ちょいとばかし、個人的な都合で今度から2日1話ペースとなります。
そろそろ自分の進路にも目を向けていかないといけないですからね。
更新速度だけが売りの自分の作品の特徴を1つ失った感じで嫌ですが、仕方ないです。
さて、本文のほうですが……
姫路・島田がフィールドワーク中に何も仕掛けてこなかったその理由は何か?
では、どうぞ!!
「ふ~疲れた」
オレたちはフィールドワークが終わって、自分達の部屋に帰ってきた。
(………ヒロ・雄二、ちょっといいか?)
康太が声を小さくというよりほぼアイコンタクトでオレらを呼んだ。ちょいと他のみんなと距離を取って康太の話を聞く。
(………気配がする)
(気配? 何の?)
(………おそらく、天敵)
なるほど。天敵か ー って、それで分かるオレたちもオレたちだな。
(そうか…それならばこちらもそれなりの対応をするとしよう)
(まず、アキを避難させよう)
(明久についでに鉄人を呼んできてもらう)
(………俺たちは何すればいい?)
(この部屋は、オレと雄二と秀吉でいいだろう)
(やつらが2つに人を分けられていたら大変だからな)
(………俺は竜也と共に明久の護衛に就けばいいのだな?)
(よし。作戦開始だ)
この今の内緒話を、紙に書いて他の3人に回す。すぐに了承してくれて、その通りにする。
あまりにも静かになるのはおかしいから、アキが出て行ったあと会話を繋げる。
「なあ明久よ」
「どうしたの雄二?」
因みに秀吉の声真似です。目閉じていたら本人と遜色ないぞ。
「ちょいとばかし俺は班長の仕事として外出しなければならない」
「そうなの? ヒロはどうする?」
「アキを1人にさせるってのは嫌だが、オレも高橋先生に呼ばれているんだ」
「そっか~それなら仕方ないね。みんなが帰ってくるのを待っているよ」
オレと雄二は偽りの外出を申し出、部屋の中に隠れた。ちょっと経ってから、
「ふふ……アキ、やっと2人きりになれたね。お話したかったんだ~」
と言いながらベランダから入ってくる島田。
「し、島田さん!? 今1人なの!?」
布団の中に秀吉は入っているため、島田からは顔が見えない。島田は声だけで判断して会話をしていた。
「そうよ。そろそろアンタと話がしたかったのよ。いつもいつも坂本やら七島やらが邪魔するからね」
「悪かったな邪魔してよ」
「ま、当然のことだろ」
と、オレたちは島田の話の良いタイミングで出てくる。因みに逃げられないように、ベランダの方とドアの方に分かれて立ちふさがる。
「な、何でアンタたちココにいるのよ!! 出て行ったんじゃなかったわけ!?」
「簡単に嘘に引っかかるんだな。俺たちが明久を1人にするわけないじゃないか」
「部屋に入ってきたときからベランダに潜んでいるっていうのは気づいていたんだよ」
「ちょ、アキ! 逃げずにお話を ー 」
島田は無理やり強行手段で布団をはがす。するとそこには。
「って、木下!? 何で?」
「ずっとワシが明久の声真似をしていたからじゃ」
「要するに島田。お前は声真似とアキの本当の声の区別すらつかないんだ」
「そんなやつに、明久を大事にするとか何とか言われる権利は無い」
因みに、オレですら分からない。コレは雄二の口車。島田をキレさせるのが目的だ。
「卑怯よ!」
何が? とんでもない言いがかりだ。
「一応聞く。お前は明久に何を話そうとしたのだ」
「Aクラスで他の女子といちゃいちゃせずに、アンタの居場所はFクラスなんだから戻ってきなさい!」
「大概にしといたらどうだ?」
「正直、強制転校させられないのが不思議なレベルだな」
「うむ。しかし学校側としても不祥事を表立って処理したくないのじゃろうの」
「うるさいわね!! ウチにだってアキと話す権利はあるでしょ!!」
「そんな権利、とっくの昔に自分自身で放棄したじゃねえか」
「家庭裁判所に持って行けば、確実に同じ事言われるな」
同じこと ー かどうかは分からんが、オレたちが勝つと断言できる。
「そろそろ訴えようか」
「何でそんなことしなくちゃいけないのよ!」
「アキの身の安全と、お前らに引導を渡すためだ」
「ふん。好きにしなさい。ウチらが勝つに決まってるんだから。他人がどうして会う権利を奪ったり出来るのかは教えてもらいたいものね」
