だが、滅び去った訳ではない。
静かに忍び寄る。
それは人の手によって引き寄せられる。
私達STXチームが新手の敵集団と交戦し無事帰還したのと同時に彼らの勝利を知らされた。
鋼龍戦隊は戦いの元凶であるダークブレインと乱入してきたシュウ博士のネオ・グランゾンとの戦いに勝利した。
修羅に関しては内部抗争によって新たな修羅の王となったフォルカ・アルバーグにより修羅による戦いの全てを停止させ、地球政府への停戦打診の末に今回の騒動は終結する事となった。
空白事件から約三か月間に及ぶ不可解な事件から始まった此度の戦い。
一連の事件に修羅が結びついた事もあり今回の事件を総称して『修羅の乱』と命名された。
しかし、この戦いが次の戦いの伏線である事を誰も知る事はなかった。
ある人物達を除いて…
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各方面の戦いを終わらせたノードゥス。
彼らを労う為に祝勝会がオービットベースで開かれていた。
しかし、STXチームは急な任務との事で参加する事は出来なかった。
理由は国際警察機構からの出頭指示である。
一連のアルジャーノン騒動についての終息報告と最近になって出没している謎の組織に関しての注意喚起等が含まれている。
今回の戦いは言い方は悪いが準備運動の様なモノ。
これから差し迫る戦いこそが封印戦争の幕開けである事を私ことハスミ・クジョウは国際警察機構の総本山である梁山泊にて告げた。
話し合いの場には前回と同様に黄帝ライセと九大天王にBF団の首領であるビッグファイアと十傑衆が数名参加している。
これにSTXチームが状況報告の形で出頭している。
ハリスこと孫光龍とケイロンは初参加の為に色々な目で見られていた。
そんな様子を他所にビッグファイアと私は次回に引き起こる戦いの説明と今回の紛争で起こった出来事を整理しつつ説明をしていた。
「封印戦争…君が危惧していた戦いの一つだね?」
「はい、ですが…その前にある騒動が起きようとしています。」
「騒動?」
「一つはデキム・バートンによる虚偽交じりのオペレーション・メテオ。」
「…」
「もう一つは犯罪界の重鎮が一人ブラックノワールによる全世界侵略作戦…クリスマスオペレーション。」
「ハスミ、それって…」
「どうもこっちで色々と犯罪系の事件を解決していたらブラックノワールの気に触れたっぽいのよね。」
ブラックノワールの件はロサにも話して置いたが、その戦いで破損する事となったガードダイバー達が気がかりだったのだろう。
最終的には修理されて復帰するが、壊されるのは御免被ると言いたそうな様子だった。
だが、ブラックノワールの真の目的は世界征服ではなく『バッドエンド』である。
絶対に奴のねじ曲がった真っ黒精神ごと地獄にSAN値直葬させてやる。
「二つの事件の発生時期は聖人生誕の日…これにアマルガムやバイオネットも絡んでくるでしょう。」
そう…そろそろ飛来するQパーツ争奪戦もこの頃に始まる。
あの悲劇は絶対に繰り返させない。
宇宙へ旅立った護君やJ一行がそう易々とやられる事は無いだろうが不安である。
監視を頼んだ聖女達からもまだ連絡が無いのが痛い。
「ハスミ君、結局新型DG細胞の件だが…」
中条長官には一応経過報告書は送っておいたのだが結末の説明を兼ねて答えて置く。
新型DG細胞の女王感染者候補としてネオスウェーデン代表のアレンビー・ビアズリーが感染源として利用されていた。
元々参加選手達は事前に検査という名の集団感染に巻き込まれていた。
しかし、耐性を持っているドモン達には通用する筈もない事を奴らも驚いていただろう。
アレンビーを含めて感染した選手達がクルーやスタッフと接触をする事で罹患したが…
結局は彼女らが無意識のまま香港の市街地を散策したものの多くの民間人には休眠状態のままで感染が広まってしまったのである。
休眠状態とは言え、私が元居た世界でもこの手の感染経路があったので冷や汗ものである。
結局、奴らが望む経過が得られずランタオ島での決勝戦が開催した。
だが、レインが奴らに捕まった件で事は急展開する。
レインは空白事件でデビルウルタリアの生体ユニットになった経験が災いしODEシステムと新型DG細胞のユニゾンコアの生体ユニットにされてしまった。
これが奴らの求める結果を生み出してしまったのである。
色々とあったが、コアは沈黙しODEシステムのコアの意思はロサ達の説得で眠りに就いた。
まだ目覚める兆しはないが、目覚めたらロサ達と良い交流が出来ればと願っている。
続いてはオウストラル島の件。
オセアニアの南太平洋上、サモア諸島東南2000キロに浮かぶ火山島。
旧西暦時代に旧オウストラル島の隣に突如出現。
極短い期間で旧島と陸続きになったが、現在まで影響力を持つ国際的な大企業GAILの圧力により秘密保持の為に地図上から消されていた。
その島の最深部で眠っていた異星人達は先史文明期の折に四体のガンエデン達と共にバアルと戦ってくれた一族だ。
その危機を現代の人々に伝え知らせる為に永き眠りに就いて居たがGAILの横暴が原因で助力を得らえずに終わるかと思ってしまった。
彼らの子孫である田神悠宇の説得もあり、今は停戦中である。
GAILはかつてカンケルを封印した湖をリゾート開発工事で汚染させ封印を解除した原因を作っている。
その他、色々と真っ黒い事をしていたので後日お縄に着いて頂く予定だ。
勿論、慈悲はない。
避難したアキトとユリカ夫妻はブルーロータス経由で国際警察機構に避難し隠れてもらっている。
例の機体と戦艦は既に配備が終わっているし戦うかは彼ら次第だ。
宇宙ではガルラ・ザール星間連合は一先ず撤退。
そう言えばシンクラインが黄金の声が何人もとか如何とか?
あー似たような声の人達が集まってたね。
ゴライオンのメインパイロットの黄金とかジョウとかいつの間にか剣狼の導きでロムさんとかエイジとか…
斥候でホルトゥスからディーバの面々も行かせて置いたから最低でも五人だね。
…そりゃ混乱するわ。
ザール星間帝国に関しては偵察レベルでまだ本気じゃないらしい。
やっぱりZ側の件が入らないと本格介入しないのかな?
火星の後継者は主犯格の草壁らの逮捕で組織は解体したものの北辰と配下はトンズラされました。
おそらくアマルガムかバイオネットに引っ込んだのだろう。
正直ややこしい。
例のボソンジャンプに代わる転移装置の件だが、Kのネタかあのクロスゲートもどきが設置されていたので我が神僕達で粉々に破壊しました。
連中の調査データも破棄したので再現は不可能だろう。
アイドネウス島の件はしてやられました。
何とか島民全員避難が完了しただけでも幸いだろう。
結局の所、例の連中の基地にされるのは阻止出来なかった。
一々ぶっ壊すのめんどくさいです。
十傑衆の皆様方のお陰でクロノ構成員達も壊滅状態で為りを潜めるだろう。
封印戦争開始の期限である半年後までに反逆の布石を作る。
半年後に私は鋼龍戦隊の前から姿を消さなければならないのだがら…
使命を果たす為とは言え心苦しい。
それでもあの約束の為に動く。
私の決意が鈍る事は無いから。
=続=