幻影のエトランゼ   作:宵月颯

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救世主と言う言葉。

それは縛りの言葉。

君は担ぎ上げられた生贄。

人々は己の力で立ち上がる意思を見せない。

他力本願。

それはどうにもならない程の違和感。


第百十三話 『交遭《コウソウ》』

 

多元地球での地球連邦設立後。

 

アル・ワースでも大きく事が動いていた。

 

魔獣の掌の中であるが…

 

アル・ワースを支配しようと企む者達へ立ち向かう救世主一行の集団。

 

名を改め、エクスクロスの誕生である。

 

現在は戦艦三隻が母体となって行動している形だ。

 

それらを構成している人員にも若干の変化がある。

 

分かりにくいので正史に近い形で説明入ろうと思う。

 

 

まずは戦争の世界から召喚されるメンバー。

 

 

現時点でアムロ大尉達は多元地球から元の世界へ帰還していない点。

 

シャア大佐もクワトロ大尉と名を偽ってアムロ大尉達と行動しているのでそちら側には居ない。

 

アル・ワースへ飛ばされたロンド・ベル隊はシャングリラチームとキンゲトゥから戻ったシーブック達。

 

これにアルビオン隊が代わりに追加されている状態である。

 

で、クロスボーン・バンガードのトビア達…鋼鉄の七人。

 

状況はまだ調査中だが、リギルド・センチュリーと呼ばれる時代の人々が参加している。

 

これ、絶対狙ってるだろう…無限力。

 

 

続いて革命の世界。

 

 

召喚されたのはバイストン・ウェル組のみ。

 

万丈さん達やプリベンターと黒の騎士団関係はまだ多元地球のいざこざが終わっていないので不参加。

 

恐らく、異世界セフィーロが代理で参加させられた形だろう。

 

今の所、光達は攫われたままなのでザガートとランティス達が部隊に協力中。

 

 

三番目は平和の世界。

 

 

勇者特急隊とブレイブポリスが召喚された。

 

また、ガンバーチームに勇者ラムネスらと同級生の少年で戦部ワタルと言う子が一緒に召喚された。

 

彼が後の救世主様である。

 

 

21世紀の世界。

 

 

自由条約連合が参加。

 

 

19世紀の世界。

 

 

旧ノーチラス号のメンバーが参加。

 

 

アウラの世界。

 

 

アウラの民が参加。

 

少し早い展開だが、色々とあったのだろう。

 

 

戦隊の世界。

 

 

帰還した筈のゴーカイジャーのメンバー。

 

調べた所、所属する世界へ戻る道中で歯車の音がして弾き飛ばされたらしい。

 

………全力全開ネタが成立しちゃったよ。

 

 

新西暦の世界。

 

 

で、何故か帰還させたマサキ達にE&Rコーポレーションがこの部隊に参加している形である。

 

マサキは兎も角シュウ博士達は何の巡り合わせ?って正直思った。

 

 

問題のアル・ワース側の世界の人々。

 

 

創界山の協力者、アルゼナル、魔従教団からの離脱者達。

 

獣の国であるカミナシティは多元地球で建造中でこちら側に存在していない。

 

代替わりで聖インサラウム皇国が召喚されているので。

 

こんな感じで抜けには抜けを補う形で代役が立てられている様子だ。

 

 

******

 

 

一通りの説明を終えた後、私達はエクスクロスが航行中のエリアへと辿り着いた。

 

ユーサー皇子は国の事もあるのでそちらで待機して貰っている。

 

正直に言うなら今回のメンツでも過剰戦力すぎるので戦力バランスを考えての布陣だ。

 

 

「エンデめ…また余計に戦力を呼び寄せるとは。」

 

 

私ことハスミはイライラを募らせながら集めた情報を集約していた。

 

思ったより負の感情を喰えない事が原因で余計な争いを持ち込んだ様子。

 

ただでさえ、多元地球にも横槍入れている癖に…あの全身の毛皮剥いで敷物にしちゃろうか?

