IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

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第56話

 

黒とクロエは再び厨房で料理をしていた

 

「クロエ、そっちはどうですか?」

 

「もう少しです」

 

黒達は天ぷらを作っていた

 

「日本の食文化を知ってもらういい機会です。天ぷらは入り口としてはいいでしょう」

 

「そうですが作りすぎましたね」

 

「いいんです。メイドさんたちにも食べてもらえばいいんですよ」

 

「それにしても海老天にかき揚げ、いも天、舞茸、鶏天、カボチャやりすぎでは?」

 

「知らんな、それでそっちはできましたか?」

 

「ええ、それにしてもうどんはどうなんですか?」

 

「いいのですよ」

 

「あとサラダを出して終了です」

 

「・・・大丈夫ですか?」

 

「いいんですよ」

 

「黒さん来ましたわよ」

 

セシリアがダイニングに入ってくる

 

「今作り終えたので今お持ちいたします」

 

「分かりましたわ」

 

セシリアが席に座ると黒はうどんと天ぷらを大量に乗せた皿をセシリアの目の前に置く

 

「う、うどんですの?」

 

「はい、ですが今日は一切市販で売られている天ぷらや製麺を使用しておりません」

 

「1から作ったのですか!?」

 

「ええ、それで天ぷらですが何もつけずに食べてよし汁につけてよしソースでもよしと様々な食べ方がありますのでご自由に好きなだけ取って食べてください」

 

「わ、分かりましたわ」

 

セシリアは学園にいる間に覚えた箸使いでうどんを食べていく

 

「!!・・・いつものより固いですわね」

 

「わたし好みで作ったのでコシを強くしてみました」

 

「それではこちらもいただきますわ」

 

次に海老天に箸を伸ばし食べる

 

「こちらはどこかで食べたような?」

 

「臨海学校での夕食に出た物をトレースしてみました」

 

「美味しいですわ」

 

「クロエ、私達もいただきましょう」

 

「はい」

 

黒とクロエは席に着きうどんを食べ始める

 

「さすが○亀製麺方式、楽でいいですね」

 

「参考にしたところがあるんですか?」

 

「麺は注文して天ぷらはバイキングで自由にとるといったチェーン店があるんですよ」

 

「日本は大胆な発想が多いですわね」

 

「始めてみたときは驚きましたよ。その時は食べ過ぎてしまいましたね」

 

「黒様、私も行ってみたいです」

 

「では夏休み中にでも行きましょうか」

 

「はい!!」

 

3人はうどんと天ぷらを食べていくのであった

 

 

 

深夜、黒は明日の出発に向けて準備を終わらせタッパーを持って庭園でタバコを吸って待っていた

 

「今日の肴は余った天ぷらに大根おろしと汁を軽くつけたものでいいでしょう」

 

「お待たせしました」

 

チェルシーが庭園にワインとグラスを持ってやってくる

 

「肴は用意しておきましたよ、ワインに合うかどうかはわかりませんが」

 

「そうですか、隣失礼します」

 

チェルシーが隣に座るとワインのグラスに注ぐ

 

「若様どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

グラスを受け取るとチェルシーはこちらにグラスを寄せてくる

 

「それでは」

 

「「乾杯」」

 

2人はグラスを合わせる動作だけをしワインを飲む

 

「久しぶりの酒ですね」

 

「でしょうね」

 

「ではこちらもどうぞ」

 

タッパーを取り出すと小さく切った天ぷらの上に大根おろしが大量に乗って汁がかかったものを出す

 

「今日の残り物ですか」

 

「意外とうまいものですよ」

 

チェルシーは爪楊枝に天ぷらにさし1つ食べる

 

「さっぱりしてていいですね」

 

「それでは私も」

 

黒も爪楊枝で天ぷらを食べる

 

「肴にはもってこいですかね」

 

「美味しいですよ」

 

「そういってもらえるとありがたいです」

 

「若様は料理が得意なんですね」

 

「得意といえばそうですね」

 

「どの料理ができるんですか?」

 

「民族料理以外であればなんでもできますよ」

 

