幻影のエトランゼ   作:宵月颯

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志を共にする者が集う。

それは新たな道を模索する為。

それは新たな力を手にする為。

これは始まり。

加速する戦いへの宣戦布告。


夢幻ノ詩篇
第七十六話 『集合《シュウゴウ》』


破滅の王ペルフェクティオの現出。

 

異星人連合並びにゲスト侵攻。

 

アルテウル・シュタインペックことユーゼス・ゴッツォの暗躍による混乱。

 

そしてガンエデンと呼ばれる先史文明期の遺産の出現。

 

連合政府はこれらの出現と目的を纏めて今回の戦乱を『封印戦争』と名付けた。

 

戦時中の最中にあったフューリーと呼ばれる異星人達との同盟。

 

地球圏に出現した謎の存在。

 

問題は山積みのままである事は確かだった。

 

連合政府は独立遊撃部隊ノードゥスの活動を継続する事に決定。

 

地球圏並びに太陽系各所の防衛と監視を行う手筈となっている。

 

戦いは終わった訳でない。

 

ケイロン・ケシェットことアウストラリスが語ったサイデリアルの存在もまた危険視されたまま。

 

更に地球圏を中心に暗躍する影が迫っている事など誰も知る由もない。

 

往くべき道を違えた事は波乱を呼び込む。

 

 

******

 

 

前回の戦いから二週間が過ぎた。

 

諸事情で私ことハスミは行方不明となったが、諸々の片付け事を終えてどうにかこちらの世界に戻ってきた。

 

サイデリアルの本格的な宣戦布告がなされていない以上はあちらも手出しは出来ないだろう。

 

対抗出来るスフィアリアクターがいない事。

 

これが一種の抑止力になっている。

 

それでもいつかは戦わなければならない。

 

共に戦ってきた仲間に牙を向ける覚悟を決めなければいけないから。

 

何故か?

 

彼らが無限力の陰謀によって自然にシンカへ至らない為である。

 

このままではクロノとテンシの餌食となるだろう。

 

私は捨て駒になっても構わない。

 

彼らを導く為に敢えて敵対した。

 

 

「特に目立った動きはないようだな?」

「今の所は地球圏も混乱したまま、次の戦いである『ムーンデュエラーズ』の開始まで少し余裕があります。」

 

 

天鳥船島内部の神殿の一角で話し合うケイロン改めアウストラリスとハスミ。

 

 

「…(ちょっとした出来事が起こるし、それが終わってからが今回の本番だろう。」

 

 

ホルトゥスの全権をお父さん達に預けた事で彼らに天鳥船島への帰還を禁止。

 

現在進行形で各地に点在させた息のある企業に選り分けして雲隠れをさせている。

 

これはユーゼスとの決着を着ける前に予め決めて置いた案件だ。

 

三人から渋い顔をされたが、クロノの暗躍が強くなっている以上は誰かが監視をしなければならない。

 

 

「あの子には引き続き護衛も付けてありますし奴らの監視の目を私に集中させるだけで構わないでしょう。」

「…お前には酷な選択をさせたな。」

「私は貴方に敗北した時、陛下に仕えると…お約束した筈ですよ?」

「俺はまだ傀儡の玉座に戻った訳ではない、タダのアウストラリスだ。」

「では、アウストラリスとお呼びすれば良いですか?」

「それで頼む。」

「判りました。」

 

 

淡々と答えるハスミにアウストラリスは彼女の頬に触れた。

 

 

「ヴィル…」

「ハスミ、よくやったな。」

 

 

普段表情を余り変えない彼からは想像も出来ない笑み。

 

誰得?いや私的?得だろうか。

 

 

「いや~お二人さんお熱いね。」

「ガドライト、不謹慎よ。」

「///」

 

 

合流したジェミニスのリーダーであるガドライトとアンナロッタの登場により。

 

ハスミ、即離脱かつ両手で顔を抑えてプシューと効果音付き赤面中。

 

 

「無事に合流出来た様だな?」

「取り敢えずはな、まさか向こう側とで時間軸がズレているとは思わなかったがな。」

「そ、それに関しては後々にご説明します…今はご報告する事があるのでは?」

「おっと、そうだったな。」

 

 

合流を果たしたガドライトらと情報交換を行うアウストラリスとハスミ。

 

齎された情報は良い悪いが混在したものだった。

 

 

「いつかは言えねえが、エルーナと尸空の奴が記憶に目覚めた。」

「そうか…バルビエルの方は?」

「スフィアの影響か判らねえが、相変わらずだぜ?」

「御使いの影響下にある以上は下手な行動は出来んか…」

「恐らく無限力の影響もあると思います。」

「例の意識集合体の連中か?」

「ええ、最も近しい影響力を持つイデと遭遇していないので…こちらもどう出るかは不明です。」

 

