処に行くつもりですか?と聞かれた。日本人のほとんどが、英語を英語のまま理解できないからダメなんだよね。一回日本語に訳さないと理解できない。オレももちろんそのタイプだ。

 

 「Hotel Ibis please!」

 と一番英語力に自信があるムギ先輩が答える。海外旅行経験も豊富だからひとまずは安心してよいか。と思ったが、梓ちゃんが答えていた。

 

 「Yes, the Ibis. Which one?」

 ホテルアイビスに行くことは了承したみたいだが……

 

 「どのホテルアイビスに行くつもりなのか聞いてるみたいだ」

 澪ちゃんがそう言った。確かにそういう意味だろう。ロンドンにはたくさんホテルアイビスがあるんだろうな。

 

 「アールズコート、おーけー?」

 りっちゃんがバリバリの日本語英語で答えていた。相手は気持ちよくうなずいて乗ってと促してきた。全員が乗ると急発進した。荒いな~まだ全員シートベルト着用してないぞ……

 

 ドライブ中に、スタジアムを2つ見た。大きいよなあ本場は。その周辺にはやっぱりアーセナルやチェルシーのユニフォームを着ている人がたくさんいた。残念だなあ。オールドトラフォードが遠くていけないとは。マンチェスターやリバプールは覚悟していたけど、同じロンドン市内でも行けないのか……イギリス恐るべし。

 

 

 

 

 「おおっ着いた!!」

 「あれ、おすし屋さん?」

 「本当だ。回転寿司だよ!」

 降りるとホテルも見えたが、同時に回転寿司屋もあった。このノリはおそらく……

 

 「行こうよ行こうよ!」

 「回るんだお寿司!」

 「入ってみようぜ!」

 ということで、予想通り店内へ。ロンドンに来てまで寿司かよと思ったが、りっちゃん曰く日本人として日本食を確かめたいらしい。なるほど最もだ。だが、オレたちにそんな舌あるのか……

 

 

 「凄い豪華だ!」

 日本での回転寿司とはちょっとイメージが違うな。高級寿司の店内で回っている寿司という感じでギャップがすごい。オレたちが店内にあっけに取られていたら、店員と思しき人に話しかけられた。

 

 「Hello. You are the ones from Japan, right?」

 「イエス」

 「I'm the manager of this establishment.You're the ones who will be performing today, collect?」

 「イエースイエース」

 「おい、唯、簡単にイエス連呼するな」

 「だって、歓迎されている感じじゃない?」

 確かに握手までされているが、どうも違う気がするぞ。えっと……何だろう。かーこういうときに英語得意ならと思うんだが。分かる単語だけで想像するしかないか。

 

 「凄いね。ロンドンでお寿司屋さんってハッピ着て食べるんだ」

 いつの間にか荷物を預けさせられて、ハッピも着させられて……絶対これ何かおかしいよな。

 

 

 

 「OK, If you'd like to get on stage.」

 と、オレたちが誘導されたのは、寿司屋さんにふさわしくない場所。ステージであった。オレたちが荷物を預けたのって演奏してくれってことか? 確かに梓ちゃんや唯先輩・澪ちゃんは自分の楽器持っていたから演奏できると思われたのかもしれないが……

 

 「何てことを!」

 と、ムギ先輩が抗議をしに言ってくれた。英会話能力本領発揮か。

 

 

 

 「って、何しに言ったんだよ!」

 「キーボードが無かったからね~」

 演奏しに来たわけじゃないって言いに行ったわけじゃなかったらしい。

 

 「ヒロ君、どうする? キーボード1つしかないらしいの」

 「え、ムギ先輩いいですよ。オレはその間に誤解を解いておきます」

 ただ、もう既に演奏しないといけない雰囲気に追い込まれているけどね。お寿司を食べ損なったら相当みんながっかりするだろうからそこのところはぬかりなく。

 

 

 

 

 

 「Can I talk you now?」

 「OK. Oh, You are their assistant, aren't you?」

 っと……本場は早いぜ……えーっと、オレは彼女らのマネージャーかって? いや違う違う。そうかもしれないけど、一応Playerだから。

 

 

