賀、
心のむこうに
瑞鶴「エヴァンゲリオン弐号機積めば私最強じゃね?!」
加賀「じゃあ私のエヴァシリーズでその弐号機を....」
瑞鶴「やっぱ初号機に」
加賀「mark.6の槍で...」
瑞鶴「負けました」
加賀「トドメに月光蝶」
「....誰ですか....私を呼ぶのは...それにここはどこ?なにもないじゃない。」
加賀さん。私は見ているよ。ここで
虚空の中では全方位から声が聞こえてくる。誰の声なのか分からない。複数の声が入り混じっていた。
「ここはどこです?私はどうなったんですか....」
貴女は生きてます。沈んでもいません。貴女はここにいるのです。
「"ここ"とは一体なんですか」
貴女は今。無数の意識集合体にいるのです。
「なぜ私はそんなとこにいるの?」
それは私たちがここに貴女の意識を呼び込んだからです。
「なぜ私を必要としたの?」
いいから来なさい。この高度な意識の集合体とともに貴女も私達と一緒になるの。そうすればこんな腐った世界なんてどうでもよくなるわよ。
虚空には生意気な後輩...瑞鶴が泣きべそかいた。真後ろを向けば赤城が憲兵にセクハラを受けていた。右を向ければ敵の艦載機の攻撃を受けて轟沈寸前の第二航空戦隊の飛龍、蒼龍がいて左を向くとミッドウェーの記憶が目に飛び込んできた。
こんな腐った世界から私達は貴女を解放してあげる。だから来なさい。
目の前から白い手が伸びてきた。その手は加賀の右手を強く掴んだ。
「やめてくださいっ!」
加賀の右手を掴んでいた腕から上腕、肩、顔が浮かび上がってきた。その姿は....
「...私っ⁈」
そうよ。私は建造されたけど結局解体されたもう一人の貴女。"それ"の集合体。だから私は貴女。貴女は死なない。変わるの貴女がいるもの。
「違う...!私は私だ!決して貴女達ではないの!」
加賀は白い虚像の加賀の腕を強引に引きちぎった。
「やめて...私は私。私なのっ!!」
「加賀!大丈夫?!」
工廠のベッドに横たわっていた加賀がうなされていた。腕と足がジタバタ動く。
「私は...貴女達とは違う!虚像なんかじゃない!」
「加賀...」
瑞鶴はまるで悪霊に取り憑かれたかのように寝ながら大声を張り上げる加賀に恐怖を感じた。いつもの冷静で知的でちょっと憎い加賀ではなかった。目の前には"何か"から死に物狂いで反発するような加賀がいた。彼女の額には無数に汗が取り付いていた。
「瑞鶴...危ないから離れなさい!」
翔鶴が怒号を発した刹那、加賀はベッドから起き上がり瑞鶴に飛びかかっていった。
「やめて...加賀!どうして?!」
加賀は思いっきり瑞鶴の首を手で締め付けた。瑞鶴は目の前にいる加賀は加賀でないと認識した。厳しさの中に優しさを宿した眼だった彼女。しかし今は狂気じみた赤い眼になっていた。
「貴女。本当に憎々しいのよ。弱いくせに誰かに抱きついて。それで泣きわめいて。とっとと死ね」
「やめて...加賀!私は貴女に何をしたっていうの?!」
刹那、加賀が床面に倒れた。うなじに対艦ミサイルらしきものが刺さっていた。
「加賀!....ねえ加賀!!死んじゃやだよ!ねえ加賀!!」
工廠の入り口には艤装を取り付けたロナルド・レーガンが立っていた。
「ねえ。加賀を殺ったのアンタ?」
「そうよ。でもそうしなければ貴女は死んでた...」
レーガンの語尾が濁っていった。
「そうよ...でなければアンタ本当に...」
「このバカっ!」
瑞鶴はレーガンに歩み寄ってレーガンの左頬に強力なビンタを食らわした。そして膝の力が抜けたようにレーガンの膝に泣きついて泣いていた。
「あのミサイルには信管入れてないから加賀は死んでないよ。少し修理すれば治るはずよ」
「はずって何よはずって!現に加賀は意識が飛んでるじゃない!」
レーガンの視界には翔鶴が加賀をおぶって工廠の待機ベッドに運んでいる様子が見えた。
「大丈夫よ。加賀は生きてる。絶対に」
レーガンの目から涙が地面に向かって落ちていく。一部の涙は瑞鶴の頬に当たっていた。
「なんで泣いてるの?」
「私ってドラマとか小説とかでしか泣いたことないのに...なんでだろう」
自分達の仲間が自分のことを家族同然大事に思ってる、思われている。ただこれだけのことが羨ましかった。実際に第7艦隊とのメンバーとは仲がいいとも悪いとも言えない。
「私達現代艦はミサイルの標的実験艦以外で仲間の死を見たことないのよ。それにそれが目の前でもなく遠くでもなく...いや...ミサイルの標的実験を見られるだけでもレアだったのかもしれない...」
「本当のんきでいいわよね。実戦で仲間がどんどん沈んでもいくのを見たことがないって。私達の仲間はほとんどアンタの先輩に沈められたよ」
レーガンは瑞鶴の言葉に輪廻を感じた。
「ここはどこ?!」
眼下には荒波に揉まれる艦隊が見えていた。今いる場所も荒波に揉まれている。
...ここはかつての私の甲板の上よ。
「目の前にいるのは誰?」
....加賀よ。この時は本当に大変だった。ハワイまで行くのは疲れたよ。
レーガンがこの場面は真珠湾攻撃に向かう日本艦隊だと悟った刹那、見える景色が変わった。
「この海域は?」
...珊瑚海。ここで私達は空母仲間を一隻失った。
軽空母が沈んでもいく光景が見えた。他にも駆逐艦1隻沈んでいいる。しかし別の方向みれば空母レキシントン、駆逐艦シムスが沈んでいく様が見えた。この後も瑞鶴が見てきた戦闘の記憶が頭の中に出入りしていった。
「すごい斜めってるけど!ねえ大丈夫なのこれ!!」
...あの時の私の最後よ。振り向いてごらん。
そこには1944年10月25日13時27分「総員発着甲板ニアガレ」と命じられ甲板に残存兵が集められていた。
「....艦長は?」
...私と一緒に運命をともに歩んでくれたのよ....
