亡命と言う言葉。
流れは変わり、配役も変わる。
貴方はその為の駒なのか?
前回、荒治療を継続しつつ…
拠点を奪還するノードゥス。
解放された仲間達に説明と荒治療の件を伝えつつ…
開放作戦を継続しつつも、次なる脅威が迫っていた。
******
ラース・バビロン内、玉座の間。
依然として、作戦会議を行う場として利用されている。
地球周辺の星図とある勢力の侵攻ルートが添付されていた。
その勢力を知るハスミはポツリと呟く。
「タイミングは変わらずか…」
何を隠そう、終焉の銀河のシナリオ序盤で起こった戦闘。
ゼ・バルマリィ帝国の艦隊が侵攻してきた事を意味していた。
「ハスミ少尉、侵攻中の艦隊はゼ・バルマリィのものと聞いているが?」
「はい、ギリアム少佐…それも以前のとは違う規模、バルマーの本隊です。」
「本隊?」
「L5戦役でのホワイトスターやガイアセイバーを率いたアウテウルことユーゼス・ゴッゾォ…いずれも“はぐれバルマー”と呼ばれていました。」
「イングラム少佐達からも伺っていたが…」
「文字通り、現在侵攻中の艦隊とは別にアンテナ代わりにされた者達です。」
自身の脅威若しくは有効価値ありと判断された文明を捜索するシステム。
それ故、ホワイトスターに集う者達は最小限に限定された管理者だけを配置。
現地で戦力を確保する為の方法を取っていました。
それがL5戦役で起こった地球圏襲撃と拉致事件の真相です。
「更に地球圏とは別の銀河系でも同様の手口が行われていました。」
それに対抗する為にウォルガを始めとした星系連合が作り出された。
「ただ、厄介な件はここからです。」
ハスミは告げた。
「このゼ・バルマリィの本拠地である惑星バルマーと地球は…兄弟惑星なのです。」
本来ならば、惑星バルマーへ銀河殴り込み艦隊が向かった際に判明する事。
首都にあるガンエデンを祀る神殿の地下で…
イルイを操り、抜け殻となったゲベル・ガンエデンの神体で待ち構えた…
シヴァ・ゴッゾォによって判明する。
「これはアシュラヤーの記憶から継承した事なので、向こう側での扱いがどうなっているかは…調査する必要があります。」
「…」
実際、現在進行形で帝国は二つの派閥に別れている。
霊帝ルアフの派閥と宰相シヴァの派閥である。
胃薬でオー○ードーズする位に互いに腹の探り合いをしている状態。
間近にするモブな臣下達からすれば、顔色土気色な修羅場だろう。
「今は、奴らから前線基地と成り得る施設掌握を阻止する事が前提と判断します。」
失敗すれば、あの時と同様に…
木星圏にあるイカロス基地を始めに他の太陽系の星域に点在する拠点を奪われるだろう。
ただでさえ、無限力の中心ことイデ関係で質量最大の戦力のバッフ・クランも控えている。
「宇宙怪獣の大元であるエグゼリオ変動…動きがない様ですが、いずれは。」
次元凍結の影響を受けた地球開放に至っていない今の状況で…
あの戦力で攻められたら此方も無傷とは出来ない。
当時、ラース・バビロン最終決戦後に…
戦死したヴィルダークの手配で残存したサイデリアルの残存戦力が協力した事で被害を防げた。
『ハスミ、ちょっとトラブルが起こったよ。』
「トラブル?」
次元凍結の影響を受けていない地球近海で行動していた孫光龍。
彼からの念話である。
『例のバルマー本隊、こっちを攻めて来たって様子じゃない。』
「…と、言うと?」
『満身創痍、一言で言うなら逃げて来たって感じかな?』
「…」
『向こう側の念動者の気配からも、かなり切羽詰まった感情を感じた。』
「判りました。戦闘は避けつつ監視を継続してください。」
『了解。』
光龍との念話を終わらせたハスミ。
即座にスフィアで本隊の様子を探った所…
「ギリアム少佐、少々流れが変わりました。」
「変わったとは?」
「侵攻中だった本隊が地球へ亡命してきた様です。」
「!?」
「今はお父さんに監視を続けて貰っています。」
「判った、マイルズ司令に報告する。」
「よろしくお願いいたします。此方からの戦闘の意思を見せない様にとお伝えください。」
ハスミは状況をギリアムに報告。
司令らと協議する為に広間を後にした。
「これも無限力の仕業か?」
亡命者はルアフ皇帝派のアルマナ皇女殿下と護衛。
本来はズフィルード…
ケイサル・エフェスの生贄として捧げられる前に許された時間であり暇。
だが、今回は違う。
「史実には存在しなかったルアフの弟…皇弟陛下、貴方は一体?」
ハスミは一人言葉を零すと次の算段に入る準備を始めた。
=続=
終焉の日まで残りの時間、351日。