我が鎮守府の艦娘暴走せり!   作:風が吹けば桶屋が儲かる

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マッキャンベル「あのゲーム久しぶりにやると楽しいのよねー!」
ベンフォールド「私はDS派なんだけど...」

※グラウラー...電子戦機


#6 私の艦載機は凶暴です。

 

 

青々しい透き通った空に6機の緑色に塗装された戦闘機が空中を舞っていた。かつて烈風と言われ実戦投入されなかった機体。この機体は今こうしてこの空を飛んでいる。

「んで周りに異常はないか?」

「異常は見られない」

「よし母艦に帰投する」

戦闘機乗りの妖精は淡々と任務をこなしていった。眼下にはガラスのような海面が広がっていた。その海面をかき回すように輪形陣で空母機動部隊の艦隊が白波を立てて海の上をかけていた。旗艦加賀を中心に加賀の後方にロナルド・レーガン、加賀右舷側に矢矧、加賀左舷側にベンフォールド、ロナルド・レーガン後方に瑞鶴、加賀前方に浦風がついていた。

「これより各機着艦する」

「了解。着艦指示に従え」

加賀が左肩にかけてある飛行甲板を水平方向にして艦載機の着艦に備える。加賀の戦闘機隊の後方には瑞鶴の航空隊、その後ろにはロナルド・レーガンのE-2がついていた。加賀や瑞鶴の航空隊が次々と着艦していくなかロナルド・レーガンのE-2...シーホークと呼ばれる早期警戒機はまだ上空を飛んでいた。これは旗艦加賀の命令でもう少し飛ばさなければならなかった。

「そういえば...ロナルド・レーガンでしたっけ?」

「なんすか?」

「貴女はこの偵察で戦闘機は出してないけど大丈夫なの?」

「とりあえず艦載機はスタンばってるから大丈夫だよ」

「そうなの。んで艦載機ってどんなの積んでいるのかしら?コルセアとかドーントレスとか?」

レーガンは一瞬首を傾げた。なぜこんなに古い機種の名前を出してきたのか?

「私の艦載機はスーパーホーネットとかグラウラーとかそこらへんですよ」

「聞いたことないものばかりね」

「嘘ですよね」

「ごめんなさいね。知ってたわよ」

加賀の声のトーンが明るかったのは確かの聞き取れた。なにせ話相手は前にいて後ろも向けない状況なのだから声のトーンで判断する他ない。

「私ねこの任務が終わったら大改装することになっているの」

いきなり加賀が自分の話をしてきた。

「え?マジなのそれ!えー!ずるい!」

レーガンの後ろで甲高い声で瑞鶴が異常に反応してきた。

「どんな改装すんの」

「船体の全長を100mくらい伸ばしてアングルドデッキの設置、さらに機関をガスタービンとディーゼルのハイブリッドのCODOGにするって聞きました。それに電探系もFCS-3を搭載するだとか色々聞きました。詳しいことは覚えてませんが...多分今の私ではなくなるでしょう」

レーガンは一度に入ってきた単語を理解するのでギリギリだった。ただ聞こえてきた話を冷静に考えてみたら新規で建造したほうがコスト的にマシに感じていた。

「そうなんだ...てかそろそろ早期警戒機戻していい?」

「いいわよ。これより母校に帰投する」

レーガンは左肩にかけている飛行甲板を水平方向にしてE-2の帰投を待った。

キュッと音を立てシーホークが着艦した。E-2から降りてきた妖精は何事もなく艤装に消えていった。

 

 

暑い埠頭の上...空は海から見ても陸地から見ても変わらなかった。

「いいなあー!ジェット機!レーガンの艦載機はってどんな感じなの?!」

瑞鶴が執拗に追っかけまわしてくる

「しつこいよー!分かった。無知のお前のためにこう言ってやろう」

瑞鶴が生唾を飲み込んだ

「私の艦載機は凶暴です」

「は?」

「そのままよ。あんた達のレシプロ機は一瞬で吹っ飛ぶよ。まあどうせアンタらの航空隊じゃあ全滅ですどねー」

「言ったわね!」

瑞鶴が自分の航空隊...いやここにいる空母の航空隊が侮辱されていらついた。

「どうせアンタなんて艦載機がなければただの標的艦だろうに!!」

「はあ!それ言ったらお前だってそうじゃん!このジャップが!」

「言ったなぁあああ!!クソヤンキーがっ!」

二人の喧嘩が大きくなっていった。ただでさえ暑い場所だった。ここで新しく白熱したバトルが始まろうとしていた。

「ヤンキーっていった?ねえ!ジャップの分際何を言ってるの?どうせ勝てないでしょうね!」

「ベトナム戦争で負けた国が何言ってんの!」

 

「Crawling . calm down. Both of them」

 