 「“Love Crisis” very cute.」

 かわいい? オレじゃなくてもちろん彼女らがだろうが……それにしても「ラブ・クライシス」ってどっかで……

 

 

 

 

 

 

 「1・2・1234!」

 りっちゃんのカウントから演奏始まったよ。「カレーのちライス」って……寿司屋なのに……

 って、オレは演奏聞いている暇なんかねえ。誤解を解くために - って思い出した。「ラブ・クライシス」って、1年生の大晦日で一緒にライブしたりっちゃんの友達がいるバンド! 確かにあそこもガールズバンド。ウチも ー って違うけど。だからオレマネージャーって思われているのか。今すぐ誤解解かないと。

 

 「I'm afraid We are “Houkago TeaTime” OK?」

 「Just kidding!」

 いや、ジョークじゃないっす。真面目に。こりゃ、時間帯的に本物を探した方が早いかも……間違えられたってことはそろそろ来店してもおかしくない。

 アイコンタクトで、みんなにちょっと出て行くと言って外を探し回る。すると、1分もしないうちに彼女らにあった。

 

 

 

 

 「あれ、あなたは……?」

 「お久しぶりです。放課後ティータイムの七島弘志です。りっちゃんの友達のラブ・クライシスさんですよね」

 「え、ええ。そうだけど、あなたたちもロンドンに来てたのね」

 「はい。だけどちょっと問題がありまして……」

 と、今の事情を話すと急いで店までついてきてくれた。

 

 

 

 「You've got the wrong idea. They are our friends “Houkago Teatime”. We are “Love Crisis”. OK?」

 と、オレでも分かるような英語で相手に説明していた。最初は冗談かとまた思ったらしいが、ようやく分かってくれたらしい。

 

 「Sorry, I misunderstand. 」

 誤解していたって。やっと分かったか。

 

 「I'm glad we cleared up the misunderstanding.」

 誤解が解けて何よりだ。

 

 「They are visiters. Now, We performance」

 ラブ・クライシスの方が、オレらは客で、わたしたちが今から演奏するって言ってくれた。

 

 「OK, Thank you. “Houkago TeaTime”. Please yourself.」

 食べていいらしい。カレーのちライスがちょうど終わったため、オレはみんなに説明しに行く。

 

 「誤解、解けたよ。何でも『ラブ・クライシス』のメンバーと間違っていたらしい」

 「マジかよ! って、マキちゃん!」

 「あ、りっちゃん! ゴメンね。わたしたちのせいで」

 「いいのいいの。まさか演奏するとまでは思わなかったけど」

 「ふふ……今度はわたしたちが演奏するからみんなはお寿司を食べておきなさい」

 みんなの顔には安堵の色が見えた。オレも一安心だよ。

 

 その後、彼女らの演奏を聞きながらお寿司を食べる。まあまあ美味しい。あんまりお寿司を

食べないから日本より ー ってのは比べられないけどさ。

 

 

 

 後で聞いたところによると、このラブ・クライシスは川上さんなる人の紹介でここで演奏することになったらしい。覚えているだろうか。ラブ・クライシスと初めて会ったときの店長の名前だ。その人とココの店長が知りあいらしいから、開店祝いにってことだそうだ。そのためにロンドンに来れるってすごいな。

 

 

 

 

 

 

 「やっとホテルだ~」

 「いろいろあったね~」

 ようやくチェックインをし、部屋に入る。お金の関係上、ダブルベッドの部屋2つに6人ということになった。本当はいけないかもしれないが。1つに3人か。部屋割りは当たり前?に、先ほどの飛行機と同じ組み合わせになった。

 

 「お風呂お風呂~」

 オレたちの部屋は、梓ちゃんと唯先輩。何か唯先輩に申し訳ないけど…って感じじゃないけどね。最初にお風呂入って行ったし。でも、オレが女子2人と一緒に寝るってのは大丈夫か。ツインじゃなく、ダブルだぞ。

 

 「疲れたね~」

 「まさか演奏することになるなんて」

 と、ベッドでくつろぎながら2人で話す。オレの疑問何ていうのは気にしなければいいだけの話だ。

 

