青春と音楽と召喚獣   作:いくや

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 新章突入!
 3年生編。

 先輩はおらず、最高学年にあがった主人公達の代。

 どんな波乱が巻き起こるのか。
 
 では、どうぞ!!




第3章 3年生編
#91 3年生!


 

 

 「どうせまた、卒業していった3年生のこと考えているんでしょ」

 

 

 

 

 

  ………………

 

 

 

 

 

 

 「おーい!! 3人とも聞いてる!?」

 3年生になって迎える最初の始業式を明日に迎えた今日、オレと梓ちゃんは、純ちゃんと憂ちゃんととあるファミレスに来ていた。が、どうも純ちゃん以外の3人は気が乗らないというか、ぼけーっとしているというか。

 

 

 「もう、話聞いてくれないとわたし帰っちゃうぞ」

 と、純ちゃんがらしくないキャラで言っても、3人はスルーというか反応できなかった。

 

 「おーい、何か突っ込んでくれないと恥ずかしいじゃん!!」

 「あ、ゴメンゴメン……」

 「梓ちゃんとヒロ君は、先輩がいなくなってぼーっとしていると思うけど、憂は何なの?」

 「お姉ちゃんがいなくなったから暇で……」

 「定年を迎えたサラリーマンか」

 唯先輩たち4人は、全員同じ大学に進み寮に入っているらしい。唯先輩も初めて憂ちゃん離れしているだろうから大変だろうなあ。

 

 

 「はいはい、部長、今後のこと」

 「へっ?」

 オレたち世代が3年生になった今年の部長は、梓ちゃんである。オレがするという意見も出たそうだが、オレは梓ちゃんのほうが適任だと思うので任せた。いろいろ楽器とかのことを知っているのは梓ちゃんだからな。

 

 「へっ? じゃない」

 こう、純ちゃんが強く言うのも、3年生から軽音部に移籍してくれたのだ。1年の時からの約束で、これまた憂ちゃんも同じく軽音部に入ってくれた。今まで唯先輩の世話をしていたから大変だっただろうけど、その時間を軽音に使えるってのはいいな。

 

 「明日は始業式、そして数日後には入学式、その後は新歓でしょ」

 「あ……」

 「こんなんだったら、先輩達どう思うかな~部長、しっかりしてよ。ほら、副部長も!」

 言わずもがな、副部長とはオレのことだ。

 

 「優花ちゃんもいるし、純も憂も入ってくれたから何とかなるんじゃない?」

 「音あわせもしたことないし」

 「うっ……」

 「そもそも楽器まだ買ってないんだけど」

 「うっ………」

 「ドラムいないと始まらないし」

 「うっ…………」

 ダメダメじゃん。あ~先輩達って相当凄かったんだな。

 

 「新歓出ない訳にも行かないし」

 「竜也たちに応援頼んだとしてもな~」

 「軽音部じゃないのにね」

 正式に軽音のメンバーじゃない人に軽音の宣伝してもらったってね。

 

 「って、もうこんな時間……」 

 「何か用事でもあるの?」

 「あっちゃんにベースを習いにいく」

 「そう……じゃあ、また明日ね」

 あっちゃんとは、純ちゃんの兄である。純ちゃんは同じベーシスト尊敬しているようだ。

 

 「もうわたし達も帰ろっか…」

 「わたしはギターを買えるように頼んでみるよ」

 「うん。また明日ね」

 オレたちも帰った。明日から3年生。どうなってしまうんだろう。

 

 

 

 

 

 

   ★

 

 「おはよう! 七島、中野」

 次の日:始業式。学校に来ると、校門前で西村先生が立っていた。

 

 「おはようございます」

 「お久しぶりですね、先生。元気してました?」

 2年生になってから西村先生に会う回数が減ったため、懐かしく感じるようになってしまった。ダメだろ…

 

 「そうだな。まだまだ年は取っておらんからな」

 「そうですか。それはよかったです」

 「ほら。今年のクラス分けだ」

 未だにこの方式を貫いているんだね。個人個人に封筒を渡すというシステム。

 

 「お前ら、よく両立できているじゃないか」 

 「それはどうも」

 もはや、もちろん?2人ともAクラス。そりゃあ、文化祭終わって勉強量増えたからな~

 

 「今年のAクラスはうるさくなりそうだ」

 「オレのせいにしないでくださいよ」

 「諸刃の剣だからな。監視役にもなりうるかと思えば共になって騒ぐ」

 返す言葉もございません。……というか、その言い方。まさか ー 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ★

 

 「やっぱりな……」

 オレは教室のドアを開けると同時に、悪友の顔がたくさん見えたのを見て呟いた。西村先生はコレを言っていたのか。

 

 「やっほ~ヒロ」

 吉井明久。観察処分者として注目を浴びたかと思えば、3年生でAクラスまで駆け上がる。

 

 「1年間よろしくな」

 坂本雄二。元神童としてのプライドは残っていたみたいだ。

 

 「なにやら賑やかになりそうじゃのう」

 木下秀吉。演劇部のホープにして、美少女男子。もはやバカとは言わせない。

 

 「………俺も忘れてもらっちゃ困る」

 土屋康太。ムッツリーニという二つ名を持っていたのはもはや過去の話か。

 

 「オレだけ置いてけぼりにされてもらっちゃ困るからな」

 本田竜也。オレの従兄弟で、坊ちゃま。天才芸術肌のバカだったが、その汚名も返上できそうだ。

 

 「去年は憂や梓と離れてショックだったからね~」

 鈴木純。もとDクラス、今年から軽音のベーシスト。意外と頭はよかったようだ。

 

 「まさか全員来るとはね。みんなとはいえ、容赦はしないわよ」

 木下優子。新生徒会長。みんなのお目付け役。

 

 「楽しくなりそうで、よかったよ♪」

 工藤愛子。保健体育のスペシャリストの座はそろそろ彼女の手に渡るか?

