先の願いは届かず。
介入によって変異する。
求める答えは共存共栄の道。
早期に起こったガディソード、フューリーの内乱終息とゴライクンルの地球圏撤退。
そしてサイデリアルの新たなメンバーらの登場。
ゴラー・ゴレム隊によるバラルの園への襲撃。
ラ・ギアスからの帰還者達。
中でもラ・ギアスからの帰還者であるマサキ、シュウ、リューネらより語られた情報。
ペルフェクティオを倒した後に発生した負念の波動がラ・ギアスにも影響を与えた。
負念の波動により目覚めた巨人族のカドゥム・ハーカームによって侵略を受ける事となった。
激闘の末、マサキ達は巨人族を退けたが…こちら側で発生したクロスゲート・バーストの一端を引き起こす事となった。
発生した時期や時差は違えど、隣接する世界同士に影響を与えたのは事実だった。
どちらも捨て置けば滅びの運命を辿っただろう。
それらもバアルの計略であった事を知るのはサイデリアルの幹部らのみである。
様々な思惑が巡る中で此度の戦いは終局を迎えつつあった。
*****
地球近海・クロスゲート付近にて。
クリスタルドラグーンの襲撃を退け、クロスゲートへと到着した鋼龍戦隊。
既に事は始まっており、デブデダビデがアレス・ガイストことエントリヒ・ガイストとクロスゲートを利用しラマリスの大群からラマリス・イーダを増産。
それらを使い彼らの主たるダークブレイン復活を果たそうとしていた。
同時に彼らがこの世界へ訪れる要因となったのはグランドレッド・フェノッサと呼ばれる化神艦との戦い。
STXチームが修羅の乱の頃にスダ・ドアカワールドへ転移し交戦後…
光龍の応龍皇による奇襲によって転移時期をずらし遅延させたが、結果的に奴らを引き寄せてしまった。
デブデダビデらの行動を止める為に鋼龍戦隊とダークブレイン軍団の交戦が開始。
奮闘し召喚されたラマリスの数を減らしたものの…
スカルナイトの妨害もあり、エントリヒ・ガイストと四体のイーダタイプを依代にダークブレインの復活が行われ様としたが…
強大な負念はある存在を引き寄せてしまったのである。
消滅させられるイーダタイプとデブデダビデ。
周囲に点在していた鋼龍戦隊をも巻き込んだ一斉掃射攻撃。
因みにエントリヒ・ガイストはクロスゲートからの何者かの攻撃のショックでパイロットであるドゥバンが目覚めた。
彼はその目覚めと今の状況を知った事で鋼龍戦隊と行動を共にする決断をした。
協力者が加わった鋼龍戦隊であったが、危機的状況は変わっていない。
クロスゲートより出現する化神艦グランドレッド・フェノッサ。
無差別攻撃を終えた化神艦は告げた。
『化神艦の使命は、負念の想念集積体の掃討…』
生念と負念、どちらも生み出す事が可能な生命体の殲滅。
化神艦は人類の殲滅を開始し始めたのだ。
『我が名はXN-L…』
XN-Lは答える。
グランティード・ドラゴデウスの中に居る創世神フューレイムは同族でありながら人類に助勢する道を選んだ事。
大いなる試練に挑む前に人類とそれらに与する存在らを全てを破壊する事を…
「破損したと同時に負念まみれの場所に堕ちて暴走した巨人様が言う台詞ですかね?」
『!?』
XN-Lの言葉を遮る様に現れるサイデリアル艦隊。
同時に出撃するアウストラリス達とハスミ。
「サイデリアル!?」
「こんな時に…!」
鋼龍戦隊はサイデリアルの出現でXN-Lとの三つ巴戦に移行すると焦ったが…
「待て、こちらはお前達と事を構える為に訪れた訳ではない…」
アウストラリスの言葉で静止が入った。
理由を問うマイルズの言葉を余所に目的は同じであると答えた。
「では、一体?」
「目的は同じ、奴を止めに来ただけにすぎん。」
ガドライトからも援軍が来たと告げられた。
「おっと…もう一人、特別ゲストのお出ましもあるみたいだぜ?」
クロスゲートに単機で現れたジェニオン。
ヒビキは通信で状況説明を行った。
「こちら地球防衛軍所属のジェニオン、鋼龍戦隊への合流許可を願います。」
「合流を許可する、援軍は君らだけかね?」
「はい、他の仲間は地球各地で出現したラマリスの対応に追われており俺達だけが…」
「事情は分かった、これより此方の指揮下で行動して貰うぞ?」
「了解。」
ヒビキ達とジェニオンの経緯は事前に地球防衛軍側から通達されていたのでスムーズに指揮下に入って行った。
ヒビキらの合流後にキョウスケは事情を知っているハスミに問質した。
