幻影のエトランゼ   作:宵月颯

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いつか何処かの記憶。

本来なら消える筈の記憶。

何処かで繋がりそして。

ここへ集約し紡がれる。

これはその一端の出来事。


断章ノ詩篇
謎話・零 『消失《ロスト》』


ようこそ、画面外世界(プレイヤー)の皆様。

 

ここは忘れ去られた断片を記す出来事。

 

現在進行している幻影のエトランゼ(シナリオ)で気になった点を纏める意味での話となります。

 

皆様は何故彼らが過去の記憶を所持しこのシナリオに転生したか気になっていると思われます。

 

本来ならこの物語の最終決戦時にお話する予定でしたが、余りにも長すぎるのでこの辺で語っておく事と相成りました。

 

では、現在記憶を所持する人々を交えてお話ししましょう。

 

この世界の成り立ちと混乱の世となった理由。

 

彼らが現れた理由を…

 

 

******

 

 

「前置きはこの辺で宜しいですかね?」

「そうは言うけどよ、ハスミ…本編で無茶し過ぎだろう!!」

「リュウセイにだけは言われたくないけどね。」

「な、何でだよ…?」

「一昔前までは『無敵のリュウセイ様』とかはっちゃけたよね?」

「うっ!」

「それにラトゥーニやマイに対して鈍感すぎるし…リュウセイ病の発生源になったりしているじゃない。」

「へ?」

「リュウセイの様に恥ずかしい技の名前を叫んじゃうって病の事よ。」

「あ、そっちか…」

「自覚はあるの?」

「う~ん、アヤにその事で叱られた。」

「やっぱり、アヤ大尉かなり怒っているんじゃないの?」

「だよな。」

「リュウセイを弄るのはその辺にしておけ、ハスミ。」

「了解です、キョウスケ少尉。」

 

 

話の舞台はATXチームの分隊室。

 

部屋狭くないとかは気にしないでください。

 

ちなみに合流していないメンバーも含まれています。

 

 

「さて、クジョウ准尉…ここでは洗いざらい話して貰うが構わないだろうか?」

「はい、大丈夫です。」

「やけに素直じゃねえか?」

「マサキ、正直言えば私がここで話した事は無限力によってリセットされちゃうから大体話しても問題ないって思っただけよ。」

「そう言う事かよ!」

「まあ、それはさておき…聞きたい事は何でしょうか?」

 

 

※何故記憶を所持した者が多く居るのか?

 

 

「それは確固たる意思の強さによるものです。」

「意思の強さ?」

「ええ、条件はそれぞれ違いますが…共通の条件として世界の終焉を体験したが一つ目の条件です。」

「世界の終焉?」

「イデの光、人類補完計画の発動、調律、オリジンシステム、エタニティ・フラット、アポカリュプシス、ユガの審判など聞き覚えのある現象は有りませんか?」

 

 

「「「「「!?」」」」」」

 

 

「それらこそが世界終焉の結末、いわばBADEND…皆さんはいずれかを体験した筈です。」

「確かに俺達はそのいずれかを体験した事がある。」

「はい、そしてもう一つの条件は理由はどうであれ真化に至る成長を遂げたと言う点です。」

「真化ってたしか…」

「Z事変における御使いへの対抗策の一つだった現象だ。」

「そして最後は強固な自我…要は諦めが悪かったって事ですね。」

 

 

心辺りのある人物達は一斉に顔を背ける。

 

 

「以上の条件を満たした者が次の世界で虚億、実億として記憶が蘇ったという訳です。」

「待ってくれ、その条件が正しければ…敵の方にも記憶が蘇っている可能性もあるのではないのか?」

「そこはアカシックレコードが微調節してくれてますので大丈夫です。」

「えっと…つまりどう言う事ですか?」

「負の無限力に手を貸した魂達はリセットの影響で記憶浄化されてしまったって事です。」

「それではここに居るのは正の無限力の影響だと言うのか?」

「それに近いですが、正確には狭間の無限力と言った方がいいでしょう。」

「狭間?」

「生前に決められた結末を認められず、やり遂げられなかった事がある為に正にも負にも転ずる事が出来ずに曖昧になってしまった魂達が行きつく先です。」

「…」

「そう言った魂は輪廻転生後に稀ですが、記憶を保持したまま転生する事があるみたいです。」

「言い得て妙だが…」

「でしょうね。」

 

 

※現在の世界における改変事例は?

