我が鎮守府の艦娘暴走せり!   作:風が吹けば桶屋が儲かる

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レーガン「そういえば加賀」
加賀「なに?」
レーガン「アンタの元の船体どうなったの?」
加賀「外付けされた船体の中に入ってるわよ」
レーガン「え?」
加賀「そんな驚くこと?」
レーガン「あのエセックスの先輩がたでもでもこんな改装はしなかったよ」
加賀「2次元は夢がいっぱい妄想も自由だからいいんじゃない?」
レーガン「メタ発言やめような」


#9 Prope et de longe

....ちら.........本......軍.....第.....隊

 

ノイズ混じりに無線が耳の中に入ってきた。まだノイズが酷く聞き取りにくい。どこの...なんなのか....

 

こちら.......連邦海軍第.......隊。.......と....せよ。貴艦.......して.......退去せよ...

 

「何...連邦なの....」

大和がポツリとつぶやいた。

「ロシアだったらぶっ潰す。」

アイオワが冷めた言葉でこの空気を刺した。そして徐々にノイズが消えて言葉が鮮明に聞こえてきた。

 

こちら日本連邦国防海軍第壱艦隊。貴艦の所属と行動目的を明らかにせよ。貴艦らは我が艦隊の作戦行動海域にいる。即刻退去せよ。

 

「日本...連邦...聞いたことないこんな国...なんなのここは?!」

徐々に近づく"日本連邦国防海軍第壱艦隊"と呼ばれるモノたち。大和は自分の甲板上で顔を蒼くしながら怯えていた。

「大和!私が返信するから」

霧島は自分の艤装からインカムを取り出し口を開けた。

「こちらは大日本帝国海軍連合艦隊。我が艦隊は謎の濃霧によってこの海域を漂流している。貴艦隊の救援と補給を要請したい」

しばらく返答がなかった。霧島は不安という感情に支配されていった刹那、日本連邦国防海軍第壱艦隊と名乗る艦隊から通信が入ってきた。

 

了解した。駆逐艦を一隻手配して付近の基地に補給を要請する。

 

霧島は大和に向けグッドサインを送った。

 

 

「こちら日本連邦国防海軍第壱艦隊。貴艦の所属と行動目的を明らかにせよ。貴艦らは我が艦隊の作戦行動海域にいる。即刻退去せよ」

通信科の人が目の前の濃霧の向こうの艦隊に呼びかけても返事はない。レーダーには総数49隻の艦が反応していた。

「高橋...どうだ?相手の様子は?」

「いえ返答は何も...」

「分かった。再度確認を行ってくれ」

「了解」

篠崎は窓越しに見える濃霧の向こうの艦隊を凝視していた。艦橋の中は異常に静かだった。

「あの濃霧に居るのは敵なのだろうか...」

「なるべくなら敵でないことを祈りたいですね」

センサー長は画面を睨み続けていた。

「もしあれが大日本帝国海軍の艦艇とかだったらどうなるんでしょう?...つい6年前だって米海軍と共同で真珠湾奪還作戦に行った海自の第2護衛艦隊が南雲機動部隊らしきモノを見たって...」

「それは迷信だろう?逆に対戦中は空飛ぶ巨人が目撃されたそうじゃないか?飛行機の形をしていたらいきなり人型に変形したって話だ...」

「それこそ迷信であって欲しいです」

篠崎はため息をつき艦橋の艦長席に深く腰をかけながらコーヒーを飲んでいた。ブリッジクルーたちはコーヒーの香りで目を覚ましながら明け方の濃霧を見ていた刹那、濃霧がいきなり晴れた。

「何が起きた。状況知らせ!」

篠崎の怒号がしょうかくの艦橋に響き渡った。

「目の前に...艦隊が見えます!あれは....!」

信じたくなかった。そこにはかつて鉄の城とも呼べる海の要塞が隊列を組んで接近してきた。

「旧日本軍の...艦隊じゃねーか....。司令長官!」

「分かった...全艦に攻撃準備命令。第1種戦闘配備」

橋間は司令長官席に肘を立てながら目を光らしていた。

「航空隊に通達。搭乗機にて待機せよ」

しょうかくの艦内放送が廊下、格納庫、艦内の隅々まで響き渡った。

「艦長。こちらからは手を出すな」

「なぜです?!今、我が艦隊は...」

「見ろ...モニターを....私もあれには驚いた」

モニターにはカメラ越しで映った景色が映されていた。艦橋には誰もいない。甲板にはコスプレをした少女のような人影が見える。さらに彼女は船の艤装を模したものだろう背負いものを背負っていた。

「嘘だろ」

カメラ越しに見える彼女らは酷く怯えていたり、インカムに向かい必死に応答を求めるような姿が見えた。まるで艦を擬人化したようなものに見えた。篠崎はかつてそんなゲームがあったなと考え込んでいた刹那、通信科の方に動きがあった。