そんなことをさせるアンタのその気持ちはどうなっているのかを教えてもらいたいね。
「もういいわ。あんた達には用が無いから帰るわね」
「
「
「はあ? 突然何をやってるの!?」
雄二の黒金の腕輪でフィールドを作り、オレが召喚獣を繰り出す。こんな戦いに秀吉を使うまでも無い。
「島田よ。召喚しないと強制的に補習室に連行されるぞい」
「ううっ……卑怯よアンタら! 勝てば良いんでしょ勝てば。
数学ですら、お前みたいなやつに勝たせるつもりは無い。
「ほう…どうやら天はオレに味方してくれたようだぜ」
「何で数学じゃないのよ!」
「Aクラスはな、どの教科でも勝負できるんだよ!!」
因みに家庭科では厳しいのは内緒だ。
社会 A七島 vs F島田
645 92
「な、7倍じゃと……弘志よ。さらに点数上げたの」
「そりゃあ、一時部活が勉強だったからな」
一番の得意教科、社会。バリバリ数学しか出来ない島田には負ける要素が見当たらない。
「とはいえ、油断するわけには行かないな。やるからには全力だ」
「な、何よ。かかってきなさい!」
「
2回目となる腕輪使用。最もこんな戦力の差に使うものではないが、徹底的にやりたいのでここはあえて。
「何を使おうかな~」
「かかってこないのならウチが!!」
「その程度の速さで奇襲になるとでも?」
カウンター気味にパンチ一発。
社会 A七島 vs F島田
win lose
「えっ? もう終わり?」
あまりにもあっけない終わりで逆に気が抜けた。たったあれ一発かよ。もうちょっと面白い戦いをしたかったな。
『戦死者は補習~!!』
「イヤ~!! 卑怯よあんたら!!」
『言い訳は補習室でみっちり聞かせてもらおう』
部屋の外すぐに待機したと見られる西村先生が、部屋に入ってきて島田を運ぶ。もう一方の手には姫路が運ばれていたのを見ると、康太が作戦通り姫路と保健体育で勝負し勝利したんだな。
「これで修学旅行中は安泰だ」
「といっても今晩と明日の昼までだけどね」
「それだけの身の安全が保障されたら楽しめるだろ」
「確かにね~」
クールダウンにもならねえ戦いだったな。普通ウォーミングアップにもならないっていうけど、こんなに疲れているときにはクールダウンの方がいいかなと思った。
「ヒロ君、軽音部にお土産買ってなかったでしょ」
消灯前の自由時間(とはいっても、ホテルの外には出られない)に、梓ちゃんが憂ちゃんと純ちゃんを連れてやってきた。
「確かに。お前らも行くか?」
「行く行く!」
「秀吉、1人になっちゃうね」
「ワシのことは心配せずともよい」
「あ、優子ちゃんからの伝言。秀吉、部屋に来なさい。だそうですよ」
「な、何をする気なのじゃ姉上は……」
「そんな怖いコトされないって。1人なのを気遣ってくれたんだよ」
「そうじゃろうか……」
ともかく、オレらはホテルの下のお土産売り場に向かった。
「優花と、スミーレちゃんと奥田さんと……さわちゃん先生だな」
「ちょっと間があったのは?」
「悪巧みをしているときの顔が思い浮かんでしまったから、持って行かないでおこうという考えが一瞬頭をよぎったんだ」
ただ、それは人間としてお世話になっている人に礼をしないのはおかしいと思った。
「何にしようか……」
「食べ物じゃないほうが良いかもね」
「残るものか~」
オレらは消灯時間ギリギリまで悩んで4人の分をみんなで分けて買った。
★
「何かあっという間だったね」
最終日、遊園地で遊びまくったあと新幹線に揺られて帰ってきた。そして、学校に寄る。
「わたし達がいない3日間にどんなことがあったんだろうね~」
「軽音部楽しみだ」
オレたち軽音部は全員、部室に向かった。すると、途中でスミーレちゃんに偶然会った。
「あ、先輩方!! お帰りなさい。お元気そうで何よりです」
そちらこそとても元気そうで何よりです。
「部室にいらっしゃるのですか? 是非来て下さい」
と、オレたちを誘導するように先に部室に向かったスミーレちゃん。部室のドアを開けると、
「直ちゃん、優花先輩! 先輩方帰ってきましたよ~」
部室内に向かって話していた。すぐ後に足音が聞こえてきた。
「お帰りなさい」
「ヒロ君~みなさんもお疲れ様です!」
だんだん、オレが知っている優花ではなくなってきているような……キャラ崩壊?