 

 

「思った以上に荒れていますね?」

「色々と。」

 

 

アイムさんの言葉通りで血圧上がって血管が切れそうな位に怒り心頭気味です。

 

 

「此方としては極力介入を控えるつもりでしたが、少し暴れて置きたいと思います。」

「大々的に壊すのか?」

「その予定です。」

「いいぜ…俺は暴れられるのならな?」

 

 

正直な話、ガイオウ…貴方のストレス発散も兼ねていますので。

 

アウストラリスからも『エクスクロスの力量を見定めよ。』と指示を受けていますし。

 

シンカの力の兆しに目覚めていない場合は彼らと闘わせて貰う。

 

何人かは大丈夫だろうが、これも試練と思って欲しい。

 

そんな考えをしていると近場の街で異変が起こっていた。

 

 

「アレは一体?」

「何だ?戦艦に街も何もかもが逆立ちしてるぜ?」

「これは…」

「ハスミさん、状況は解りますか?」

「大体は…(成程、様子から察するに逆さまにされた街の時の状況か。」

 

 

第一階層のボス、クルージング・トムが敗れた事で出張ってきた奴がいる。

 

ドアクダー軍団の第二階層を支配するちばし…じゃなかったデス・ゴッドだ。

 

奴の手により創界山の秘宝の一つである真実の鏡を奪われた模様。

 

その真実の鏡を曇らせた事で逆転の力が発動。

 

周囲の街は逆さまの上にエクスクロスの戦艦が行動不能に陥ったのである。

 

本来であれば、ここでルルーシュの仲間であるジェレミアとアーニャの二人がドアクダー軍団として仕掛けている形であるが…

 

配役がいないので別の誰かが差し向けられるだろう。

 

 

「少々、様子を見てからの方が良いかもしれません。」

 

 

私は彼らが自らの手で問題を解決するまで時を待った。

 

 

~一日が経過~

 

 

ユーサー皇子との定期連絡後、皇国の方は変わらずドアクダー軍団が嗾けているらしい。

 

防衛力に関しては問題はないのでそちらの件はそちらに任せて貰う事にした。

 

私達は引き続き真実の鏡を取り戻そうとしているエクスクロスのメンバーを監視。

 

頃合いを見て出撃した。

 

 

「これだけの軍勢に勝てるかな?」

「くそっ!」

「救世主の伝説もここまでだ!!」

 

 

 

更なる増援を呼び寄せた事で勝敗が決まった。

 

この様子に高笑いをするデス・ゴッドを余所に…

 

 

「馬鹿はどっちだ?」

 

 

破壊する存在によって放たれた殴り砕く音。

 

それと共に崩壊する高台。

 

増援の量産型ゲッペルンの大群は足場である高台が崩れた事で崩壊に巻き込まれて布陣は壊滅。

 

その状況に驚くデス・ゴッド。

 

 

「何っ!?」

「スカスカの足元に大群を呼び寄せやがって…さっさとやられろって意味かよ?」

 

 

残っていたのは空戦タイプの量産型ヘルコフターのみ。

 

だが…

 

 

「やれやれ…頭が足りないのは部下も同じと言う訳ですか?」

 

 

偽りの力で接近しブラッティ・ヴァインで周囲に展開していた量産型ヘルコフター部隊を総殺。

 

 

「…ああ言うのは永遠の脇役で良いのでは?」

 

 

ドアクダー軍団によって操られたBD連合。

 

その戦闘ロボット達を一閃して破壊。

 

更生を目指しているパイロット達に非はないので命までは奪っていない。

 

 

「だ、誰だ!?姿を見せろ!!」

「見せてやるよ…テメェの無様な姿を拝む為にもな?」

 

 

崩壊した戦線とは違う位置から出現した存在。

 

破界の次元将ヴァイシュラバ、偽りの存在アリエティス、光と闇の魔神エクリプスが姿を現した。

 

 

「あれは!?」

「ガイオウ!?それにアイムとハスミじゃねえか!!」

 

 

エクスクロスと行動を共にしていたラウルとマサキの発言。

 

 

「…どうやら彼らもアル・ワースに来ていたらしいですね。」

「一体どうやって!?」

 

 

シュウ博士の言葉に反応するリューネ。

 

 

