幻影のエトランゼ   作:宵月颯

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プロローグ

ある次元の世界の銀河にて…

 

 

=???=

 

 

3つの機影に追われながら高速で宇宙空間を突っ切る一体の人型兵器の姿があった。

それを追う三つの機影は紫水晶の竜、エジプト王を思わせる外見に半身が鉱石物で覆われた巨人、頭部が髑髏の人馬騎士の姿である。

 

 

 

「何処ヘ逃ゲテモ、無駄ダゾ?」

「…!」

「ホンマ、しぶとい奴やな…」

「だから~さっさとさっきの仲間ごと始末すればよかったのだ~っ!」

「取リ逃ガシタノハ、致シカタナイ…」

「デブ公とクリ公は相変わらずエグイのう…」

「結果が良ければぁ~それでいいのよ~ぅ!」

 

 

それぞれが追っていた人型兵器対し攻撃を仕掛けながら制止させようとしていた。

会話は以上の通り、傍から見れば漫才の様にしか聞こえないのだが…

追われていた人型兵器のパイロットは深く溜息を吐いた後…

嫌味を込めて電子音に変換した言葉を発した・

 

 

「……漫才はその辺にして貰おうか?」

「何や、もう逃げるの諦めたんか?」

「別に、一人の方がやりやすいからここまで来ただけ……」

「なあにぃ~!?」

「お前達の目的は私……だったら私が惹き付けた方が被害が少ないと踏んだだけよ。」

「つまり、ワイら踊らされとったんか……ようやってくれる!」

「モウイイ、テカゲンハナシダ!」

「…それはこっちのセリフ!!」

 

 

追われていた人型兵器のパイロットは踵を返すと3体の機影に対して戦闘を開始した。

その直後だった。

 

 

「!?」

「どないしたんや!?」

「まさかぁ~!?」

「これは……次元転移!?」

 

 

空間の揺らぎによってその場に居た4つの機影は姿を消した。

それは新たなる戦乱への旅立ちだった。

 

 

 

+++++

 

 

とある世界に置いて…

 

嘗て新西暦と呼ばれていた時代があった。

 

突如出現したクロスゲートの発見を皮切りに様々な戦乱が起こったのである。

 

平行世界、異世界、果ては魔法、心霊、邪神など様々な要因が出現したのである。

 

これはその世界での話であり、それと並行する幾多の世界でも様々な戦乱が起こった。

 

世界は再び、混沌に包まれようとしたがその中に希望もあった。

 

それに対抗する組織が次々と手を取り合い立ち向かった。

 

彼らはそれぞれの世界で一つの遊撃部隊として祭り上げられた。

 

 

「αナンバーズ」

 

「第13独立遊撃部隊ロンド・ベル隊」

 

「ラウンドナイツ」

 

「ブルー・スウェア」

 

「地球連合軍第3艦隊・特務分隊艦」

 

「ノイ・ヴェルダー」

 

「LOTUE」

 

「アルティメット・クロス」

 

「ブライティクス」

 

「マグネイト・テン」

 

「ホワイトベース隊」

 

「部隊呼称不明」

 

「イオニア隊」

 

「コネクト・フォース」

 

「アンティノラス隊」

 

「Z-BLUE」

 

「鋼龍戦隊」

 

 

彼らは地球と言う枠を超えて精神型知的生命体や異星人、異世界人など様々な人種で構成された部隊。

 

俗に言う、地球政府によって集められた最も扱いにくい案件の人々が集められた集団である。

 

ご丁寧に彼らはISA戦術(Integrated Synchronizing Attack、空母の役割を果たす機動戦艦と、そこに搭載された人型機動兵器による電撃戦)に特化した部隊であり、彼らの存在は敵勢力にとって討ち果たすべき存在であったが…

 

それらが集結したこの部隊そのものが異常を超える程の非常識な集まりであった為か、文字通りの返り討ちに合うのがセオリーとなってしまうほどの地球圏において最凶の規格外部隊となってしまったのである。

 

それらと敵対していた部隊や組織も数多くあったものの…

 

軌道要塞を内側から生身で撃退してしまう人外級や…

 

世界規模の精神攻撃すらを屈服させる能力者。

 

衛星型起動兵器などをいとも簡単に塵にしてしまう勇者と螺旋を持つ者。

 

経済や人心掌握による政府内からの瓦解を企てようとしてもそれらすら跳ね除け、逆に痛手を喰らわせる事の出来る政治家やハッカーなどなど…

 