「ハスミ、暴走しているとはどう言う事だ?」
「言葉通りですよ、あのXN-Lはダークブレイン軍団との戦いの後にペルフェクティオの影響下で負念だらけになったクロスゲートの内部を漂っていた…それが暴走の原因です。」
「!?」
「戦いの影響で破損し抗えない状態で長期間負念の中を漂っていれば……見当は付きますよね?」
「…」
「XN-Lに内包した大量の負念を浄化するのは骨が折れますけど…してしまえば奴を止める事が出来ますがどうされますか?」
更なる爆弾発言をするハスミ。
XN-Lを無力化させる手がある事を告げた。
流れ通りならフューレイムの力を借りてクロスゲート諸共に破壊する方法しかなかった。
だが、今は違う…
「御協力願えれば…スフィアとガンエデンの力を総動員してXN-Lを沈静化させます。」
この先で引き起こされる戦いに置いて、早期に化神艦グランドレッド・フェノッサの力を借りる事も可能。
その決断は迫られつつあった。
「…」
「これ以上、負念の根源……バアルの計略を広げさせない為にも!ご決断を!!」
アウストラリスの目配りで了承を得たハスミは答える。
正義の為に悪を演じていた自身らに終止符を打つ様に。
今度こそ共存共栄の道を切り開く為に新たな道を模索したのだ。
「今まで真実を語らず不安定な態度を取っていた私にも責任はあります。」
真実を語れなかった理由もあった。
だが、それを隠す事も出来ない状況に陥った。
真実を曝け出さなければならない事情を抱えた為に。
「ハスミ少尉、条件に一つ…君が知る真実を全て語る事。」
「それがそちらと共同戦線を組む条件だ。」
「判りました、但し…真実を知った以上、戻れない事は了承してください。」
マイルズとギントが条件を告げた。
ハスミは了承したが、その際に注意点も答えた。
『真実を知れば戻れない。』と…
それだけの闇を抱えている事をたった一つに纏めて答えたのだ。
かつて交わされた制約は既に破棄され真実を紡ぐ事を許された。
そう、全てが無に帰す前に…
『その気配…まさか十二の至宝!?』
XN-Lはサイデリアル艦隊に視線を向けるとその気配で驚愕の声を上げた。
同時にアウストラリスとハスミは真実の一つを開示した。
「そうだ、既に聖戦は始まり…選択の時は訪れた。」
「貴方が語った『大いなる試練』は人類の『シンカへの目覚め』でしょう?」
いずれ、人類の中から太極へと至る存在が現れる。
その先駆けがスフィアリアクターとシンカの力に目覚めた人類。
だが、XN-Lはそれを認めず拒絶した。
『認めぬ…未熟な生命体が!』
「みっともない嫉妬だね?そんなに僕らがその力に目覚める事が嫌なのかい。」
『!?』
「正確には自分達がそれらに至れなかったからこその発言だろう。」
バルビエルが嫌味と尸空が正論を告げる。
「俺らも諦めが悪いんでな…それをアイツらから学んだのさ?」
「ガドライト…」
「ヒビキ、俺らに迷いはない…お前も自分の中で燻ぶっている答えを出したらどうだ?」
「ああ、判った。」
ヒビキの答えはサードステージへの覚醒。
もう一人のいがみ合う双子のスフィアの覚醒の時でもあった。
ここに八つのスフィアが覚醒を果たし、Gコンパチカイザーとグランティード・ドラゴデウスの中のフューレイムへ力を与えた。
「俺達が力を貸す……往けっ!そして己の使命を果たせ!!」
アウストラリスの号令の元、スフィアリアクター達はスフィアを起動させ二体に力を与える。
それは強大な次元力となってXN-Lごと化神艦をも包み込んだ。
負念によって毒された穢れは取り払われつつあった。
『…』
力の奔流が治まるとXN-Lは停止し化神艦も沈黙した。
「止まったのか?」
「そうみたい。」
同時にラマリスは消え、クロスゲートも機能を停止し沈黙していた。
「このままクロスゲートの破壊も続行してください。」
「…何故だ?」
「負念の力で基底している以上、何が起こっても不思議じゃないからです。」
引き続き、グランティード·ドラゴデウスによるクロスゲートの破壊が行われた。
だが、破壊と同時に次元震が発生。
鋼龍戦隊とサイデリアル艦隊を巻き込む形で転移現象が引き起こされた。
残る者と往くべき者と分けられ流れはまた変えられつつあった。
=第五章·完=
巡れ、深淵の底に閉ざされた世界へ。
継接ぎの世界で何を求める?
次回、幻影のエトランゼ・第六章『巡界ノ詩篇』
強大な力は偽りの崩壊。
星々の力は集う。