「直ちゃん、先輩達帰って来て良かったね」
「優花先輩こそ、待ちわびてたじゃないですか」
そんなにオレたちのこと待っていたのは嬉しいが……
「「「直ちゃん??」」」
オレらは同じところに疑問を持った。
「あ、先輩方も直ちゃんって呼びましょう。本人もそう呼んでほしいみたいですから」
と優花が言う。下の名前を知らないのは、唯一奥田さんだけだが。
「お願いします」
なるほど、奥田直ちゃんでしたか。下の名前なんて全然気にしてなかったな……
「直ちゃん、ただいま~」
「お帰りなさい。立ち話もアレなんで、早く中に入ってください」
「お茶淹れます」
誘導されるままにオレたちは部室内に入り、椅子に座る。
昨年まで部員が6人だけだったから椅子が足りたけど、今年は多いので入らない。アキたちには申し訳ないけど座布団on床で勘弁してもらっている。オレと梓ちゃんの場所は変わらず、去年までの唯先輩の場所に憂ちゃんが、澪先輩の場所に純ちゃんが、りっちゃんの場所におく ー 直ちゃんが、ムギ先輩の場所に優花が座っている。スミーレちゃんは給仕係としてメイド服を着て立っていた。何故メイド服なのかはさわちゃん先生の趣味なのだそうだ。もう突っ込む気にもなれず全員スルーしている。
「3人にお土産買って来たよ~」
「みんなで買ってきたんだけどね」
「音楽に関係がないっていうのが残念だけどね」
金閣・銀閣・清水寺のキーホルダーである。京都に行ったってのがよく分かるだろ。それに4つでそれセットだったしちょうど良かったんじゃない。
昨年ほどの団結じゃないのは申し訳ないけど。
「ありがとうございます!!」
「嬉しいです」
「早速つけます!!」
とても喜んでくれて何よりだ。それに気づかない間に仲も深まっているし。
『生徒会からの放送です。2年生、月野優花さん、生徒会室に来て下さい』
との放送が入った。この声は生徒会長:優子さんだ。って、早速修学旅行初日に言っていたことを実行するのか!! 流石だね。
「え、何だろう……何かしたかな?」
こういうお呼び出しともなれば、自分が悪いことをしたかと不安になるものだ。
「行ってみると良いんじゃない?」
「荷物も持っていっておきな、もうみんな帰るからさ」
「今日の部活終わりですか?」
「うん。明日からみんなで頑張ろう!」
「はいっ!」
優花は1人生徒会室に行き、オレたちは帰途についた。
「って、ちょっと待ってよ。置いていくの?」
「あ、優花。待たないとダメなのか?」
「別に……ただヒロ君がそういうことするんだと思って」
「はいはい。待っておきますよ。終わったら電話しろ。散歩してくる」
「了解!」
ったく……高校生にもなって1人で家にも帰れないのか……
「ゴメンね梓ちゃん。アイツがあんなんで」
「気にしてないよ。それよりも、今から話される内容のほうが気になる」
「優子さんがどこまで聞きだせるかだね」
「その間、ぶらぶらっと中庭を散歩しようか」
オレたちは暇つぶしに散歩という手段に出た。
★
「失礼します」
「来たわね。アタシが呼んだの」
「生徒会長?」
優花は放送の通り生徒会室に向かった。そこで待ち構えていたのは優子ただ1人のようだ。
「どういったご用件でしょうか?」
「軽音部のことよ」
「け、軽音部? 何かありましたでしょうか。それに、軽音部ならば梓先輩やヒロ君のほうが ー 」
ちょいとばかし、動揺している優花。優子はそれを落ち着かせ椅子に座らせた。優子もそれに対して座った。
「そんなに固まらなくてもいいから、素で話して欲しいの。今のアタシは生徒会長ではなく、1生徒として聞いて欲しい。軽音部の部長と副部長 ー 梓ちゃんと弘志君ね」