 「唯先輩、留年するのかな?」

 「突然どうしちゃったの梓ちゃん」

 「ん~っとね、この頃の不可解な言動から考えてみたの」

 そこまで不可解だろうか…留年となると憂ちゃんが何か言いそうだが。

 

 「先輩方がしゃべってくれるまで気にしないでおこうよ。あまり気を張り詰めすぎるのも良くないよ」

 「そうかな?」

 「せっかくのロンドンなんだし。もっと楽しもう!」

 「うん!」

 それぞれの部屋に分かれて10数分した頃か、先輩方3人がやってきた。

 

 

 

 

 「って、何で制服なんですか!?」

 それも制服姿で。確かに持ってこいとは言ってたけど。何で着る必要が。

 

 「記念写真してたんだ~」

 学生時代の思い出として取っておくためか。

 

 「あずにゃ~ん、ヒロ君~お風呂上がったよ~ってみんないる!」

 唯先輩は、お風呂から上がってきてヘアアイロンをかけようとした。そのままコンセントに差し込み ー って!!

 

 「うぎゃーっ!!」

 言わんこっちゃない……間に合わなかった。

 

 「唯先輩、変圧器使わないと……」

 「怖い~」

 火花散ったからね。そりゃ怖かっただろう。でも、変圧器持って来ているなら何で使わないんですか!

 

 

 

 

 

 その日は、みんな疲れていたらしくすぐに寝ることに。次の日はロンドン市内を1日中観光。歩きつかれた~みんなでりっちゃんの部屋のほうにいると、電話が鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 「電話!?」

 「フロントからかな」

 「澪出ろよ」

 「律が出ろよ」

 と、まあ譲り合いしてたので遠慮なくオレが出ることにした。相手を待たせちゃ悪いからな。

 

 「Hello? This is Tainaka.」

 「おおっ。バリバリの英語」

 「名前詐称だな」

 「お前が電話に出ないからだ」

 「切られちゃいました」

 オレが電話に出ると同時に、プープーという音が。あまりにも遅いため切られたのだろう。

 

 「ふぁ~……」

 「梓ちゃん、部屋に戻って寝よう。相当疲れているよ」

 「……うん、そうする」

 「じゃあ失礼しました~」

 「わたしはもう少しここにいるよ。先に寝てていいよ~」

 「分かりました」

 ふらふら歩いている梓ちゃんを支えながら部屋に行きつきベッドに寝かせる。すぐに梓ちゃんは寝た。オレも寝るとするか……

 

 

 

 

 

 

 

 

    ★

 

 「えっと……これは……」

 ダブルベッドに3人で寝ていると分かった時点から可能性を否定できなかった事実が今ココに。左を見てみると、梓ちゃんがオレの腕を抱き枕代わりにして寝ている。そして、

 

 「あ~ずにゃ~ん……ヒロく~ん……」

 寝言をず~っと言っている唯先輩がオレにのしかかりそうになっているのだ。どんだけ寝相悪いんですか!!

 

 「っと危ない……」

 何とかして、唯先輩を遠ざけることに成功。梓ちゃんに関してはもう離れないから諦めている。

 

 「ふぁ~……眠……」

 オレはもう一度眠りについた。そうでもしないと体力持たないぞ~

 

 

 

 

 

 

 

 

    ★

 

 「ヒロ君のバカ……」

 と、朝一で梓ちゃんに罵倒を。何故?

 

 「あはは……ヒロ君……ゴメンね~」

 「何をやったんですか」

 「ちょっとね、抱き枕代わりにヒロ君を ー その様子を見たあずにゃんがね ー 」

 「いや、そりゃそうでしょ。オレが罵倒される理由が分からないですけど」

 あんなに唯先輩を遠い場所にやったのに……凄い人物だ。家でもベッドに寝ているって言ってたけど落ちないのかな。ここまで寝相悪くて……

 

 「おい、川上さんからメール来てるぞ」

 りっちゃんらが部屋に乗り込んできてこう告げた。メールの内容はあらかたこんな感じだ。

 ラブ・クライシスのマキさんからオレたちがロンドンに来ていることを知ったらしい。そこでお願いがあるそうだ。明日の午後に日本のカルチャー紹介ってやつでバンドで出てほしいそうだ。ラブ・クライシスと共に。

