幻影のエトランゼ   作:宵月颯

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私は護る為に暗躍する。

どんな事をしてでも…





闇の付箋

時間軸はアースクレイドル脱出直後の頃。

 

私は彼に念話で連絡を取っていた。

 

 

******

 

 

「聞こえますか?」

「待ちくたびれたよ、漸く連絡を取ってくれたのかい?」

 

 

孫光龍は相変わらずのポーカーフェイスでこちらの声掛けに反応した。

 

 

「ええ、こちらも色々とありましたので…」

 

 

あの場所であんなものに出くわすとは思わなかったし。

 

 

「それで要件は?」

「アニムスの花…と言えば判りますか?」

「!?」

 

 

光龍もその花の名を知っていた様で声で反応が判った。

 

 

「…その名を何処で?」

「アースクレイドルの研究施設の一角でその花が栽培されていました。」

「成程、で…何人死んだ?」

「ざっと数十人、あの施設で発見したアルジャーノン発症患者は全員死亡していましたよ。」

「アルジャーノン?」

「この時代ではアニムスの花を開花させる人間をアルジャーノンと呼称しているんです。」

「ふうん…」

 

 

正確にはこの時代での第一発見者の名前を取ってアルジャーノンと呼ばれるのが正しい。

 

 

「それで、今後どうなるかな?」

「アニムスの花が出たと言う事は例の一族も動き始める筈です。」

「ソムニウムの奴らか…」

 

 

遥か古代の地球で誕生したソムニウムの一族。

 

私達は遥か古代の時代に彼らと契約を結んだ。

 

地球を害する存在が現れた時、領域の枠を超えて共闘すると言うモノだ。

 

今回も彼らの脅威となる相手が厄介な為だ。

 

 

「例の場所はどうでした?」

「もぬけの殻だったよ…ただ大量のフラミンゴの死骸と汚染された湖が残っていたけどね。」

「既に封印は解かれたと言う事か…」

「封印?誰かがそこに居たのかい?」

「ええ、封印された存在の名は…カンケル若しくはベストマンと呼ばれる者。」

「完全なる人?随分な名前だね。」

「…しいて言うなら『不老不死』を目指そうとした馬鹿な連中の実験の成れの果てとも言えます。」

「おやおや、相変わらず悪辣だね?」

「真実である以上、否定はしませんよ。」

 

 

しかし、ペルーのアンデスの奥地。

 

あの湖がそう簡単に汚染される筈が…

 

後で少し調べてみるか。

 

 

「それで?そのカンケルとやらはどうするつもりだい?」

「今は復活の兆しがある訳ではないので様子見とするしかありません。」

「ま、僕も君が命令したアインストの殲滅や黒のカリスマ達へのちょっかいで忙しいからね。」

「…その二つももうじき終わりを告げるでしょう。」

 

 

そう、もうすぐ終わりを告げる。

 

そして次なる戦いが待ち受けている。

 

私はただ流れに沿って救える命を引き上げるだけだ。

 

 

「貴方は引き続き先程の命令に従ってください。」

「了解したよ。」

「アルジャーノンに関しては既にビッグファイアも動いている筈です。」

「君といい彼といい仕事が早いねえ。」

「捨て置けば足元を掬われるのは自分ですから。」

「そう言う事にして置くよ。」

「では、次の指示があるまでは先程の行動をお願いします。」

 

 

私は念話を切るとハガネの格納庫に機体を移動させた。

 

そして更なる戦いも始まろうとしていた。

 

=続=

 

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