「ええ」
「どう思う?」
「どうとは?」
優子さんは立って窓の外に視線を移しながら、次の言葉を告げた。
「そのままよ。あの2人を見てどう思う?」
「よく分かりませんが、仲が良くて良い先輩方ですよ」
「アタシが聞きたいのはそんなお手本のような答えじゃなくて、あなたの気持ちよ」
「???」
「気づいているか分からないから言っておくわね。あの2人、付き合っているのよ」
優子がそれを告げると、優花は少し目を見開いて驚いた後、こういった。
「やはり、そうでしたか……」
驚きはしたが、予想もしていたことらしかった。
「がっかりした?」
「……2人を見ていて感づいてはいましたが ー 」
「嫉妬した?」
「な、何で嫉妬を!?」
「あなた、話を聞いたけど、弘志君を追ってココに転入したそうじゃない」
「ええ」
「弘志君は全然譲らなかったけど、アタシたち周りの人はみんなこう考えているのよ」
優子はいったん言葉を切ると、窓の外から優花の顔に視線を動かしこういった。
「あなたは尊敬の念・憧れが転じて弘志君を好きという気持ちになっているのよ」
「っ!!」
「図星でしょう。梓ちゃんも気づいていたわよ」
「そう…なんですか」
「深くは気にしないのが梓ちゃん大人よね」
優子さんは、手招きで優花をコチラに呼び寄せ、共に窓の外を見た。
「見て。あの2人の様子」
窓の外には2人が散歩している様子がはっきりと見えた。
「仲良いでしょ。2人は喧嘩もするけど、それでも仲が壊れないのよ。何故だか分かる?」
「いえ」
「それはね、好きという気持ちと他に、互いに尊敬の念を抱いているからよ」
「はあ……」
「何で突然こんなことを言い出したのかっていうと、軽音部に頼まれたのよ。あなたと梓ちゃんの関係が微妙におかしいって。それは弘志君を巡ってのことだとみんな分かったわ」
そういうと、優花は口をつぐみだんまりを貫いた。優子は構わず続ける。
「あなたが弘志君を好きになるなとは言わない。いえ、逆に今までの通りで良いのよ。でもね、その気持ちは踏ん切りをつけて置かないと時としてとてつもない方向に暴走してしまうのよ。今の3年生にもいるわ」
優子は姫路と島田、そして以前の霧島の顔を思い浮かべながら物申す。
「だからね、あの2人の気持ちを尊重して欲しいの。お互いがそうなんだから、第三者であるアタシたち他人には関与できないわ。いえ、してはならないのよ。あなたが梓ちゃんに嫉妬して軽音部の和が乱れるとなったら残念でしょ。そうなる前に、すっきりさせておきましょうよ」
優子は既に2人の様子が見えなくなった窓の外の風景から再び優花の顔に視線を戻す。
「これはお願い。弘志君に対するその思いは心の中に秘めておいても構わないけど、くれぐれも仲を引き裂こうとか自分のものにしてやるとかいう気持ちはなくして欲しい。あなたにそんな人になって欲しくないから」
切実な願いだろう。もはや修正不可能なあの2人に代わってというか、下の代でなりそうな子をなんとかして正常に戻す。
「それに、そんなことしたら一生弘志くんはあなたのほうを振り向いてくれないでしょうね」
優花にとってそれが最も大きなダメージとなった。
「分かりました。早速ヒロ君 ー いえ、ヒロ兄たちにわたしの気持ちを伝えようと思います」
「そうね。それがいいわ。わだかまりを残すものではないもの」
「ありがとうございます」
「話は終わりよ。そろそろ学校出ましょうかね。あなたも弘志君たちが待っているんでしょ」