 

 「去年以上にすごいことになりそう」

 平沢憂。家庭科なら任せなさい。伊達にお姉ちゃんの世話をしてません。

 

 「それはなるでしょう」

 中野梓。かわいいかわいい軽音部の部長。

 

 「七島君、梓ちゃんだけ、べた褒めしすぎでしょう」

 佐藤美穂。去年はなかなか出番が出てこなかったため、今年はと期待している。

 

 「くっ……まさか学年主席の座はおろか、次席の座まで奪われるとは」

 久保利光。どうやら次席陥落したようだ。

 

 「ってことは一体誰が次席?」

 七島弘志。以上。

 

 「………雄二」

 霧島翔子。この方は主席の座を譲らなかったようだ。学年主席の座は3年間揺るがず。

 

 「そうか、雄二か」

 「ああ。優子に悪いからな」

 「それでアタシまで抜くんだから、ちょっとね」

 「………2人とも凄い」

 いやはや、こんなやつらがいるAクラスに試召戦争を挑もうとするやつらはいるのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ★

 

 「俺たちFクラスは、3日後試召戦争を挑む」

 いた~出ましたFクラス。SHRが終わって突然乗り込んできたな。今年もAクラスの担任を引き受けてる高橋先生も苦笑いになっているし。何か伝統になりつつあるAクラス挑戦。今年は負ける気しないよ。雄二がいないFクラスなんぞ怖くも無い。

 

 「それにあたって、昨年同様一騎討ちだ。ただ、×3で」

 1人でAクラスに乗り込んできた度胸は認めよう。ただ、本当に勝てる要素は揃っているのか。相手ながら心配になってくる。

 

 

 「どうする代表?」

 「………別に構わない。そもそも断れない」

 「須川、俺の真似か?」

 「坂本、吉井やお前ら。俺たちFクラスはお前らを許さない。覚悟しとけ」

 「いやいや……俺たちは出ないぞ。後、そんな軽い気持ちで試召戦争をしているならやめておけ。痛い目にあうぞ。Fクラス代表の先輩としての助言だ」

 「ははっ笑わせてくれる。お前たちっていうのがどのくらいのものだ。去年より戦力upしたのを覚えておけ」

 大幅にdownしただろうよ。あんなに大口叩いていいのかね。堂々と威張って出て行ったけど。もはやこちらAクラスの連中は怒りよりも同情の目のほうが強い。だろうよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………一応、3人誰が出るか決めておく?」

 「それは後ででいいだろ。こんなタレント揃いのクラス」

 Fクラスから上がってきたらそう見えるだろうな。何かに秀でているっていう桁が違うから。

 

 「………そう?」

 「でも何か対策はしておかないといけないでしょ」 

 「ムッツリーニ。Fクラスのメンバーで見慣れない顔を捜しておいてくれ」

 「………了解」

 雄二が勝手に指示を出したところで、代表が何も言わないんだから誰も反論しない。去年のオレの立場だったが、内心面白くないだろうな。Fクラス上がりの癖にとか思われているだろう。そうそう、雄二はトラウマがなくなりつつあるみたいだ。代表とも普通に話せるようになっていた。主席・次席のコンビだからな。しっかりしてもらわないとね。その横でいつもサポートするのが、会長こと優子さん。頼りになるよ。今年はクラスにおいて何もしなくていいだろう。オレも梓ちゃんもそう思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ★

 

 「何やってるんだろう……」

 あの後、話し合いもほどほどに終わり始業式も終わった後で、軽音部新メンバーを含む4人で部室に向かったところ、見慣れぬ人影が。近づいてみると、なにやら外国人の雰囲気をかもし出していた。

 

 

 

 

 

 「What are you doing now?」

 オレたちはロンドンで数日過ごしたんだぜ! と言わんばかりに英語で言ってみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ、あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ」

 「「「「日本人かよ!!」」」」

 良くて外国人、悪くてもハーフに見えるこの子。日本語しかしゃべれないみたいだ~格好つけて英語を話したオレって……

 

 

 

 「えーっと……何やってるの?」

 「え、あ、その……ティーセットを持っていこうと」

 堂々と泥棒宣言をやってのけた。ある意味凄い。っと、あの色は先輩じゃなくて今年は1年生なんだよな。

 

 「このティーセットを触れるのはね、お茶を淹れることが出来ないとダメなんだよ」

 純ちゃんは一体なに言っているんだろう。

 

 「出来ました」

 「はやっ」

 しかも、この後輩も乗ったし。泥棒宣言した人をそのままウチに引き込むってオレたちもすごいな。

 

 「この香り、味、最高の条件下でしか引き出せない味だわ~」

 「さわ子先生!?」

 突然山中さわ子元先輩の担任が現れ、お茶の味を解説してくれた。

 

 「金髪・碧眼……着せ替えのしがいがあるわ~」

 「キャー!!!」

 「さわ子先生、なにやってるんですか!!」

 「今から勧誘しようと思ったのに…」

 「ごめんなさい」

 さわちゃん先生はずっと邪魔ばかりだ。しかし、あれは一体誰だったんだろう……見た目は外国人だがバリバリの日本人だったっていう後輩。しかも、堂々と泥棒宣言をしたあの勇気。いろいろと気になりますな。

 

 

 





 さあさあ、一体誰なのか?
 新キャラ。レギュラークラス(の予定)

 キャラ多すぎて(汗)
 Aクラス4分の1も名前が分かるやつがいるってすごすぎ。
 
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