数えたらキリがない程の名言ならぬ迷言や歴史上に残る出来事を起こすなどの伝説を作り上げてしまっている。

 

とある世界に置いてそんな彼らにより『究極のエゴイスト』とも呼ばれた御使い達も彼らの前に敗れ去った。

 

その大戦が終結した後、スフィアによる時空修復によってそれぞれが居るべき世界へ戻る筈だったが…

 

沈黙を続けていたクロスゲートが起動し、幾多の世界は文字通り一つとなった。

 

それは無限の可能性が交差する世界に住む冒険者達が語った。

 

 

ー新たな可能性を秘めた新世界ー

 

 

だったのかもしれない。

 

太陽系が存在した場所には超級型巨大クロスゲートが置かれ、そのゲートに進むと九つの地球と月が存在する新太陽系が存在する新世界へと変貌した新世界もまたその可能性を秘めているのだろう。

 

再編された新世界で統合された人々は様々な要因を残しつつも再び平和を取り戻す事となった。

 

中には敵対していた勢力も加わり、星を失った異星人、移民船団なども協力もあり、スムーズに移民が進みつつあった。

 

そして戦乱から半年後、植民した異星人や古代人、異世界人を交えた地球圏はゾヴォークとの和平交渉の道に進み…

 

長らく続いた星間戦争に終わりを告げる事となった。

 

時間と空間と世界を超えて…

 

新世界は新・統合歴と改暦し…

 

翌年より時を刻み始める事となった。

 

 

 

 

新・統合歴001年、1月1日。

 

新たなる歴史の幕開けを迎える新世界。

 

それは起こった。

 

 

*****

 

新たなる歴史を迎える星々がその時を待つかの様に式典に参列したり星ごとにお祭りムードになっていた…

 

そして…

 

 

「な、なんだあれ!?」

「えっ!?」

 

 

新年を迎えるお祭りに来ていた観客の一人が声を上げた。

 

星々が輝く藍色の空に突如現れた通常サイズのクロスゲート。

 

そこから飛び出す流星の様な無数の光。

 

それらは九つの地球各所へ降り注ぎ。

 

最も近い二つはこの第一地球の北米エリアへと落下した。

 

 

「クロスゲート・バースト」

 

 

と呼称されていた現象は各地球に落下した物体の調査の為に各地球に点在する独立機動部隊に調査を仰いだ。

 

しかし、クロスゲート・バーストの影響で一時的な通信障害が発生した為か…

 

発見された落下地点に落下物の存在は無く移動した可能性があると判明した。

 

それと同時期に地球各所で謎のアンノウンが発生。

 

地球政府はそれの対処と同盟を結んでいる異星人、異世界人、古代人へ情報開示と情報提供を仰いだ。

 

世界は再び戦乱へ向かいつつあった。

 

 

=続=

 

 

 

 

 

 




<今回の登場人物>

※クリスタルドラグーン
ダークブレイン軍団の配下の1体。
他の二人の除き、無駄な話を好まない様子。
(UXの劉備ガンダム達の建国した国を火の海にした水晶の竜の正体。)
ある世界にて謎の人型兵器を追っていたが、次元転移に巻き込まれ第二地球にへ転移した。

※スカルナイト
ダークブレイン軍団の配下の一人。
何故か大阪弁の突っ込み魔。
ヘラヘラしているがやる時はやる奴。
ある世界にて謎の人型兵器を追っていた。
次元転移に巻き込まれ第一地球へ転移し衛星軌道から北米エリアへ落下した。

※デブデダビデ
ダークブレイン軍団の配下の一人。
自信過剰が目立つせいか他二人のボケ担当と思われている。
しかし実力は確かでラクロアのナイトガンダムを戦線離脱に追い込んだ事がある。
(BXでの戦いでナイトガンダムが他の仲間と共に次元転移に巻き込まれた原因でもある)
ある世界にて謎の人型兵器を追っていたが、次元転移に巻き込まれ第三地球へ転移してしまう。
現在は元居城であるダークアイアンキャッスルの奪還に当たっている。

※????
ダークブレイン軍団の配下三体に追われていた人型兵器のパイロット。
仲間達を逃がす為にわざと囮となり、三体を惹き付けた。
戦闘開始前に次元転移に巻き込まれスカルナイトと共に第一地球の北米エリアに落下した。
彼女の会話から追って来た強敵三体を相手にする実力があるらしいが…


******

始めまして、宵月颯と申します。
今回が初投稿となります。
亀更新となりますので何処まで続けられるか判りませんが長い眼で見てください。
気になる事が御座いましたらコメントなどご連絡ください。

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