「・・・私達の存在理由が無くなってしまいませんか?」

 

「言ったでしょう?私は執事ではありませんのでこの屋敷には仕えませんよ」

 

「それよりも旦那様になりそうですけれども」

 

「否定はしませんよ」

 

「若様はどうしてセシリアお嬢様の事が好きになったのですか?」

 

「最初からその話題ですか。そうですねこんな化け物である私をちゃんと人間として認めて認識してくれたからです」

 

「化け物ですか?」

 

「ええ私は化け物、怪物です。本来はこうやって表舞台に出ることすら烏滸がましい存在です」

 

「若様は化け物ではありませんよ。ただのお人よしの人間ですよ」

 

「ふふ、よく言われますよ」

 

「でしょうね。化け物にしては優しすぎます」

 

「私はこういうものですので分かりませんよ。さてこちらもどうですか?」

 

黒は自分のタバコをチェルシーに差し出す

 

「ではいただきます」

 

「どうぞどうぞ」

 

黒はライターを取り出しチェルシーのタバコに火をつける

 

「それでは私も」

 

黒もタバコを咥え火をつける

 

「ふぅ」

 

「若様がセシリアお嬢様と接触してからというもの全てが変わったように感じます」

 

「私は何もしてませんよ。あなた方が勝手に変わっただけですよ」

 

「そんなことないですよ。お嬢様が、メイドが、そして私が新しい世界に来たような感覚です」

 

「それでしたら私ではなくセシリア嬢に言ってください。私はもともと護衛任務をしにIS学園に来ただけです、そこにセシリア嬢が私達に接触してきたのですから」

 

「そうですか」

 

「まぁ一悶着ありましたがね」

 

「セシリアお嬢様がご迷惑をおかけしました」

 

「いいんですよ。その後に和解しましたので問題はありません」

 

「ならいいのですが」

 

「最も学園ではハプニングが多くてやっていられないですが」

 

「あそこは安全のはずですよね?」

 

「どうせ男性IS操縦者が出たことでこんなことになってるのでしょうね」

 

「でしたら責任取って若様がどうにかしてくださいね」

 

「もとよりそのつもりですよ」

 

「ならいいのですが」

 

「愛する者を傷つける物は私が持てる全ての力で潰して差し上げましょう」

 

黒は目の光を消して微笑む

 

「若様怖いですよ」

 

「このくらいはしませんと示しがつきませんので」

 

「学園では任せますよ」

 

「任されましたよ」

 

「さて若様明日は早いのでこれでお終いです」

 

「そうですか」

 

黒はスマホを取り出すと深夜2時になっていた

 

「戻りましょう若様」

 

「荷物は私が持ちますよ」

 

「若様は早く寝てください」

 

「・・・分かりましたよ」

 

黒は先に屋敷に戻っていく

 

「若様・・・いえ双葉黒あなたは面白い人ですね」

 

チェルシーも黒の後を追うように屋敷に戻っていく

 

 

 

夜が明けオルコット邸を出発する時が来た。玄関を出てチェルシーが運転するリムジンが停車する場所までいくとハーツとエリーを筆頭にメイドが全員出待ちしていた

 

「皆さんお世話になりました」

 

「楽しかったです」

 

黒とクロエは頭を下げる

 

「若様がいなくなっちゃうと寂しいです・・・」

 

「ハーツ寂しがらないで私だって寂しいのだから」

 

「ハーツさん、エリーさん今度あなたたち向けに面白いものをお送りします」

 

「面白いものでしょうか?」

 

「ええ、昨日作ったプリンなどのお菓子のレシピです」

 

「本当ですか!?」

 

「ええ本当です」

 

「ありがとうございます!!」

 

「それではまたいつか」

 

「はい!!」

 

ハーツは大手を振って見送ってくれた

 

「黒さん、わたくしのメイドに何をしたのですか?」

 

「一緒にプリンを作っただけですよ」

 

「あのプリンですか?」

 

「はい、面白い子でしたよ」

 

「ふーん、そうですか」

 