「もしかしてクロスゲート?」

「若しくはソルの力でしょうね。」

 

 

マサキ達からある程度は説明されているだろう。

 

護る為に真実と嘘を練り込ませた事情を…

 

イグジスタンスはある意味で協力者ではない。

 

旧サイデリアルであり、御使い打倒を掲げる独立組織であると伝えられた筈だ。

 

 

「事情はさて置き、私達は調査中に奴らと出くわしただけです。」

「調査?」

「私達には私達の…と、言った方が良いですか?」

 

 

シュウ博士の疑問に答えるハスミ。

 

 

「な、何だ貴様らは!?」

 

 

この状況に混乱しているデス・ゴッド。

 

タイミングが良いのか悪いのかこちらの話を遮られた。

 

逆にデス・ゴッドの問い掛けに反応したガイオウ。

 

 

「テメェこそ何だ?」

「我が名はデス・ゴッド!ドアクダー様に第二階層を任された者だ!」

「はぁ?ドアクダー……何だ奴か。」

「何だ貴様!!その態度は…ドアクダー様に向かって!?」

「何が様だよ…大災害の頃にアイツらから真っ先に逃げた腰抜け野郎じゃねえか?」

「な!?」

「えっ?」

 

 

次元将モードではあるが…

 

あきれ顔で耳ホジポーズのガイオウはドアクダーの名をデス・ゴッドから聞くや否や腰抜けと言い捨てた。

 

それに驚くワタルにエクスクロスのメンバー。

 

 

「ついでに言えば、この世界に隠れている奴らは大体がそうだぜ?」

 

 

アル・ワースは設立から三千年が経過している。

 

例の大災害の一件も長命な者にとっては最近の出来事。

 

実際に前回の大災害で戦って生き残った者の言葉は重みが違うのだろう。

 

 

「雁首揃えて生き残っている割には諦めやがって…」

「…それには同意します。」

 

 

一部には同胞を逃がす為に戦えなかった者達も居るのは理解している。

 

だからと言って生きる為の戦いを放棄するのは宜しくない。

 

 

「ぐぬぬ…おのれ!!」

 

 

デス・ゴッドは曇った真実の鏡を天に掲げた。

 

同時に動けていた機体が鏡の影響下に晒されて行動不能ととなる。

 

例外を除いて。

 

 

「これでは動けまい!ふはははっ!!」

「で?」

「へ?」

 

 

真実の鏡の発動の最中、平然としているガイオウにアイムとハスミ。

 

その様子に阿保な声を上げたデス・ゴッド。

 

 

「き、貴様ら!何故影響を受けない!?」

「その鏡は曇っている事で真実を覆い隠しているのでしょう?」

「その通りだ!だが…何故!?」

「私達にまやかしは通用しない…それだけ。」

 

 

ソルの力が目覚めた影響なのだろう。

 

ガイオウの埒外の蛇者のスフィアは他のスフィアの力を発動させる事が出来る。

 

この為、影響に関係している事象を無効化していた。

 

アイムも偽りの黒羊のスフィアで全てを覆い隠し偽る。

 

自身に降りかかる影響を偽って無効化していた。

 

ハスミの知りたがる山羊のスフィアは真実を白日の元に晒して暴露する。

 

どんな呪いでも影響を無くす事が可能なのだ。

 

 

「油断したのはどっちかしら?」

 

 

ハスミは油断したデス・ゴッドの機体に攻撃を加えた。

 

ついでに斬られた時に真実の鏡も落としたので…

 

一時的に鏡の効果が薄れたのだろう。

 

ポジティブに動いていたヒミコちゃんに返却して置いた。

 

 

「かがみちょうだいなのだ。」

「もう無くさないでね?」

「おねーさんありがとなのだ。」

 

 

で、例の如く真実の鏡の曇りを取り除くと街は元通りになり各艦の航行も回復した。

 

 

「真実の鏡がぁ…」

「テメェ、あの逆立ちさせる鏡がなけりゃあ只の雑魚じゃねえか?」

「う、煩い!この鬼!悪魔!化け物!!?」

 

 

ブチンと何かが切れる音が聞こえたのは気のせいじゃない。

 

 

「ピーピーうるせぇ…」

 

 

ガイオウの眼光でデス・ゴッドは蛇に睨まれた蛙状態に陥った。

 

蠅程度の相手にグダグダ言われればそりゃー怒るよ。

 

それに…敢えて言おう。

 

中盤に出る様な小物感満載の中ボスが高難易度でEXステージにも出る様なラスボスに単機で勝てるとでも?