「『こちらは大日本帝国海軍連合艦隊。我が艦隊は謎の濃霧によってこの海域を漂流している。貴艦隊の救援と補給を要請したい』と...目の前の艦隊が...」

大日本帝国海軍...かつてアメリカ海軍に苦戦しながらも散っていった集団...そんな彼ら?いや彼女ら?そんな集団がこの現在に居るのはもっぱらおかしい。

「長官...」

「受け入れてやれ。付近の基地に話をつけておく」

と言ってもここは銚子沖約450km。付近の海軍基地と言ったら硫黄島ぐらいしかなかった。

「ですがあそこは....」

「あぁ。あれだな?しかし正体不明の艦隊を内地に送るわけにもいかんでしょう?」

「はあ....」

あいにく硫黄島には国防宇宙軍の第参航宙艦隊が居座っていた。国防海軍からすれば国防宇宙軍はお邪魔虫でしかなかった。2036年の大規模再編計画で海上自衛隊はそのまま国防海軍に、さらに海上自衛隊航宙部隊を全身とした国防宇宙軍が設立され、それらをまとめる組織として宇宙海軍が設立された。しかし航宙部隊と通常部隊との相性が悪く上の頭を悩ませてもいた。が、結局仲の悪い同士でコンビが組まれてしまったのだ。

「その大日本帝国海軍連合艦隊に通達"了解した。駆逐艦を一隻手配して付近の基地に補給を要請する"と言っておけ」

「了解」

高橋がインカムに向かって話かけた。橋間も篠崎もこの艦橋にいる全員はどこか不安な感情が残っていた。

「長官。あの護衛にはどの艦を?」

橋間は適当に指を刺した。刺した先には船体に179と書かれた艦があった。

「まや...でいいんですね?」

「別に構わん」

橋間はミサイル駆逐艦まやの艦長に大日本帝国海軍連合艦隊護衛役として就くように命じた。まやは自艦の所属している艦隊の方向とは逆の方向に転進した。

「涼華...頑張れよ。父ちゃん応援してるからな」

「そうゆうことだったんですか...」

「え。あ。まあな」

橋間は少し照れながらかぶっていた帽子をかぶった。

 

 

我ニ続ケ

 

前方に見えている艦隊から一隻離脱していく艦が見えた。その艦は"我ニ続ケ"と発光信号を送って来た。その護衛艦の後ろに続くように連合艦隊が水面を駆けた。

「日本ってあんな凄い空母持ってたっけ?」

「持ってないし...貴女も凄い空母じゃないですか」

「まあそうなんだけどね」

加賀とレーガンは自分の飛行甲板から連合艦隊の横を通り過ぎる大型空母を見つめていた。さらに周りを囲むように駆逐艦らしき艦と戦艦らしき大型艦が航行していた。横を通りすがった艦のマストから出てる空中線には旭日旗が掲げられていた。あの艦達も意識はあるのだろうか。記憶は受け継がれていくのだろうか。加賀は自分の艦橋に寄りかかり考え込んでいた。

「私たち...何日ぐらい連続航行しないといけないんでしょうか...」

大和がポツリと呟いた。

「まあ1ヶ月も航行はしないと思いますよ。それにしても....海って広いよね〜。自分がどこにいるのかも分からなくなるくらい広いもん」

比叡は艤装を甲板に置き寝っ転がっていた。

「でも...今自分の上にいるのに誰も人がいなくて逆に怖いんですよね...妖精は妖精でちゃんと背負ってきた艤装にいるし...」

「確かにそうよね...」

比叡の言葉につられ霧島は甲板の上を見渡した。誰もいない。艦橋に目を向けても誰もいない。

「ねえ加賀さん?貴女のとこに航空要員いる?」

「いえ。船体に居るのは自分だけのようです」

誰もいない飛行甲板。誰もいない艦橋。自分だった身体に自分だけが居た。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ねえ副長?あの艦隊なんだけど。少し変じゃない?」

