幻影のエトランゼ   作:宵月颯

246 / 251

過去の存在は動き出す。

元凶を止める為に。

それは成し得なかった。

別れた道は繋がり始めていた。


第百二十五話『元凶《ゲンキョウ》後編』

 

引き続き、ラース・バビロンにて解放作戦を展開する一行。

 

だが、彼ら以外にも次元凍結から逃れた存在も居た。

 

彼らもまた独自に動き出そうとしていた。

 

 

******

 

 

ある異空間。

 

そこでガンエデンに繋なる者達が集っていた。

 

ビックファイアとハスミである。

 

イルイはスヴェルの結界維持の為に不在。

 

話す内容はイルイに伝えるには少々曰く付きの為…

 

この対応となった。

 

 

「ビックファイア、お久しぶりです。」

「久しぶり、封印戦争以来かな?」

「そうなりますね、色々と立て込んでいたので。」

 

 

互いに軽い挨拶を交わす。

 

相変わらず、遠い存在に思えるビックファイアの表情。

 

彼もこの状況に対して思う事があるのだろう。

 

普段よりも冷静に言葉を綴った。

 

 

「例の真の敵…ナルーダと対峙したそうだね。」

「仰る通りで。」

「僕も気配で感じ取ったが、容易ならない相手である事は確実だろう。」

「ナルーダもそうですが、問題があります。」

「問題?」

 

 

 

ナルーダに協力する存在についてハスミは語った。

 

 

「一人目は高次元生命体のテオロ・オキハ、一時期…此方の世界に影響を与えていたエンブリヲを嗾けた存在。」

「以前…サニー・ザ・マジシャン達を攫った存在だね。」

 

 

察して頂く様に、別口でやらかしていたエンブリヲこと糞鰤。

 

マジで胃が死に掛けたわ…

 

部隊編成が混乱したノードゥスにBF団の暴走は手に余る。

 

本当に恐ろしいから般若顔したガチギレな十傑衆なんて…

 

 

「はい、エンブリヲは問答無用で存在の欠片も残さずに始末したので…出てくる事はないでしょう。」

「その件は感謝しているよ、僕も彼らを止めるのは苦労したからね。」

 

 

…笑い事じゃないのですが?

 

 

「それで、他には?」

 

 

あ、話そらした。

 

 

「ナルーダの傘下に加わった者達…奴らの持つ戦力で判別出来ました。」

 

 

一人目は御使いのアドヴェント。

 

今回は次元神ソルへ至るヘリオースを手に入れられなかった。

 

残りの三人の御使いを取り込んで、聖アドヴェントと化している。

 

 

二人目はナイアーラ。

 

元はオルブロと呼ばれる組織の一員。

 

別の多元世界で活動していた様ですが、ナルーダの誘いに乗ったと思われます。

 

 

三人目はケイサル・エフェス。

 

私達と同じガンエデンであり、ゲベル・ガンエデンの成れの果て。

 

負念に堕ちた存在。

 

 

四人目はサイクラミノス。

 

神文明エーオスの生き残り。

 

敵対関係だったクエスターズから文明を守り切れなかった事で暴走。

 

多元世界に伝わる多元伝説の一つ『黒髪怨夜』の主人公です。

 

 

「以上が、調査結果であり…私が知る彼らの素性です。」

 

 

ハスミはイグジスタンスのメンバーにも告げた情報をビックファイアに開示。

 

 

「成程。ゲベル…いや、ケイサル・エフェスの件は僕の方でも関わらせて貰うよ。」

「事情を知るメンバーは兎も角、他は余り良い顔はしないと思いますが…」

「如何こう言っている場合じゃない、暁の霊気の件もある。」

「…」

「あの件で無限力も黙ってはいない。君もそれは理解しているだろう?」

「融通が利かないのは変わらずと言いたいです。」

「そうだね、あれはあれで頑固だから…」

「存在全てが消失してからじゃ遅いのですが?」

「…それをさせない為に君達が存在している。」

 

 

バックアップとしてソルの意思を継いだリアクター達が集結している。

 

誰一人欠けずに最終日まで生き延びなければならない。

 

 

「僕は僕の方で行動を進めて置く、君も無理をしない様に。」

 

 

話し合いを終えた後、ビックファイアは転移で去って行った。

 

 

「はぁ…どうしたものかな。」

 

 

ハスミはため息を付いた後、静かに呟いた。

 

 

「…取り合えず、こんにゃく地獄のレパートリーでも選出して置こうかな。」

 

 

凶悪レベルの笑みを浮かべながら、彼女もその場を後にした。

 

 

>>>>>>

 

 

一方、その頃…

 

 

改良型限仙境で荒治療を受けていた一行。

 

丁度、強制休憩時間を迎えた頃だった。

 

 

「…ハスミならビックファイアとやらと話し合いに出ているが?」

 

 

ヴィルダークの素っ気ない返答に対し…

 

事情を知る他メンバーが固まったり、表情をムンクの叫び状態にしたのは言うまでもない。

 

 

「何かおかしな事を告げたか?」

「さあてね、俺にも分からん。」

 

 

周囲の様子に?を浮かべるヴィルダークと…

 

コーラの代わりに炭酸入りスポーツドリンクを飲みながら傍観するガイオウ。

 

 

「此方側でそのビックファイアと色々とあったと言って置く。」

「…そうか。」

 

 

更に反対側で同じく傍観していたドモンから説明を受けた。

 

 

「ビックファイアにBF団とも敵対すれば、戦況は変わっていたと断言出来る。」

「それなりの影響力があるのだな。」

 

 

エンブリヲとの最終決戦で話す機会があった為、ごく普通に接している彼ら。

 

傍から見れば、いつの間に?と思う光景だった。

 

 

「ナルーダの協力者達も手を抜けない連中だ…荒治療とやらもいつまで行えるか分からん。」

「連中の中に知る者がいたのか?」

「俺が知るのは、オルブロのナイアーラ…奴は得体が知れないし油断は出来ない。」

「接点を持つ者にとって対処方法も判っているが、その厄介さも身に染みているのだな。」

 

 

ナルーダの協力者達。

 

彼らに対抗する為に必要なピースは揃っていない。

 

それは、立ち向かうべき役者達と戦力だ。

 

何時か訪れるだろう役者達の来訪まで、シンカの力で補うしかない。

 

 

「……いずれにせよ、我々が戦う事は避けられん。」

 

 

ヴィルダークは休憩後に備えて、次の荒治療の難易度を上げようと決めた。

 

 

=続=

 





終焉の日まで残りの時間、352日。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。