「はい!」
優子のお悩み相談解決は無事成功で終わったようだった。
★
突然生徒会長に呼び出されるから何かと思ったけど……
すごいな~全部お見通しだったよ。でも、本当に全部言う通りなんだよね。先輩って凄いな。
「あ、いたいた!!」
「何だ電話しろって言ったのにもう終わったのか?」
「終わったよ」
場所は大体分かっていたので電話をせずに向かったらちょびっと怒られた。当然だよね。
「ヒロ君、いやヒロ兄」
「どうした? 急に」
「今頃だけど本当のことを言おうと思って」
「何か優子さんに吹き込まれたのか」
わたしが突然こういうのも変だと分かっている。毎年正月にしか会えずに、今年から突然毎日会うような生活になって性格が変わったのかもしれないっていうのも自覚している。
「実はね。ヒロ兄のことが好きだったの」
「は?」
即答された……しかも何言ってるのコイツ?みたいな感じで。そりゃそうだよね。ずっと競い合っていたライバルが突然こんなコト言うんだもんね。
「ヒロ兄が野球をしたら野球、サッカーをしたらサッカー、そして今はキーボードしたらキーボードをするように、わたしはヒロ兄の得意分野をずっと真似してきた」
「それでオレに勝ちたかったんだろ」
「うん。それで、勝ったらヒロ兄に認められると思って。わたしっていう存在がいるって」
「そんなもんしなくてもお前がいるってことは忘れないだろ」
違うんだよ……ヒロ兄。
「そして、勝ったらこのことを告白しようと」
「…………」
「でもね。それが今の軽音部、そしてヒロ君に悪い影響を及ぼすって分かった。梓先輩を嫉妬し、軽音部の仲が悪くなりって言う風に。今、わたしはこの軽音部の場所を失いたくない。もちろん、ヒロ兄も失いたくなかったけど、梓先輩がいるから……梓先輩ならヒロ兄を大切にしてくれるって分かったから、わたしは諦めることにしたの。それに当たって、この思いをヒロ兄にぶつけようと思って」
今までのわたしの気持ちを全てぶつけた。これでヒロ兄になんと思われても良い。
「そうか……それはありがとうな。でも、お前が気づいたように梓ちゃんがオレにとって大事だ。もちろんお前も大事なんだがな……」
「もう分かってるから言わなくても良い」
「オレのことをそんなに思ってたなんて全然気づかなかった……すまないな」
「謝ることなんかじゃない。わたしが毎年あんな態度を取っていたから」
「呼び方を昔のに戻したのは?」
「執着しないように。ヒロ兄って呼べば、従兄妹って関係でしょ。それでいいの」
最後はよく分からない理屈で締めたけど、ヒロ兄が納得したからそれでいい。
「梓先輩もごめんなさい」
「いいよ。気にしないで。それより優花ちゃんが本当のこと話してくれてよかったよ」
「ありがとうございます」
「一緒に頑張ろう!」
先輩、大人ですね。生徒会長の言う通り。部長でよかったです。
「じゃあ、帰ろっか。もう日も暮れるし」
「「うん」」
今日は何だかとってもいい日だった。
★
「ふ~」
「お疲れ優子。上手くいったようだな」
「そうね。あの様子を見てみる限りではね」
「姫路や島田・そして翔子の二の舞にはどうしてもさせたくなかったからな」
「雄二、帰りましょう。アタシたちも」
生徒会長は1つの大仕事を終えると、1人の女子高生としての顔であった。
軽音部の唯一の不安要素だった優花。
今回見事解決。
そして、最後の学園祭の演奏に向けて後1走り!?
優子の活躍、流石ですな~
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