クロエとセシリアはしかめっ面になる

 

「そんな顔をしないでください。せっかくの可愛い顔が台無しですよ」

 

「ズルいですわよ黒さん///」

 

「黒様は本当に誑しですね」

 

「このような事を言うのは好きになった人だけですよ」

 

「・・・もう///」

 

3人はリムジンの前まで来ると乗り込み空港に向かった

 

 

 

リムジンが空港に到着し中に入るとレミリアとサクヤがいた

 

「おやレミリアさんにサクヤさん」

 

「黒、あんたもう行くのね」

 

「ええ、一昨日は申し訳ありませんでした。どうやらやりすぎてしまいました」

 

「気にしないわ。ただ単に私があんたより弱かっただけなんだから」

 

「弱くなかったですよ。久しぶりに熱くなってしまいましたよ」

 

『そうだな旦那』

 

「何今の声?」

 

「さてなんでしょうね、レミリアさんは来年から学園に来るのでしょう?」

 

「そうね、その時はよろしくね」

 

レミリアは手を出し握手を求めてくるので黒は握手した

 

「こちらこそ。その時は現学年最強の力を見せてあげましょう」

 

「え?」

 

「黒さんは1対1であればどの専用機持ちに勝てるのですよ」

 

「それを先に言いなさいよセシリア!!」

 

「聞かなかったレミリアが悪いですわ」

 

「ぐぅ」

 

「ですが余計に負けられないものができましたね」

 

「やれやれ、なんで副会長になってしまったのやら」

 

黒は手を上げ首を振る

 

「あんた副会長なの?」

 

「多分来年は会長ですね」

 

「凄いでしょうレミリア」

 

「急に恥ずかしくなってきたわ。あんな大見得切って負けてしかもその相手が学園の副会長なんて」

 

「悔しいでしょうねぇ」

 

「むっかぁぁ!!」

 

「いつでも挑戦を待っていますよレミリアさん」

 

「私が勝つまで負けるんじゃないわよ!!」

 

「わかってますよ。そろそろですね」

 

黒とクロエは手荷物を持つ

 

「それでは黒さんまた学園で」

 

「はい、それではセシリア嬢にレミリアさん、サクヤさんまた会いましょう」

 

「またね黒」

 

「黒さん待ってください」

 

「なんでしょうかサクヤさん?」

 

サクヤは黒に近づき黒以外に聞こえないような声で話しかけてくる

 

「ここ最近では委員会でも嫌な噂が絶えませんので念のため私の電話番号を教えておきます」

 

「ありがとうございます」

 

黒はばれないようにサクヤからメモを受け取るとポケットに入れる

 

「失礼しました。ゴミがついていたもので」

 

「おっとそうですか」

 

「それではお気おつけて」

 

「はい」

 

2人は搭乗口の方に歩いていく

 

「どうかご武運を」

 

「どうかしたのサクヤ」

 

「なにもありませんよ」

 

「そう、それじゃ帰りましょう」

 

「かしこまりましたレミリアお嬢様」

 

「それとセシリア」

 

「レミリアどうしましたの?」

 

「実はここ最近オーストリアで噂になってる代表候補生がいるの知ってる?」

 

「いえ知りませんわね」

 

「なら教えとくわ。あんたより強いわ私も敵わなかったもの」

 

「なんですって!?」

 

「名前はマドカ、ISは<サイレント・ゼルフィス>あんたの<ブルー・ティアーズ>の後期型よ」

 

「<サイレント・ゼルフィス>ですって!?」

 

「イギリスとの共同開発でテストパイロットの相性が良すぎて向こうにデータ取りを任せるようになったらしいわ」

 

「そうですのね」

 

「あんたも負けないでよね。私のメンツが丸潰れになるから」

 

「勝ってみせますわ」

 

「そう、それじゃあ私は行くわ」

 

レミリアとサクヤは空港から出ていく

 

「わたくし達も戻りましょう」

 

「かしこまりました」

 

セシリア達も空港から出ていく

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

ようやくマドカの伏線が張れました
次回はドイツ編です
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