 

スフィアに関しては私の推測も入るがある欠点を抱えている。

 

それは反作用とは異なる欠点。

 

スフィアは元々御使いが生み出した至高神ソルが彼らを否定し自害した事で十二の欠片となって生まれたモノ。

 

それが人の感情の一部と十二星座の名を冠する力を持った。

 

ここからが私の推測と補足である。

 

スフィアは十二星座と感情によって分類分けが可能。

 

 

喜びは尽きぬ水瓶、いがみ合う双子、揺れる天秤。

 

楽しみは知りたがる山羊、欲深な金牛、夢見る双魚。

 

悲しみは悲しみの乙女、傷だらけの獅子、沈黙の巨蟹。

 

怒りは立ち向かう射手、偽りの黒羊、怨嗟の魔蠍。

 

 

間違いでなければこのような分類が出来る。

 

御使いにより近い感情のスフィアの場合は同調し影響下に置かれやすくなってしまう。

 

私の場合は楽しみのテンプティの影響下に置かれやすい。

 

好奇心=娯楽…楽しみに繋がる為である。

 

ただ、気になるのはエレメント方式に置き変えるとまた違った目線で見る事が出来る事。

 

エレメント同士は互いの力を高め合いより強い力を発揮出来る。

 

 

火のエレメントは立ち向かう射手、偽りの黒羊、傷だらけの獅子。

 

風のエレメントはいがみ合う双子、揺れる天秤、尽きぬ水瓶。

 

土のエレメントは悲しみの乙女、欲深な金牛、知りたがる山羊。

 

水のエレメントは沈黙の巨蟹、怨嗟の魔蠍、夢見る双魚。

 

 

更に性質(クオリティ)で分類すると相性の悪いスフィアが解る。

 

 

カーディナル・サインでは白羊宮・巨蟹宮・天秤宮・磨羯宮。

 

フィックスト・サインでは金牛宮・獅子宮・天蝎宮・宝瓶宮。

 

ミュータブル・サインでは双子宮・処女宮・人馬宮・双魚宮。

 

 

同種のサインに含まれる星座は互いに相性が悪い。

 

このサインを利用すれば弱点対策が行えるのだ。

 

実際、前世で不明だった他の相性の悪いスフィアの分類が出来た理由でもある。

 

悲しみを糧に立ち向かうや夢見る心をいがみ合わせ、愛情は憎しみを増大させるなど…

 

サイン方式は今後の戦いで必要になるだろう。

 

 

「そこまで調べ上げていたのか…」

「ほとんどは手探り状態でしたけどね。」

「ま、助かると言えば助かるな。」

 

 

これからサイデリアルとして活動する以上はスフィアリアクター同士のスフィア争奪戦を阻止しなければならない。

 

これから起こる史上最悪の崩壊から世界を守る為にはスフィアの力は必須。

 

誰も欠けてはならない。

 

 

「それよりもアサキム、貴方も会話に入ったらどうですか?」

「気づいていたのかい?」

「アウストラリスもガドライトさんもとっくの昔に気づいていましたし。」

「話は聞いていたから別に構わないだろう?」

 

 

ハスミらが話し合う中で一人離れた場所で静聴していたアサキム。

 

ツィーネに関しては別件の為、今は別行動中である。

 

 

「問題が一つ、今回の戦いの開始前にある因果関係で私とアウストラリスは別世界に飛ぶ事になります。」

「…」

「それを片付けてからスフィアをフォースステージに上げる修行を開始したいと思います。」

「具大的には?」

「まず、この修行には危険が伴います。」

「危険?」

「フォースステージに上がった場合、私達の…後世の魂に影響がある事でそれはスフィアとより同化する危険性を孕んでいます。」

 

 

そうスフィアの力を引き出す為のステージ段階を十段階に置き変えるなら四段階は魂の融合に近い。

 

二段階なら肉体…そして十段階は完全なる融合。

 

それは別の意味でスフィアの番人たる高次元生命体への進化を意味する。

 

その危険を孕んでいようとも私達はステージを上げなければならない。

 

無限力が提示した戦いとバアルの侵攻が過酷である為に。

 

私は何処まで抗えるだろうか?

 

 

=続=




変異する戦い。

異界からの侵略。

求めるのは旅路の扉。


次回、幻影のエトランゼ・第七十七話 『金貨《ワンダラー》』


それは望んだ再会だろうか?
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