 

 「どうする?」

 「わたし出たい!」

 「もう……唯先輩ったら~」

 「これからスケジュール練り直しだな」

 「というより、明日の予定を全て今日回るようにすればいいんだよ」

 ということで、ハードスケジュールとなった今日。走りまわった~でも楽しい。

 

 「でも、明日って出国する日だよね。大丈夫かな」

 梓ちゃんが、疑念を口に出している。確かにその通りだ。

 

 「ギリギリ間に合うかな」

 とりっちゃんが時間が書いてあるやつを見ながらそう言う。

 どうやら明日最後の最後まで走らないといけないみたいだな。

 

 ホテルに帰り着いて、何を演奏するか迷っていると、唯先輩が突然、

 

 「ごはんはおかずをとりあえず英訳してみたよ」

 と言い出した。いや…1日で歌詞覚えられるんですか……今日は結局その話で終わった。 

 

 寝ようとすると昨日の恐怖?がよみがえって来る。それを察してか今日は梓ちゃんが真ん中で寝ることに。ただ1ついいか。梓ちゃんが真ん中ならもっと遠慮なく抱きついてくると思うんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

     ★

 

 「ふぁ~」

 「どうしたのあずにゃん、眠たそうだね」

 「唯先輩のせいで眠れませんでした」

 ほらね……やっぱりそうなると思ったよ。

 さて、今日はロンドン最終日。最後まで楽しむぞ~!!

 

 「あ、ちょっと待って」

 チェックアウト寸前に、ムギ先輩がオレたちから離れた。そして、何かを抱えて帰ってきた。

 

 「それって……」

 「みんな持って来ているのに、わたしだけって言うのも」

 「お~い、ヒロも無いぞ」

 「はっ……ゴメンねヒロ君。気が利かないで……」

 「あ、いやいいですよ。どんなんでも演奏しますから」

 ムギ先輩は日本からわざわざキーボードを郵送してもらったそうだ。流石はお嬢様。やることは違う。オレはどんな楽器でも演奏してみせる。あ、キーボードに限るよ。

 

 「お~ここで演奏するのか~」

 「すごいね~野外ステージだよ」

 早速会場にやってきたオレたち。確かに日本のカルチャー紹介って銘打っているだけあって、日本のものがたくさんあった。

 

 

 

 

 

 「あれ、お前たち……」

 「あ~!! よーぐるっぺ☆!! 何で!?」

 「いや、こっちのセリフなんだが」

 「わたしたちは卒業旅行なんだよ」

 「そうなんだ……俺たちはここで演奏するためにな」

 ラブ・クライシスといい、よーぐるっぺ☆といい、日本を代表しているみたいですごいな。そんな中に入ってっていいのかね。出場バンドたくさんいるみたいだけど。

 

 「わたしたちも演奏するんだ」

 「へ~そうなんだ」

 「彼女らは野外ステージなんだとさ」

 「そうなのか」

 「マキちゃん!?」

 どうやら、よーぐるっぺ☆とラブ・クライシスは知り合いらしい。すごいな~

 

 「わたしたちは屋内ステージ。野外は初めて?」

 「そうなんだよ。どうなるんだろう」

 「いつもどおりだよ」

 と、3バンドで談笑。そして、その後雰囲気を確かめようということで野外のステージに立ってみる。

 

 「Hi, Houkago TeaTime?」

 「Yes」

 スタッフらしき人に話しかけられた。放課後ってやっぱり日本語だから海外の人が言うといいにくそうだな。

 

 「Could you set up your instruments now, please?」

 「何て?」

 「セッティングを始めてくださいって」

 澪ちゃんが通訳してくれた。あれ……これってムギ先輩の活躍の出番あまり無かったみたいな?そういうのはいいとして、セッティングをさっさと開始する。オレとりっちゃんだけこちらで用意された楽器を使う。

 

 

 

 「はっ!! これ、差していいのかな?」

 と、シールドを持ちアンプに近づけようとしている唯先輩が言っている。ああ~なるほど。初日? のトラウマがあるんだな。火花を散らした。

 

