レミリア様が居なくなった後のお話。
…起きて。
…起きてよ。
…なんで、起きてくれないの?
目は、閉じたまま、開く事を知らない。
彼女は、日々の生活が辛いと感じていた。
…いや、日々の生活に、何も感じていなかった。
だから…こうやって、目を閉じて。
世界から、離れようとしているんだ。
…世界を、遠ざけようとしているんだ。
そうやって考えているのがだんだんむなしくなって来て。
私は静かに、いつもの様に彼女を呼んだ。
…お姉さま…。
目を開ける事のない私の唯一の姉妹は、
そう言われても変わる事はなかった。
―――レミリア・スカーレット。
紅魔館に住んでいる者…家族を愛し、決して弱音を吐かなかった吸血鬼。
館内では私達にも笑顔を絶やさず、
家族の為に頑張りすぎる優しい女性だった。
そんな彼女に幽閉され、恐らく495年の間、
一度も外に出させてもらえなかったけれど…。
でも、毎日会いに来てくれたのが幸せ過ぎて、辛さなんて感じなかった。
彼女は、家族の中でも誰よりも私を愛していたから。
だって…たった2人の姉妹なのだから…。
寄り添いあって、生きて行こうって、私も思っていた。
…思って、いたのに。
紅霧異変後、地下から出た私の目には、有り得ない光景が映っていた。
私が歩いている隣には、お姉さまなんていなくて。誰も、いなくて。
代わりに、前には幸せそうな2人。お姉さまと…メイド。
私は…ずっと独りで勘違いしていたんだ。
私は、ずっとお互いが支え合っているからこそ
成り立っているのだと思っていた。
お互いが、誰よりもお互いを愛していると思っていた。
…私だけ、置いて行かれていたんだね、ずっと、ずっとっ…!!
そう思うのに、私はその怒りをお姉さまに向けようとは思えなかった。
だから、メイドを使おうと思った。…復讐相手として。
なのに…彼女―――咲夜は初めから、私に優しかった…。
私がどんなに高価な物をいっぱい壊しても、何も言わなかった。
咲夜を、何回「嫌い」と言っても、優しく、
まるでこの羽に付いている宝石のように、大切にしてくれた。
私のために、クマのぬいぐるみを作ってくれたこともあった。
…でも、だからこそ、どんどん、憎くなっていった。
私が持っていないものを、彼女は持っていたから。
きっと、いや、絶対それにお姉さまも惹かれたんだと思った。
嫌いだ。大嫌いだ…っ!!
咲夜の…アイツのせいで、お姉さまは…、
死ぬ意味を見つけてしまったんだ。
だから―――お姉さまは、昔のように、私を、真っ直ぐ見てくれない…。
昔のように、私を…愛してくれない…っ!
…でも、一つ、気になる事があった。
私の愛する人は、あの日から、お姉さまではなくなった。
だったら、一体…私の愛する人はダレ?
お姉さまよりも、大切で。
お姉さまよりも、傍に居てくれて。
お姉さまよりも、私を大切にしてくれて。
お姉さまよりも、私を愛してくれて。
お姉さまよりも、愛しているのは…ダレ?
…そう、そうか…。
本当に…貴女は私の何もかもを奪っていくのね…。
嗚呼、お姉さま、私も見つけてしまった…死ぬ意味を。
…でも、丁度良い…私が独りで終わってしまうのではないのだから。
もう、「コンティニュー」はいらない。
お姉さま…私も、お姉さまの所にいくよ。
だって、私達、姉妹でしょ?…また、一緒に遊べるね。
私は、此処で、永遠の眠りにつこう。
紅月の今宵、彼女の亡骸と共に。
…意識が遠のいて行く中、愛するあの人が見えた気がした。
何とかタイトルを入れたくて、なんか変な感じになってしまいました…。
まだまだ文章力が足りない…。