幻影のエトランゼ   作:宵月颯

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史実は変わる。

これもまた道筋なのだろう。




第百二十六話『訪帝《ホウテイ》』

前回、打倒ナルーダの為にビックファイアと再度の協力関係を結んでいた…

 

私ことハスミ。

 

同時期に外宇宙からの帰還者と彼らを伴って訪れた来訪者達の出現。

 

多くの問題を抱えつつもノードゥスは解放作戦を完遂させた。

 

元の戦力を取り戻した後、イグジスタンスは統合参謀本部と会談。

 

サイデリアルとして起こした行動に対する贖罪。

 

それらを帳消しにする活動内容によって、ノードゥスに対する有志組織として認定。

 

表向きはサイデリアルを崩壊させ、反逆した組織イグジスタンスと言う体裁となった。

 

現在稼働中のセントラルベースと各地のターミナルベースは引き続き防衛結界として使用。

 

侵攻中の敵対勢力に対する抑止力となったのである。

 

 

******

 

 

光龍より来訪者の予告を受けてから、十日程経過した。

 

次元凍結より地球圏の解放を成功させた一行。

 

統合参謀本部の指示により、ノードゥスは地球圏で待機。

 

理由は来訪者達への対応であった。

 

外宇宙へ飛ばされていたバトル7と合流したフロンティア船団。

 

更にバッフクランに追撃を受けているソロシップ。

 

惑星ファルスへ遠征していたスペースナイツとE.D.F。

 

宇宙怪獣ことエグゼリオ変動の対応で調査していたエルトリウムの合流を持って…

 

ナルーダの宣言日である、終焉の日に向けて改めて行動を開始。

 

シンカの力に目覚めた者達による銀河の中心地への遠征と次元力の中心地たる地球の防衛。

 

二手に分かれての行動…

 

どの道、ナルーダは物量で最終決戦の時に地球へ別動隊を差し向けるだろう。

 

攻めも必要だが、守りも必要であると判断し私は進言して置いた。

 

如何受け取るかは…あの人達の采配に委ねる。

 

 

~更に一日が経過~

 

 

イカロス基地を経由し極秘裏に地球入りを果たしたバルマーの亡命者達。

 

VIPは例の皇弟殿下とアルマナ・ティクヴァー皇女殿下。

 

護衛は十二支族の出であるバラン・ドバンとルリア・カイツ。

 

旗艦ヘルモーズ級を中心に避難民を携えての来訪。

 

ちなみに避難民に関しては火星の指定区画で保護している。

 

他の異星人らの入植もあり、余り良い顔はされなかったが…

 

ナルーダ勢力の襲撃回数が多い地球で預かるよりは、と言う上層部の判断だった。

 

そして、精鋭揃いのセントラルベースで謁見。

 

今に至るのだった。

 

 

「私達の亡命を受け入れて下さり感謝いたします。」

 

 

自己紹介もそこそこに、開口一番はアルマナ皇女。

 

代表としての此方側との外交を務めている。

 

傍で護衛を務めるルリアは監視の目を緩めていない。

 

元々敵対勢力への亡命に寸前まで敵対していた異星勢力一部も集っている状況。

 

下手な発言をすれば、ただでは済まないと理解しての行動なのは致し方ない。

 

 

「地球までの長旅でお疲れでしょう、肩の力を緩めて頂いて構いません。」

 

 

此方側の外交役としてリリーナ外務次官らが対応。

 

当の私は一士官のとして端に避けている。

 

まあ、念動の気配でバレない様に気配は隠しているが…

 

その内、気付くでしょう。

 

 

「私達は貴方達の星へ戦闘行為を行いました…何故、受け入れを?」

「ここには…同じ様に僅かな諍いで争いに発展し、せずとも良かった戦いを強いられた方達も集っています。」

「…」

「争いはバアルの思う壺です、私達は避けられる諍いを起こさない選択をしたまでです。」

 

 

バルマー側の考えは前回と同じ。

 

多様性を受け入れている此方側の方針を如何に生かせるか?

 

それが彼女達への試練だろう。

 

 

「アルマナ、私にも話をさせて貰えるだろうか?」

「セメル殿下…」

 

 

フードを被った皇弟殿下がアルマナに話しかける。

 

同時に皇弟はフードを下げて、自らの顔を晒した。

 

その素顔はあのルアフを大人にした姿であった。

 

 

「…(成程、血縁者かスペアって所か。」

 

 

バーローボイスのルアフが真面に成長していたらこうなったのだろうと妄想しつつ…

 

私は彼の会話を静聴しつづけていた。

 

 

「我々の本星はナルーダと呼ばれる存在によって掌握された。」

 

 

バルマー本星は本来、銀河の中心部を監視する位置に存在した惑星。

 

ガンエデンを含め、その戦力も外敵から身を守る為にシンカした姿。

 

それは地球と同じ祖とした種族である証なのだろう。

 

…守りに呈している間は特に問題はなかった。

 

問題はゲベル・ガンエデンの暴走によって在り方が変わってしまった事。

 

マシアフに選ばれた兄、ルアフも同様にと…

 

そう、皇弟殿下ことセメル・ガンエデンは答えた。

 

彼はルアフの身に何かあった場合におけるスペア的立場であり…

 

名の意味が示す通り、ズフィルードへの絶対的象徴を示す存在。

 

彼もまた傀儡を演じさせられていた。

 

 

「これ以上の暴虐を許せず、私はアルマナと共に生き残った民達を引き連れ…本星を脱出、此方への亡命した次第だ。」

「…」

「これはルアフ兄上の怒りに触れたも同然、私達はバルマーの裏切り者の烙印を押されている。」

 

 

彼の判断は間違っていない。

 

もしも本星に残っていたら本人諸共、ゲベル…ケイサル・エフェスの餌食になっていた。

 

負の無限力によって永遠の死による苦痛は耐えがたいモノだ。

 

気になる事…問題はルアフがあの状況でセメル殿下達の亡命を許した点である。

 

ルアフの性格上、星を見捨てた臣下を見逃す事はなく…排除した筈だ。

 

何かのトラブルでもあったのか?

 

 

「この星には、我らの神…ゲベル・ガンエデンと祖を同じくするガンエデンが安置されていると聞く。」

 

 

話を継続し、漸くガンエデンの話題が出て来た。

 

だが、私は前には出ない。

 

彼らの真意が分かるまでは…

 

 

=続=

 




終焉の日まで残りの時間、341日。
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