だが、災厄が過ぎ去った訳ではない。
これは次の戦いまでの記録。
ホワイトスターとの総力戦。
この戦いは『L5戦役』と呼ばれ、一時的だが民衆を騒がせた。
この戦いを切っ掛けに地球連邦軍は各勢力と和解し地球連合政府を設立。
その政府には各勢力の現在の主である人物達が肩を並べる事で調和を保つ事となった。
だが、この政策を良く思わない輩やこれを期に漁夫の利を得ようとする輩も少なくない。
そんな毒物はホルトゥスのメンバーによって処理され毒を出す事は無かった。
その後に起こったホワイトファングやOZ残党による小競り合いや妖魔帝国と決着。
L5宙域に自治権を置くコーディネーター主体のコロニー国家『プラント』の出現。
新たな異星人の出現。
起こるべきシナリオは早期に始まりつつあったのだ。
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L5戦役から数週間後。
L5戦役の勝利を祝して祝勝パーティが行われた。
このパーティ後、軍を去る者、続ける者、新天地へ赴く者と別れる事になっている。
流れ通りにバニーちゃんはさせられました。
ちなみに祝勝パーティに参加していたハマーン様がバニースーツを見て『いいモノだな。』とボソリと呟いていたのは気のせいと思いたいです。
ツインテール時代のハマーン様も可愛かったですけどね。
テンペスト&カーウァイWお義父さんとビアン博士が自分の娘のバニーガール姿に後光から閻魔様が出ていた事は教えるつもりはないので…
エクセレン少尉がどうなったかは不明である。
それはさておき。
おめでた組が二組程いたのでそのお祝いを兼ねている。
ジャータさんとガーネットさん、シローさんとアイナさんのカップルである。
二組は子育てに専念したいとの事で退役する事となった。
ジャータさん達は浅草へ、シローさん達はカナダへ新居を構える予定である。
それを聞きつけたシャイン皇女が二組にご懐妊祝いと称して新居をプレゼントしていた。
さすが皇族、新居すらプレゼント出来るとは…
それよりもノリスさん、ホールの隅っこで苔を生やさないでください。
カーウァイお義父さんとジェニファーは地球へ降りた後、JUDAコーポレーション系列の病院で治療に専念する事になった。
カーウァイお義父さんの身体は半分が機械化していたので通常生活するにしても支障があった。
その治療とリハビリをする事となった。
JUDAでは再生治療と言う最先端医療が確立しつつある。
そのモニターをする条件で受けさせて貰える事となった。
私の親権については引き続きテンペスト少佐が持つ事に決定。
一番必要な時に居る事が出来なかった為だと話していた。
私は何も言えなかった。
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それから更に数週間後。
大雑把であるが地球で活動する者、地球近海で活動する者、外宇宙へ向かう者に別れた。
外宇宙へはマクロス艦隊を中心とした部隊。
そこへトップレス、エルシャンク、ダンガイオーチーム、SPTチームが便乗する形となった。
以外にも超電磁チームもこれに加わる事となった。
どうやら火星での一件が絡んでいるらしい。
地球近海はヒリュウ改、ラーカイラムの部隊、アルビオン隊などのUCガンダム組などである。
シーブックとセシリーはコスモバビロニア思想の廃止を掲げる為に木星へと旅立った。
同時にイカロス基地の修復へジュドー達が向かう事になった。
稼ぎ場所があるなら飛んでいくと言うのは彼ららしい発想である。
ちなみにプルとプルツーも一緒に行くとの事である。
ヒイロ達はOZ壊滅後、それぞれが行方不明となった。
色々とあるのだろう。
ウッソ達はカサレリアへ戻り、それ以外は地球連合軍へと組み込まれる事となった。
リョウト達は結局軍に残る事になり、月のマオ社へ出向。
タスク達はヒリュウ改にて地球近海の警備へ。
地球ではお察しの通りスーパーロボット組、ハガネ、クロガネである。
スーパーロボット組は各地への復興の手伝い。
国際警察組は元の居場所へ。
スペースナイツは地上で発見されたラダム樹の調査へ。
ナデシコは解体され、それぞれがしていた仕事に戻って行った。
アキトさんはユリカ艦長との結婚を許して貰う為にラーメン修行へ。
ドモンさん達は地球へ散らばったDG細胞の欠片の調査の為、一度アイドネウス島へ。
SRXチームは特脳研とテスラ研を交互に行き来する形となった。
イングラム少佐は事が事なのでしばらくは謹慎措置が決定。
ブリッドとクスハは超機人の調査の為にテスラ研へ。
カーラ達は引き続き、クロガネに搭乗しエルザム少佐の指揮下に。
ラウルさん達は色々と問題あるのでクロガネ預かりとなった。
アクセルさんは本人の希望で軍に所属、そのままATXチームへ配属された。
今後の事もあり、自身の素性を明かした上での決断との事だ。
ラトゥーニは戦技教導隊へ配属、ジャータさん達が抜けた欠員に彼女と同じ同郷の仲間達が加わる事となった。
テンペストお義父さんはギリアム少佐と共に諜報部へ
私はキョウスケ中尉達と共に引き続きATXチームで戦う事にした。
時々、国際警察機構へ出向する事もありますが…
全ての戦いが終わった訳じゃない。
始まったばかりなのだから…
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未だ合流を果たしていない勇者チーム。
彼らは母星解放の目処が経っていないので引き続き地球へ残る事となった。
一部は諸事情で表舞台から消えたり、別行動をしているとブルーロータスから連絡を受けた。
GGGもようやく活動の目処が経ったのでそろそろ例の奴らと鉢合せの時が来るだろう。
一月頃にガルファが月の防衛戦線外を掌握、GEARが本格的に行動を開始した。
パイロットは察しの通りである。
また同じく土星軌道上へ新たな異星人が襲来。
現在の所、動きは見せていない状態だ。
光達は無事に転移した時間軸へ帰還。
今は動きを見せない様にしている。
把握出来ている事はこれが全てである。
次のシナリオは転移騒動と異界騒動である。
気を抜く事は出来ない。
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「ねえ、ハスミ。」
「ん?」
「結局、キョウスケ中尉には本当の事を話したの?」
「話したと言うよりはヒントをあげただけよ。」
「ヒント?」
「理由はどうであれ、私はアカシックレコードとの契約で本当の事を話せない。」
「そうだよね。」
「でもね、この契約には抜けている所があるのよ。」
「へ?」
「直接話す事が出来なくてもヒント程度の記述は許されているって事よ。」
「…そ、そうなんだ。」
「綺麗事だけじゃ世界は救えないもの。」
北米ラングレー基地へ転属となった私達は次の戦闘まで待機の間。
少しながら会話をしていた。
私はハスミの事が心配だ。
かつてDGとして活動していた時にDG細胞を通して視たあの記憶。
あれが真実ならば、ハスミの抱える闇はとても深い。
救った光に支えられ、強大な闇に立ち向かう。
ハスミはそれでバランスを取っている。
きっとセフィーロで手に入れた力もそれが由来だって思った。
ハスミはこれからどんな選択を強いられるのだろう。
私はずっとハスミを支えると決めた。
その選択次第では仲間を裏切る事になるかもしれない。
それでも私はハスミと一緒にいる事を望んだ。
『総員、第一種戦闘配備!繰り返す…』
「ロサ、出撃よ。」
「了解です。」
=第一章・完=
強大な闇、争い、異変。
新たなる戦いの幕開け。
予兆の果てに世界は斬り裂かれる。
次回、幻影のエトランゼ・第二章『異界ノ詩篇』
世界を揺るがす異変の影は全てを覆い尽くす。