 

 

「正直に言いますと…この世界は先程話した転生者達が悲劇的な結末を阻止する為に用意された世界です。」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

「事前に用意された世界の駒として我々が転生させられたのか?」

「いえ、この世界は皆さんが結末を阻止し新たな未来を切り開く為の世界です…ただその代償は大きいです。」

「代償?」

「もしも結末を阻止出来なければ、前の世界に戻され…永久に同じ結末を繰り返させられるからです。」

「つまり…俺達は二度と未来を勝ち取る事が出来ないって事かよ!」

「だからこそ失敗は許されないのです。」

「初っ端からハードな戦いとは思ってたが…そんなカラクリがあったのかよ!」

「最初の結末はどうであれ、皆さんは少しずつですが良好な未来を創り上げています。」

「救えなかった命も多々あるがな。」

「ええ、それは無限力の介入によるもので絶対に防ぐ事が出来ない事例でしたから…」

「君はアカシックレコードから知らされていたのだろう?」

「知っていても踏み出す為の力も無ければ戦う力も持たない幼子の頃にどうしろと?」

「…」

「勿論、私自身も何も出来ない歯がゆさはありました。」

「…」

「だからこそのホルトゥスなのです。」

「ハスミ、ホルトゥスは一体何者なんだ?」

「悲劇的結末を迎えた世界から偶然逃げ落ちた人々の集まりです。」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

「見た事がない機動兵器や技術も並行世界からの逆輸入によるものです。」

「それじゃあラダムに寄生された僕らを救えたのも…」

「彼らの技術力、そして私が知っていたからです。」

「DGの事も知っていた…と言う訳か?」

「DGに関してはアプローチの仕方次第で救える事が出来ましたから。」

「その代わり、お前が洗脳されたりとこっちは生きた心地がしなかったぜ。」

「それについては反省しております。」

 

 

※ハスミは何者なのか?

 

 

「私は皆さんと同じ転生者ですが、転生する前が異なります。」

「異なる?」

「私は……皆さんの存在が物語として定着している世界からの転生者です。」

 

 

「「「「「!!?」」」」」

 

 

「そんな事ってあるのか…!?」

「現実ではありえませんが、現に私はこうして存在しています。」

「事例がある以上は認めざる負えないか…」

「ハスミ、お前は前の世界でも念者だったのか?」

「いえ、ごく一般のしがないOLをしていました。」

「OLって事は…結婚とかしていたとか?」

 

 

地雷を踏むリュウセイ。

 

 

「まさか?婚姻を約束していた相手に浮気された挙句に捨てられ!向こうが振られたからヨリを戻せとしつこく迫り!!挙句の果てには車道に押し出されて殺される結末を迎えた私が!!!結婚?ありえませんねw」

 

 

生々しい真っ黒いオーラを醸し出すハスミ。

 

 

「随分と生々しい人生を送ったみたいだな。(汗」

「ええ、御蔭様で…軽率な男には細心の注意を払っていますよ。」

「通りでイルム中尉やライトとかのナンパをのらりくらり躱していた訳だ。」

「弱点は把握しておりましたので。」

「ま、まさか?」

「勿論、皆さんの弱点も把握してますよ?幼少期の話したくない事から恥ずかしい中二病の様な黒歴史までね?」

 

 

「「「「「…」」」」」」

 

 

「私の事はもういいですかね?」

 

 

※今後危惧すべき事。

 

 

「私が現在危険視しているのは破滅の王と御使いです。」

「あれ?霊帝は?」

「いずれ理由は判る時が来るでしょう。」

 

 

*******

 

 

それでは無限力からのリセットの時です。

 

皆様のここでの記憶はリセットされ、幻影のエトランゼの時間軸に戻ります。

 

では、またいつか。

 

 

=続?=

 


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