「なぜです?」

「あの軍艦には何故か人間の正気がないというか....生物的な反応が少なすぎるというか...」

「艦長は生物レーダーですか?ちゃんと人は乗っているはずですよ」

「そ...そうよね...。そうならいいけど」

涼華は自艦の後方に位置している連合艦隊に対し寒気を感じていた。

「ねえ...やっぱあの連合艦隊に人が乗ってる気配ある?」

寒気を感じいてもたってもいられなかった。

「やはり艦一隻につき甲板に少女が1人が居座ってますね。それ以外の人間は見受けられません」

「そう...ですか。ありがと」

空は蒼かった。海は深い色をしていた。清々しい海、清々しい空なのに生物的な何かが少なすぎる寒気。

「艦長。一つ質問よろしいですか?」

副長が艦長席に座っている涼華に質問を投げかけてきた。

「なんですか?」

「連合艦隊に....アイオワ級戦艦なんていましたっけ?」

「そりゃいたでしょう?"連合軍艦隊"のことでしょ?」

「いえ旧日本軍の連合艦隊です」

「え?」

涼華は艦長席を飛び出し艦橋横に飛び出していた観測台に出て行った。

「ちょっとそれ見せなさい!」

「あ...どうぞ」

目を疑うような光景だった。戦艦大和の隣にアイオワ級戦艦らしきものが見える。しかしその隣にいた戦艦大和も不気味なものであった。

「ねえ。戦艦大和にFCS-3なんてついてたっけ?」

「確かに史実の大和はついてませんが....」

「しかも艦橋の形が史実の大和と結構違うじゃない....私は何時代に生まれてきたの?」

双眼鏡を見ながら涼華は混乱していった。近未来的な艦橋の戦艦大和、その隣に米戦艦。

「私...ここがどこだか分からなくなってきた。もう家に帰りたい」

「艦長がそんなこと言ったら士気が下がりますよ」

「そうね...こうゆう言葉は一切慎むわ」

航海科の観測台担当に何が分かるっていうの?こんな訳の分からない艦隊を引き連れて硫黄島まで連れて行かないといけない。その責任を取らされているのに...

涼華は再び艦長席に戻った。感情のない目で海を見ていた。

「国防宇宙軍があれを見たらどう思うのだろう...」

硫黄島には自分の夫がいる。優しいのか厳しいのかウザいのかと言われればウザい奴なのかもしれない。

「きっと腰抜かすだろうな...宇宙の大規模な艦隊は散々見てきたんだし...ウザいけど会いたいな」

小さく呟いた言葉は心に残っていった。

 

 

「なに?!連合艦隊が突如消滅しただって?!」

作戦司令室に提督が飛び込んできた。作戦司令室にいる艦娘や司令要員は焦りながらも自分の職務を全うしていった。

「濃霧が突如出現し、そこに連合艦隊が突っ込んで行った数分後に全艦シグナルロストしました」

眼鏡をかけた艦娘が報告書を渡してきた。提督は恐る恐る報告書の中身を開いた。そこには"謎の濃霧により連合艦隊全艦ロスト"と....

「俺は大本営にどんな報告書を書けばいいんだ...大淀教えてくれ、俺は後何枚報告書を書けばいい?俺は後何回、紙とインクを無駄にすればいいんだ....。ボールペンは俺に何も言ってくれない。教えてくれ、大淀」

ついに提督が挫けた。なにせ今まで放っておいた報告書のツケが今日まで溜まってしまいには"濃霧で艦娘ロスト"とは書けなかった。

「あれだけ言ったのに放っておいた提督が悪いんです。私は悪くありません」

「おねげーしやすだ。大淀とっつぁん!お礼はいくらでもしやすから!」

嘘泣きしている提督が床に伏せ土下座している。大淀は冷たい目線で提督を睨んだ。

「それでも。書きませんからね」

「ッケ 分かった書けやいいんだろ?!書けば」

叫声を作戦司令室に置き提督は部屋を出て行った。

「こうゆうときになるとめんどくさいのよね...。」

ため息を自然とついていた。

 

 

「本当に良かったんですか?自分の娘さん行かせちゃって」

「軍人がビビってたら話にならんだろ?アイツはワガママだからな。まあ教育だよ教育」

「感情で艦隊を動かすのは流石にどうかとは思うんですけどね...」

篠崎の呆れた笑いが橋間の笑いと溶け合った。




日本連邦宇宙海軍 国防海軍 登場人物

橋間宏貴(はしまひろたか) 大将 64歳
...日本連邦国防海軍第壱艦隊司令長官。娘思いの親バカ。

篠崎昌介(しのざきしょうすけ) 大佐 57歳
...航空母艦しょうかく艦長。

高橋岳歩(たかはしがくほ) 軍曹 32歳
...航空母艦しょうかく通信科。

橋間涼華(はしますずか) 大佐 38歳
...ミサイル駆逐艦まや艦長。案外ビビりな性格もある。仕事がオフの時は周りのクルーから"お嬢ちゃん"呼ばわりされている。夫は国防宇宙軍第参航宙艦隊所属航宙戦艦出雲の副長をやっている。

このAMERICAN HEROSの世界設定はAMERICAN HEROSのお話が終わってから書くのでちょい待って。

次回は...
硫黄島に彼女らが補給に行きます。ただ迷い込んだ世界は戦争状態。どこと戦争しているか....それは次回で明らかになるはずです。
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