 「そのまま差せば良いのよ!!」

 と、突然現れた女性が唯先輩の手からシールドを奪ってアンプに繋げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「「って、さわちゃん(先生)!?」」」」」

 

 

 

 

 「そもそもこのギター日本のメーカーじゃないでしょ!」

 「何、幻?」

 「何でココに?」

 「足がある」

 「失礼ね。幽霊じゃないわよ!」

 あれほど、初海外はハネムーンじゃないとダメだと言っていたさわちゃん先生が、海外に1人で現れている。

 

 「マイルの有効期限が切れちゃうから使ったわけよ。それにわたし軽音部の顧問だしね」

 よく分からんが、もったいないからロンドンに来たってわけだな。

 

 「いつ来たの?」

 「昨日よ」

 「帰るのは?」

 「今夜!」

 えっ……本当にこのためだけに来たみたいな感じじゃん。

 

 「それならそうと、連絡位してくれれば良かったのに」

 「ホテルに電話したのに誰もでないんだもん」

 あ、あれさわちゃん先生だったのね。

 

 「さ、とっておきの衣装も持ってきたわよ!」

 普通ならばキャリーケースって自分の着替えとかがあるもんだが、この先生は日程的にそんなの関係ないからか、オレたちのステージ衣装とやらを持ってきていた。川上さんから話は聞いていたのだろう。

 

 「ジャパニーズレディースニンジャ!」

 「くのいちかよ!!」

 『オオー!!』

 観客から歓声が上がっている。おいおい。まだ演奏始まってないぞ~これも立派な日本文化ってことか。

 

 「コレ見て!」

 と、携帯を取り出しオレたちに画像を見せる。

 

 「和ちゃん!?」

 試着させたんだな……被害者だ。ごめんなさい和さん。

 

 「って、優子さん!?」

 「生徒会つながりでね」

 ゴメンね優子さん。この女性が迷惑掛けて……生徒会長ってそんな仕事しなくていいんだよ。

 

 「今度は憂!?」

 「純まで」

 この2人は喜んでやっているような気もせんことはないな……

 

 「最後は優花かよ!!」

 「みなさんのためならって着てくれたわよ」

 まあ、みんな似合っていること。すごいな~

 

 「却下!」

 りっちゃんがそれを見るだけ見て、さわちゃん先生の意見を却下した。まあ、当然だろう。異国の地でそんな格好で演奏する身にもなってほしい。恥ずかしいにもほどがある。当然さわちゃん先生はごり押ししてくるが、みんな知らん顔。

 

 

 

 

 

 

 

 「いよいよ本番か」

 曲目は、ふわふわ・ごはんの2曲に決まった。ふわふわ便利だな~いつでも演奏可能。それだけ、愛着があるってことだよな。演奏している間中、イギリスロンドンの方々は快く歓声を上げてくださった。嬉しいな。言葉は分からないはずなのに。あっという間にふわふわの次にごはんを演奏する。

 前日に、英訳していたはずなのに普通に日本語で歌っているし……覚えられなかったんだな。そんな感じで終盤まで言っていてアウトロに向かっていたら、

 

 「もう一回!!」

 と唯先輩が……アドリブ来ました。こんな無茶振りにも簡単に対応が出来るのがHTTです。

 

 「って、ここで入れてくるのかよ」

 「英語だ……」

 短い間だったが、お世話になったロンドンにささげる、ごく僅かな英語ごはん。これで、オレたちのロンドンでの演奏は終わった。

 

 

 

 「やばいよ!!」

 「間に合うかな……」

 そして当然のごとくして訪れる、飛行機に間に合わないかもしれないからダッシュ。唯先輩のアドリブもロスタイムの原因であろう。

 さわちゃん先生が手配していたタクシーに乗り込み、急いでタクシーに乗り込む。その後の記憶は既に日本。タクシーから降りて飛行機に乗るときですら無意識でやってたのか。

 

 





 強引にまとめすぎましたかね(苦笑)

 それは理由があるんですよ。

 本来ならば80話までに2年生を終わらせたかったんですが、とっくに過ぎていますね。
 だから90話に終わらせようと決心してこの無理やりさです。

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