俺には小さい頃の記憶が無い。正確には、記憶が断片的に欠けていると言った方が正しいのか、何かを忘れている気がすると言った方が正しいのか。
そんな俺にまるで「思い出せ」と言わんばかりに夢を見る事が最近よくある。毎回同じ内容でさらに妙に鮮明な夢なのに、毎回同じ場面で、重要な所だけぼやけたり聞き取れなかったりする。毎晩同じ夢を見せらせ続けると思うと、かなり憂鬱になる。どうせ夢ならもっと俺が望む内容にしてくれよ、夢でもいいからハーレムとか体験してみたいぜ、グフ、グフフ、グヘ、ヘ、へヘ...
小町「...お兄ちゃん、大丈夫?顔が凄いことになってるけど...」
八幡「んぁ? ああ小町大丈夫だ、いつも通りの俺だよ」
小町「いつも通りってそれもっとやばいと思うんだけど...」
おっといけないいけない、俺の愛する可愛くて最高の妹の小町の前でこんなはしたない顔は絶対に出来ん...ん?待てよ、夢の中なら小町とアンナコトやコンナコト...ああ、夜が待ち遠しいぜ!
小町「お、お兄ちゃん?顔が溶けかかってるよ!?」
—―—そして夜。俺は念願の小町ルートを夢の中で体験した...はずもなく、毎度おなじみの過去の記憶(笑)を見始めた。うん、知ってた。
≫燃え盛る家、そしてそのリビングに突っ立っている二人組。会話の内容も少し聞こえない部分があるが、ほとんど聞き取れる。
「くそ、****の野郎め、今度は俺たちの番だっていうのか!まさか子供達を狙うとは、しかも家ごと燃やしただなんて...!あの畜生め、絶対に敵をとってやるからな、****、***!」
「ちょっとあなた!こっちに来て!子供達はまだ息があるわ!」
「なんだと、本当か!?今行く!」
男が女のいる方向へ、物凄い勢いで駆けつける。可哀想に、この一家はきっとマフィアかなんかに狙われたんだろうな。たしか数年前まではラプラスはマフィアの巣窟だったと聞いたしな。これ本当に俺の記憶か?火事になんてなった事、一回もねえぞ?
「......どうやら、***はただ気を失っているだけの様ね、でも...****は彼女を庇ったのか、かなり酷い火傷を負っているわ。これではもうこの子は...」
いつもこの兄?が妹?を庇って重症を負う所で夢は終わる...いつも思うけどなんでこんなの見るんだ、俺は?
「...仕方がない。するぞ。」
...あれ?この夢に"続きがある"だと?
「するってあなたまさか...?」
「ああ、そうだ。*******だ。それしか方法がない。」
「でもあなた、それって大罪じゃ...」
「構わんさ、どうせ**は俺の*だろうしな。」
「わかったわ、なら私も手伝うわ、早くしないと****の...」
「ああ、急いで魔**を**ぞ!」ガリッ
おいおい、一体何が起きているんだ?二人が変に納得しあったと思ったら指を噛んで、血で何かを...あれはまさか魔法陣なのか?赤色に不気味に光りだしたぞ...ってやばい、意識が遠のいて...畜生、最後まで見たかったってのに...なぜこうも都合が悪いんだよ、俺の脳は...
【――大悪魔カロン。 召喚の儀に応じ参上した。さあ、お前は私になにを願う?】
『...どうか、この子を、八幡を、救ってやってくれ!』
【ほう、お前の命でそいつの命を買う、か。ありふれた家族愛で、つまらない願いだが...いいだろう。】
『あの、私からも、一つ、いいかしら?』
【ふむ、その場合はお前が代償を払うこととなるが...】
『構わないわ。私の願いは彼と彼の妹...比企谷小町の記憶を書き換えてほしいの。悪魔との契約の事を、契約を交わした私たち両親の事を、覚えていないようにする為に』
【記憶を、しかも自分の存在を、愛する我が子の為に消す、か?クク、中々に面白いではないか、いいだろう】
【"契約成立"だ】パチンッ
―Episode 0 End―
はい、ご両親がさっそくお亡くなりになられましたぁ!(生きてたとしても多分もう出番は無いけど)
ストーリーは主に被虐のノエルに沿って進んでいくので、この小説はどちらかというとシリアス5、6割のおふざけ+ラブコメ展開が3、4割という感じになるでしょう。
次回はキャラクター紹介です。