同年同月同日14時40分。瑞鶴の船体は深海に姿を消していった。
「...残酷だよこんなの」
...でしょうね。多分アメリカ側は真珠湾攻撃した空母を全滅させることができて喜んだんだと思う。でもこれはあくまでも私の推測よ...
「....そう。なんだ....」
この一瞬に流れてきた記憶。一緒に戦ってきたことで仲間を知る。仲間の心の内を知る。いつしかこうして艦から別の姿に変わっても仲間は仲間。昔は憎かった相手でも自然に家族として受け入れることができるかもしれない可能性。
「本当に大きな戦争してないで生きてられるアンタたちが本当に羨ましい」
「羨ましがられるものでもないよ。私達は兵器。結局私達の運命を決定するのは人間だよ」
瑞鶴は足に力を入れコンクリートを思いっきり踏んづけた。
「もう。今までの悪いことチャラにしよ!」
「うん!」
「そうだ!一緒に昼飯食べに行かない?」
「いいよ」
瑞鶴とレーガンは地面に足を食堂に歩んでいった。壮大な食堂への道のりだった。
※
「私...は...」
「加賀さん大丈夫?翔鶴さんが加賀さんが大変なことになってるっていうから駆けつけてきたのよ」
「いろいろと心配かけてすみません。赤城さん。わざわざありがとう」
ベッドに仰向けに横たわっていた加賀の表情は柔らかかった。
「そういえば改装受けたんですよね?あまり見た目変わって無いじゃ無いですか」
「まだ鏡見てないから分からないけれど赤城さんがそう言うのならそうなのだと思います」
天井には2本の蛍光灯がついていた。それに左を向けば翔鶴が机に向かって伏せて寝ていた。
「加賀さん!起きました?」
明石と夕張が入ってきた。彼女のらは分厚いマニュアルとカルテらしきものを持っていた。
「無事改装は終了しました。それで艦載機の方なんですが...」
「何かしら?」
「まあレシプロからジェット機に機種転換して欲しいという提督の意向がありまして...」
加賀はベッドから起き上がり床に足をつけた。隣で赤城が心配そうな目で加賀を見ていた。
「これがその艦載機のリストです。電子戦機と早期警戒機は最低必ず一種類入れとけとの命令です」
艦載機候補リスト
戦闘攻撃機
F-4EJ ファントムⅡ
F/A-18FJ スーパーホーネット
F-15JNC イーグル
F-22JN ラプター
F-35JC ライトニングⅡ
F-3C(名称未定)
VF-1 バルキリー
電子戦機
EF-111JC レイヴン
EA-6J プラウラー
EA-18GJ グラウラー
早期警戒機
E-2 ホークアイ
アグスタウェストランドAW101
ヘリコプター
SH-60J
SH-60K
「確かに凄い子ばかりね。でもなぜに艦上戦闘機でも無いものがリストに上がっているの」
明石はF-15JNCとF-22JNのことだと悟った。
「それは私たちで魔改造できるからじゃないんですか?ねえ夕張さん」
「そうね...」
加賀はまだ不思議そうな顔をしていた。ずっとある艦載機を見ていた。
「ねえ。このバルキリーって本当に大丈夫なの?」
「大丈夫って?」
「普通の子とは仕様が違うみたいじゃない。だってロボットでしょう?」
「え?こんなものまでリストに上がってたの?!流石にこれは開発不可ですよ!」
明石がいきなり大声を張り上げた。夕張も吃驚していた。その明石の声に反応したかのように翔鶴が起きてきた。刹那、翔鶴からこんな言葉が飛んできた。
「っち...うるせえよ。少し黙れクソが」
ここにいる艦は凍りついた。
「一番怒らせたらまずいやつかもよ...」
「え...えーと。艦載機どれにいたしましょうか?」
明石は冷や汗をかきながらリストを渡した。加賀も青ざめた顔でその艦載機リストを受け取った。
「欲しい艦載機に丸を書いといてください...それとちょっと耳を貸していただけませんか?」
「ええ。いいわよ...」
明石が加賀の耳に当て言ってきた。
「最近翔鶴と何かあったんですか?」
「何もないわよ。てか私が聞きたいです...」
机にあったペンを取り出し丸をつけ始めた。
「明石さん。書き終わりました」
「分かりました。提督に提出させていただきますね」
「いろいろとありがとうございます」
一礼をして加賀は立ち上がった。
「加賀さん、どこに行くんですか?」
「昼ご飯を食べに...赤城さんも来ます?」
「そうね。じゃあ一緒に行きましょうか」
一航戦の2人、工廠待機ベッド室を後にした。翔鶴はまだ机に向かい伏せ寝ていた。この部屋には空調の音と蛍光灯の音、そして時計の針が動く音が部屋の虚空に響いていた。
加賀の選んだ艦載機は次回に登場します。
ついでに加賀さんの改装後性能諸元も....書けたら書いとく。
次回は
第八話::見:::::::::::::
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