過去の存在は動き出す。
元凶を止める為に。
それは成し得なかった。
別れた道は繋がり始めていた。
引き続き、ラース・バビロンにて解放作戦を展開する一行。
だが、彼ら以外にも次元凍結から逃れた存在も居た。
彼らもまた独自に動き出そうとしていた。
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ある異空間。
そこでガンエデンに繋なる者達が集っていた。
ビックファイアとハスミである。
イルイはスヴェルの結界維持の為に不在。
話す内容はイルイに伝えるには少々曰く付きの為…
この対応となった。
「ビックファイア、お久しぶりです。」
「久しぶり、封印戦争以来かな?」
「そうなりますね、色々と立て込んでいたので。」
互いに軽い挨拶を交わす。
相変わらず、遠い存在に思えるビックファイアの表情。
彼もこの状況に対して思う事があるのだろう。
普段よりも冷静に言葉を綴った。
「例の真の敵…ナルーダと対峙したそうだね。」
「仰る通りで。」
「僕も気配で感じ取ったが、容易ならない相手である事は確実だろう。」
「ナルーダもそうですが、問題があります。」
「問題?」
ナルーダに協力する存在についてハスミは語った。
「一人目は高次元生命体のテオロ・オキハ、一時期…此方の世界に影響を与えていたエンブリヲを嗾けた存在。」
「以前…サニー・ザ・マジシャン達を攫った存在だね。」
察して頂く様に、別口でやらかしていたエンブリヲこと糞鰤。
マジで胃が死に掛けたわ…
部隊編成が混乱したノードゥスにBF団の暴走は手に余る。
本当に恐ろしいから般若顔したガチギレな十傑衆なんて…
「はい、エンブリヲは問答無用で存在の欠片も残さずに始末したので…出てくる事はないでしょう。」
「その件は感謝しているよ、僕も彼らを止めるのは苦労したからね。」
…笑い事じゃないのですが?
「それで、他には?」
あ、話そらした。
「ナルーダの傘下に加わった者達…奴らの持つ戦力で判別出来ました。」
一人目は御使いのアドヴェント。
今回は次元神ソルへ至るヘリオースを手に入れられなかった。
残りの三人の御使いを取り込んで、聖アドヴェントと化している。
二人目はナイアーラ。
元はオルブロと呼ばれる組織の一員。
別の多元世界で活動していた様ですが、ナルーダの誘いに乗ったと思われます。
三人目はケイサル・エフェス。
私達と同じガンエデンであり、ゲベル・ガンエデンの成れの果て。
負念に堕ちた存在。
四人目はサイクラミノス。
神文明エーオスの生き残り。
敵対関係だったクエスターズから文明を守り切れなかった事で暴走。
多元世界に伝わる多元伝説の一つ『黒髪怨夜』の主人公です。
「以上が、調査結果であり…私が知る彼らの素性です。」
ハスミはイグジスタンスのメンバーにも告げた情報をビックファイアに開示。
「成程。ゲベル…いや、ケイサル・エフェスの件は僕の方でも関わらせて貰うよ。」
「事情を知るメンバーは兎も角、他は余り良い顔はしないと思いますが…」
「如何こう言っている場合じゃない、暁の霊気の件もある。」
「…」
「あの件で無限力も黙ってはいない。君もそれは理解しているだろう?」
「融通が利かないのは変わらずと言いたいです。」
「そうだね、あれはあれで頑固だから…」
「存在全てが消失してからじゃ遅いのですが?」
「…それをさせない為に君達が存在している。」
バックアップとしてソルの意思を継いだリアクター達が集結している。
誰一人欠けずに最終日まで生き延びなければならない。
「僕は僕の方で行動を進めて置く、君も無理をしない様に。」
話し合いを終えた後、ビックファイアは転移で去って行った。
「はぁ…どうしたものかな。」
ハスミはため息を付いた後、静かに呟いた。
「…取り合えず、こんにゃく地獄のレパートリーでも選出して置こうかな。」
凶悪レベルの笑みを浮かべながら、彼女もその場を後にした。
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一方、その頃…
改良型限仙境で荒治療を受けていた一行。
丁度、強制休憩時間を迎えた頃だった。
「…ハスミならビックファイアとやらと話し合いに出ているが?」
ヴィルダークの素っ気ない返答に対し…
事情を知る他メンバーが固まったり、表情をムンクの叫び状態にしたのは言うまでもない。
「何かおかしな事を告げたか?」
「さあてね、俺にも分からん。」
周囲の様子に?を浮かべるヴィルダークと…
コーラの代わりに炭酸入りスポーツドリンクを飲みながら傍観するガイオウ。
「此方側でそのビックファイアと色々とあったと言って置く。」
「…そうか。」
更に反対側で同じく傍観していたドモンから説明を受けた。
「ビックファイアにBF団とも敵対すれば、戦況は変わっていたと断言出来る。」
「それなりの影響力があるのだな。」
エンブリヲとの最終決戦で話す機会があった為、ごく普通に接している彼ら。
傍から見れば、いつの間に?と思う光景だった。
「ナルーダの協力者達も手を抜けない連中だ…荒治療とやらもいつまで行えるか分からん。」
「連中の中に知る者がいたのか?」
「俺が知るのは、オルブロのナイアーラ…奴は得体が知れないし油断は出来ない。」
「接点を持つ者にとって対処方法も判っているが、その厄介さも身に染みているのだな。」
ナルーダの協力者達。
彼らに対抗する為に必要なピースは揃っていない。
それは、立ち向かうべき役者達と戦力だ。
何時か訪れるだろう役者達の来訪まで、シンカの力で補うしかない。
「……いずれにせよ、我々が戦う事は避けられん。」
ヴィルダークは休憩後に備えて、次の荒治療の難易度を上げようと決めた。
=続=
終焉の日まで残りの時間、352日。