 

 

「あわわわわ…」

「どうした?さっきまでの威勢はどこ行った?」

「え…えと。」

「戦わねえのか!おい!?」

「ひっ!!」

「クソが!ハズレじゃねえか!!」

 

 

余りの小物風情にガイオウは怒りのボルテージを上げた。

 

同時に白旗を上げようとしたデスバッドを追い詰めると景気よく殴り飛ばした。

 

何時もの次元結界すらぶっ壊す勢いでない事を有難く思えばいい。

 

 

「ご、ごめんなさぃいいいいいい!!!!!」

 

 

キラーンとSEが掛かる様に恐怖で号泣のデス・ゴッドは汚いお星様となりました。

 

ついでに余りの恐怖で洗脳が解けて元の姿に戻ったっぽい。

 

 

「見事なまでに哀れですね。」

「ああ言うのはしぶとく生き残るので…ま、運が良ければの話ですけど。」

 

 

ホームランされたデス・ゴッドの末路を哀れな眼で見るアイムとハスミ。

 

奴の持つギャグキャラの宿命は一生逃れられないと改めて理解した。

 

戦況が落ち着いたと同時に私達は礼の言葉を彼女から受けた。

 

 

「あの…助けて頂きありがとうございます。」

「大したことはしていないわ、奴か勝手に自滅しただけよ。」

 

 

今回のゼルガードのパイロットはアマリ・アクアマリンらしい。

 

ちなみにイオリ・アイオライトも同乗している。

 

此処でも変異は起きているらしい。

 

 

「それと、お小言をして置きたい。」

「えっ?」

「ザガートとランティス…貴方達が不在中にセフィーロが魔従教団に襲撃受けた。」

「なっ!?」

「セフィーロが…!」

「導師クレフ達の防御結界もFTOやNSXでの防戦にも限りがある…念の為、援軍は配置して置きました。」

「済まない。」

「事情は導師達から伺っている……姫や光達の事も。」

 

 

二人にも事情があるのは理解している。

 

だからと言って国の防衛を疎かにするのは頂けない。

 

なので、釘打ち程度のお小言はさせて貰う。

 

 

「セフィーロを邪教と抜かした魔従教団…こちらとしても文字通り殲滅させて貰うわ。」

「おいおい、マジでやる気かよ!?」

「マサキ、どっち道いいんじゃニャいか?」

「シロ、冗談でも言葉にしちゃ駄目ニャ。」

「光達を連れ去った存在もね……生きている事を後悔させてやるつもりよ?」

「やりかねない…彼女なら。」

「それが出来ちゃう戦力も持っているしね…」

 

 

ハスミの魔従教団殲滅宣言に反応するマサキ達。

 

同じくラウルとフィオナも青ざめた表情で答えた。

 

 

「どちらにせよ、ガンエデンに次元将も来ていますし叩く事は物理的に可能でしょう。」

「シュウ、サラっと危ねぇ事言うなよ!」

 

 

シュウの言葉は正しい。

 

前回の大災害で負傷したもののバアルや御使いを撤退させたのは事実だ。

 

更にソルの力を目覚めさせている…

 

ベルフェクティオ級程ではないが、バアルの一体位はやろうと思えば出来なくはないだろう。

 

 

「念の為に言って置きますが、其方のクロスゲートでの帰還は不可能です。」

「不可能とは?」

「この世界に召喚した輩がエクスクロスの転移者達に楔をしている…その召喚者をどうにかしないと転移もままなりません。」

「…判りました。貴重な情報をすみませんね。」

 

 

シュウ博士は本当に理解が早くて助かる。

 

要は彼らをこの世界に繋ぎ止めている楔を外さないと帰還させる事は出来ないと告げて置いた。

 