遠くから誰かの声が聞こえた。

「Who?!」

ロナルド・レーガンが叫んだ。

「Really I 'll pitiful . This is my junior ? No kidding.」

そこにアイオワがいた。この暑さで結構機嫌を損ねていた。アイオワの隣には金剛もいた。

「あの...瑞鶴?本当にごめんね。うちの後輩があれで...」

「....私たちの航空隊バカにされた。許せない!」

瑞鶴がその場で立ちすくんで泣いていた。怒りに満ちたその感情を抑えるので精一杯だった。自分たちの航空隊をバカにされて本当に許せなかった。

「...ロナルド・レーガン....ちょっといいかしら?」

「なんすかパイセン。私何か悪いことした?」

「瑞鶴に謝りなさい。それと、改装後の加賀と戦ってみなさい」

「えー」

「えーじゃねえよ。早よ謝れバカちんが」

アイオワは自分の後輩が相手に対しこんな無礼を働いて憤りを感じた。

「瑞鶴....ごめんなさい」

「許さないもん!!」

瑞鶴は金剛に飛びついていった。

「もう仕方ない子デース....」

金剛は瑞鶴の頭を撫でて抱きしめていた。瑞鶴は金剛の胸が目の前にあることに気がついた。怒りの感情で目の前が見えてないに等しかったからだ。目の前のふくよかな胸がいい感じの枕みたいだった。瑞鶴は金剛の胸に顔を擦りつけた。

「んもうくすぐったいデース!」

レーガンは目の前で瑞鶴が金剛に抱きついてる様子を見ていた。アイオワに怒られて虚しさがレーガンの心を支配した。なにせ自分の先輩があそこまで冷たい艦だったとは思わなかったからだ。もしかしたら任務に忠実で真面目なのかもしれない。

「もうわかんないよ....」

レーガンは埠頭を立ち去り宿舎へ戻っていった。

 

 

「本当にいいんだな?加賀」

「私は結構です。今後の空母の開発に貢献できるのならば私は嬉しい限りです」

「そうか...分かった。明石、夕張。加賀を頼んだぞ」

提督が工廠ドックを後にした。暑い夏の日だった。

「明石さん。始めましょうか」

「分かりました。改装完了予定時刻は明日の0930。じゃあこれから加賀の改装を始めます」

加賀に麻酔がうたれた。いくら艦と言っても今は人間の少女だ。麻酔をうたなければ痛みを耐え抜くことは不可能だろう...

 

 

「あ!コンニャロ!なんでここで...あぁ!なんでトゲゾー飛ばすんだよボケ!!」

「っへ!あそこでダッシュキノコ使うのがいけないだよ!ばーか!」

クーラーの聞いた艦娘宿舎でチャンセラーズビルとマッキャンベル、マスティン、ベンフォールドが威勢のいい声を出しながらレースゲームに没頭していた。画面の中では赤い帽子をかぶったヒゲの配管工やキノコがカート運転しながら亀の甲羅やバナナを投げ合っている。実にレースとは言い難いレースゲームだった。

「くっそぉ!あそこでトゲゾーなんて出してくれなけりゃ私は1位だったのに!!」

「はあ?私なんて12位よ」

チャンセラーズビルはどうやら2位だったようだ。

「...1位か...悪くないわね。本当にみんな雑魚だよね....」

マスティンがポロリとつぶやく」

「ああ?お前喧嘩売ってんの?!」

6位だったベンフォールドが逆上する。

「いいじゃん。私なんて12位よ」

マッキャンベルは再度12位アピールした。

「次はレインボーロードだ!」

「ヤダヤダヤダ!!絶対に64マリオサーキットが言い」

「いやここは冷静にムーンブリッジ&ハイウェイでしょ」

「もういいじゃんルイージサーキットで」

この4人で見事に意見が割れた。

「んじゃあ私に決めさせて!」

ベッドで寝てたはずの瑞鶴が起きてきた。瑞鶴はマッキャンベルのリモコンを取り上げると即座に選んだ。

「いいでしょ♪ワルイージスタジアム」

オフロードサーキットだった。しかも彼女らの苦手なコースの一つでもあった。

「ねえ。これわざと?」

「私の好きなコース」

「そ...そうなんだ」

そしてレースが始まった。瑞鶴はその光景を眺めこのサーキットなら目の前の彼女らより上手いことを確信した。刹那、翔鶴が部屋に入ってきた。

「あの...」

翔鶴が瑞鶴にアイサインを送った。それに対し瑞鶴は自分に指をさし首を傾げた。その動作に反応するように翔鶴が首を縦に振った。

「ちょっと行ってくる。この部屋の留守番お願い」

「任せて!」

マッキャンベルの声が廊下にまで響いた。

 

「なに?翔鶴姉。加賀さんが...」

「大改装するんでしょう?それも元の艦が分からなくなるくらいに」

「なんで知ってるのよ」

「今日の警備任務中に加賀が言ってたから」

翔鶴は一瞬だけ目が黄昏た。

「どうしたの?」

「うん。大丈夫」

いつもの翔鶴に戻っていた。なにを考えていたのだろう。

「やっぱ加賀のことが気になるの?」

「だってなんだかんだ言って優しかったし瑞鶴もお世話になったでしょう?」

「んまあそうだけどさあ」

「今どうなってるか見に行かない?」

「うんいいけど」

変わり果てた憎いけど優しくしてくれた先輩...変わり果てて加賀ではないような別物のような空母のになっては欲しくなかった。憎いけど...優しい。これが瑞鶴にとっての加賀の定義だった。そしてあのルックス。あの"加賀"だから"加賀"だった。瑞鶴はそんな複雑な心情のまま加賀を改装している工廠ドックへ向かった。

 




チャンセラーズビルらのやっていたゲームはマリオカートwiiです。
まあたまにやりたくなるんだよね〜あれ。

次回

加 第七話
賀、
心のむこうに
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