 

「凄い、イグジスタンスが仲間になったら百人力だ!」

 

 

何時もの流れで…な勘違いしている救世主様に一喝して置いた。

 

 

「おい、餓鬼…勝手に勘違いしてんじゃねぇぞ!」

「えっ?」

「今回は利害関係が一致したので協力しただけですよ。シンカの力を会得していない貴方達を支援するとでも?」

「シンカ?」

 

 

ワタルの予想を引っ繰り返す様に発言するガイオウとアイム。

 

 

「…貴方は何も理解していない。」

「えっ?」

 

 

更にハスミの言葉にワタルは疑問に思った。

 

 

「そんなに救世主に選ばれた事が嬉しい?」

「僕が出来る事があるのなら…」

「なら、どうして貴方達だけに闘わせるの?」

「…」

「本来なら創界山の人々が立ち向かわなければならない事、貴方はこの件に関して余所者…巻き込まれた人に過ぎない。」

 

 

私がワタルの物語で違和感を持っていた事。

 

それはワタルが中心となって戦っているものの創界山の人々は救世主頼みと言うスタンスだ。

 

一部は違うがその多くは他力本願の様な姿勢で正直違和感しかなかった。

 

 

「だって、皆が…」

「力が無いから戦えない?違う……恐れが人々の動きを鈍らせているだけよ。」

「…」

「救世主って言うだけで終わればそれまでの事。」

 

 

戦いが終わればワタルは元の世界へ返されて何時もと同じ生活に戻るだけ。

 

 

「創界山やアル・ワースの人々に必要なのは、貴方やエクスクロスが戦う事以外にも出来る事を見出す事よ。」

 

 

そうでなければシンカへの道は夢のまた夢。

 

 

「おい、クジョウ…助言はそこまでだ。」

「…」

「そうですよ。代表からも必要以上の事は語るなと仰ってましたでしょう?」

「危うく口を滑らせる所でした…済みません。」

 

 

考えるべき事は彼らエクスクロスへの出題。

 

後は彼らに任せるしかない。

 

 

「そう言う事だ、精々足掻けよ?」

 

 

ガイオウの言葉を最後にして私達は混乱する彼らを余所にその場を撤退した。

 

 

>>>>>>

 

 

彼らは私の問いに対してどう思うだろう。

 

そこで挫けるのならそこまでだ。

 

それでも彼らの立ち上がる意思を信じたい。

 

 

「おい、クジョウ。」

 

 

戦いが終わり、先程の場所から撤退した後。

 

一息付ける場所へ転移し話し合いをするハスミ達。

 

その中でガイオウは答えた。

 

 

「何ですか?」

「まだこっちの世界に居るのか?」

「嫌な程に引っ掻き回して置いておきましたし…暫くは大丈夫でしょう。」

 

 

ハスミの応対の後、ガイオウの表情は何処か険しいままだった。

 

それは此方を監視している者の視線を感じ取った為である。

 

 

「…」

「まだ何か?」

「…どうも胸糞悪ぃ感じがする。」

「やはりですか。」

「お二人も感じている視線…しいて言うなら例の品定めを行っている人物ですかね?」

 

 

アイムさんの言葉も最もだ。

 

あの鰤大根め。

 

また監視してるな?

 

無残に散った黒ワカメ同様に気色悪い。

 

コソコソとエルーナさんやセツコの事も監視していたし…

 

張り手を通り越して念動フィールド込みの拳一発でもあの顔面にしておきたい。

 

 

「今は手出しをしないでしょう…して来たのなら徹底的に仕留めるだけです。」

「あの小心野郎が出来るのならな?」

「貴方達が言っては流石に出れないのでは?」

 

 

容赦なくエンブリヲを殲滅するぜ発言をしている三人。

 

これに対して異空間で監視している本人は…

 

 

「…やはり欲しいな、あの娘。」

 

 

=続=





再臨する天使達。

それは捻じ曲がった世界を正す為に。

新たな天使の射手と共に。


次回、幻影のエトランゼ・第百十四話『天場《テンジョウ》』


交じり合った天使もまた彼らを射貫く。
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